ヤミレ・アルダマ

この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の)はアルダマ第二姓(母方の)はポゾです。

ヤミレ・アルダマ・ポゾ(جميلة الداما、Yamilé Aldama Pozo、1972年8月14日 - )は、女子陸上競技選手三段跳を専門とし、2012年以降イギリス代表(コモンウェルスゲームズではイングランド)として活動するが、以前はキューバ代表およびスーダン代表を務めた[1]

ヤミレ・アルダマ
Yamilé Aldama Istanbul 2012.jpg
個人情報
生誕 (1972-08-14) 1972年8月14日(47歳)
 キューバハバナ
身長 1.72 m (5 ft 7 12 in)
体重 62 kg (140 lb)
スポーツ
イギリスの旗 イギリス
競技 陸上競技
種目 三段跳
最終更新日 15 August 2012

経歴編集

キューバ時代編集

アルダマはキューバ・ハバナに生まれ、当初生誕国のキューバを代表して競技をしてきた。小学校時代の12歳で陸上競技を始めた頃は走高跳七種競技に出場していたが、1994年から三段跳に挑戦し2年後の1996年アトランタオリンピックには三段跳でキューバ代表に選ばれた[2]。結局負傷によりオリンピックに出場することは叶わなかったが、翌1997年に出場した世界室内選手権では6位に入賞した。キューバ代表として世界レベルの大会でメダルを獲得したのは、2年後の1999年スペインセビリアで開かれた世界選手権で獲得した銀メダルが唯一である。翌年のシドニーオリンピックでは4位に入賞した。

イギリスへの転居からスーダン代表へ編集

2001年、アルダマはスコットランド人テレビプロデューサーアンドリュー・ドッズ(Andrew Dodds)と結婚し、イギリスへ引っ越した。結婚に続き、アルダマはイギリスの市民権の申請を行った。しかしその直後、夫が4000万ポンド相当のヘロインの闇取引により15年の刑を言い渡された[3]。アルダマ自身はこの取引に関与しておらず、夫とともにイギリスにとどまることを決意した。結婚以前にアルダマはイギリスへの居住経験がなかったので、イギリスのパスポートを取得するためには最低3年間イギリスに住む必要があった。アルダマは2004年アテネオリンピックにイギリス代表として出場する決意を表明し、デビッド・ムーアクロフトが支持した[4]。このため、2003年の世界選手権には出場しなかった。

ところが2004年になって、イギリスのパスポート発給機関はアルダマのパスポート発行を拒否した。アルダマが2001年11月にイギリスへ移ったことから、オリンピック終了後の2004年11月まではパスポートの発行対象とならないと判断したのである。そこでアルダマはオリンピックに出場するために新しい国を探し始め、スペインイタリアチェコからの申し出を受けた後、スーダンを選択した[3]

2004年1月23日にスーダンの市民権を取得した後、スーダン代表としてオリンピックに出場、5位に入賞した。同年中に15m28をマークして三段跳のスーダン記録を塗り替えた[2]2005年の世界選手権では4位、2007年2009年の世界選手権は予選落ち、北京オリンピックも記録なしで予選落ちした。

イギリス代表時代編集

イギリスに移住してほぼ10年が経過し、2010年2月5日にようやくイギリスの市民権を得た[5]。1年後の世界選手権には晴れてイギリス代表として出場し、5位に入賞した。

2012年3月9日、39歳の時にアルダマはトルコイスタンブールで開かれた世界室内選手権に出場、優勝した。これは歴代2位の年長記録である。40歳になる5か月前に、アルダマはマスターズW35の記録を2度更新した。

2012年10月にイギリス陸上競技ライター協会賞(British Athletics Writers' Association awards)のインスピレーション賞を受賞した。また、イギリス年間最優秀陸上競技選手(British Athlete of the Year)の投票でジェシカ・エニスクリスティーン・オールグーに次ぐ3番となった[6]

2013年1月、アルダマは2014年コモンウェルスゲームズのスコットランド代表を目指すことを決めた。もしこれが実現すれば、史上初の4か国の代表を経験する選手となるはずだった[7]。だが、最終的にはイングランド代表での出場となった。

主な成績編集

大会 開催地 順位 種目 記録
  キューバ代表
1988 中米カリブジュニア選手権英語版   バハマナッソー 1位 走高跳 1m78
4位 走幅跳 5m48
1990 中米カリブジュニア選手権   キューバハバナ 3位 走高跳 1m70
1996 イベロアメリカ選手権英語版   コロンビアメデジン 1位 三段跳 14m39 CR
1997 世界室内選手権   フランスパリ 6位 三段跳 14m28
中米カリブ選手権英語版   プエルトリコサンフアン 2位 三段跳 14m12 w
世界選手権   ギリシャアテネ 13位 (予選) 三段跳 14m09   (0.0 m/s
1998 イベロアメリカ選手権   ポルトガルリスボン 1位 三段跳 14m07
中米カリブ競技大会   ベネズエラマラカイボ 1位 三段跳 14m34
ワールドカップ   南アフリカ共和国ヨハネスブルグ 3位 三段跳 14m29   (0.6 m/s)
1999 世界室内選手権   日本前橋 7位 三段跳 14m47
世界選手権   スペインセビリア 2位 三段跳 14m61   (-0.4 m/s)
パンアメリカン競技大会   カナダウィニペグ 1位 三段跳 14m77 CR
2000 オリンピック   オーストラリアシドニー 4位 三段跳 14m30   (-0.9 m/s)
2003 ワールドアスレチックファイナル   モナコモンテカルロ 2位 三段跳 14m99   (0.2 m/s)
  スーダン代表
2004 世界室内選手権   ハンガリーブダペスト 2位 三段跳 14m90
アフリカ選手権   コンゴ共和国ブラザビル 1位 三段跳 14m90
オリンピック   ギリシャアテネ 5位 三段跳 14m99   (0.1 m/s)
ワールドアスレチックファイナル   モナコモンテカルロ 3位 三段跳 14m92   (0.2 m/s)
2005 世界選手権   フィンランドヘルシンキ 4位 三段跳 14m72   (0.8 m/s)
ワールドアスレチックファイナル   モナコモンテカルロ 6位 三段跳 14m26   (0.8 m/s)
2006 世界室内選手権   ロシアモスクワ 3位 三段跳 14m86
アフリカ選手権   モーリシャスバンブース 1位 三段跳 14m71 w   (2.6 m/s)
ワールドアスレチックファイナル   ドイツシュトゥットガルト 3位 三段跳 14m67   (-0.1 m/s)
ワールドカップ   ギリシャアテネ 3位 三段跳 14m78   (1.0 m/s)
2007 アフリカ競技大会   アルジェリアアルジェ 1位 三段跳 14m46
ワールドアスレチックファイナル   ドイツシュトゥットガルト 4位 三段跳 14m41   (0.3 m/s)
パンアラブ競技大会   エジプトカイロ 2位 走高跳 1m77
2位 走幅跳 6m05
2008 世界室内選手権   スペインバレンシア 5位 三段跳 14m47
アフリカ選手権   エチオピアアディスアベバ 2位 三段跳 14m36 SB
2009 世界選手権   ドイツベルリン 13位(予選) 三段跳 14m11   (0.1 m/s)
2010 世界室内選手権   カタールドーハ 19位(予選) 三段跳 12m41
  英国代表
2011 世界選手権   韓国大邱 5位 三段跳 14m50   (0.4 m/s)
2012 世界室内選手権   トルコイスタンブール 1位 三段跳 14m82
オリンピック   英国ロンドン 5位 三段跳 14m48   (-0.6 m/s)
2013 ヨーロッパ室内選手権   スウェーデンイェーテボリ 6位 三段跳 13m95
ヨーロッパチーム選手権英語版   イギリスゲーツヘッド 4位 三段跳 13m90

脚注編集

  1. ^ アルダマ IOCが2度目の国籍変更承認”. スポーツニッポン (2012年3月13日). 2012年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月15日閲覧。
  2. ^ a b Focus on Athletes - Yamilé Aldama”. IAAF (2008年2月28日). 2014年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月15日閲覧。
  3. ^ a b Knight, Tom (2004年1月27日). “Aldama picks Sudan after passport row”. The Daily Telegraph. 2014年2月15日閲覧。
  4. ^ Athletics: Cuban champion wants to compete for Britain”. The Daily Telegraph (2002年7月12日). 2014年2月15日閲覧。
  5. ^ Turnbull, Simon (2011年8月8日). “Aldama's triple jump from Cuba to GB may fall short of Daegu”. The Independent. 2014年2月15日閲覧。
  6. ^ “Farah and Ennis voted British Athletes of the Year”. uka.org.uk. (2012年10月26日). http://uka.org.uk/media/news/october-2012/26-10-12-farah-ennis/ 2014年2月15日閲覧。 
  7. ^ “Aldama leaps into the record books – but not for winning”. independent.co.uk. (2013年1月6日). http://www.independent.co.uk/sport/general/others/inside-lines-aldama-leaps-into-the-record-books--but-not-for-winning-8439793.html 2014年2月15日閲覧。 

関連項目編集

外部リンク編集