ヴェルデグリーン(欧字名:Verde Green2008年3月26日 - 2014年8月3日)は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍に2013年オールカマー2014年アメリカジョッキークラブカップ

ヴェルデグリーン
第58回有馬記念出走時
(2013年12月22日)
欧字表記 Verde Green[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2008年3月26日[1]
死没 2014年8月3日(6歳没)
ジャングルポケット[1]
レディーダービー[1]
母の父 スペシャルウィーク[1]
生国 日本の旗 日本北海道新冠町[1]
生産者 斉藤安行[1]
馬主 斎藤光政[1]
調教師 相沢郁美浦[1]
調教助手 三野輪亮[2]
競走成績
生涯成績 23戦7勝[1]
獲得賞金 1億9175万6000円[1]
勝ち鞍
GII オールカマー 2013年
GII AJCC 2014年
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馬名の由来は、「緑()」+冠名。半弟に2022年京都2歳ステークスを制したグリューネグリーン(父:ラブリーデイ)がいる。

戦績 編集

  • 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[3]

2010年12月25日、中山競馬場での2歳新馬戦でデビューし、1着[4]。その後しばらくは若葉ステークスを挟んで500万下条件クラスでなかなか勝てず、2012年2月の東京競馬場での500万下条件戦でようやく2勝目を挙げる。1000万下条件クラスに昇級も2戦して勝てず500万下条件に降級し、降級後4戦目の2013年1月に3勝目を挙げると、1000万下条件の調布特別[5]、1600万下条件の常総ステークス[6]と特別戦を連勝して3連勝とした。3連勝の陰には、これまでよくなかった爪の状態が改善したことが挙げられている[2][注釈 1]。重賞初出走となった新潟大賞典こそ10着に終わったが、秋初戦のオールカマーを9番人気で制して重賞ウイナーとなった[9]。その後出走の天皇賞(秋)有馬記念はそれぞれ8着、10着に終わったが、2014年初戦のアメリカジョッキークラブカップではサクラアルディート、フェイムゲームとの接戦をものにして重賞2勝目を挙げた[10]中山記念5着のあと短く休養し、次走に「メンバー手薄の可能性」と想定されていた宝塚記念に出走し[11]、レースでは12頭立ての最下位に終わった。

宝塚記念後は放牧に出されていたが、8月2日に放牧先で腹痛を発症したため美浦トレーニングセンターの診療所に搬送されて翌3日に開腹手術が行われたが、腸全体がに侵された末期の状態だったため、予後不良と診断され死亡した[2][12]。後半の主戦騎手だった田辺裕信や調教を担当していた調教助手の三野輪亮によれば、アメリカジョッキークラブカップ勝利後から筋肉の張りが落ちていく傾向があり、中山記念と宝塚記念の結果にも首を傾げていたものの、癌で死んだことによってようやく合点がいったという[2]。管理していた相沢も死亡直後や後年の平松さとしの取材に「(癌を)我慢していた」と推測し、厩舎ゆかりのウメノファイバーの血統から出た重賞ウイナーの死を悼んだ[12][2]

競走成績 編集

以下の内容は、JBISサーチ[3]、netkeiba.com[13]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
(kg)
1着馬(2着馬)
2010.12.25 中山 2歳新馬 芝2000m(良) 18 8 17 09.0(3人) 01着 R2:06.4(34.8) -0.1 松岡正海 55 (インプレザリオ)
2011.01.25 中山 若竹賞 500 芝1800m(良) 13 2 2 09.4(5人) 02着 R1:50.7(34.4) -0.0 松岡正海 56 テイエムオオタカ
0000.02.20 東京 セントポーリア賞 500 芝1800m(良) 16 7 13 06.2(4人) 05着 R1:48.4(34.4) -0.1 松岡正海 56 ヒラボクインパクト
0000.03.20 阪神 若葉S OP 芝2000m(良) 16 4 7 24.7(7人) 13着 R2:01.6(37.4) -2.5 内田博幸 56 ダノンミル
0000.09.24 中山 習志野特別 500 芝1600m(良) 16 6 12 04.8(2人) 11着 R1:34.9(34.7) -0.6 松岡正海 55 サクラクローバー
0000.10.16 新潟 菅名岳特別 500 芝2000m(良) 7 2 2 04.3(3人) 04着 R2:04.2(34.5) -0.4 津村明秀 55 ゴールドブライアン
0000.11.06 新潟 加治川特別 500 芝2000m(重) 11 5 5 09.3(5人) 03着 R2:02.2(34.0) -0.5 津村明秀 55 エスカナール
2012.02.04 東京 4歳上500万下 芝1600m(良) 16 2 4 03.7(1人) 01着 R1:34.2(34.8) -0.1 津村明秀 57 (ニシノマナザシ)
0000.03.04 中山 富里特別 1000 芝1800m(稍) 10 6 6 04.4(2人) 09着 R1:51.4(37.8) -1.7 松岡正海 55 トーセンジャガー
0000.04.22 東京 石和特別 1000 芝1800m(良) 9 5 5 10.3(4人) 09着 R1:49.8(34.8) -1.1 津村明秀 57 ルルーシュ
0000.10.06 東京 3歳上500万下 芝1800m(良) 15 5 9 08.1(4人) 05着 R1:47.1(34.3) -0.5 津村明秀 57 スーパームーン
0000.10.21 東京 3歳上500万下 芝1600m(良) 18 4 7 05.8(3人) 07着 R1:34.0(34.8) -0.3 津村明秀 57 ガーネットチャーム
0000.11.11 福島 3歳上500万下 ダ1700m(良) 15 6 11 11.3(4人) 12着 R1:49.3(40.7) -1.9 津村明秀 57 シャイニーダンディ
2013.01.12 中山 4歳上500万下 芝2000m(良) 16 8 15 20.2(6人) 01着 R2:01.8(34.8) -0.4 田辺裕信 57 (リルバイリル)
0000.01.26 東京 調布特別 1000 芝1800m(良) 11 3 3 06.7(3人) 01着 R1:47.5(32.7) -0.0 田辺裕信 57 (ジョングルール)
0000.03.24 中山 常総S 1600 芝2000m(良) 11 8 10 03.4(2人) 01着 R2:02.0(34.1) -0.1 田辺裕信 55 (ジョングルール)
0000.05.05 新潟 新潟大賞典 GIII 芝2000m(良) 16 1 1 10.2(5人) 10着 R1:58.1(35.0) -1.2 田辺裕信 54 パッションダンス
0000.09.22 中山 オールカマー GII 芝2200m(良) 16 6 12 38.0(9人) 01着 R2:12.0(33.6) -0.0 田辺裕信 56 メイショウナルト
0000.10.27 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 17 8 17 38.7(7人) 08着 R1:59.3(35.9) -1.8 田辺裕信 58 ジャスタウェイ
0000.12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 1 2 37.4(8人) 10着 R2:34.9(38.4) -2.6 田辺裕信 57 オルフェーヴル
2014.01.26 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 16 5 10 05.7(2人) 01着 R2:14.0(38.4) -0.0 田辺裕信 57 (サクラアルディート)
0000.03.02 中山 中山記念 GII 芝1800m(稍) 15 1 1 16.7(7人) 05着 R1:50.7(36.9) -0.9 田辺裕信 57 ジャスタウェイ
0000.06.29 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 12 7 9 64.1 (10人) 12着 R2:16.1(36.6) -2.2 田辺裕信 58 ゴールドシップ

血統表 編集

ヴェルデグリーン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ゼダーン系
[§ 2]

ジャングルポケット
1998 鹿毛
父の父
*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛
*カンパラ
Kampala
Kalamoun
State Pension
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
父の母
*ダンスチャーマー
Dance Charmer
1990 黒鹿毛
Nureyev Northern Dancer
Special
Skillful Joy Nodouble
Skillful Miss

レディーダービー
2002 栗毛
スペシャルウィーク
1995 黒鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
キャンペンガール *マルゼンスキー
レディーシラオキ
母の母
ウメノファイバー
1996 鹿毛
サクラユタカオー *テスコボーイ
アンジェリカ
ウメノローザ *ノーザンディクテイター
ウメノシルバー
母系(F-No.) フラストレート(GB)系(FN:1-b) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 4 × 5 = 9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [14]
  2. ^ [15]
  3. ^ [14]
  4. ^ [14][15]


脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 蹄が弱く、調教やレースの際には鉄橋鉄という特殊蹄鉄を履いていた[7]。2012年2月の2勝目の時からレースでは外せるようになった[8]

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ヴェルデグリーン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e 平松さとし「宝塚記念での予想外の大敗。後から分かった「我慢して走っていたんでしょう」という思わぬ敗因とは……」”. Yahoo!Japan ニュース. 平松さとし/Yahoo Japan Corporation. (2018年6月14日). 2021年5月5日閲覧。
  3. ^ a b ヴェルデグリーン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  4. ^ ヴェルデグリーンが早め先頭で押し切る/中山新馬”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2010年12月25日). 2021年5月5日閲覧。
  5. ^ 【調布特別】(東京)~G寸前捉えてヴェルデグリーン”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2013年1月26日). 2021年5月5日閲覧。
  6. ^ 【常総S】(中山)~ヴェルデグリーンが外から差し切る”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2013年3月24日). 2021年5月5日閲覧。
  7. ^ ヴェルデ進化 オルフェ効果”. 日刊スポーツ. 2022年5月14日閲覧。
  8. ^ 天皇賞ヴェルデグリーン相沢郁調教師インタビュー/美浦トレセンニュース”. netkeiba.com. 2022年5月14日閲覧。
  9. ^ 【オールカマー】(中山)~伏兵ヴェルデグリーンが混戦を断つ”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2013年9月22日). 2021年5月5日閲覧。
  10. ^ 【AJCC(GII)】(中山)~ヴェルデグリーン 重賞2勝目”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2014年1月26日). 2021年5月5日閲覧。
  11. ^ 【宝塚記念】美浦レポート~ヴェルデグリーン”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2014年6月25日). 2021年5月5日閲覧。
  12. ^ a b ヴェルデグリーン 末期がんで急死”. デイリースポーツ (2014年8月4日). 2014年8月4日閲覧。
  13. ^ ヴェルデグリーンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年5月5日閲覧。
  14. ^ a b c ヴェルデグリーン 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  15. ^ a b ヴェルデグリーンの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年5月5日閲覧。

外部リンク 編集