伊予市駅
伊予市駅(いよしえき)は、愛媛県伊予市米湊にある四国旅客鉄道(JR四国)予讃線の駅である[1]。駅番号はU05。「伊予灘ものがたり」を除く全列車が停車する。駅名標のコメントは「平家ゆかりの五色浜の駅」。
伊予市駅 | |
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駅舎(2015年7月) | |
いよし Iyoshi | |
◄U04 鳥ノ木 (1.2 km) (2.5 km) 向井原 U06・S06► | |
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所在地 | 愛媛県伊予市米湊832 |
駅番号 | ○U05 |
所属事業者 | 四国旅客鉄道(JR四国) |
所属路線 | ■予讃線 |
キロ程 | 206.0 km(高松起点) |
電報略号 |
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駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線[1] |
乗降人員 -統計年度- |
1,084[2]人/日 -2019年- |
開業年月日 | 1930年(昭和5年)2月27日[3] |
乗換 | 郡中港駅(伊予鉄道郡中線) |
備考 | 無人駅[4][5] |
歴史
編集1930(昭和5)年2月27日、国鉄讃予線が松山駅から当駅まで延伸したのに伴い南郡中駅(みなみぐんちゅうえき)として伊予郡郡中村(後に郡中町、現:伊予市)に開業した。開業当初は讃予線(後の予讃線)の終着駅であったが、およそ3年後の1932(昭和7)年12月には当駅から伊予上灘駅までが延伸となり、この駅は終着駅ではなくなった。所在地の郡中町は1955(昭和30)年1月1日に合併により伊予市となり、1957(昭和32)年2月27日には伊予市駅に改称された。
当初は乗降客が少なく、旅客収入はそれほど多くはなかった。ただし、貨物収入は四国管内でも有数であった。それは、この地が花かつおとみかんの有数の産地であることであり、1930(昭和5)年の路線開通後、輸送手段はは海路から陸路へと変わり貨車の争奪戦が繰り広げられた[6]。だが、輸送手段はしだいに鉄道からトラックへと変わり、1984(昭和59)年2月1日貨物の取り扱いは廃止された。
1986(昭和61)年3月には隣の向井原駅から内子駅までの新線が開通。新線を経由する列車は当駅 - 向井原駅間も通しで運行されることとなり、松山方面と伊予長浜方面、そして内子方面と三方向の接続駅となった。
かつてはほとんどの特急列車(1982年8月時点の時刻表では急行うわじまは停車している[7])が通過していたが、2008(平成20)年3月15日のダイヤ改正より、すべての特急列車が停車するようになった。
年表
編集- 1930(昭和5)年
- 1932(昭和7)年12月1日:国鉄予讃線が当駅から伊予上灘駅までが延伸となる。
- 1933(昭和8)年8月1日:国鉄予讃線が予讃本線に改称となる。
- 1950(昭和25)年3月20日:昭和天皇の戦後巡幸があり、お召し列車が南郡中駅発 - 八幡浜駅着で運行された[8]。
- 1957(昭和32)年4月1日:伊予市駅(いよしえき)に改称。
- 1984(昭和59)年2月1日:貨物の取り扱いを廃止[3]。
- 1985(昭和60)年3月14日:荷物扱い廃止[3]。
- 1986(昭和61)年3月3日:向井原駅 - 内子駅間の新線開通により、事実上の乗換駅となる。
- 1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により四国旅客鉄道の駅となる[3]。
- 1988(昭和63)年6月1日:予讃本線が予讃線に改称される。
- 1990(平成2)年11月21日:伊予北条駅 - 当駅間が電化[9]。
- 2008(平成20)年3月15日:ダイヤ改正により、すべての特急列車が停車するようになる。
- 2014(平成26)年3月15日:予讃線当駅 - 伊予大洲駅(伊予長浜駅経由)間の線区愛称が「愛ある伊予灘線」となる。
- 2024(令和6)年
駅構造
編集単式ホーム・島式ホーム混合2面3線を持ち単式ホームに接して駅舎のある地上駅である[1]。ホームに振られた番号は駅舎側から順番に1番線、2番線、3番線となっており1番線の線路が直線化された一線スルーの構造を持っている(速度制限はないが、すぐ西方にR300の曲線があるため、下り列車は減速通過となる。しかし、当駅を通過する定期列車は現在設定されていない)。通常は上下線とも1番線に発着し、交換列車や折り返し列車のみ2,3番線を使用している。松山駅 - 当駅間を結ぶ普通電車は発着合わせ12本のみである[10]。当駅から西側(伊予長浜方面および内子方面)が非電化、東側(松山・今治方面)が電化となっているため、架線は当駅のホーム末端先約100mで途切れている。当駅には、信号扱所の跡など通票閉塞時代の遺物が残っている。
駅舎は大きく木造瓦葺である。古くからのものであるが前面などを改装して大切に使っている。無人駅で[4][5]、自動券売機が設置されている。1980年代中期に跨線橋が設置されるまでは、2,3番線から改札のある1番線にはホーム間の軌道上に設置された踏切板を直接渡っていた。
のりば
編集のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
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1・2・3 | ■予讃線 | 上り | 松山・今治・高松・岡山方面 |
■予讃線(内子線経由) | 下り | 内子・伊予大洲・宇和島方面 | |
■予讃線(愛ある伊予灘線経由) | 伊予長浜・伊予大洲・宇和島方面 |
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自転車置場(2010年9月)
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架線終端付近(2010年9月)
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待合室(2024年4月)
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跨線橋(2024年8月)
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跨線橋からの眺め
(北側、2025年4月) -
跨線橋からの眺め
(南側、2025年4月)
利用状況
編集年度 | 1日平均 乗車人員 |
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2000年 | 780 |
2001年 | 758 |
2002年 | 690 |
2003年 | 695 |
2004年 | 688 |
2005年 | 695 |
2006年 | 675 |
2007年 | 688 |
2008年 | 662 |
2009年 | 625 |
2010年 | 624 |
2011年 | 617 |
2012年 | 605 |
2013年 | 585 |
駅周辺
編集当駅西北方向に伊予市の中核施設や市街地が展開され市役所なども比較的近く、銀行などの施設もそちら側にある。また駅の周り、北西方向は最近リニューアルされて第三セクターの商業施設「手づくり交流市場 町家」ができ飲食店などが整然と立ち並んでいる。
駅前を通る国道378号を挟んで伊予鉄道郡中線の郡中港駅と向かい合っている。
- ※一時ダイヤモンドフェリーによる高速船「スピーダー」が大分と結んでいたが、現在は定期航路なし(再開を検討中)。海上自衛隊の練習艦寄港地である。
隣の駅
編集※当駅に停車する特急「宇和海」の停車駅は列車記事を参照のこと。
脚注
編集- ^ a b c 『週刊 JR全駅・全車両基地』 53号 松山駅・伊予西条駅・下灘駅ほか83駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年8月25日、25頁。
- ^ “愛媛県 駅乗降客数”. 2021年3月11日閲覧。
- ^ a b c d e 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、639頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b c 『2024年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)四国旅客鉄道、2023年12月15日。オリジナルの2023年12月15日時点におけるアーカイブ 。2023年12月15日閲覧。
- ^ a b c 『駅業務体制の見直しについて』(PDF)(プレスリリース)四国旅客鉄道、2023年10月23日。オリジナルの2023年10月23日時点におけるアーカイブ 。2023年10月23日閲覧。
- ^ 『各駅停車 全国歴史散歩 愛媛県』河出書房新社、昭和55年3月25日、98,99頁。
- ^ 『国鉄監修・交通公社の時刻表 1982 8』日本交通公社、1982年8月1日、166-171頁。
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、104頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ “JR7社14年のあゆみ”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 9. (2001年4月2日)
- ^ 2002年1月時点(JR時刻表)では松山駅と当駅の間の電車は10本程度あった。
- ^ 出典:愛媛県統計年鑑