安全地帯X〜雨のち晴れ〜

安全地帯X〜雨のち晴れ〜』(あんぜんちたいテン〜あめのちはれ〜)は、日本のロックバンドである安全地帯の10枚目のオリジナル・アルバム

安全地帯X〜雨のち晴れ〜
安全地帯スタジオ・アルバム
リリース
録音 ウッドストックスタジオ
サウンド・シティ
ジャンル ロック
ポップス
AOR
時間
レーベル Sony Music Records
プロデュース 星勝
金子章平
チャート最高順位
安全地帯 アルバム 年表
安全地帯IX
2002年
安全地帯X〜雨のち晴れ〜
(2003年)
安全地帯 COMPLETE BEST
2005年
EANコード
玉置浩二関連のアルバム 年表
Best Harvest
(2003年)
安全地帯X〜雨のち晴れ〜
(2002年)
ゴールデン☆ベスト 玉置浩二 アーリー・タイムズ・プラス
(2003年)
『安全地帯X〜雨のち晴れ〜』収録のシングル
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2003年10月22日Sony Music Recordsからリリースされた。オリジナルアルバムとしては前作『安全地帯IX』より約1年2ヶ月振りのリリースとなった。全曲共に作詞は黒須チヒロ、作曲は玉置浩二が行い、プロデューサーは星勝と金子章平が担当している。

レコーディングは前作に引き続き軽井沢にあるウッドストックスタジオにて行われた。レコーディングは基本的に安全地帯の5名によって行われ、一部の曲でキーボーディスト安藤さと子が参加している他、星や金子もコーラスとして参加している。音楽性としては前作よりも軽快で陽気な楽曲が増えており、またロックナンバーからバラードまで幅広いジャンルを網羅している。

先行シングルとして「雨のち晴れ/ショコラ」がリリースされ、「ショコラ」は江崎グリコアーモンドチョコレート」のコマーシャルソングとして使用された。

オリコンチャートでは最高位20位となった。本アルバムのリリース後、再びバンド活動を休止。27thシングル「蒼いバラ/ワインレッドの心」(2010年)と次作の『安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」』(2010年)の発売迄の休止期間を設ける事になる。

背景編集

前作『安全地帯IX』(2002年)リリース後、安全地帯は「安全地帯コンサートツアー2002」と題したコンサートツアーを同年9月5日神奈川県立県民ホールから12月18日名古屋市民会館 大ホールまで31都市全41公演に及んで敢行した[2]。しかし前年に交通事故により腕を負傷していた武沢豊はツアーへの参加を断念し、武沢を除いた4名に安藤さと子カルロス菅野を加えた変則的な編成でツアーが実施される事になった[3]

2003年に入り、玉置はNHK総合テレビドラマ『盲導犬クイールの一生』(2003年)に出演、6月16日から7月28日まで全7回が放送された[4]。玉置の連続テレビドラマへの出演は、フジテレビ系木曜劇場こんな恋のはなし』(1997年)以来、約6年振りとなった。

9月22日にはshibuya eggmanにて安全地帯のライブを実施、武沢を含めた5名がフルメンバーでステージ上に登場する事となった[3]。また、shibuya eggmanは安全地帯が1982年のデビュー当時にホームグラウンドとして使用していたライブハウスであった[3]

録音編集

レコーディングは前作に引き続き軽井沢にあるウッドストックスタジオにて行われ、ストリングスのオーバーダビングのみサウンド・シティにて行われた。

プロデューサーはかつてKitty Records所属時代に安全地帯のプロデュースを手掛けていた星勝と金子章平が担当している。この2名が安全地帯のプロデュースに同時に携わるのは『安全地帯VIII〜太陽』(1991年)以来、12年振りの事であった[3]。またレコーディング・エンジニアは玉置の軽井沢時代のソロ作品から携わっていた高松明治ではなく、『CAFE JAPAN』(1996年)を手掛けていた田中邦明に変更された[3]。その他、本作のレコーディングは金子の要望によりほぼ全ての曲が一発録りにて行われた[3]

作詞は前作まで安全地帯の多くの楽曲の作詞を担当していた松井五郎ではなく、当時MISIAなどを手掛けていた黒須チヒロが担当する事となった[3]。松井は「安全地帯を終わらせるというと変だけど、ひとつの節目を作りたかったのかもしれない」と述べており、前作で一つの節目を付けた感覚があったために本作には不参加となった[3]。また黒須の起用に関しては、かつてRCサクセションのアルバム『シングル・マン』(1976年)の再リリースを目指して「シングル・マン再発売実行委員会」を発足させた音楽評論家吉見佑子が金子に黒須を紹介した事が切っ掛けとなった[3]

本作のレコーディング中に玉置が憩室炎を再発し、腸を30センチ切除する大手術を受け、7月から8月にかけて入院する事態となった[3]。この事は当時外部には一切伏せられており、武沢の交通事故による怪我や玉置の入院により、安全地帯にネガティブなイメージが付かないように配慮した結果であった[3]。そのような思惑があった事から、玉置は驚異的な回復を遂げ、9月22日のshibuya eggmanでのライブには復帰する事となった[3]

音楽性編集

玉置浩二の自伝本『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』において志田歩は、サウンド面や歌詞に関して前作よりも軽快で陽気な要素が増えた事を指摘し、本作のアレンジに関しては「ギター・バンドとしての冒険心もアピールする内容となっていた」と述べ、「玉置だけでなくみんなでアイデアを出し合ってポップな作品を作ろうとした気配がうかがえる」と総括している[3]

リリース、プロモーション編集

リリース

2003年10月22日Sony Music RecordsよりSACDCD-DAのハイブリッド盤にてリリースされた。初回限定盤にはシングル「雨のち晴れ」、「ショコラ」のPVおよびメイキングシーンを収録したDVDが付属され2枚組でリリースされた[5]

その後2017年11月22日にはデビュー35周年を記念してLP盤を再現した紙ジャケットSHM-CDにて再リリースされた[6][7][8]

メディアでの使用

アートワーク編集

前作のジャケットや歌詞カードでの写真などは、メンバー全員がスーツを身に纏いシックなイメージであったのに対し、本作ではメンバー全員の衣装がラフでカラフルなものになっている[3]。これに関して志田は「気取りのないカジュアルなもの」と指摘した上で、安全地帯の活動休止期間中にロマンス・グレーになっていた玉置に関しては、「もうちょっと大人びた服のほうが似合っていたのではないだろうか」と疑問を投げかけている[3]

ツアー編集

本作を受けてのコンサートツアー「安全地帯コンサートツアー2003」は、本作リリース前となる同年10月3日の八千代市市民会館から12月28日東京厚生年金会館まで38都市全45公演に及んで開催された[9]。このツアーによって完全復活を遂げたように見えた安全地帯であったが、玉置はアルバム製作やこのツアーを素直に楽しむことができず、その事を星や金子に相談する事ができずにいる状態であった[3]。安全地帯の復活は切り札であったと玉置は述べ、復活した事自体は素直に「ものすごく嬉しかった」と述べたが、同時に「自分の中でなにかが終わった」という感覚も覚え、一方的に活動休止宣言を行う事となった[3]。これにより、玉置はメンバーやスタッフの期待を裏切る形となった事の重責により精神的に強く落胆する事となった[3]

批評編集

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
CDジャーナル肯定的[5][10]
TOWER RECORDS ONLINE肯定的[11]
  • 音楽情報サイト『CDジャーナル』では、軽快なロックナンバーから切ないバラードまで幅広く収録されている事を指摘した上で、「これぞ大人のロックと呼べる世界を聴かせてくれる」と肯定的に評価した[5]。また、「幅広い表情をもった楽曲の数々を、玉置浩二の圧倒的なヴォーカルで彩っている」と称賛した[10]
  • 音楽情報サイト『TOWER RECORDS ONLINE』では、本作が安全地帯の10作目のアルバムである事に触れた上で、収録曲に関しては「様々な顔を見せるバンドサウンド」と表現し、また「圧倒的な玉置浩二のボーカル力を感じさせる」と称賛した[11]

チャート成績編集

オリコンチャートでは最高位20位、登場回数5回となり、売り上げ枚数は1.9万枚となった。

収録曲編集

SACD Hybrid編集

全作詞: 黒須チヒロ、全作曲: 玉置浩二、全編曲: 安全地帯星勝、金子章平、安藤さと子/ストリングス・アレンジ:星勝。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.明星黒須チヒロ玉置浩二
2.雨のち晴れ黒須チヒロ玉置浩二
3.黒須チヒロ玉置浩二
4.カメレオン黒須チヒロ玉置浩二
5.ショコラ黒須チヒロ玉置浩二
6.この星はみんなの星黒須チヒロ玉置浩二
7.薔薇黒須チヒロ玉置浩二
8.水のない噴水黒須チヒロ玉置浩二
9.負け戦黒須チヒロ玉置浩二
10.月見草黒須チヒロ玉置浩二
11.いつの日か会いましょう黒須チヒロ玉置浩二
12.夜間飛行黒須チヒロ玉置浩二
合計時間:

DVD編集

  1. 雨のち晴れ (VIDEO CLIP)
  2. ショコラ (VIDEO CLIP)
  3. MAKING

スタッフ・クレジット編集

安全地帯編集

参加ミュージシャン編集

スタッフ編集

  • 鍋田由美 - スタイリスト
  • 吉田和則 - ヘアー&メイク・アップ
  • 宮内直人 (SUGAR) - ヘアー&メイク・アップ
  • 高木伸二 (Sony Music Records) - A&R
  • 大島美奈子 (Sony Music Records) - A&R
  • ソニー・ミュージック・プロモーション・ルーム - プロモーション
  • ソー・ハナオカ(ソニー・ミュージックディストリビューション) - セールス・プロモーション
  • 斉藤剛(ソニー・ミュージックディストリビューション) セールス・プロモーション
  • 黒木大哲(ソニー・ミュージックディストリビューション) - セールス・プロモーション
  • 辻野学(ソニー・ミュージックディストリビューション) - セールス・プロモーション
  • 渡辺久美子(ソニー・ミュージックコミュニケーションズ) - プロダクト・コーディネーション
  • 金子洋明オフィス - マネージメント・オフィス
  • アンクルオニオン - マネージメント・オフィス
  • KATZ SONGS - マネージメント・オフィス
  • 五十嵐リエ(アンクルオニオン) - マネージメント・デスク
  • やなぎさわとしゆき(ウッドストック) - アーティスト・サポート
  • 平賀裕二(サウンドクルー) - インストゥルメント・テクニシャン
  • 金子洋明(金子洋明オフイス) - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 村松俊亮 (Sony Music Records) - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 中田たけし - スペシャル・サンクス
  • さとうひろのり - スペシャル・サンクス
  • しらいまさよし - スペシャル・サンクス
  • 吉見佑子 - スペシャル・サンクス
  • 大川正義 - スペシャル・サンクス
  • さとうやすひろ - スペシャル・サンクス
  • Yagi-chan - スペシャル・サンクス

リリース履歴編集

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 2003年10月22日 Sony Music Records SACD Hybrid+DVD
SACD Hybrid
SRCL-10001~2(初回盤)
SRCL-10003(通常盤)
20位 初回限定盤のみDVD付属
2 2017年11月22日 GT music Blu-spec CD2 MHCL-30475 - 紙ジャケット仕様

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ ORICON STYLE”. オリコン. 2013年5月17日閲覧。
  2. ^ 安全地帯 -安全地帯コンサートツアー2002”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2020年2月16日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 志田歩「第12章 21世紀の安全地帯」『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、181 - 194頁。ISBN 9784876722006
  4. ^ 盲導犬クイールの一生 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2020年2月17日閲覧。
  5. ^ a b c 安全地帯 / 安全地帯X~雨のち晴れ~ [SA-CDハイブリッド] [CD+DVD] [限定]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2020年2月17日閲覧。
  6. ^ 安全地帯、これまでの全オリジナルアルバムを紙ジャケット仕様にして再販決定!”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク (2017年9月15日). 2019年8月12日閲覧。
  7. ^ 安全地帯デビュー35周年、オリジナルアルバム14タイトルを紙ジャケで一挙再発”. Musicman-net. エフ・ビー・コミュニケーションズ (2017年9月15日). 2019年8月12日閲覧。
  8. ^ 安全地帯、1983~2013年発表の14タイトルが紙ジャケで一挙再発”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2017年9月19日). 2019年8月12日閲覧。
  9. ^ 安全地帯 -安全地帯コンサートツアー2003”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2020年2月17日閲覧。
  10. ^ a b 安全地帯 / 安全地帯10~雨のち晴れ~ [紙ジャケット仕様] [Blu-spec CD2] [限定]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2020年2月17日閲覧。
  11. ^ a b JMD (2017年10月4日). “安全地帯/安全地帯X~雨のち晴れ~<完全生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2020年2月17日閲覧。

外部リンク編集