アクア木更津
アクア木更津(アクアきさらづ、AQUA-)は、千葉県木更津市富士見のJR木更津駅前にあるショッピングモールである。2015年9月26日にリニューアルされ、現在は「スパークルシティ木更津」(旧:アクア木更津A館)と「アクア木更津B館」の2棟の建物で構成されている。
概要編集
木更津駅の西口に立地しているショッピングモールであり、かつては木更津そごうが営業していたビル内に衣料品店、飲食店、100円ショップのザ・ダイソー(2019年7月に閉店)やコミュニティ放送局のかずさエフエム、場外馬券場のf-keiba木更津などが入居している。
7048平方メートルの敷地に建つ建物は、木更津駅西口の市街地再開発事業により建設された鉄骨鉄筋コンクリート造で地下2階、地上9階、塔屋2階の「スパークルシティ木更津」と、一部鉄筋コンクリート造で地下1階、地上3階のB館からなり、延べ床面積は約4万2679.03平方メートルとなっている[1]。
歴史編集
アインス編集
アクア木更津の前身は、木更津駅西口の市街地再開発事業により建設されたアインスビルにおいて、1988年3月に木更津そごうをキーテナントへ迎えてオープンしたショッピングセンター アインスである。そごうオープン時のキャッチフレーズは「木更津が変わる。夢ふくらむ、大きな そごう」。再開発事業は総事業費として216億円を要しており、木更津市はその内40億円を負担している[2]。2017
木更津そごうは、南房総で唯一の都市型百貨店として市民から親しまれ、最盛期の1991年に189億円の売り上げを記録したものの郊外への大型ショッピングセンター進出などによる影響で、1999年の売り上げは91億円に減少した[3]。
2000年7月13日、木更津そごうが千葉地裁へ自己破産の申請を行って閉店。7月21日に破産宣告を受けており、負債総額は241億300万円であった[4][5]。
またビルを管理していた第3セクターの木更津都市開発も、負債総額74億7000万円を抱えて、2001年12月22日に千葉地裁へ自己破産を申請し、同日破産宣告を受けた[6]。
その頃別の百貨店に出店を打診したが色よい返事がなかった。後々残るテナントについては電気代を節約するため極力同じ階に集約を行った。
撤去費がかかるため「SOGO」のロゴは閉店から2年程度は外壁に残されたままとなっていた。
アクア木更津編集
2003年9月に木更津市が6億円をかけてアインスビルを取得、市から管理・運営の委託を受けた日本総合企画株式会社が約5億円を投じてビルの再建を実施した[7][8]。
2004年4月28日、アインスはアクア木更津と名前を変えてリニューアルオープンした。新たなキーテナントには激安スーパーのマルエイをA館1Fに迎え入れ、またA館6Fには24時間営業の時間消費型会員制複合レジャー施設であるJJCLUB100、A館7Fには100円ショップのザ・ダイソーがオープンした[7][8]。
再建の様子は、2004年5月4日にテレビ東京のドキュメンタリー番組である「日経スペシャル ガイアの夜明け ゴーストタウンに人を呼べ! 〜駅前ビル再生に揺れた200日〜」で放送された[9]。
しかし、新たなキーテナントのマルエイも2009年4月22日に閉店してしまう。またビルの管理・運営を委託されていた日本総合企画は2009年5月18日に東京地裁へ民事再生手続の開始を申し立てて倒産し、負債総額は約150億円であった[10][11]。
2009年12月28日に木更津市は、ビルと土地を売却するために一般競争入札を実施した。契約の条件として、10年間の所有権移転禁止や、2年以内に売り場面積500平方メートル以上の生鮮食料品店を開業させる努力義務などが付されていたものの、予定落札金額の3億9000万円に達する応札が無く、入札は不調に終わった[1][12]。
市は、入札で最高値を提示した有限会社金剛山と個別に交渉し、入札価格に1000万円を足した2億9000万円で売却する随意契約を締結した。有限会社金剛山は大阪市中央区に本社を置く不動産再生事業などを手がける株式会社日本リートの子会社である。売却に伴い、B館3Fの木更津市役所 駅前連絡所と木更津駅前ホールは、2010年9月に閉鎖された[13][12][14][15]。
売却後に行うリニューアルオープンの企画は、新たにビルのコンサルティングを行うこととなった東京都港区の複合商業施設総合コンサルティング業者である株式会社やまきが行った。「上質なゆとりの時間」をキーコンセプトとして、2010年10月にマリンゲート木更津(仮称)としてリニューアルオープンする予定であった[16]。
2010年8月10日、A館1Fに食品スーパーの「生鮮市場木更津」が開店した。株式会社ベルーフがグロッサリー・日配、株式会社テラバヤシが精肉、伊東水産が鮮魚、有限会社マツトウ青果が青果・惣菜を提供する店舗であったが、2013年11月28日から12月7日にかけて各店舗が順次閉店した[15][17]。
2013年4月1日、場外勝馬投票券発売所のf-keiba木更津がB館B1Fにオープンした。周辺環境に与える影響を考慮して千葉県競馬組合では初めての会員制を採用し、床面積561平方メートルの施設内に座席105席と自動発払機6窓、有人払戻機1窓を備える。2015年(平成27年)3月21日からは、「J-PLACE木更津」としてJRA全レース(代替開催除く)の勝馬投票券の発売・払戻(会員制)を始めた[18]。
スパークルシティ木更津編集
金剛山はスパークルへ商号変更、A館の建物についてもリニューアルを行い、2015年9月26日に「スパークルシティ木更津」としてリニューアルオープンした。リニューアルと同時に、7階・8階を木更津市役所の仮庁舎として開業し、1階には木更津のご当地ヒーローである『鳳神ヤツルギ』をコンセプトにした飲食店をオープンしている。また、『鳳神ヤツルギ』の制作会社である「ヤツルギ魂」が「スパークルシティ木更津」のヒーローとして「超電光スパークルZ」が登場しており、2016年2月より千葉テレビ放送で特撮ドラマが放送された。
2018年7月には建物北側にウッドデッキが完成し、定期的にフリーマーケットや木更津ナチュラルバルなどのイベントが行われている。
B館B1Fのライブハウスは2016年以降閉館していたが、地元のアイドルグループC-Styleの活動により、2018年7月1日「ライブハウスOSSA」として営業再開された。
テナント編集
テナントとしては、以下の店舗などが入居している。
スパークルシティ木更津(旧:A館)編集
- B1F - 準備中
- 1F - デイリーヤマザキ(コンビニエンスストア)、小湊鐵道バス案内所
- 2F - ファッション・かずさエフエム
- 3F - 準備中
- 4F - 準備中
- 5F - 木更津公共職業安定所(ハローワーク木更津)
- 6F - 木更津市中央公民館
- 7F - 木更津市役所仮庁舎(市議会議場)
- 8F - 木更津市役所仮庁舎(市長室、総務部、企画部、経済部、監査委員事務局)
- 9F - カラオケレインボー
アクア木更津B館編集
- B1F - 場外勝馬投票券発売所「f-keiba木更津」
- B1F - ライブハウスOSSA
- 1F - 木更津市観光案内所、日東交通バス案内所、千年の宴
- 2F - 魚民ダイニング
- 3F - 木更津市中央公民館
沿革編集
- 1988年3月 - ショッピングセンター アインスとしてオープン、キーテナントは木更津そごう
- 2000年7月13日 - 木更津そごうが閉店
- 2004年4月28日 - アクア木更津としてリニューアルオープン、キーテナントのマルエイ、およびザ・ダイソーやJJCLUB100などが開店
- 2005年
- 7月 - 書店TADAYA(A館B1F)が閉店
- 8月 - LIVE HOUSE 木更津 GRAPH(B館B1F)が開店
- 2009年
- 2010年
- 2012年
- 3月1日 - ダイソーがA館7FからA館1Fへ移転。
- 6月15日 - ガーリック(A館1F)が開店。
- 2013年
- 4月1日 - B館B1Fに船橋競馬場の場外勝馬投票券発売所『f-keiba木更津』が開設[20]。運営主体は株式会社アバンス。
- 11月28日 - 12月7日 - 食の専門店「生鮮市場木更津」各店舗が順次閉店
- 2015年
- 2017年
- 4月15日 - ドトールコーヒーショップ スパークルシティ木更津店(A館1F)が開店
- 2018年
- 7月1日 - B館B1Fの閉館していたライブハウスが「ライブハウスOSSA」として営業再開
- 7月21日 - 木更津市中央公民館がA館6F/B館3Fへ移転
- 8月31日 - ドトールコーヒーショップ スパークルシティ木更津店(A館1F)が閉店[21]
- 2019年
- 7月14日 - ダイソー(A館1階)が閉店
位置編集
脚注編集
- ^ a b 木更津市 「木更津市公告第64号[リンク切れ]」 2009年12月10日。
- ^ 読売新聞 2002年3月22日 東京朝刊 『[木更津市政・残された課題](下)アインスビルの行方(連載)=千葉』
- ^ 読売新聞 2000年7月15日 東京朝刊 『[そごう破たん余波](上)木更津再開発に暗雲(連載)=千葉』
- ^ 読売新聞 2000年7月13日 東京夕刊 『そごう民事再生法申請、3店けさから閉鎖 「木更津」「長野」が破産申請』
- ^ 読売新聞 2000年7月22日 東京朝刊 『木更津そごうに破産宣告 負債額は241億300万円/千葉地裁』
- ^ 読売新聞 2001年12月22日 東京朝刊 『木更津都市開発自己破産 「ビルは廃屋に」 代理人弁護士が見通し=千葉』
- ^ a b 読売新聞 2003年11月30日 東京朝刊 『旧そごう入居ビルの愛称募集 木更津市、1日から=千葉』
- ^ a b 産経新聞 2004年4月14日 東京朝刊 『【市場を拓く】日本総合企画 「アクア木更津」28日にオープン』
- ^ 日経スペシャル ガイアの夜明け : テレビ東京
- ^ 新千葉新聞 2009年5月21日 『管理運営会社が破綻 アクア木更津の日本総合企画㈱ 民事再生法の適用申請[リンク切れ]』
- ^ 東京商工リサーチ:倒産情報(速報)詳細
- ^ a b 毎日新聞 2010年2月9日 地方版/千葉 『アクア木更津:市所有ビル、2億9000万円で売却 /千葉』
- ^ 新千葉新聞 2010年1月27日 『アクアビル譲渡を可決 木更津臨時市議会で承認 大阪の(有)金剛山へ[リンク切れ]』
- ^ 木更津市議会 平成22年1月臨時会(第1号) 木更津市総務部長答弁
- ^ a b 新千葉新聞 2010年8月5日 『『生鮮市場木更津』8月10日オープン「アクア木更津ビル」駅前連絡所は、たちより館へ[リンク切れ]』
- ^ 新千葉新聞 2010年3月28日 『仮称「マリンゲート木更津」「アクア木更津ビル」10月RNオープンへ[リンク切れ]』
- ^ アクア木更津 » Blog Archive » 生鮮市場木更津閉店のお知らせ Archived 2014年1月19日, at the Wayback Machine.
- ^ 「エフケイバ木更津」におけるJRA勝馬投票券の発売開始について
- ^ キャスト紹介&日記 | JJ CLUB 100 【木更津店】
- ^ 木更津場外勝馬投票券発売所「f-keiba木更津」のオープンについて (PDF) - 船橋ケイバ・2013年2月8日
- ^ “木更津駅西口にある「ドトールコーヒーショップ スパークルシティ木更津店」が8月31日(金)閉店” (日本語). 木更津のことなら、きさらづレポート【きさレポ】. 2018年11月5日閲覧。