ミナルディ・PS03Minardi PS03)は、ミナルディ2003年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。デザイナーはガブルエル・トレドッツィ

ミナルディ・PS03
ヨス・フェルスタッペン車
ヨス・フェルスタッペン車
カテゴリー F1
コンストラクター ミナルディ
デザイナー ガブルエル・トレドッツィ
(Technical Director)
ジョージ・ライトン
(Chief Designer)
ロイック・ビゴワ
(Chief Aerodynamicist)
先代 ミナルディ・PS02
後継 ミナルディ・PS04B
主要諸元
シャシー カーボンファイバー モノコック
エンジン コスワース・CR-3 V10 72度 V10 NA
トランスミッション ミナルディ製 6速 縦置き セミAT シーケンシャル
タイヤ ブリヂストン
主要成績
チーム ヨーロピアン・ミナルディコスワース
ドライバー 18. イギリスの旗 ジャスティン・ウィルソン
18. デンマークの旗 ニコラス・キエーサ
19. オランダの旗 ヨス・フェルスタッペン
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 2003年オーストラリアグランプリ
出走優勝ポールFラップ
16000
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概要 編集

チームはオランダのコンピュータ機器メーカートラスト (Trust) をメインスポンサーとして獲得した。

ドライバーはベテランのヨス・フェルスタッペンと新人ジャスティン・ウィルソンというコンビでスタートし、ウィルソンがジャガーへ移籍すると、第12戦からニコラス・キエーサを起用した。ウィルソンの移籍に関しては、来期のコスワースエンジン供給の確約を条件に成立したものと推測された[1]

PS03のシャーシは基本的に2年前のPS01を踏襲している。フロントウィングやバージボード、サイドポッド、ディフューザーなどの空力関連部品はシーズン中にも何度かアップデートを行った。

エンジンはアジアテックが撤退したため、コスワース・CR-3エンジンのカスタマー供給を受ける。すでにフォードワークスの最新スペックから3年落ちとなり旧式化していた。

当然マシンのポテンシャルは低く、予選・決勝共に最後尾争いをする羽目になったが、荒れたレース展開では両ドライバーが光る走りを見せることもあった。決勝での最高位は第8戦カナダGPのフェルスタッペンの9位で、惜しくもポイント獲得とはならなかった。

余談だが、この年から予選方式が60分12周以内から1回アタック方式に変わり、予選1回目は前戦のドライバーズランキング順で出走するため、第10戦フランスGPでは濡れた路面がどんどん乾いていくコースコンディションが味方し、19番手出走でソフトタイヤを履いたフェルスタッペンが他よりも3秒早いトップタイムを記録。ミナルディにとって初の暫定ポールポジションを獲得し、チームは歓喜に包まれた。ただし、この結果は予選2回目の出走順を決めるためのものであり、ドライコンディションで行われた予選2回目では最終アタッカーを務めたものの、19番手に終わった。

スペック 編集

シャーシ 編集

  • シャーシ名 PS03
  • 全長 4,548 mm
  • 全高 940 mm
  • ホイールベース 3,097 mm
  • 前トレッド 1,480 mm
  • 後トレッド 1,410 mm
  • クラッチ AP
  • ブレーキキャリパー ブレンボ
  • ブレーキディスク・パッド ブレンボ
  • ホイール O・Z
  • タイヤ ブリヂストン
  • ギアボックス ミナルディ製 6速+リバース1速セミオートマチック/チタン製ケーシング

エンジン 編集

F1における全成績 編集

(key) (太字ポールポジション

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
2003年 ヨーロピアン・ミナルディ コスワース コスワース・CR-3 V10 B AUS
 
MAL
 
BRA
 
SMR
 
ESP
 
AUT
 
MON
 
CAN
 
EUR
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
HUN
 
ITA
 
USA
 
JPN
 
0 NC
ウィルソン Ret Ret Ret Ret 11 13 Ret Ret 13 14 16
キエーサ 12 13 12 11 16
フェルスタッペン 11 13 Ret Ret 12 Ret Ret 9 14 16 15 Ret 12 Ret 10 15

脚注 編集

  1. ^ 『F1速報 2003総集編』、130頁。

参照 編集

  • 『F1速報 2003総集編』 ニューズ出版、2003年