ニューサウスウェールズ州

オーストラリアの州

ニューサウスウェールズ州(ニューサウスウェールズしゅう、: New South Wales)は、オーストラリア連邦東南部に位置する州で、同国最初の英国入植地である。州都は最大都市のシドニー

ニューサウスウェールズ州
旗 紋章
紋章
スローガンおよび愛称: First State, Premier State
州の標語: "Orta Recens Quam Pura Nites"
(新たに現れたる汝はなんと眩きことか)
位置
他の州と特別地域
州都 シドニー
政体 立憲君主制
総督 マーガレット・ビーズリー英語版
首相 クリス・ミンズ英語版 (オーストラリア労働党)
選挙区
 - 下院議員 48/150
 - 上院議員 12/76
州内総生産 (2010 - 11年[1])
 - 生産高  4199億豪ドル (1位)
 - 一人当たり  57,828豪ドル/人 (4位)
人口 (2012年3月[2])
 - 総人口  7,272,800人 (1位)
 - 人口密度  9.12人/km² (3位)
面積  
 - 総面積  809,444 km² (5位)
 - 陸地 800,642 km²
 - 水域 8,802 km² (1.09%)
標高  
 - 最高標高 コジオスコ
2,228 m
 - 最低標高
時間帯 UTC+10 (+11 夏時間)
(12-hour variations)
コード  
 - 郵便番号 NSW
 - ISO 3166-2 AU-NSW
象徴  
 - 州花 - ワラタ
 - 州鳥 - ワライカワセミ
 - 州動物 - カモノハシ
 - 州魚 - Blue Groper
 - 州色 - スカイブルー
公式サイト www.nsw.gov.au

概要 編集

オーストラリアで最も人口が多く、最も工業化された州である。NSWと略称する。面積80万平方km、人口729万人(2012年6月推計)[3]

 
ニューサウスウェールズ州議事堂

歴史 編集

  • 1770年 - ジェームズ・クックが初めて上陸し、ニューサウスウェールズと命名して英国領有を宣言した。
  • 1788年 - 最初の植民団がボタニー湾に到着、アーサー・フィリップを初代総督とする流刑植民地が創設された。
  • 19世紀 - 自由移民が増えてきたため、1840年に流刑中止が決定された。
  • 1851年 - バサーストの近くで金鉱が発見されてゴールドラッシュとなり、移民が世界各地から殺到した。
  • 1855年 - ニューサウスウェールズ植民地政府が樹立された。
  • 1901年 - オーストラリア連邦成立にともない州となった。
  • 2000年 - シドニーオリンピック・パラリンピック開幕
  • 2021年 - 6月以降、シドニーでは新型コロナウイルス感染症拡大に伴いロックダウンを実施したが、感染拡大が止まらないため8月16日から7日間はロックダウンを州全域に拡大させて実施[4]。一方、8月21日にはロックダウンに反対するデモが発生した[5]

地理 編集

位置 編集

北はクイーンズランド州、西は南オーストラリア州、南はビクトリア州と接し、東はタスマン海に面する。面積は日本の約2.1倍である。

同州の標準時 (オーストラリア東部標準時: (A)EST) はUTC+10時間(日本標準時+1時間)である。夏時間 ((A)EDT = UTC+11時間) の開始は10月の第一日曜日早朝、終了は翌年4月の第一日曜日早朝である。ただし、西部のブロークンヒルと周辺ではこれらの時間よりも30分遅れた標準時 (ACST)・夏時間 (ACDT)が用いられる。タスマン海のロード・ハウ島ではUTC+10:30(冬)/UTC+11(夏)が用いられる。

気候 編集

内陸部は乾燥気候で農業は放牧などに限定される。東部の沿岸地方は比較的降水があるが、夏季には高温、乾燥状態となることがあり、山火事が発生する。2013年の例では、200棟以上の住宅が巻き込まれ焼失した[6]

2017年2月には、熱波により各地で40度を超す温度となり、最高気温の記録を更新する場所も見られた[7]

行政区画 編集

地域区分 編集

 
ニューサウスウェールズ州の地域

※ニューサウスウェールズ州は次の13の地域(Region)に区分される。

※地域に囲まれる形でオーストラリア首都特別地域が位置する。

地方公共団体 編集

人口 編集

 
国内最大都市であるシドニー

主要都市 編集

ランク 地区 人口(2016年6月)[8]
1 シドニー 4,625,272
2 ニューカッスル 523,662
3 セントラルコースト英語版 327,024
4 ウロンゴン 295,669
5 ツイードヘッズ英語版 74,436
6 コフスハーバー 70,000
7 メイトランド 67,132
8 ウォガウォガ 54,411
9 オルベリー 47,974
10 ポートマッコリー 45,698
11 タムワース 41,006
12 オレンジ 39,755
13 ダボ 36,092
14 ナウラ英語版 35,920
15 バサースト 35,391
16 リズモー 27,569
17 グリフィス 27,345
18 タリー (ニューサウスウェールズ州)英語版 25,852
19 バリナ英語版 24,852
20 モリセット英語版 24,127
21 アーミデイル 23,352
22 ゴウルバーン 22,890
23 セスノック英語版 22,596
24 グラフトン (ニューサウスウェールズ州)英語版 18,689
25 ブロークンヒル 17,814

政治 編集

行政 編集

州にはニューサウスウェールズ州総督がおかれ、総督はオーストラリア国王により任命される。総督は国王の代理人であり、現在は州政府が住民・州出身者の中から識見のある人物を指名し、国王がこれを承認・任命する名誉職となっている。総督は憲法上、州首相の任免権、州上院議長・下院議長の任命権、州最高裁判所および地方裁判所判事の任命権、州議会の召集権と解散権を有する。ただし、これらの権限は州政府または州議会の助言と承認に基づいて行使される。

州議会が州の立法権をもつ。州議会は二院制で、下院 (Legislative Assembly) と上院 (Legislative Council) からなる。

総督は州議会の多数党派から州首相を任命し、州首相は行政各部の担当大臣を指名して内閣を構成する(議院内閣制ウェストミンスター・システム)。現在[いつから?]の州政府は自由党国民党連立政権である。

治安 編集

1980年代は、州内の刑務所から囚人脱獄する回数が1年間で180件に超えていた。近年は減少傾向にあるが、それでも2017年には10件の脱獄が発生している[9]

対外関係 編集

姉妹自治体・提携自治体 編集

日本との関係 編集

姉妹都市・提携都市 編集

 市区町村地方 都道府県)- (州内都市)

教育 編集

 
同国最古の大学であるシドニー大学

大学 編集

職業教育に重点をおく中等後教育機関として、州立のTAFE、私立の専門学校がある。

観光 編集

世界遺産 編集

脚注 編集

出典 編集

外部リンク 編集