S10(エス-)とはトヨタ自動車が生産・販売していたセダン型の乗用車商用車)であるクラウンセダン(6代目)、クラウンコンフォートおよびコンフォート(初代)の共通車両型式番号。

トヨタ・クラウンセダン(6代目)
トヨタ・クラウンコンフォート
トヨタ・コンフォート
YXS1#/YXS1#H/SXS1#()/LXS1#/TSS1#(改)/GXS1#/GXS1#H型
クラウンセダンスーパーサルーン
Hitachi-crown-ss.JPG
クラウンコンフォートスタンダード
Keisei Group Taxi Ichikawa Kotsu Jidosha 303 Crown Comfort.jpg
コンフォートスタンダード
Heiwakotsu Comfort.jpg
販売期間 クラウンセダン:
2001年8月 - 2018年2月
クラウンコンフォート:
1995年12月-2018年2月
コンフォート:
1995年12月 - 2009年(1期)
2011年 - 2018年1月(2期)
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン(タクシー・教習車および法人向け)
エンジン 1G-FE型 2.0L 直6 DOHC
1G-GPE型 2.0L 直6 DOHC
3Y-PE型 2.0L 直4 OHV
1TR-FPE型 2.0L 直4 DOHC
4S-FE型DOHC 1.8L(教習車仕様のみ。1995〜2001年)
3S-FE型DOHC 2.0L(教習車仕様のみ。2001〜2007年)
1TR-FE型DOHC 2.0L(教習車仕様のみ。2007年〜)
2L-TESOHC 2.4L(1995〜2000年)
変速機 コラム4速MT(-2007年)
コラム4速AT(-2008年)
フロア5速MT
フロア4速AT
全長 4,590 mm - 4,695mm - 4,830mm
全幅 1,695mm - 1,710mm
全高 1,515mm - 1,525mm
ホイールベース 2,680mm - 2,785mm
最小回転半径 4.9m - 5.1m
先代 S130系トヨタ・クラウンセダン(タクシー仕様)
後継 個人・法人用途としては14代目クラウン(S210系)に統合
タクシー用途としてはジャパンタクシー
教習車用としてはトヨタ教習車(2代目・E160(改)型)
-自動車のスペック表-
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いずれの車種も製造はトヨタグループのトヨタ自動車東日本(旧:関東自動車工業)東冨士工場(静岡県裾野市)で行われていた。

概要編集

主にタクシーとして用いることを前提に開発され、小型タクシー枠のコンフォートと中型タクシー枠のクラウンコンフォートとして1995年12月に発売された。後にクラウンコンフォートをベースにハイグレードタクシー向けに装備を充実させたクラウンセダンが2001年8月より発売された。

後席の寸法および後部トランク容積を可及的大きくとり、コンフォートのタクシーインパネ車やクラウンコンフォートでは料金メーター無線機タコグラフといったタクシー用機器設置スペースを設けるなどのタクシー向けに特化された設計が特徴である。

タクシーの小型枠に収まるコンフォートと中型枠となるクラウンコンフォートおよびクラウンセダンはホイールベースおよび全長に105mmの差がある。前述の通り後席の寸法を大きくとる設計のため前ドアのサイズが異なることで区別することが可能。

競合する日産自動車クルー(小型枠)が2009年6月に、セドリック営業車(中型枠)が2014年9月に生産終了したため、2017年5月に販売を終了するまで日本国内で新車購入可能なセダンタイプのタクシー専用車はS10系の3姉妹車種のみとなっていた。

S10系は、スポット溶接の箇所を減らし車体剛性を落とすことで、40万km以上の走行にも耐えられる設計であることも特徴である。この手法は同社のE110型系のカローラ/スプリンターから用いられている。日産・クルーとは異なり、Bピラーの位置は左右対称(左右のドアの大きさは同じ)である。

3車種ともエンジンの種類および用途に関わらず一般の個人客でもディーラーで購入が可能であった。

おおむね20年にわたって生産されていたが、平成30年から厳格化される歩行者保護の安全基準に適合しないため、それまでに生産を終了することになった。

エンジン・トランスミッション 編集

エンジンはコンフォート教習車のみ4S-FE(1,800cc)・3S-FE(2,000cc)のガソリンエンジンおよびディーゼルターボの2L-TE(2,400cc)の設定があった他は基本的にLPGエンジンの3Y-PE(2,000cc)であった。直61G-PEおよび1G-GPEはクラウンコンフォートおよびクラウンセダンのみの設定であったがクラウンコンフォートはスーパーデラックス以上の廃止により、クラウンセダンはマイルドハイブリッドの廃止により消滅。

2007年に先行してコンフォート教習車のガソリンエンジンが1TR-FE(2,000cc)に変更されたのを皮切りに2008年にLPGエンジンも1TR-FPE(2,000cc)に変更され、燃料のインジェクション化およびエンジンヘッドのDOHC化がなされた。

トランスミッションはフロア式5速MT(コンフォート)とコラム式4速MT(クラウンコンフォート)、コラム式4速AT(クラウンコンフォート)およびフロア式4速ATを設定(このうちコラム式は2007年に廃止)。S10系の中でガソリンエンジンとMTの組み合わせがあるのはコンフォート教習車だけである。

グレード編集

コンフォートのグレードは、タクシー仕様がスタンダード、スタンダードデラックスパッケージ、SGの三種で、教習車仕様はデラックスのみ。

クラウンコンフォートは直列4気筒エンジン搭載のスタンダード、デラックスAパッケージ、デラックス及び、直列6気筒DOHCエンジン(1G-GPE、形式GXS10)搭載でタコメーター装備のスーパーデラックス、起毛地シート、ウッドパネル等上級仕様のスーパーデラックスQパッケージが設定されていたが、スーパーデラックス、スーパーデラックスQパッケージは基本的に個人タクシー向けで、クラウンセダンのモデルチェンジに伴い設定を廃止した(モデルチェンジされた当時のクラウンセダンはクラウンコンフォートがベース)。起毛地シートは後に特装扱いで設定されるようになった。

クラウンセダンはスーパーデラックス、スーパーデラックスGパッケージ及びスーパーサルーンの三種で、前述のクラウンコンフォートのスーパーデラックス及びスーパーデラックスQパッケージを移管した格好となった。この他にTECS特装車扱いのロイヤルサルーンも存在した。

各車種間の差異編集

コンフォートとクラウンコンフォート・クラウンセダンは以下の差異がある。

  • 寸法(前述)
  • フロントグリルのエンブレム(コンフォートはトヨタマーク、それ以外はクラウンのエンブレム)
  • ホイールキャップ(コンフォートは他車種流用、それ以外はS150系クラウンの流用)
  • フロントウインカー(コンフォートはカラードレンズ、それ以外はクリアレンズ)

一方、コンフォート・クラウンコンフォートとクラウンセダンは以下の差異がある。

  • 横桟グリル(クラウンセダンはそれ以外より若干大きい)
  • リアコンビランプ(クラウンセダンはトランクリッドにテールランプとバックランプがあり両端はブレーキランプとウインカー、それ以外は両端にブレーキとウインカーとバックの各ランプが集約)
  • ドアサッシの色(クラウンセダンは黒以外の場合は艶消しの黒で塗装、それ以外は車体同色)
  • パーキングブレーキの位置(クラウンセダンはフットリリース足踏み式、それ以外はフロアシフト車がセンターレバー式でコラムシフト車がステッキ式)
  • エアコンの仕様(クラウンセダンはオートエアコン、それ以外はマニュアルエアコン)
  • ワイパーブレードの支持方式(クラウンセダンはUクリップ式、それ以外はビス止め式)
  • ボンネットおよびトランクリッド裏(クラウンセダンは遮音材があるがそれ以外はない)

なお、これらの差異はユーザーにおける改修等により変わる場合がある(車両の事業者間移籍等で塗装を変更したり、事故等で交換したりした場合等)。

画像編集