マイク・マイナー (野球)

アメリカの野球選手 (1987 - )

マイケル・デビッド・マイナーMichael David "Mike" Minor, 1987年12月26日 - )は、アメリカ合衆国テネシー州マーシャル郡チャペルヒル英語版出身のプロ野球選手投手)。左投右打。現在は、フリーエージェント(FA)。

マイク・マイナー
Mike Minor
テキサス・レンジャーズ時代
(2018年7月15日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テネシー州マーシャル郡チャペルヒル英語版
生年月日 (1987-12-26) 1987年12月26日(36歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 左投右打
ポジション 投手
プロ入り 2009年 MLBドラフト1巡目
初出場 2010年8月9日
年俸 $10,000,000(2022年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
パンアメリカン競技大会
2007 野球

経歴 編集

プロ入り前 編集

2006年MLBドラフト13巡目(全体379位)でタンパベイ・デビルレイズから指名されるが、契約せずにヴァンダービルト大学へ進学した。

大学では、2学年上にデビッド・プライス、1学年上にペドロ・アルバレスがいた。2007年7月に開催されたリオデジャネイロパンアメリカン競技大会野球アメリカ合衆国代表に選出された[2]2008年世界大学野球選手権にアメリカ合衆国代表として参加し、金メダルを獲得している。

プロ入りとブレーブス時代 編集

 
アトランタ・ブレーブス時代
(2014年7月29日)

2009年6月のMLBドラフト1巡目(全体7位)でアトランタ・ブレーブスから指名され、8月6日に契約金242万ドルで入団に合意した[3]。入団後、傘下のA級ローム・ブレーブス英語版で4試合に登板し、防御率は0.69だった[4]

2010年はAA級ミシシッピ・ブレーブスからスタートし、15試合に先発して防御率4.03だったが、AAA級グウィネット・ブレーブスに昇格後は6度の先発で防御率1.89と調子を上げた。故障者リスト入りしたクリス・メドレンと入れ替わる形で、8月9日のヒューストン・アストロズ戦でメジャーデビュー[5]。8月22日のシカゴ・カブス戦では、6イニングで12個の三振を奪い、1試合の奪三振数において、前年のトミー・ハンソン(11個)を上回るブレーブスの新人記録を樹立した[6]。8月は防御率3.81だったが、9月は月間防御率9.37と苦しみ、トータルでの防御率は5.98に終わった。

2014年1月17日にブレーブスと380万ドルの1年契約に合意した[7]。3月23日に左肩腱板炎のため、15日間の故障者リスト入りした[8]。3月31日にリハビリのため、AA級ミシシッピへ異動した。5月2日に復帰したが、以後は不安定な投球に終始した。しかしながら、シーズン終盤には6試合連続でQSを記録した[9]。シーズン全体では25試合に登板して6勝12敗、防御率4.77という成績に終わり、連続二桁勝利は2年連続でストップした。

2015年は、前年10月に受けた肩の手術の影響で全休し、オフにノンテンダーFAとなる[10]

ロイヤルズ時代 編集

2016年2月19日、カンザスシティ・ロイヤルズと2年725万ドルで契約を結んだ[11]。この年はメジャーで投げる機会はなかった。マイナーではAA級ノースウエストアーカンソー・ナチュラルズとAAA級オマハ・ストームチェイサーズで計10試合に先発登板して0勝4敗、防御率5.74と打ち込まれた。

2017年は3年ぶりにメジャーのマウンドに復帰した。この年は自身初めてリリーフとして起用され、65試合登板(全てリリーフ)で6勝6敗6セーブ、防御率2.55の好成績を挙げた。オフの11月3日にFAとなった[10]

レンジャーズ時代 編集

2017年12月6日にテキサス・レンジャーズと3年2800万ドルで契約を結んだ[12]

2018年は先発に復帰。序盤は安定感を欠いていたが、6月は防御率2.08と良い投球を見せた。後半戦は一定の結果を残し(6勝2敗、防御率2.97)、最終成績は12勝8敗、防御率4.18だった。

2019年は前半戦に8勝4敗、防御率2.54の好成績を残し、オールスターに初選出された。なお、登板日の関係でマウンドに上がることはなかった。後半戦は調子を落としたが、9月2日のニューヨーク・ヤンキース戦では7.1回無失点でヤンキースの連続被完封なし記録を220試合で止めるのに貢献するということもあった[13]。最終登板のボストン・レッドソックス戦で200奪三振に到達した。最終的に14勝10敗、防御率3.59で、大台の200回と200奪三振を達成した。

アスレチックス時代 編集

2020年8月31日に後日発表選手2名[注 1]とのトレードで、金銭と共にオークランド・アスレチックスへ移籍した[15]。オフの10月28日にFAとなった[16]

ロイヤルズ復帰 編集

2020年12月1日に古巣のロイヤルズと2年総額1800万ドルの契約を結んだ[17]。オプションとして2023年は球団側が選択権を所持し、バイアウトの際は100万ドルが支払われる。

レッズ時代 編集

2022年3月16日にアミール・ギャレットとのトレードで、金銭と共にシンシナティ・レッズへ移籍した[18]。この年は19試合に先発登板して4勝12敗、防御率6.06、76奪三振を記録した。オフの11月8日にFAとなった[10]

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2010 ATL 9 8 0 0 0 3 2 0 0 .600 185 40.2 53 6 11 0 1 43 0 0 28 27 5.98 1.57
2011 15 15 0 0 0 5 3 0 0 .625 361 82.2 93 7 30 5 1 77 2 0 39 38 4.14 1.49
2012 30 30 0 0 0 11 10 0 0 .524 728 179.1 151 26 56 7 5 145 3 0 88 82 4.12 1.15
2013 32 32 1 0 0 13 9 0 0 .591 820 204.2 177 22 46 2 1 181 5 0 79 73 3.21 1.09
2014 25 25 0 0 0 6 12 0 0 .333 637 145.1 165 21 44 2 6 120 5 0 77 77 4.77 1.44
2017 KC 65 0 0 0 0 6 6 6 17 .500 307 77.2 57 5 22 3 1 88 5 0 23 22 2.55 1.02
2018 TEX 28 28 0 0 0 12 8 0 0 .600 640 157.0 138 25 38 1 8 132 3 1 76 73 4.18 1.12
2019 32 32 2 1 0 14 10 0 0 .583 863 208.1 190 30 68 1 7 200 2 0 86 83 3.59 1.24
2020 7 7 0 0 0 0 5 0 0 .000 155 35.1 35 7 13 0 0 35 0 0 23 22 5.60 1.36
OAK 5 4 1 1 0 1 1 0 0 .500 84 21.1 15 4 7 0 1 27 0 0 13 13 5.48 1.03
'20計 12 11 1 1 0 1 6 0 0 .143 239 56.2 50 11 20 0 1 62 0 0 36 35 5.56 1.24
2021 KC 28 28 0 0 0 8 12 0 0 .400 699 158.2 156 26 41 0 5 149 4 0 92 89 5.05 1.24
2022 CIN 19 19 0 0 0 4 12 0 0 .250 455 98.0 120 24 40 4 7 76 2 0 72 66 6.06 1.63
MLB:10年 295 228 4 2 0 83 90 6 17 .480 5904 1409.0 1350 203 416 25 43 1273 31 1 696 665 4.25 1.25
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績 編集



投手(P)












2010 ATL 9 0 4 0 0 1.000
2011 15 1 11 0 0 1.000
2012 30 2 22 0 1 1.000
2013 32 5 20 0 1 1.000
2014 25 4 15 0 0 1.000
2017 KC 65 1 9 0 1 1.000
2018 TEX 28 5 18 2 0 .920
2019 32 7 21 0 1 1.000
2020 7 2 4 1 0 .857
OAK 5 2 2 0 0 1.000
'20計 12 4 6 1 0 .909
2021 KC 28 1 7 1 0 .889
2022 CIN 19 4 5 0 1 1.000
MLB 295 34 138 4 5 .977
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録 編集

背番号 編集

  • 56(2010年)
  • 36(2011年 - 2014年、2018年)
  • 26(2017年)
  • 23(2019年 - 2021年)
  • 31(2022年)

代表歴 編集

  • 2007年パンアメリカン競技大会野球アメリカ合衆国代表
  • 2008年世界大学野球選手権アメリカ合衆国代表

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 2020年9月18日にダスティン・ハリス英語版マーカス・スミスと発表されている[14]

出典 編集

  1. ^ Mike Minor Contract Details, Salaries, & Earnings” (English). Spotrac. 2022年10月16日閲覧。
  2. ^ 2007 Pan American Team Roster USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2010年9月21日) 2017年7月2日閲覧
  3. ^ Braves Sign Minor For $2.42 Million” (英語). Marshall County Tribune (2009年8月7日). 2016年2月25日閲覧。
  4. ^ Mike Minor Minor League Statistics & History. Baseball-Reference.com(英語). 2011年10月3日閲覧
  5. ^ Mark Bowman (2010年8月7日). “Minor settling in ahead of Major League debut” (英語). MLB.com. 2016年2月25日閲覧。
  6. ^ Minor wins again, equals Braves' rookie strikeout record. Nashville City Paper(英語). 2011年10月3日閲覧
  7. ^ Mark Bowman (2014年1月17日). “Braves avoid arbitration with four players”. MLB.com. 2016年2月25日閲覧。
  8. ^ "Braves place five pitchers on disabled list". MLB.com (Press release) (英語). 23 March 2014. 2016年2月25日閲覧
  9. ^ 友成那智、[[村上雅則 |村上雅則]]『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、278頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  10. ^ a b c MLB公式プロフィール参照。2024年2月24日閲覧。
  11. ^ Jeffrey Flanagan (2016年2月19日). “Royals sign Minor to two-year deal” (英語). MLB.com. 2016年2月25日閲覧。
  12. ^ T.R. Sullivan (2017年12月6日). “Rangers add Minor to join starting rotation” (英語). MLB.com. 2017年12月7日閲覧。
  13. ^ ヤンキースが完封されるのは221試合ぶり。それってどれくらいすごい記録なの?(宇根夏樹)”. Yahoo!ニュース 個人. 2019年10月4日閲覧。
  14. ^ Texas gets 2 prospects to finish Minor trade” (英語). MLB.com (2020年9月18日). 2020年9月20日閲覧。
  15. ^ Martín Gallegos (2020年8月31日). “A's land Minor in trade with Rangers” (英語). MLB.com. 2020年9月5日閲覧。
  16. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月11日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月17日閲覧。
  17. ^ Royals Sign Mike Minor” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月2日閲覧。
  18. ^ Press release: Royals acquire Amir Garrett from Reds for Mike Minor”. MLB.com. 2022年3月17日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集