タンジェリン・ドリーム

タンジェリン・ドリームTangerine Dream)は、ドイツ出身のクラウト・ロックバンド

タンジェリン・ドリーム
Tangerine Dream
Tangerine Dream - Elbphilharmonie Hamburg 2018 05.jpg
ドイツ・ハンブルク公演(2018年2月)
基本情報
出身地 ドイツの旗 ドイツ西ベルリン
ジャンル クラウト・ロック
電子音楽
プログレッシブ・ロック
スペース・ロック
ニューエイジ・ミュージック
アンビエント
現代音楽
活動期間 1967年 – 現在
レーベル Ohr
Virgin
Jive Electro
Private Music
Miramar
TDI
Eastgate
Sequel/Castle
公式サイト tangerinedream-music.com
メンバー トーステン・クァエシュニング
ウルリッヒ・シュナウス
山根星子
旧メンバー エドガー・フローゼ
クリストファー・フランケ
ペーター・バウマン
ほか別記参照

プログレッシブ・ロックのメジャーシーンで成功し、「電子音楽」「ニューエイジ」「アンビエント」など現代音楽の分野で足跡を残した。2015年に主宰エドガー・フローゼが死去。残されたメンバーが遺志を引き継ぎ活動継続している。

目次

略歴編集

 
創設者エドガー・フローゼ (2007年)

[1]エドガー・フローゼは1944年ドイツティルジット(現在はロシア領)で生まれた。彼は1962年ベルリン・アカデミーに入学し、同年前身となるロック・バンド「ザ・ワンズ」を結成。1967年にはシュールレアリスムの画家サルバドール・ダリとコラボレーションを行っている。 同年ザ・ワンズを解散し、新たにタンジェリン・ドリームを結成。1969年にメンバーを一新し、クラウス・シュルツェコンラッド・シュニッツラー、エドガーというメンバーでオール(Ohr)レーベルと契約。翌1970年、ファーストアルバム『エレクトロニック・メディテイション』(Electronic Meditation)をリリース。後年の視点からするとさほど電子的とは言えないが、エレクトロニクス処理を施したギター・オルガン・チェロ・フルート・ドラムなどによるフリーミュージックを演奏している。

このあと、クラウス・シュルツとコンラッド・シュニッツラーは脱退。エドガーはアジテーション・フリーAgitation Free)のクリストファー・フランケスティーブ・シュローダーをスカウトしてメンバーを補充。その後すぐにシュローダーはジ・アンツのペーター・バウマンと交代。このころから現代音楽家のトーマス・ケスラーの影響を受け、急速に電子音楽化している。1971年アルファ・ケンタウリ』(Alpha Centauri)、1972年ツァイト』(Zeit)、1973年アテム』(Atem)をリリース。いずれも現代音楽的で難解な作品だが、1972年末のドイツの『サウンズ』誌の人気投票で最優秀グループに選ばれている。また、『アテム』は当時のイギリスの人気ラジオDJのジョン・ピールにプッシュされて話題となり、イギリスの新興プログレ・レーベルのヴァージン・レコードと契約し、世界規模で再デビューした[2]

1974年フェードラ』(Phaedra)、1975年ルビコン』(Rubycon)をリリース。ミュージックシーケンサーを全面的に使った最初期のポップミュージック作品であり、当時行き詰まりつつあったプログレッシブ・ロック・シーンに新風を吹き込んだと評された。しかしその後のグループの歩みは必ずしも順風満帆とはいえない。

1976年の『浪漫』(Stratosfear)からは、リズム・メロディ・ハーモニーという伝統的な音楽語法に回帰し、従来のファンを戸惑わせた。しかし、のちに広く認知されたタンジェリン・ドリームの音楽スタイルは、ここから出発したといえる。

1977年ウィリアム・フリードキン監督の映画『恐怖の報酬』のサントラを担当し、高く評価された。1980年代にはサントラの仕事がメインのようになり、ホラー・SF系の映画のサントラをさかんに手がけ、その典型的なスタイルを作った。

ライブコンサートを数多くこなし、演奏を繰り返すうちに曲を練り上げるという「半即興」スタイルをとった。

ヴァージン・レコードとの契約は1983年の『ハイパーボリア』(Hyperborea)で終了。そのあとは、ジャイブ・エレクトロ、プライベート・ミュージック、ミラマー、TDI(自主レーベル)というレーベルを渡り歩いている。

1987年に主要メンバーであったクリストファー・フランケが脱退。1990年にエドガーの息子ジェローム・フローゼが加入し、しばらく父子のふたりで活動していたが、いまは息子もグループを離れている。

2011年より、日本の女性ヴァイオリニスト・山根星子が加入[3]。「THE ISLAND OF THE FAY」に収録されている「Fay Wewitching the Moon」での即興演奏が話題となる。

2015年1月20日、主宰エドガー・フローゼがウィーンにて肺塞栓症で死去。残されたメンバーにより活動は継続し、2017年にアルバム『Quantum Gate』を発表。同作にはエドガーも作曲のクレジットに含まれている。

メンバー編集

現ラインナップ編集

旧メンバー編集

  • エドガー・フローゼ Edgar Froese - キーボード/ボーカル (1967–2015) ♰RIP.2015
  • ランス・ハプシャシュ Lanse Hapshash – ドラムス (1967–1969)
  • クルト・ハーケンベルク Kurt Herkenberg – ベース (1967–1969)
  • フォルカー・ホムバッハ Volker Hombach – サクソフォーン/ヴァイオリン/フルート (1967–1969)
  • チャーリー・プリンス Charlie Prince – ボーカル (1967–1968)
  • スティーヴ・ジョリフ Steve Jolliffe – サクソフォーン/フルート/キーボード (1969, 1978)
  • アル・アクバル Al Akhbar – ドラムス (1969)
  • ハッピー・ディーター Happy Dieter – ベース (1969)
  • クラウス・シュルツ Klaus Schulze – ドラムス (1969–1970)
  • コンラッド・シュニッツラー Conrad Schnitzler – ヴァイオリン/チェロ (1969–1970; died 2011)
  • クリストファー・フランケ Christopher Franke – キーボード/ドラムス (1970–1987)
  • スティーヴ・シュローダー Steve Schroyder – キーボード/ボーカル (1970–1971)
  • ペーター・バウマン Peter Baumann – キーボード (1971–1973, 1973–1975, 1975–1977)
  • クラウス・クリーガー Klaus Krüger – ドラムス (1978–1979)
  • ヨハネス・シュメーリンク Johannes Schmoelling – キーボード (1979–1985)
  • パウル・ハスリンガー Paul Haslinger – キーボード/ギター (1986–1990)
  • ラルフ・ウェイド Ralf Wadephul – キーボード (1988)
  • ジェローム・フローゼ Jerome Froese – キーボード/ギター (1990–2006)
  • リンダ・スパ Linda Spa – サクソフォーン/フルート/キーボード (1990–1996, 2005–2014)
  • ズラトコ・ペリカ Zlatko Perica – ギター (1992–1997)
  • アイリス・カマー Iris Camaa – ドラムス (2001–2014)
  • ベルンハルト・バイブル Bernhard Beibl – ギター/ヴァイオリン (2006–2014)

ディスコグラフィー編集

  • 1970年 Electronic Meditation
  • 1971年 Alpha Centauri
  • 1972年 Zeit
  • 1973年 Atem
  • 1974年 Phaedra
  • 1975年 Rubycon
  • 1975年 Ricochet(Live)
  • 1976年 Stratosfear
  • 1977年 Encore~Tangerine Dream Live
  • 1977年 『恐怖の報酬(Sorcerer)(Soundtrack)
  • 1978年 Cyclone
  • 1979年 Force Majeure
  • 1980年 Tangram
  • 1981年 Exit
  • 1981年 『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー(Thief)(Soundtrack)
  • 1982年 White Eagle
  • 1982年 Logos(Live)
  • 1983年 Hyperborea
  • 1983年 『ザ・キープ(The Keep)(Soundtrack)
  • 1984年 Poland(Live)
  • 1984年 『炎の少女チャーリー(Firestarter)(Soundtrack)
  • 1984年 『卒業白書(Risky Business)(Soundtrack)
  • 1984年 Wavelength(Soundtrack)
  • 1984年 Flashpoint(Soundtrack)
  • 1985年 Heartbreaker
  • 1985年 Le Parc (アルバム名の曲はTVドラマ『驚異のスーパー・バイク ストリートホーク』のテーマ曲)
  • 1986年レジェンド / 光と闇の伝説(Legend)(Soundtrack)(アメリカ公開版。日本ほかで公開のインターナショナル版はジェリー・ゴールドスミス作曲)
  • 1986年 Green Desert
  • 1986年 Underwater Sunlight
  • 1987年タイガー』(Tyger
  • 1987年 Three O'clock High(Soundtrack)
  • 1988年ニア・ダーク/月夜の出来事Near Dark(Soundtrack)
  • 1988年 Live Miles(Live)
  • 1988年 Shy People(Soundtrack)
  • 1988年 Optical Race
  • 1989年 Miracle Mile
  • 1989年 Lily On The Beach
  • 1989年 Destination Berlin(Soundtrack)
  • 1990年 Melrose
  • 1991年 Dead Solid Perfect(Soundtrack)
  • 1991年 The Park Is Mine(Soundtrack)
  • 1991年 L'affaire Wallraff~The Man Inside(Soundtrack)
  • 1992年 Rumpelstiltskin
  • 1992年 Rockoon
  • 1992年 Quinoa(限定生産CD)
  • 1992年 Deadly Care(Soundtrack)
  • 1993年 220 Volt Live~North American Tour 1992(Live)
  • 1993年 Catch Me If You Can
  • 1994年 Turn of the Tides
  • 1995年 Zoning(Soundtrack)
  • 1995年 Tyranny of Beauty
  • 1995年 Dream Mixes I
  • 1996年 Goblins Club
  • 1997年 Timesquare(Dream Mixes II)
  • 1997年 Oasis~Original Motion Picture Soundtrack(Soundtrack)
  • 1997年 Quinoa “Extended”
  • 1998年 Tournado~Live In Europe(Live)
  • 1998年 The Hollywood Years Vol. I(未発表曲選集)
  • 1998年 The Hollywood Years Vol. II(未発表曲選集)
  • 1998年 Transsiberia~Original Motion Picture Soundtrack(Soundtrack)
  • 1998年 Valentine Wheels~The Shepherds Bush Empire Concert London 1997(Live)
  • 1998年 Sohoman~Live In Sydney 1982/Tangerine Dream Classics Edition(Live)
  • 1999年 What A Blast~Original Motion Picture Soundtrack(Soundtrack)
  • 1999年 Mars Polaris~Deep Space Highway To Red Rocks Pavilion
  • 1999年 Architecture In Motion
  • 2000年 Tang-go
  • 2000年 Soundmill Navigator
  • 2000年 Antique Dreams
  • 2000年 Great Wall Of China(Soundtrack)
  • 2000年 The Seven Letters From Tibet
  • 2000年 i-Box
  • 2000年 Meng Tian
  • 2000年 Stereolight
  • 2000年 Astrophobia
  • 2000年 Golden Collection 2000
  • 2001年 The Keep:Soundtrack/Compilation
  • 2001年 Electronic Collection
  • 2001年 DM3/The Past Hundred Moons
  • 2002年 Inferno
  • 2002年 Journey Through A Burning Brain
  • 2002年 The Melrose Years
  • 2003年 Astoria Theatre London
  • 2003年 Mota Atma
  • 2003年 The Bootleg Box Set Vol. 1
  • 2003年 DM 4
  • 2003年 Rockface
  • 2004年 The Bootleg Box Set Vol. 2
  • 2004年 High Voltage
  • 2004年 Lamb With Radar Eyes
  • 2004年 L'Inferno
  • 2004年 Purgatorio
  • 2004年 Live In Aachen Germany- January 21st 1981
  • 2004年 Live In Montreal Canada- April 9th 1977
  • 2004年 Live In Paris France- February 2nd 1981
  • 2004年 Live In Sydney Australia - February 22nd 1982
  • 2004年 Live In Ottawa Canada- June 20th 1986
  • 2004年 East
  • 2004年 Goblins Club
  • 2004年 Arizona Live
  • 2004年 An Introduction To....
  • 2005年 Vault IV
  • 2005年 Cleveland - June 24th 1986
  • 2005年 Brighton - March 25th 1986
  • 2005年 Kyoto
  • 2005年 Space Flight Orange
  • 2005年 Jeanne D'Arc
  • 2005年 Rocking Mars
  • 2005年 Phaedra 2005
  • 2006年 The Essential Collection
  • 2006年 Blue Dawn
  • 2006年 The Essential
  • 2006年 Nebulous Dawn
  • 2006年 Live In Detroit March 1977
  • 2006年 Live In Preston, Nov 1980
  • 2006年 Paradiso
  • 2008年 The London Eye Concert
  • 2013年 Starmus: Sonic Universe クイーンブライアン・メイが参加
  • 2014年 Josephine The Mouse Singer
  • 2015年 Quantum Key
  • 2016年 Particles
  • 2017年 Quantum Gate
※ほか多数

脚注編集

  1. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説 タンジェリン・ドリーム”. 朝日新聞社「コトバンク」. 2018年5月24日閲覧。
  2. ^ ヴァージンレコード創業期:リチャード・ブランソンとアーティストたち”. uDiscoverMusic.jp (2015年4月20日). 2018年5月24日閲覧。
  3. ^ タンジェリン・ドリーム記念館がベルリンで計画中”. webDICE (2015年12月17日). 2018年5月24日閲覧。

参考文献編集

  • 『Fool's Mate』Vol.14、編集・北村昌士、清彗社、1980年。
  • 『THE BIBLE』 rock magazine 04、編集・阿木譲、ロックマガジン社、1981年。
  • 『ユーロ・ロック集成』 編集・山崎尚洋、マーキームーン社、1987年。
  • 『ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ・ロック』 監修・大鷹俊一、音楽之友社、1999年。

外部リンク編集