シラキ
シラキ（白木[7]、学名：Neoshirakia japonica）は、トウダイグサ科シラキ属に分類される落葉小高木の1種[8][9]。和名は材が白いことに由来する[8][10]。別名がシロキ[9]、アツバシラキ、オオバシラキ[2]。
| シラキ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 分類（APG III） | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Neoshirakia japonica (Siebold et Zucc.) Edwards[1] (1998)[2] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| シラキ |
1954年に Shirakia属に入れられたが、不正な命名であることが判明してShirakia属の種は、シラキ属、Shirakiopsis 属、ナンキンハゼ属（Triadica）に分けられた。シラキ属はシラキ一種のみの単型である。
特徴 編集
樹高は5 - 9 メートル (m)[8]。幹は直径10 - 30 センチメートル (cm)[8]。全株無毛[10]。樹皮は灰褐色または灰白色でなめらかで縦すじが入り[11]、老木では縦に細く浅い裂け目がある[9]。枝や葉を切ると白い乳液が出る[8][10]。葉はカキノキに似た形で[11]、単葉で互生し、葉身は卵状楕円形、先端は鋭く尖り、長さ7 - 13 cm、幅6 - 11 cm[9]、全縁で縁は波打つことがあるが、鋸歯はない[7]。葉の形状に変異が著しい[12]。葉の表面には多少光沢があり[12]。葉の裏面は薄緑白色で無毛で[9]、葉脈が隆起し、葉縁近くの葉脈上に腺が散在する[12]。葉身の基部は切形、葉柄は長さ1 - 2.5 cm、葉身の基部または葉柄が葉身につく部分に腺点がある[9]。托葉は狭長楕円形で長さ1 - 2 cmで、落ちやすい[13]。若い葉柄は紫色を帯び、葉は秋に美しく黄色から橙色、赤色に紅葉する[8]。知名度は低いが紅葉の美しさはトップクラス[7]。
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樹皮は灰褐色または灰白色でなめらかで縦すじが入る -
左上：葉はカキノキに似た形で、表面に多少光沢がある
右上：赤色に紅葉した葉
左下：黄色に紅葉した葉
右下：葉の裏面の葉脈が隆起する
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花は単性で雌雄同株[14]。若枝に長さ5 - 10 cmの総状花序を出し、花序の上部に多数の黄色の雄花を付け、基部に1-3個の雌花を付けるが[8]、雌花を欠くこともある[9]。雄花の花柄の長さは2.5 - 3 ミリメートル (mm)[9]、雄花に花弁はなく、萼片は2 - 3個で[15]皿状で、2-3個の雄蕊があり、花糸は短くて基部で合着する[8]。雌花に花弁はなく、柄の長さは約7 mm、萼は2 - 3個で3裂して長さ1 mmほど、子房は2 - 3室[15]、花柱は3個で基部が合着する[9]。花期は5 - 7月[9]。果実は直径1.8 cmの三角状球形の蒴果で先端に花柱が残り[9]、3稜がある[11]。果実は10 - 11月に黒褐色に熟し3つに裂け、白い糸で3個の種子をぶら下げる[8]。種子は直径8 mmの扁球形で、薄黄色に黒い斑紋が入り、細かなしわがあり、約50パーセントの油分を含む[8]。冬芽は三角形で尖る[11]、仮頂芽は長さ3 - 5 mmの長三角形、芽鱗は2個、無毛[15]。葉痕は半円形で大きく、維管束痕は3個[15]。葉痕の角に托葉痕がある[15]。
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総状花序を出し、花序の上部に多数の黄色の雄花を付け、基部に1-3個の雌花を付けるが、雌花を欠くこともある -
左上：若い果実
右上：3個の雌花をつけた花後の若い果実、三角状球形の蒴果で先端に花柱が残る
左下：熟した果実
右下：落下した若い果実
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分布と生育環境 編集
用途 編集
庭木や公園樹として植栽されている[9]。木材は器具材、細工物、薪炭などに利用されている[8]。かつては種子の油をしぼって、食用油、灯油、塗料、整髪料などに利用されていた[8][13]。
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樹皮が剥がれたシラキの幹、木材は器具材などに利用されている。和名は材が白いことに由来する。
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種の保全状況評価 編集
脚注 編集
- ^ William Henry Edwards or シデナム・エドワーズ
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Neoshirakia japonica (Siebold et Zucc.) Esser シラキ（標準）”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2023年12月19日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Sapium japonicum (Siebold et Zucc.) Pax et K.Hoffm. シラキ（シノニム）”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2023年12月19日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Triadica japonica (Siebold et Zucc.) Baillon f. macrophylla Hurus. シラキ（シノニム）”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2023年12月19日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Triadica japonica (Siebold et Zucc.) Baillon シラキ（シノニム）”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2023年12月19日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Sapium japonicum (Siebold et Zucc.) Pax et K.Hoffm. var. ryukyuense Masam. シラキ（シノニム）”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2023年12月19日閲覧。
- ^ a b c 林将之 (2008), p. 39
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 林弥栄 (2011), p. 384
- ^ a b c d e f g h i j k l m 菱山 (2011), p. 159
- ^ a b c d e f 牧野・本田 (1982), p. 283
- ^ a b c d 林将之 (2017), p. 95
- ^ a b c 田中 (2008), p. 222
- ^ a b 太田ほか (2000), p. 195
- ^ 馬場 (2009), p. 253
- ^ a b c d e 太田ほか (2000), p. 194
- ^ “環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2020年4月24日閲覧。
- ^ “「秋田県の絶滅のおそれのある野生生物 秋田県版レッドデータブック2014－維管束植物－」の発刊について”. 秋田県. 2020年4月24日閲覧。
- ^ “掲載種リスト” (PDF). 沖縄県. pp. 81. 2020年4月24日閲覧。
- ^ “植物準絶滅危惧（784種）（平成27年度改訂）”. 鹿児島県 . 2020年4月24日閲覧。
参考文献 編集
- 太田和夫、勝山輝男、高橋秀男、茂木透他『樹に咲く花―離弁花〈2〉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉、2000年10月1日。ISBN 978-4635070041。
- 菱山忠三郎（監修） 編『樹皮・葉でわかる樹木図鑑』成美堂出版、2011年6月。ISBN 978-4415310183。
- 田中啓幾『落葉樹の葉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑12〉、2008年6月6日。ISBN 978-4635070249。
- 馬場多久男『花実でわかる樹木 951種の検索』信濃毎日新聞社、2009年1月1日。ISBN 978-4784070930。
- 林将之『秋の樹木図鑑 (紅葉・実・どんぐりで見分ける400種)』廣済堂出版、2017年9月12日。ISBN 978-4331521267。
- 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4635070324。
- 林将之『樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑14〉、2014年4月15日。ISBN 978-4635070324。
- 林弥栄『日本の樹木』（増補改訂新版）山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2011年11月30日。ISBN 978-4635090438。
- 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑』北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZE。 NCID BN00811290。全国書誌番号:85032603。
外部リンク 編集
- シラキの標本 国立科学博物館標本・資料統合データベース
- シラキの標本（島根県鹿足郡 で1991年6月に採集） 島根大学生物資源科学部生物科学科秋廣高志研究室
- シラキの標本（1986年4月に同定） 牧野標本館
- シラキ 筑波実験植物園
- シラキ 国土交通省近畿地方整備局六甲砂防事務所
- シラキ 日光植物園
- シラキ 広島大学デジタル自然史博物館
- Neoshirakia japonica (Siebold & Zucc.) Esser （The Plant List）（英語）
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