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中川寛斗

日本のサッカー選手

中川 寛斗（なかがわ ひろと、1994年11月3日 - ）は、埼玉県さいたま市浦和区（旧浦和市）出身のプロサッカー選手。Jリーグ・大分トリニータ所属。ポジションはミッドフィールダー、フォワード。

中川 寛斗
名前
カタカナ ナカガワ ヒロト
ラテン文字 NAKAGAWA Hiroto
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1994-11-03) 1994年11月3日（29歳）
出身地 埼玉県さいたま市浦和区（旧浦和市）
身長 155cm
体重 60kg
選手情報
在籍チーム 日本の旗 大分トリニータ
ポジション MF (OH, CH) / FW (ST, WG)
背番号 5
利き足 右足
ユース
2004-2012 柏レイソル
クラブ1
年 クラブ 出場 (得点)
2013-2019 日本の旗 柏レイソル 63 (7)
2013-2014 →日本の旗 湘南ベルマーレ (loan) 10 (0)
2014-2015 →日本の旗 Jリーグ・アンダー22選抜 4 (0)
2019 →日本の旗 湘南ベルマーレ (loan) 10 (0)
2020 日本の旗 湘南ベルマーレ 19 (3)
2021 日本の旗 京都サンガF.C. 11 (0)
2022- 日本の旗 大分トリニータ 50 (8)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年11月12日現在。
■テンプレート（■ノート ■解説）■サッカー選手pj

来歴 編集

プロ入り前 編集

2歳年上の兄の影響から、幼稚園生の時にジップサッカークラブでサッカーを始めた[1]。さいたま市立大東小学校入学後は大東サッカースポーツ少年団のほか、浦和美園のクーバー・フットサルスクールに通ってテクニックを磨き、小学4年時から柏レイソルの下部組織に加入した[1]。同期には中村航輔、秋野央樹、小林祐介、木村裕、金竜滉等がいる。当時から身体が小さく、小学6年時の身長は127cmで、平均よりも約20cm低かった[2][3]。周囲からは身長を伸ばす医療的な処置も勧められていたが、両親から貰った身体を大切にしたいという思いがあり、将来プロ選手になることができれば同じ悩みを抱える子供たちに勇気を与えられると考え、最終的には自ら医療の力には頼らないことを決断した[2][3][4][5]。

加入当初は出場機会を得られない時期もあったが[1][6]、小柄な体格をカバーするためにFCバルセロナのシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタのプレーを研究して基本技術や判断力、ポジショニングの質を徹底的に磨き[4][7]、吉田達磨の指導を受けた中学3年時には中心選手として活躍[1][8]。高校時代には各年代別日本代表にも選出され、国際ユースサッカーin新潟等の国際大会に出場した[9]。

高校3年時の2012年は司令塔としてチームを牽引し[10]、日本クラブユースサッカー選手権 (U-18)大会でクラブ史上初の優勝を達成。千葉県予選を勝ち抜いて出場した第92回天皇杯では、2回戦で同大会史上初となるトップチームと下部組織の「兄弟対決」を実現させた[11][12]。

しかし、トップチームへの昇格を当時の監督であったネルシーニョに身長が低い事を理由に反対されたことにより[13]、トップチーム昇格と同時に湘南ベルマーレへ期限付き移籍することとなった[14][15]。

湘南ベルマーレ 編集

2013年4月27日、J1第8節・ジュビロ磐田戦で公式戦初出場。同年8月にはU-19日本代表に選出され、スペイン・バレンシアで開催されたアルクディア国際ユースサッカートーナメント（英語版）に参加した[16]。湘南では在籍2年間でリーグ戦10試合に出場し、2014年にはJ2リーグ優勝を経験した。

柏レイソル 編集

2015年、アカデミー時代の恩師で、新たに柏レイソル監督に就任した吉田達磨から乞われる形で柏へ復帰[17][13]。10月3日のJ1 2ndステージ第13節名古屋グランパス戦でプロ初得点を記録し、Jリーグ史上最も身長の低い得点者となった[18]。

2016年、開幕直後に下部組織時代に指導を受けた下平隆宏が監督に就任すると出場機会を増やし[19][20]、リーグ戦22試合に出場。4月24日の1st ステージ第8節鹿島アントラーズ戦では走行距離13.769km、スプリント回数39回を記録し、いずれもリーグ全体で1位となった[21][22]。

2017年はJ1第4節から運動量を買われ、クリスティアーノとの2トップの一角として先発に抜擢され、首位争いを演じた前半戦において貢献を果たした[23]。また、5月21日の第12節・ジュビロ磐田戦ではプロ入り後初めて頭で得点を記録。Jリーグで身長が一番低い事もあってヘディングでの得点はニュースになり、本人も頭での得点は「記憶にない。小学生の時に１回あったかな」と語った[24]。しかし後半戦からはディエゴ・オリヴェイラ、ハモン・ロペスの個の力が重視された為、出場機会を減らす形となった[23]。

2018年も当初は控えが中心であったが、4月から5月にかけて一時スタメンを奪取。その期間中に記録した2得点はいずれも当該試合の決勝点となった。監督が下平から加藤望に交代して以降は再び出場機会を減らし、チームもJ2降格となった[25]。

湘南ベルマーレ復帰 編集

2019年、湘南ベルマーレへ2014年以来2度目の期限付き移籍で加入[26]。シーズン終了後に完全移籍に移行した。

2020年限りで契約満了により湘南を退団[27]。

京都サンガF.C. 編集

2021年、京都サンガF.C.に加入[28]。同年、チームはJ1昇格を果たしたものの自身は公式戦13試合の出場にとどまった[29]。

大分トリニータ 編集

2022年、柏時代に指導を受けた下平隆宏が監督に就任した大分トリニータへ完全移籍で加入[30]。

プレースタイル 編集

湘南ベルマーレ時代に曺貴裁監督の下で培った運動量が持ち味で、毎試合チームでトップクラスの走行距離・スプリント回数を記録している[19][31]。上背はないが、大柄なディフェンダーの間をすり抜ける俊敏性と正確なボールコントロール技術、パスセンスを持ち[2][5][22]、敵陣のスペースを突くランニングや、味方に有効的にスペースを使わせるポジショニングなど、常にチームを機能させる最善のプレー選択ができるインテリジェンスは高く評価されている[19]。守備面でも前線からのプレスや、ボランチが釣り出されたスペースを埋める動きを献身的に行うことができる[19][32]。

人物 編集

  • 2016年時点で、最も身長が低い（155 cm）Jリーグ所属選手である[33][34]。
  • 2017年3月31日、一般女性と結婚したことを発表した。

所属クラブ 編集

個人成績 編集

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 リーグ杯オープン杯 期間通算
出場得点 出場得点出場得点 出場得点
日本 リーグ戦 リーグ杯天皇杯 期間通算
2011 柏U-18 8 - - - 1 0 1 0
2012 - - 2 0 2 0
2013 湘南 34 J1 7 0 2 0 1 0 10 0
2014 20 J2 3 0 - 1 0 4 0
2015 柏 19 J1 5 1 1 0 1 0 7 1
2016 22 1 5 1 2 0 29 2
2017 22 3 2 0 4 0 28 3
2018 14 2 4 1 0 0 18 3
2019 湘南 14 10 0 5 0 0 0 15 0
2020 19 3 2 0 - 21 3
2021 京都 J2 11 0 - 2 0 13 0
2022 大分 23 20 4 5 0 2 0 27 4
2023 5 30 4 - 1 0 31 4
2024
通算 日本 J1 99 10 21 2 7 0 127 12
日本 J2 64 8 5 0 6 0 75 8
日本 他 - - 3 0 3 0
総通算 163 18 26 2 15 0 205 20

その他の公式戦

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 期間通算
出場得点 出場得点
日本 リーグ戦 期間通算
2014 J-22 - J3 3 0 3 0
2015 1 0 1 0
通算 日本 J3 4 0 4 0
総通算 4 0 4 0
国際大会個人成績
年度 クラブ 背番号 出場 得点
AFCACL
2015 柏 19 1 0
2018 2 0
通算 AFC 3 0

出場歴 編集

タイトル 編集

クラブ 編集

柏レイソルU-12
柏レイソルU-15
柏レイソルU-18
湘南ベルマーレ

代表歴 編集

脚注 編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d 土屋雅史 (2016年7月1日). “『この世界で生きていく価値がある僕を育ててくれたチームがレイソルだと思うんです』Pre-match Words ～柏レイソル 中川寛斗選手編～”. J SPORTS. 2016年11月5日閲覧。
  2. ^ a b c “【Jの新星(11)】柏・MF中川寛斗 「背の低い選手に夢を与えたい」 155センチがJ初ゴール”. 産経新聞 (2015年12月12日). 2016年11月5日閲覧。
  3. ^ a b “GIANT KILLING extra【ファミリー～Jリーガーと家族 (6)】 柏レイソル 中川寛斗選手（前編）”. モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ (2016年11月3日). 2016年11月5日閲覧。
  4. ^ a b “J最小兵1メートル55、湘南MF中川が挑む「大肉小食」”. スポーツニッポン (2013年5月4日). 2014年11月25日閲覧。
  5. ^ a b “日本テレビ｜Going! Sports＆News｜2016/04/30(土)23:55放送内容”. TVでた蔵 (2016年4月30日). 2016年11月5日閲覧。
  6. ^ “【馬入日記：2月12日】中川選手インタビュー＆17日はFvsJ!!”. 湘南ベルマーレ (2013年2月12日). 2016年11月5日閲覧。
  7. ^ “［Y☆voice146］柏U-18MF中川寛斗「トップも凄いけれど、アカデミーも凄いところを見て欲しい」”. ゲキサカ (2012年3月16日). 2014年11月25日閲覧。
  8. ^ “全日本ユース(U-15)選手権 バルサ流の柏は延長に力尽きる。ユースでのリベンジ誓う”. ゲキサカ (2009年12月27日). 2014年11月25日閲覧。
  9. ^ 『柏レイソルU-18 中川 寛斗選手が『U-17日本代表』に選出』（プレスリリース）柏レイソル、2011年7月5日。http://blog.reysol.co.jp/news/2011/010526.html。 
  10. ^ 藤江直人 (2013年2月14日). “身長155cmの最小兵。ベルマーレのルーキー中川寛斗が輝く理由”. Sports Times. 2014年11月25日閲覧。
  11. ^ 鈴木潤 (2012年9月12日). “史上初の「兄弟対決」が示した明るい未来”. スポーツナビ. 2014年11月25日閲覧。
  12. ^ “存在感光った柏U-18の158cmMF中川、感動の一戦・光景に「また鳥肌立たせたい」”. ゲキサカ (2012年9月8日). 2014年11月25日閲覧。
  13. ^ a b “柏・中川寛斗。Jリーグ最小155センチの身体が放つ、まばゆい輝き”. VICTORY Sports News (2017年5月23日). 2022年9月6日閲覧。
  14. ^ 『柏レイソルU-18所属 中川寛斗選手が来季新加入、および湘南ベルマーレに期限付き移籍』（プレスリリース）柏レイソル、2012年12月30日。http://blog.reysol.co.jp/news/2012/011331.html。 
  15. ^ 『柏レイソル 中川寛斗選手 移籍加入のお知らせ』（プレスリリース）湘南ベルマーレ、2012年12月30日。http://www.bellmare.co.jp/71574。 
  16. ^ 『中川寛斗選手 U-19日本代表 選出のお知らせ』（プレスリリース）湘南ベルマーレ、2013年8月5日。http://www.bellmare.co.jp/87305。 
  17. ^ 『中川 寛斗選手 柏レイソルに復帰』（プレスリリース）柏レイソル、2014年12月26日。http://blog.reysol.co.jp/news/2014/013217.html。 
  18. ^ “J史上“最小”ゴールが誕生…身長155センチの柏MF中川、600試合のGK楢崎を打ち破る”. SOCCER KING (2015年10月3日). 2015年10月3日閲覧。
  19. ^ a b c d 鈴木潤 (2016年6月24日). “【柏 vs 湘南】 ウォーミングアップコラム：湘南に敬意と感謝の念を抱き、古巣との対戦に燃える中川寛斗”. J's GOAL. 2015年10月3日閲覧。
  20. ^ 土屋雅史 (2016年7月1日). “『僕は僕で考えて絞り出した結果が今にあるのかなと思います』Pre-match Words ～柏レイソル 中川寛斗選手編～”. J SPORTS. 2016年11月5日閲覧。
  21. ^ “J1第1S第8節の走行距離発表…最も走った選手は21歳MF中川”. ゲキサカ (2016年4月25日). 2016年11月5日閲覧。
  22. ^ a b “第1ステージ(8) 柏のMF中川が「2冠」 走行距離、ダッシュ回数で初のトップに”. 産経新聞 (2016年4月29日). 2016年11月5日閲覧。
  23. ^ a b “【THE REAL】柏レイソルの小さな巨人・中川寛斗が輝く理由…献身的なプレーに導かれる不敗神話”. CYCLE (2017年10月28日). 2022年9月6日閲覧。
  24. ^ “Ｊ最小155ｃｍ柏中川、頭で得点「記憶にない」”. 日刊スポーツ (2017年5月21日). 2017年6月15日閲覧。
  25. ^ “MF19 中川寛斗「4月の鳥栖戦と浦和戦では決勝弾で勝利をもたらすも、シーズンの後半戦は出場機会に恵まれなかった」【2018シーズン選手レビュー】”. ガードかなさる (2019年1月6日). 2022年9月6日閲覧。
  26. ^ 『中川寛斗選手 柏レイソルから期限付き移籍加入のお知らせ』（プレスリリース）湘南ベルマーレ、2018年12月26日。http://www.bellmare.co.jp/208311。 
  27. ^ 『中川寛斗選手 契約満了のお知らせ』（プレスリリース）湘南ベルマーレ、2021年1月3日。https://www.bellmare.co.jp/251767。 
  28. ^ 『中川寛斗選手 加入のお知らせ』（プレスリリース）京都サンガF.C.、2021年1月6日。https://www.sanga-fc.jp/news/p/15598/。 
  29. ^ “【大分】京都からMF中川寛斗が完全移籍。｢大分のフィロソフィーである‟感動“を体現します｣”. サッカーマガジンWeb (2022年1月7日). 2022年1月10日閲覧。
  30. ^ 『中川 寛斗選手 京都サンガF.C.より完全移籍加入のお知らせ』（プレスリリース）大分トリニータ、2022年1月7日。https://www.oita-trinita.co.jp/news/20220178026/。2022年1月10日閲覧。 
  31. ^ “Vitoria vol.306”. 柏レイソル (2016年6月24日). 2016年11月5日閲覧。
  32. ^ 飯尾篤史 (2016年8月30日). “柏の小さな巨人が示した川崎攻略法。155cm・中川寛斗の“気が利く守備”。”. Number Web. 2016年11月5日閲覧。
  33. ^ “155cmのJリーガー誕生！柏 中川が昇格、湘南へ期限付き移籍”. スポーツニッポン (2012年12月30日). 2014年11月25日閲覧。
  34. ^ “［湘南］曺監督も認める、155cmの最小Jリーガー中川のストロングポイント”. BLOGOLA (2013年3月13日). 2014年11月25日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

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