テスタメント (バンド)

アメリカ合衆国のスラッシュメタル・バンド

テスタメントTESTAMENT)は、アメリカ合衆国出身のスラッシュメタルバンド

テスタメント

ドイツ・ヴァッケン公演(2019年8月)
基本情報
別名 レガシー(1983年 - 1986年)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州バークレー
ジャンル
活動期間 1983年 -
レーベル
公式サイト TestamentLegions.com
メンバー
旧メンバー 別記参照

サンフランシスコ・ベイエリア産のスラッシュメタル「ベイエリア・スラッシュ」シーンの中核を担ったバンドの一つ[1]2000年代にメンバーが難病を患い存続が危ぶまれたが、数多くの支援で立ち直り活動を継続した。

略歴 編集

1980年代 編集

 
創設者エリック・ピーターソン(G)2013年
  • 1983年、エリック・ピーターソンを中心に「レガシー」(LEGACY)として活動開始。
  • 1986年、ボーカルのスティーヴ・スーザが「エクソダス」に加入するため脱退。スティーヴの紹介で地元のグラム・ロック・バンドにいたチャック・ビリーが加入する。その後、同名のバンドがすでにデビューしていたことが判明し、バンド名を「テスタメント」に改める。
  • 1987年、前身バンドの名を冠した1stアルバム『レガシー - The Legacy - 』で「メガフォース・レコード」よりデビューする。
  • 1988年、核戦争後の地球の出来事をコンセプトにした2ndアルバム『ニュー・オーダー - The New Order - 』を発表する。Billboard 200では136位を記録し、バンド初の全米チャート入りを果たす[2]
  • 1989年、3rdアルバム『プラクティス・ホワット・ユー・プリーチ - Practice What You Preach - 』を発表。Billboard 200で77位を記録し、全米トップ100にランクインを果たす[2]

1990年代 編集

  • 1990年、2月に初来日する(興行はウドー音楽事務所)。 9月4thアルバム『ソウルズ・オブ・ブラック - Souls Of Black - 』を発表。
  • 1992年に5thアルバム『儀式 - The Ritual - 』を発表。Billboard 200で初登場55位を記録するが、バンドサウンドの中核を担っていたアレックス・スコルニックがツアー中に脱退[3]。また、ルイ・クレメンテも脱退する。バンドは元フォビドゥンのグレン・アルヴェライス(ギター)とポール・ボスタフ(ドラムス)を迎えてツアーを終了。その後「エージェント・スティール」「デス」「オビチュアリー」といったヘヴィメタルバンドを渡り歩いたジェイムズ・マーフィー(ギター)と、元「エクソダス」のジョン・テンペスタ(ドラムス)が加入する。
  • 1994年、6thアルバム『ロウ - Low - 』を発表する。
  • 1995年にライブアルバム『Live At The Fillmore』をリリースするが、レーベルからの離脱、度重なるメンバーチェンジなどで身動きの取れない状況に陥り、活動停止を経て一時解散する。
  • 1997年に再始動し、7thアルバム『デモニック - Demonic - 』をリリース。ドラマーとして「ダーク・エンジェル」「デス」で活躍したジーン・ホグランが迎えられ、グレン・アルヴェライスもレコーディングに参加。以降のテスタメントはバンドというよりも、ビリーとピーターソンのプロジェクトとして活動していくようになる。
  • 1999年には8thアルバム『ギャザリング - The Gathering - 』を発表。ギタリストとして『ロウ - Low - 』に参加したジェームズ・マーフィーを、ベーシストとして「セイダス」「デス」で活躍していたスティーヴ・ディジョルジオ、ドラマーとして元「スレイヤー」のデイヴ・ロンバードを迎える。エンジニアには元「サバト」のギタリストで、「アーチ・エネミー」「クリーター」「ネヴァーモア」といったバンドを手掛けるアンディ・スニープを起用した。

2000年代 編集

 
難病を克服したチャック・ビリー(Vo)2008年
  • ジェイムズ・マーフィーが脳腫瘍に倒れ、手術の末に命を取り留める。ほどなくして、今度はチャック・ビリーが精上皮腫と診断される。治療費をまかなうためのチャリティ・コンサートが開かれるなど支援の輪が広がり、その甲斐もあってビリーは難病を克服した。
  • 2001年には1st、2ndアルバムからの曲を再録したアルバム『ファースト・ストライク・スティル・デッドリー - First Strike Still Deadly - 』をリリース。オリジナル・メンバーである、スティーヴ・スーザとアレックス・スコルニックの参加が話題となった。
  • 2004年9月に「THRASH DOMINATION 04」にて来日公演を行う予定だったが、エリック・ピーターソンの足の怪我のためキャンセルとなる。
  • 2005年5月には、ビリー、ピーターソン、スコルニック、グレッグ・クリスチャン(B)、ルイ・クレメンテ(Dr)というオリジナルラインナップで、期間限定のリユニオンツアーをヨーロッパで行った。同年9月17日・18日には、オリジナルラインナップで「THRASH DOMINATION 05」に参加。同時期に活躍した「デストラクション」「ラーズ・ロキット」「クリーター」らと共に来日した。
  • 2006年、クレメンテが健康上の理由によってツアーに出られなくなり、7月から8月のツアーではポール・ボスタフやジョン・テンペスタが代役を務めた[4]
  • 2007年、「クレイドル・オブ・フィルス」「ディム・ボルギル」で活動してきたニコラス・バーカーを新ドラマーに迎えてニュー・アルバムのためのリハーサルを行うが[5]DHS及び就労ビザの問題でバーカーの参加が困難になり、ポール・ボスタフが復帰[6]
  • 2008年4月、9年ぶりの新作となる9thアルバム『ザ・フォーメーション・オブ・ダムネイション - The Formation Of Damnation』を発表する。

2010年代 編集

 
グレッグ・クリスチャン(B)2013年

2020年代 編集

メンバー 編集

※2023年4月時点

現ラインナップ 編集


旧メンバー 編集

  • デリック・ラミレス(Derrick Ramirez) – ボーカル(1983)、ベース(1997)
  • スティーヴ・スーザ(Steve Souza) – ボーカル(1983–1986)
  • グレッグ・クリスチャン(Greg Christian) – ベース(1983–1996, 2004–2013)
  • グレン・アルヴェライス(Glen Alvelais) – ギター(1993, 1997–1998)
  • ジェイムズ・マーフィー(James Murphy) – ギター(1994–1996, 1998–2000)
  • マイク・クラシアク(Mike Chlasciak) – ギター(2002、2004–2005)
ドラムス
  • マイク・ロンシェット(Mike "The Rottweiler" Ronchette)(1983)
  • ルイ・クレメンテ(Louie Clemente)(1983–1993、2005)
  • ポール・ボスタフ(Paul Bostaph)(1993、2007–2011)
  • ジョン・テンペスタ(John Tempesta)(1993–1994、2001、2005、2011)
  • ジョン・デット(Jon Dette)(1994–1995、1997–1998、1999)
  • クリス・コントス(Chris Kontos)(1995–1996)
  • ジーン・ホグラン(Gene Hoglan)(1996–1997、2011–2022)
  • ジョン・アレン(Jon Allen)(1999–2004、2007、2011)
  • ニコラス・バーカー(Nick Barker)(2006–2007)
  • デイヴ・ロンバード(Dave Lombardo) - ドラムス(1998–1999、2022–2023)

メンバーの変遷 編集

ディスコグラフィ 編集

スタジオアルバム 編集

ライヴアルバム 編集

  • Live at Eindhoven(1988)
  • 黙示録 - Return to the Apocalyptic City(1993)
  • ライヴ・アット・ザ・フィルモア - Live at the Fillmore(1995)
  • Live in London(2005)
  • Dark Roots of Thrash(2013)

コンピレーション 編集

VHS/DVD 編集

  • Seen Between the Lines(1991/2005年にDVD化)
  • Live in London(2005/CDと同内容)
  • Dark Roots of Thrash(2013/CDと同内容)

脚注 編集

  1. ^ a b c d Rivadavia, Eduardo. Testament | Biography & History - オールミュージック. 2021年6月13日閲覧。
  2. ^ a b Testament - Awards”. AllMusic. 2016年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月24日閲覧。
  3. ^ 脱退後、大学で博士号を取得し、現在はジャズ・ミュージシャンとしても活動中
  4. ^ Drummer John Tempesta To Perform With Testament In Bulgaria - Blabbermouth.net - 2014年8月2日閲覧
  5. ^ Testament Drummer Nick Barker: 'To Say I'm Stoked Would Be An Understatement!' - Blabbermouth.net - 2014年8月2日閲覧
  6. ^ Testament Working With Ex-Slayer/Exodus Drummer Paul Bostaph On New Album - Blabbermouth.net - 2014年8月2日閲覧
  7. ^ Testament's 'Dark Roots Of Earth' Cracks U.S. Top 15 - Blabbermouth.net
  8. ^ a b Testament Parts Way With Bassist Greg Christian, Announces Return Of Steve Digiorgio - Blabbermouth.net - 2014年8月2日閲覧
  9. ^ スレイヤー、メガデスら一挙集結! LOUD PARK 15、第10回の模様を徹底レポート - RO69
  10. ^ テスタメント、これまでで最も多様かつ攻撃的なニュー・アルバム”. BARKS (2016年9月16日). 2017年3月25日閲覧。
  11. ^ テスタメント、世代を超えたエクストリーム・エンタテインメント - BARKS
  12. ^ スラッシュ・メタル・シーンの重鎮、Testament(テスタメント)、通算12枚目のアルバム『タイタンズ・オブ・クリエイション』”. TOWER RECORDS (2020年2月18日). 2021年5月31日閲覧。
  13. ^ テスタメントからドラマーのジーン・ホグランが脱退”. amass.jp. 2022年1月24日閲覧。
  14. ^ デイヴ・ロンバード、ジーン・ホグラン脱退を知り、すぐにテスタメントに連絡を入れる”. BARKS. 2022年3月6日閲覧。

外部リンク 編集