麻布台ヒルズ

東京都港区の複合施設

麻布台ヒルズ(あざぶだいヒルズ、英語: Azabudai Hills)は、日本東京都港区麻布台一丁目・虎ノ門五丁目・六本木三丁目に所在する複合施設である。

麻布台ヒルズのロゴ
地図
麻布台ヒルズ
六本木ヒルズ森タワーから撮影した建設中の麻布台ヒルズと東京タワー(2023年7月)
2023年11月24日午前11時の開業
中央広場、麻布台ヒルズ森JPタワー

区域面積は約8.1 ha 、敷地面積は約63,900 m2 、延床面積は約861,500 m2

2023年6月30日竣工[1]。2023年11月24日開業[2]。総事業費はおよそ5792億円になる[3]デベロッパー森ビル

概要 編集

森ビルが主導した六本木ヒルズと似通い、地権が非常に複雑で着工までに長い年月を費やした[4]1989年平成元年)に「街づくり協議会」を設立し、2017年(平成29年)に都市計画決定され[4]2018年(平成30年)3月27日付をもって、東京都がこの再開発の事業組合の設立を認可し[3]2019年令和元年)8月5日に着工した[4]

麻布台ヒルズは麻布台ヒルズ森JPタワー麻布台ヒルズレジデンスA/B、麻布台ヒルズガーデンプラザA/B/C/Dに分かれている[5]。麻布台ヒルズ森JPタワーの高さは325.19m(地上64階、地下5階)で、オフィスのほか、住宅、医療施設、商業施設、インターナショナル・スクールも併設される。2棟の麻布台ヒルズレジデンスは住宅主体の高層ビルで、レジデンスBの高さは262.83m、レジデンスAの高さは237.20mとなる。麻布台ヒルズガーデンプラザは3〜8階建ての建物4棟から成っている。また、森JPタワーとガーデンプラザの間に面積約6,000 m2 の中央広場を設置する。

麻布台ヒルズ森JPタワーの建設地にはかつて日本郵政グループ飯倉ビルがあった。麻布台ヒルズレジデンス及び麻布台ヒルズガーデンプラザの建設地は「我善坊谷」と呼ばれる窪地で、住宅や商店が建ち並んでいた。麻布台に住む住民によると、建設地には着工の20年以上前に森ビルの社員寮が建ち、それ以来、森ビルは建設地に入る各家に「土地を売って欲しい」と声をかけて回っていたものの、ビルが建つことは全く教えてくれなかったという[6]

設計については、麻布台ヒルズ森JPタワーと麻布台ヒルズレジデンスAは森ビル/日本設計、麻布台ヒルズレジデンスBは森ビル/日建設計/日建ハウジングシステム、麻布台ヒルズガーデンプラザは森ビル/山下設計、また施工については、麻布台ヒルズ森JPタワーと麻布台ヒルズレジデンスAは清水建設、麻布台ヒルズレジデンスBは三井住友建設、麻布台ヒルズガーデンプラザは大林組がそれぞれ担当する。

なお、ドイツ銀行の日本における事業拠点を2024年(令和6年)に、これまでの山王パークタワーから麻布台ヒルズ森JPタワーに移転することがすでに発表されている[7]。ブリティッシュ・スクール・イン 東京も麻布台ヒルズに新キャンバスを開く予定[8]

また、2024年2月9日にはそれまで東京・台場地区のパレットタウン内にて2018年6月から2022年8月31日までの期間で営業していた「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」を本施設内に移転した上で開業した[9][10]。これについて、森ビル新領域企画部の杉山央課長は、「日本人ならではの感性や最先端の技術を駆使することで、ここでしか得られない特別な体験を提供したい」と述べている[11]。さらに、杉山は「人々の営みがシームレスにつながる街になり、チームラボボーダレスのコンセプトともつながります。ボーダレスは、言語に縛られず楽しむことができるアート作品です。新しい街に文化要素を加えることで、豊かなライフスタイルになると考えています。」とも述べている[12]

そして、2022年12月14日に、森ビルはこの街の名称を『麻布台ヒルズ』にすることを明らかにした[13][14]。それと同時に、この『麻布台ヒルズ』のロゴデザインも明らかにした[13]。また、2023年7月より都営バスの麻布台停留所が『麻布台ヒルズ』に改称された。

2023年8月8日に、開業日を2023年11月24日にすることを明らかにした[15]。これに先行して8月30日にブリティッシュ・スクール・イン・東京が開校したほか、11月6日に慶應義塾大学予防医療センターが検査提供を開始する[15]。11月24日に予定通り開業し、中央広場にてリボンカッティングが行われた[2]

中央広場 編集

中央広場 編集

東京ドーム1.7個分の面積は、約3分の1が緑化されていいて、中央には6000平方メートルの芝生の広場がある[16]

果樹園 編集

中央広場の傍らには果樹園があり、都心でフルーツもできる憩いの場にしようと、なっているミカン等11種類の果物は誰れも採っていいという[16]。ただし、柵に囲まれていて普段は門に鍵もかかっていたりする。

低層棟のデザイン 編集

低層棟の設計とランドスケープデザインを担ったのはイギリスの『ヘザウィック・スタジオ』。 グニャっとした形状を構成する鉄骨とそれを覆うGRC(ガラス繊維補強コンクリート)は、一つとして同じ形がない。ジョイント部分も一つ一つ角度や形状が異なっている。それらを施工者と共有し、誤差なく製造したことで実現した。 鉄骨によるアーチ構造は内部空間の容積を大きくするのに寄与している。 GRCの中には様々な色の小さな石粒を混ぜ込み、洗い出し仕上げをしている。近くに寄ると、色々な石のつぶつぶが見ることができる[17]

低層棟のデザイン~建設の様子から

交通 編集

鉄道
路線バス

周辺 編集

脚注 編集

  1. ^ 麻布台ヒルズの高層タワーが竣工、森ビル社長「ついに現実の街になり感無量」”. 日経BP日経クロステック. 2023年7月16日閲覧。
  2. ^ a b “日本一330mのタワー擁する「麻布台ヒルズ」開業”. Impress Watch. (2023年7月3日). https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1549644.html 2023年11月25日閲覧。 
  3. ^ a b 虎ノ門・麻布台の再開発、都が認可 総事業費5792億円」『日本経済新聞』、2018年3月26日。2022年9月15日閲覧。
  4. ^ a b c 虎ノ門・麻布台プロジェクト:開発経緯”. 森ビル株式会社. 2021年12月15日閲覧。
  5. ^ 麻布台ヒルズ Azabudai Hills”. 森ビル株式会社. 2023年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月28日閲覧。
  6. ^ “森ビル「330メートル超高層」計画への地元一等地住民の反応”. デイリー新潮. (2019年9月7日). https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09070559/?all=1 2022年12月21日閲覧。 
  7. ^ 谷口崇子「ドイツ銀行が日本拠点を虎ノ門・麻布台に移転へ-2024年の予定」『ブルームバーグ通信』、2022年5月10日。2022年5月11日閲覧。
  8. ^ BST プライマリースクール 2023年9月 新キャンパスオープン”. インターナショナルスクールタイムズ (2022年9月1日). 2023年3月14日閲覧。
  9. ^ 「森ビル デジタルアート ミュージアム:チームラボボーダレス」がお台場から「虎ノ門・麻布台プロジェクト」に移転 世界を惹きつける東京・日本のデスティネーションがさらに進化”. 森ビル (2022年8月24日). 2022年8月24日閲覧。
  10. ^ 「森ビル デジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」オープン日は2024年2月9日(金)に決定!チケットは1月16日(火)より発売。,2023年12月21日,森ビル
  11. ^ チームラボボーダレス、来年虎ノ門・麻布台プロジェクトに移転」『産経ニュース』、2022年8月24日。2022年8月25日閲覧。
  12. ^ 林ゆり「森ビルとチームラボの体験型ミュージアム「チームラボボーダレス」が虎ノ門・麻布台プロジェクトへ移転」『@DIME』、2022年9月2日。2022年9月3日閲覧。
  13. ^ a b “ヒルズの未来形” 虎ノ門・麻布台プロジェクト 街の名称は「麻布台ヒルズ」に決定~「ヒルズ」がつながり、都心部に新たな文化・経済圏を創出~” (PDF). 森ビル (2022年12月14日). 2022年12月14日閲覧。
  14. ^ 森ビル、東京・港の再開発の名称を「麻布台ヒルズ」に”. 日本経済新聞 (2022年12月14日). 2022年12月14日閲覧。
  15. ^ a b 「麻布台ヒルズ」2023年11月24日開業”. 森ビル (2023年8月8日). 2023年8月8日閲覧。
  16. ^ a b 【独占】「麻布台ヒルズ」の全貌。果樹園や美食の名店、デジタルミュージアムも…総事業費6400億円の舞台裏に密着:ガイアの夜明け | テレビ東京・BSテレ東の読んで見て感じるメディア テレ東プラス
  17. ^ HILLS LIFEより
  18. ^ みんくるガイド(路線図)” (PDF). 東京都交通局 (2023年4月1日). 2023年8月15日閲覧。
  19. ^ 都営バスからのお知らせ 渋88系統” (PDF). 東京都交通局 (2023年6月13日). 2023年8月15日閲覧。

関連項目 編集

  • 森ビル
  • 我善坊谷 - 建設地に存在していたで、再開発により土地が嵩上げされ消滅した。

外部リンク 編集

座標: 北緯35度39分38秒 東経139度44分25秒 / 北緯35.66056度 東経139.74028度 / 35.66056; 139.74028