溝脇隼人

日本のプロ野球選手

溝脇 隼人(みぞわき はやと、1994年5月17日 - )は、熊本県玉名郡岱明町(現:玉名市)出身の社会人野球選手、元プロ野球選手内野手)。右投左打。

溝脇 隼人
三甲軟式野球部 #6
中日ドラゴンズ時代
2016年8月12日 阪神鳴尾浜球場にて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 熊本県玉名郡岱明町(現:玉名市
生年月日 (1994-05-17) 1994年5月17日(29歳)
身長
体重
179 cm
79 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 内野手
プロ入り 2012年 ドラフト5位
初出場 2014年8月26日
最終出場 2023年8月22日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入り前 編集

玉名市立岱明中学校時代は、軟式野球部に所属。

九州学院高等学校では、1年時から遊撃手のレギュラーに定着。1年時夏の第92回全国高等学校野球選手権大会では、「2番・遊撃手」として全試合でスタメン起用された。3回戦の前には肺炎に罹患したが、点滴を受け強行出場した[1]。準々決勝の一二三慎太擁する東海大相模高校戦に3-10で敗れ、ベスト8だった。

2年時春の第83回選抜高等学校野球大会では、「1番・遊撃手」として起用された。1回戦の國學院久我山高校戦では、9回二死から三塁打を放つ。続く打者への暴投の間に本塁へ突入しサヨナラ勝ちを収めた[2]。2回戦の履正社高校戦の前に胃腸炎となり点滴を受けて出場するもチームは2-8で敗退し、自身が最後の打者となってしまった[1]。夏は、熊本県予選準決勝で熊本工業高校に0-3で敗れた。

3年時春の第84回選抜高等学校野球大会でも、「1番・遊撃手」として起用された。2回戦にて同大会の優勝校であり、藤浪晋太郎擁する大阪桐蔭高校に3-5で敗れた。夏は、熊本県予選準決勝で優勝校の済々黌高校に0-1で敗れた。

2012年10月25日に行われたドラフト会議では、中日ドラゴンズから5位指名を受け[3]、契約金2700万円、年俸600万円で入団に合意した[4]。背番号は48

中日時代 編集

2013年、一軍出場なしに終わった。

2014年8月26日、対横浜DeNAベイスターズ戦(ナゴヤドーム)にて、「8番・遊撃手」としてプロ入り初出場をスタメンで飾り、3打席目で久保康友からプロ初安打を放った。

2015年、一軍出場なしに終わった。

2016年、6試合に出場したものの、無安打に終わった。

2017年4月4日、対広島東洋カープ戦(ナゴヤドーム)にて野村祐輔からプロ入り初本塁打を記録[5]

2018年ウエスタン・リーグ優秀選手賞の表彰を受けた[6]

2019年5月19日、「1番・二塁手」として2年ぶりのスタメン出場を果たし、プロ入り初の猛打賞を記録[7]。しかし、同25日の試合中、右手に違和感を覚え、翌26日に登録抹消された[8]

2020年3月21日、広島東洋カープとの練習試合の試合前練習にて右脇腹を痛め、右内腹斜筋筋膜損傷と診断された[9]。復帰後には、6月30日に登録抹消された堂上直倫に代わり一軍登録された[10]。7月5日、「1番・二塁手」でスタメン出場[11]。最終的には代打代走を中心に自己最多となる39試合に出場し、打率.213を記録した[12][13]

2021年、開幕から続く正二塁手である阿部寿樹の不振と、溝脇の二軍での打率が.350を超えていた[14][10]ことが重なり、6月に一軍昇格し[15]、スタメン起用が見られた[16]。しかしその機会を活かせず、精神的に追い込まれていたという[17]。その後登録を抹消され、8月に三ツ俣大樹と代わり再び一軍昇格[18][19]。シーズン初安打まで18打数を要したが[20]、8月21日の対阪神タイガース戦(ナゴヤドーム)にてプロ初となる4安打を記録し、お立ち台に上がった[17][21]。最終的には22試合に出場し打率.268。11月11日、契約更改にて現状維持となる推定年俸900万円でサインした[22]

2022年オープン戦では代走・守備固めとして積極起用された[23]。3月27日、読売ジャイアンツ東京ドーム)との開幕3戦目にて、延長10回表、二死満塁の場面で直江大輔から決勝の2点適時打を放ち、立浪和義の監督就任後初勝利に貢献[23]。その後も京田陽太の不振から多くの出場機会を得て、打撃でアピールを続けた[24][25]。最終的に前年までの通算出場数(89試合)に迫る87試合に出場。11月18日の契約更改では600万円増となる推定年俸1500万円でサインした[26]

2023年、開幕から一軍に帯同し、代打や守備固めとして59試合に出場。しかし、打率.175と不振を極め、8月30日には二軍へ降格[27]。その後の一軍再昇格はなく、秋季練習のメンバーからも外れる。10月31日、戦力外通告を受けた。溝脇は球団から「今までありがとう」と言われたことを明かしている[28][29]12球団合同トライアウトには参加しなかった。

中日退団後 編集

中日退団後は、三甲株式会社軟式野球部にてプレーを続けている[30]

選手としての特徴・人物 編集

50m走6秒0の俊足。二塁手を中心に内野の複数ポジションをこなし[12]、球際にも強い守備が武器[31]。打撃ではミート力の高さが持ち味[31]

愛称は「ミゾ[32]

憧れの選手は、同じ熊本県出身の荒木雅博[31]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2014 中日 2 5 5 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .200 .200 .200 .400
2016 6 3 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
2017 12 16 14 1 1 0 0 1 4 1 0 0 0 0 2 0 0 5 1 .071 .188 .286 .473
2019 8 16 15 3 3 0 1 0 5 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 .200 .250 .333 .583
2020 39 50 47 6 10 1 2 0 15 3 0 0 1 0 2 0 0 8 0 .213 .245 .319 .564
2021 22 47 41 2 11 0 1 0 13 2 1 0 3 0 3 1 0 10 0 .268 .318 .317 .635
2022 87 157 139 7 35 5 1 0 42 9 2 1 8 2 8 0 0 26 2 .252 .289 .302 .591
2023 59 45 40 5 7 2 0 0 9 3 1 0 2 0 2 0 1 12 0 .175 .233 .225 .458
通算:8年 235 339 304 25 68 8 5 1 89 18 4 1 14 2 18 1 1 64 3 .224 .268 .293 .560

年度別守備成績 編集



遊撃 二塁 三塁




































2014 中日 2 0 5 0 0 1.000 - -
2016 - 3 1 4 0 0 1.000 -
2017 - 4 5 7 0 2 1.000 1 0 1 0 0 1.000
2019 - 4 6 7 0 1 1.000 -
2020 - 8 16 20 1 4 .973 7 3 4 2 1 .778
2021 3 1 4 0 0 1.000 18 23 40 3 8 .955 -
2022 21 18 22 0 3 1.000 42 63 63 1 18 .992 2 0 0 1 0 .000
通算 26 19 31 0 3 1.000 79 114 141 5 33 .981 10 3 5 3 1 .727

記録 編集

初記録
  • 初出場:2014年8月26日、対横浜DeNAベイスターズ17回戦(ナゴヤドーム)、8番・遊撃手で先発出場
  • 初打席:同上、2回裏に久保康友から空振り三振
  • 初安打:同上、7回裏に久保康友から左前安打
  • 初本塁打・初打点:2017年4月4日、対広島東洋カープ1回戦(ナゴヤドーム)、3回裏に若松駿太の代打で出場、野村祐輔から右越ソロ

背番号 編集

  • 48(2013年 - 2023年)

登場曲 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 3度目夢舞台、優勝狙う 溝脇隼人(熊本・九州学院 新3年)」朝日新聞、2012年3月23日。2013年3月15日閲覧
  2. ^ 9回2死から!九州学院・溝脇 執念三塁打」スポニチ Sponichi Annex、2011年3月27日。2013年3月15日閲覧
  3. ^ ドラフト会議速報 Vol.5」中日ドラゴンズ、2012年10月25日。2013年3月15日閲覧
  4. ^ 【中日】ドラ5溝脇と仮契約」日刊スポーツ、2012年11月15日。2023年12月29日閲覧
  5. ^ 中日溝脇「とにかく必死に」ファウルで粘りプロ1号」日刊スポーツ、2017年4月4日。2017年4月15日閲覧
  6. ^ NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD」中日ドラゴンズ公式サイト、2018年11月27日。2024年4月17日閲覧
  7. ^ 1番・スタメン溝脇、猛打賞 通算2安打男が天敵・山口撃ち」中日スポーツ、2019年5月20日。2024年4月17日閲覧
  8. ^ 中日・溝脇 右手骨折の疑い、松井雅は右足を痛め登録抹消」スポニチ、2019年5月26日。2024年4月17日閲覧
  9. ^ 中日・溝脇が右脇腹を痛め1カ月離脱 開幕1軍へ痛恨の負傷…打撃で猛アピールも」中日スポーツ・東京中日スポーツ、2020年3月21日。2021年12月18日閲覧
  10. ^ a b 中日・溝脇が堂上に代わって1軍登録 ケガから復帰ウエスタン・リーグで13打数4安打、打率3割0分8厘」中日スポーツ・東京中日スポーツ、2020年6月30日。2021年12月18日閲覧
  11. ^ 【中日】今季初スタメンの1番・溝脇隼人が先制2点三塁打「梅津がつないでくれた打席」」『スポーツ報知』2020年7月5日。2022年3月27日閲覧
  12. ^ a b 中日・溝脇隼人が1軍合流 2軍で打率.352「下半身をしっかり使えて粘りが出た」」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2021年6月6日。2022年3月27日閲覧
  13. ^ 中日・溝脇 精密検査のためキャンプ離脱 口腔内の痛みで名古屋戻る」『スポニチ Sponichi Annex』2021年2月23日。2022年3月27日閲覧
  14. ^ 【中日】阿部寿樹は900万円減の3600万円サイン 「がむしゃらにやりたい」」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2021年11月18日。2022年3月27日閲覧
  15. ^ 【中日】溝脇隼人がバンテリンドームに合流、1軍昇格へ」『スポーツ報知』2021年6月6日。2022年3月27日閲覧
  16. ^ 【中日スタメン】溝脇隼人が「6番・二塁」で今季2度目のスタメン、初対戦アルカンタラ攻略で連敗止める」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2021年6月23日。2022年3月27日閲覧
  17. ^ a b 中日9年目・溝脇「全く野球したい気持ちになれなかった」どん底からプロ初4安打の大暴れ」『東スポWeb』2021年8月21日。2022年3月27日閲覧
  18. ^ 【中日】ロドリゲスと溝脇が出場登録、前日負傷交代の三ツ俣が登録抹消」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2021年8月14日。2022年3月27日閲覧
  19. ^ 【中日】溝脇隼人が1軍再昇格 2軍で打率3割超と好調」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2021年8月14日。2022年3月27日閲覧
  20. ^ 中日・溝脇 プロ初4安打 20日から5打数連続安打」『デイリースポーツ』2021年8月22日。2022年3月27日閲覧
  21. ^ 【中日】溝脇がスタメンで4の4、1打点1盗塁の大暴れ! 『溝脇4安打』トレンド入りにファン喜び「ついに目覚めたか」」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2021年8月21日。2022年3月27日閲覧
  22. ^ 【中日】来季プロ10年目の溝脇隼人、現状維持の900万円で更改「1年間1軍にいることが目標」今季22試合に出場」『スポーツ報知』2021年11月11日。2022年3月27日閲覧
  23. ^ a b 【中日】伏兵・溝脇隼人が直江大輔から勝ち越し2点打 立浪竜初勝利に貢献」『スポーツ報知』2022年3月27日。2022年3月27日閲覧
  24. ^ 【中日】〝空いた遊撃〟溝脇隼人がアピール犠飛「最低限の仕事」レギュラー奪取目指す」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2022年5月4日。2023年2月11日閲覧
  25. ^ 中日がソフトバンクに逆転勝ち 代打の溝脇がV打「自分のスイングできた」」『BASEBALL KING』2022年6月4日。2023年2月11日閲覧
  26. ^ 【中日】立浪竜を“初勝利”に導いた溝脇隼人は600万アップ「立浪監督の初勝利に貢献できてよかった」」『スポーツ報知』2022年11月18日。2023年2月11日閲覧
  27. ^ 近藤廉が出場選手登録、ルーキーイヤーの2021年以来の1軍、代わって溝脇隼人が抹消【中日】」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2023年8月25日。2023年12月8日閲覧
  28. ^ 中日 戦力外の溝脇隼人が報告 「叩かれる事もなくなると思うので」今後は未定も「1日早くキャンプイン笑」」『デイリースポーツ online』2023年12月8日。2023年12月8日閲覧
  29. ^ 安藤宏樹「【中日】溝脇隼人が戦力外「何かしらあると思っていた…これからゆっくり考えたい」今後は白紙」『日刊スポーツ』2023年10月31日。2023年12月8日閲覧
  30. ^ 2024年3月23日の投稿」三甲株式会社 軟式野球部Instagramアカウント。2024年4月17日閲覧
  31. ^ a b c 【野球】九学の溝脇、中日と合意」くまにちコム、2012年11月16日。2013年3月15日閲覧
  32. ^ 二塁が阿部でも溝脇でも 京田が目指すは“アライバ”のプレー…二遊間連係、もっと呼吸合わせる」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2020年7月14日。2022年4月2日閲覧

関連項目 編集

外部リンク 編集