アンドレルトン・シモンズ

キュラソーの野球選手 (1989 - )

アンドレルトン・A・シモンズAndrelton A. Simmons, 1989年9月4日 - )は、オランダ領アンティルキュラソー島ムンドノボ出身の元プロ野球選手遊撃手)。右投右打。愛称はシンバ[1]シモーン[2]

アンドレルトン・シモンズ
Andrelton Simmons
ロサンゼルス・エンゼルス時代
(2018年6月29日)
基本情報
国籍 オランダの旗 オランダ
出身地 オランダ領アンティルの旗 アンティル自治領ムンドノボ(現:キュラソーの旗 キュラソー
生年月日 (1989-09-04) 1989年9月4日(34歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
195 lb =約88.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 遊撃手
プロ入り 2010年 MLBドラフト2巡目
初出場 2012年6月2日
最終出場 2022年7月10日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム オランダの旗 オランダ
WBC 2013年2017年2023年

経歴 編集

プロ入り前 編集

オランダ領アンティルキュラソー島で生まれ、同郷のアンドリュー・ジョーンズに憧れて育った[3]。ユースチームでは、ケンリー・ジャンセンディディ・グレゴリウスとチームメイトだった。

ウエスタンオクラホマ州立大学英語版在学中には投手として最速98マイル(約157.7km/h)を計測[4]

プロ入りとブレーブス時代 編集

 
アトランタ・ブレーブス時代
(2014年5月22日)

2010年MLBドラフト2巡目(全体70位)でアトランタ・ブレーブス遊撃手として指名され[5]、プロ入り。この年は傘下のアパラチアンリーグのルーキー級ダンビル・ブレーブス英語版でプレーした。

2011年にはA+級リンチバーグ・ヒルキャッツでプレーし、打率.311でカロライナリーグの首位打者を獲得した[4]

2012年はAA級ミシシッピ・ブレーブスで開幕を迎え、6月2日のワシントン・ナショナルズ戦でメジャーデビューを果たした。6月は打率.330、3本塁打、14打点を記録してルーキー・オブ・ザ・マンスに選出される[6]。7月8日のフィラデルフィア・フィリーズ戦でヘッドスライディングをした際に右手小指骨折[7]、約2ヶ月戦列から離れた。オフにテキサス・レンジャーズからマイク・オルトとのトレードを打診されたが、ブレーブスは即座に拒否した[8][9]

2013年開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)オランダ代表に選出された[10][11]。大会では、「1番・遊撃手」としてプレーしてチームの準決勝進出に貢献した。シーズンでは史上最高値となる守備防御点(DRS)+41を記録し、フィールディング・バイブル・アワードゴールドグラブ賞を受賞した[12]。また。プラチナ・ゴールド・グラブも受賞している。

2014年2月20日にブレーブスと総額5800万ドルの7年契約に合意した[13][14]。シーズンでは、2年連続でフィールディング・バイブル・アワードとゴールドグラブ賞を受賞した。

エンゼルス時代 編集

2015年11月12日にエリック・アイバーショーン・ニューカムクリス・エリス英語版+金銭とのトレードで、ホセ・ブリセーニョと共にロサンゼルス・エンゼルスへ移籍した[15]

2016年はルーキーイヤー以来の規定打席未達ながら124試合に出場。打率.281、4本塁打、44打点、出塁率.324を記録。オフの12月5日に第4回WBCオランダ代表に選出され、2大会連続2度目の選出を果たした[16]

2017年開幕前に選出されていた第4回WBCに参加し、全7試合に出場して打率.344(32打数11安打)、3打点などの成績でベスト4に貢献した。シーズンでは、158試合に出場し、打率.278、14本塁打、69打点、19盗塁を記録。守備でも自身3度目のゴールドグラブ賞を受賞し、遊撃手として両リーグで受賞したのは、オマー・ビスケルオーランド・カブレラに次ぐ史上3人目となった[17]MVP投票では8位に入った。

2018年は攻守の活躍からマイク・トラウトと共に上位打線に固定されキャリアハイの打率.292、75打点を記録し、自身4度目となるゴールドグラブ賞を獲得。また6度目のフィールディング・バイブル・アワードを獲得し、ヤディアー・モリーナに並ぶ歴代最多タイの受賞となった。

2019年は5月20日のミネソタ・ツインズ戦で左足首の捻挫を負い、約1ヶ月離脱した[18]。復帰後も同箇所を痛め、8月4日に再び故障者リスト入り[19]。8月後半に復帰するも調子を落とし、103試合の出場で打率.264、7本塁打、40打点に留まった。規定試合数に到達しなかったこともあり、守備の各賞を逃した。

2020年は再び左足首を負傷し30試合の出場に留まった。打撃成績は打率.297、10打点だった。オフの11月1日にFAとなった[20]

ツインズ時代 編集

2021年1月31日にミネソタ・ツインズと1050万ドルの単年契約を結んだ[21]。この年は131試合に出場したが、打率、出塁率、長打率、OPSがいずれもキャリアワーストに終わった。オフの11月3日にFAとなった。

カブス時代 編集

2022年3月15日にシカゴ・カブスと400万ドルの単年契約を結んだ[22][23]。しかし右肩を2度痛めて35試合の出場に留まり、打率.173、0本塁打、7打点と打撃成績も低調。8月6日にDFAとなり7日に自由契約となった[24]

カブス退団後 編集

2023年3月に開催された第5回WBCオランダ代表として3大会連続で出場した[25]。また6月には中央アメリカ・カリブ海競技大会野球競技キュラソー代表で出場した。この年はいずれのプロ球団でもプレーすることはなかった。12月28日、自身のSNS上において現役引退を発表した[26]

人物 編集

オランダ語スペイン語英語パピアメント語フランス語を話すことができる[27]

選手としての特徴 編集

強肩好守の選手として知られる。送球の最速は98マイル(約158キロ)を記録し、守備範囲も広く、2017年にDRS+41、通算DRS+201と驚異的な指標を記録している[要出典]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2012 ATL 49 182 166 17 48 8 2 3 69 19 1 0 0 3 12 1 1 21 5 .289 .335 .416 .751
2013 157 658 606 76 150 27 6 17 240 59 6 5 5 4 40 1 3 55 16 .248 .296 .396 .692
2014 146 576 540 44 132 18 4 7 179 46 4 5 2 2 32 4 0 60 25 .244 .286 .331 .617
2015 147 583 535 60 142 23 2 4 181 44 5 3 1 2 39 6 6 48 19 .265 .321 .338 .660
2016 LAA 124 483 448 48 126 22 2 4 164 44 10 1 1 4 28 0 2 38 16 .281 .324 .366 .690
2017 158 647 589 77 164 38 2 14 248 69 19 6 0 8 47 0 3 67 20 .278 .331 .421 .752
2018 146 600 554 68 162 26 5 11 231 75 10 2 1 5 35 2 5 44 17 .292 .337 .417 .754
2019 103 424 398 47 105 19 0 7 145 40 10 2 0 0 24 1 2 37 21 .264 .309 .364 .673
2020 30 127 118 19 35 7 0 0 42 10 2 0 0 0 8 0 1 16 5 .297 .346 .356 .702
2021 MIN 131 451 412 37 92 12 0 3 113 31 1 0 3 1 32 0 3 62 14 .223 .283 .274 .558
2022 CHC 35 85 75 8 13 1 0 0 14 7 4 0 3 0 7 0 0 13 5 .173 .244 .187 .431
MLB:11年 1226 4816 4441 501 1169 201 23 70 1626 444 72 24 16 29 304 15 26 461 163 .263 .312 .366 .678

年度別守備成績 編集



遊撃(SS) 二塁(2B)
























2012 ATL 49 67 158 3 31 .987 -
2013 156 240 499 14 94 .981 -
2014 146 217 411 14 99 .978 -
2015 147 235 444 8 126 .988 -
2016 LAA 124 198 337 10 82 .982 -
2017 158 235 436 14 99 .980 -
2018 145 228 372 10 114 .984 -
2019 102 137 276 11 56 .974 -
2020 30 25 71 4 10 .960 -
2021 MIN 131 167 322 12 67 .976 -
2022 CHC 18 14 36 1 5 .980 18 16 20 0 5 1.000
MLB 1206 1763 3362 101 783 .981 18 16 20 0 5 1.000

表彰 編集

背番号 編集

  • 19(2012年 - 2015年、2022年)
  • 2(2016年 - 2020年)
  • 9(2021年)

代表歴 編集

脚注 編集

  1. ^ Explaining Angels Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  2. ^ Halos excited to take part in Players Weekend MLB.com (英語) (2017年8月16日) 2017年8月25日閲覧
  3. ^ Simmons relishes chance to see boyhood idol Jones
  4. ^ a b Southern notes: Braves love Simmons MiLB.com
  5. ^ Atlanta Braves 2010 Draft Selections MLB.com (英語) 2017年11月12日閲覧
  6. ^ Simmons named NL rookie of the month – updated
  7. ^ ブ軍有望新人シモンズが右手小指骨折 日刊スポーツ 2012年7月10日
  8. ^ レンジャーズはシモンズを獲得後、アリゾナ・ダイヤモンドバックスジャスティン・アップトンとの交換要員とする構想を持っていた
  9. ^ Braves Turned Down Simmons-For-Olt Trade MLB Rumors
  10. ^ 2013 Tournament Roster WBC公式サイト (英語) 2015年3月20日閲覧
  11. ^ Simmons off to WBC; Braves excited, sloppy in loss
  12. ^ Anthony DiComo (2013年10月2日). “With Gold Glove defense, Simmons' value unmatched”. MLB.com. http://m.mlb.com/news/article/62350062 2015年11月13日閲覧。 
  13. ^ “Braves Agree to Terms with Shortstop Andrelton Simmons on Seven-Year Contract”. Braves Press Release. MLB.com. (2014年2月20日). http://m.mlb.com/news/article/68008506 2015年11月13日閲覧。 
  14. ^ Mark Bowman (2014年2月20日). “Braves lock up Simmons with seven-year deal”. MLB.com. 2015年11月13日閲覧。
  15. ^ Alden Gonzalez (2015年11月12日). “Baldoquin's path unclear after Simmons trade”. MLB.com. http://m.mlb.com/news/article/157213738/andrelton-simmons-trade-could-block-baldoquin 2015年11月13日閲覧。 
  16. ^ 24 All-Stars among initial confirmed players for 2017 World Baseball Classic MLB.com Press Release (英語) (2016年12月5日) 2016年12月15日閲覧
  17. ^ Maria Guardado (2017年11月7日). “Angels' Maldonado, Simmons win Gold Gloves” (英語). MLB.com. 2018年2月17日閲覧。
  18. ^ エンゼルス・シモンズ、左足首捻挫で復帰は来月以降か 指揮官は「大きな痛手」”. ベースボールチャンネル. 2019年12月20日閲覧。
  19. ^ エンゼルス苦境 攻守の要シモンズ、勝ち頭ペーニャら3人負傷者リスト入り”. www.sponichi.co.jp. 2019年12月20日閲覧。
  20. ^ 2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月2日閲覧。
  21. ^ Twins Sign Andrelton Simmons” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年1月31日閲覧。
  22. ^ Press release: Cubs agree with Andrelton Simmons on a Major League contract”. www.mlb.com. 2022年3月15日閲覧。
  23. ^ Andrelton Simmons Cubs deal”. www.mlb.com. 2022年3月15日閲覧。
  24. ^ Jesse Rogers (2022年8月6日). “Chicago Cubs designate veteran SS Andrelton Simmons for assignment”. ESPN.com. 2023年12月29日閲覧。
  25. ^ JACK VITA (2023年3月27日). “Kingdom of the Netherlands 2023 World Baseball Classic Roster”. si.com. 2023年12月29日閲覧。
  26. ^ 守備の名手でゴールドグラブ賞4度のシモンズが34歳で引退 エンゼルスでは大谷とプレー”. スポーツニッポン (2023年12月29日). 2023年12月29日閲覧。
  27. ^ 週刊ベースボール 11月16日発売号 79頁
  28. ^ “フィールディング・バイブル賞発表 統計学を基に守備の名手を選出”. スポニチアネックス. (2016年11月1日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/11/01/kiji/K20161101013642800.html 2016年11月1日閲覧。 

関連項目 編集

外部リンク 編集