ジェフ・サマージャ

セルビア系アメリカ人の野球選手 (1985 - )

ジェフリー・アラン・サマージャJeffrey Alan Samardzija , 1985年1月23日 - )は、アメリカ合衆国インディアナ州ハミルトン郡メリルビル英語版出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。愛称は、「Shark(シャーク)」[1]

ジェフ・サマージャ
Jeff Samardzija
サンフランシスコ・ジャイアンツ時代
(2018年5月8日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 インディアナ州ハミルトン郡メリルビル英語版
生年月日 (1985-01-23) 1985年1月23日(39歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2006年 MLBドラフト5巡目
初出場 2008年7月25日
最終出場 2020年9月25日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入りとカブス時代 編集

 
シカゴ・カブス時代
(2013年6月29日)

ノートルダム大学ではアメリカンフットボールワイドレシーバーとしてオール・アメリカンに選ばれ、NFLのドラフト1巡目指名が確実視されていた。しかし、2006年MLBドラフト5巡目(全体149位)でシカゴ・カブスが指名し、最大で7年1650万ドルの大型契約を結んだ。NFLとの掛け持ちも考えられたが、2007年1月に野球への専念を宣言した[2]

2008年7月25日のフロリダ・マーリンズ戦で2番手として登板し、メジャーデビューを果たした。その後はしばらく伸び悩んだが、2011年は中継ぎとして75試合に登板し、防御率2.97、13ホールドの好成績を残した。

2012年から先発に転向した。2013年2014年開幕投手を務めた。

2014年2月8日にカブスと534万5000ドルの1年契約に合意した[3]。開幕後は17試合に登板し、2勝7敗、防御率2.83だった。

アスレチックス時代 編集

2014年7月5日にアディソン・ラッセルビリー・マッキニーダン・ストレイリーとのトレードで、ジェイソン・ハメルと共にオークランド・アスレチックスへ移籍した[4]。7月にはオールスターゲームナショナルリーグの選手として初選出されたが、上記の通りアメリカンリーグのアスレチックスに移籍したためベンチ入りはできるが、辞退扱いとなった。

ホワイトソックス時代 編集

 
シカゴ・ホワイトソックス時代
(2015年4月27日)

2014年12月9日にマーカス・セミエンクリス・バシットジョシュ・フェグリーランヘル・ラベロとのトレードで、マイケル・イノアと共にシカゴ・ホワイトソックスへ移籍した[5]。12月16日に同時期に入団したメルキー・カブレラデビッド・ロバートソンと共に入団会見を行った。背番号は、「29」に決まった[6]

2015年開幕投手を務めた。4月23日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で、乱闘を起こし退場処分を受け[7]、25日にMLBよりクリス・セールと共に5試合の出場停止処分を受けた[8][9]。この年は、先発ローテーションを守って、チーム最多の214.0イニングに投げたが、被安打・失点・被本塁打の3部門でリーグワースト(ないしタイ)になった。一方で、リーグ1位タイの2完封勝利を挙げるなど、不安定なシーズンだった。11月2日にFAとなった[10]

ジャイアンツ時代 編集

2015年12月5日にサンフランシスコ・ジャイアンツと総額9000万ドルの5年契約で合意し[11]、9日に正式に契約した[12]

2016年は前年同様、年間を通して先発ローテーションを守り、自己最多の12勝(11敗)、防御率3.81、167奪三振、WHIP1.20の成績だった。古巣カブスとの顔合わせとなったディビジョンシリーズでは第2戦に先発したものの、相手先発のカイル・ヘンドリックスに2点タイムリーを浴びるなど2回4失点で敗戦投手となり、先発としての役割を果たすことはできなかった。チームは1勝3敗でディビジョンシリーズ敗退に終わった。

2017年も先発ローテーションの一員としてリーグ最多の207.2イニングを投げ、3年ぶりの200奪三振を達成したが、地区最下位に沈んだチーム状況もあって9勝、リーグ最多の15敗を喫し、防御率も4.42に終わるなどあまり芳しくない成績に終わった。

2018年は胸筋を痛め、故障者リスト入りして開幕を迎えた。4月下旬に復帰したが調子は上がらず、7月15日に肩の故障で離脱すると、そのままシーズンを終えた。10先発で1勝5敗、防御率6.25だった。

2019年5月5日のシンシナティ・レッズ戦でエウヘニオ・スアレスジェシー・ウィンカーデレク・ディートリックに対して3球での3者連続本塁打を浴びた(ただし、スアレスの打席は2球目)[13]。この年は開幕から離脱することなくローテーションを守り、32先発で11勝12敗、防御率3.52の成績を残した。

2020年9月26日に40人枠から外れ[14]、同日に自由契約となった[15]

選手としての特徴 編集

スリークォーターから最速99.8mph(約160.6km/h)、平均94.5mph(約152km/h)の速球(フォーシームツーシーム)を中心に、スライダーカッタースプリッターを使用する。決め球はスプリッター[16][17]

打者としては通算打率.126(350打数44安打)・14二塁打・3本塁打・33犠打などの成績を残し、2017年6月16日には約136メートルの本塁打を記録した[18]

姓の「Samardzija」はサマージャ(suh-mar-juh)と発音し、真ん中のdziは発音しない。

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2008 CHC 26 0 0 0 0 1 0 1 3 1.000 124 27.2 24 0 15 2 1 25 2 0 12 7 2.28 1.41
2009 20 2 0 0 0 1 3 0 1 .250 161 34.2 46 7 15 1 1 21 2 0 29 29 7.53 1.76
2010 7 3 0 0 0 2 2 0 0 .500 100 19.1 21 4 20 1 2 9 1 0 22 18 8.38 2.12
2011 75 0 0 0 0 8 4 0 13 .667 380 88.0 64 5 50 3 5 87 8 0 35 29 2.97 1.30
2012 28 28 1 0 0 9 13 0 0 .409 723 174.2 157 20 56 2 4 180 10 0 79 74 3.81 1.22
2013 33 33 2 1 1 8 13 0 0 .381 914 213.2 210 25 78 3 8 214 11 0 109 103 4.34 1.35
2014 17 17 0 0 0 2 7 0 0 .222 449 108.0 99 7 31 3 6 103 6 0 44 34 2.83 1.20
OAK 16 16 2 0 2 5 6 0 0 .455 430 111.2 92 13 12 0 4 99 4 0 42 39 3.14 0.97
'14計 33 33 2 0 2 7 13 0 0 .500 879 219.2 191 20 43 3 10 204 10 0 16 13 2.99 1.06
2015 CWS 32 32 2 2 1 11 13 0 0 .458 910 214.0 228 29 49 0 12 163 5 0 122 118 4.96 1.29
2016 SF 32 32 1 0 1 12 11 0 0 .522 829 203.1 190 24 54 4 1 167 2 0 88 86 3.81 1.20
2017 32 32 1 1 1 9 15 0 0 .375 847 207.2 204 30 32 1 6 205 2 0 107 102 4.42 1.14
2018 10 10 0 0 0 1 5 0 0 .167 207 44.2 47 6 26 1 2 30 2 0 32 31 6.25 1.63
2019 32 32 0 0 0 11 12 0 0 .478 740 181.1 152 28 49 4 6 140 5 0 78 71 3.52 1.11
2020 4 4 0 0 0 0 2 0 0 .000 77 16.2 21 7 4 0 2 6 0 0 19 18 9.72 1.50
MLB:13年 364 241 9 4 6 80 106 1 17 .430 6891 1645.1 1555 205 491 25 60 1449 60 0 818 759 4.15 1.24
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績 編集



投手(P)












2008 CHC 26 3 4 0 0 1.000
2009 20 4 4 1 0 .889
2010 7 2 1 0 0 1.000
2011 75 2 12 1 1 .933
2012 28 13 25 2 1 .950
2013 33 23 16 3 2 .929
2014 17 15 12 3 1 .900
OAK 16 3 10 0 1 1.000
'14計 33 18 22 3 2 .930
2015 CWS 32 7 14 0 2 1.000
2016 SF 32 7 18 1 1 .962
2017 32 12 32 1 1 .978
2018 10 3 3 0 0 1.000
2019 32 8 9 1 0 .944
2020 4 3 1 0 0 1.000
MLB 364 105 161 13 10 .953
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録 編集

背番号 編集

  • 29(2008年 - 2020年)

脚注 編集

  1. ^ Giants Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧
  2. ^ Cubs sign Samardzija to five-year, $10 million deal
  3. ^ Carrie Muskat (2014年2月8日). “Samardzija, Cubs settle, avoid arbitration”. MLB.com. 2014年2月9日閲覧。
  4. ^ A's Acquire Starting Pitchers Jeff Samardzija, Jason Hammel”. MLB.com A's Press Release (2014年7月5日). 2014年7月6日閲覧。
  5. ^ White Sox reportedly acquire Samardzija from A's
  6. ^ White Sox unveil Samardzija, Robertson, Melky
  7. ^ Tensions boil over in Royals-White Sox fracas MLB.com (英語) (2015年4月24日) 2015年5月8日閲覧
  8. ^ Sale, Samardzija suspended following fracas MLB.com 英語 (2015年4月26日) 2015年5月8日閲覧
  9. ^ ロイヤルズとホワイトソックス 乱闘騒動で6人が出場停止スポーツニッポン(2015年4月26日) 2015年5月5日閲覧
  10. ^ Transactions | whitesox.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月3日閲覧。
  11. ^ Chris Haft (2015年12月5日). “Tigers ink Zimmermann to five-year deal” (英語). MLB.com. http://m.mlb.com/news/article/158892568/giants-jeff-samardzija-agree-to-contract 2015年12月7日閲覧。 
  12. ^ “Samardzija, Giants finalize 5-year, $90 million deal” (英語). AP通信. FOX Sports. (2015年12月9日). http://www.foxsports.com/mlb/story/san-francisco-giants-jeff-samardzija-free-agent-contract-hot-stove-finalize-chicago-white-sox-120915 2015年12月12日閲覧。 
  13. ^ 3球で3発!ジ軍投手、立ち上がりに3者連続本塁打浴びる”. サンケイスポーツ (2019年5月6日). 2021年6月27日閲覧。
  14. ^ Maria Guardado (2020年9月26日). “Samardzija DFA'd after final Giants start” (英語). MLB.com. 2020年9月26日閲覧。
  15. ^ Giants Place Jeff Samardzija On Release Waivers” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月27日閲覧。
  16. ^ FanGraphs Jeff Samardzija Pitch FX”. Fangraphs.com. 2014年9月27日閲覧。
  17. ^ Player Card: Jeff Samardzija”. Brooks Baseball. Baseball Prospectus. 2015年12月12日閲覧。
  18. ^ Giants' Jeff Samardzija hits long home run” (英語). MLB.com (2017年6月17日). 2021年6月27日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集