1950年のF1世界選手権
1950年のFIAフォーミュラ1 世界選手権 |
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前年: | 1949 | 翌年: | 1951 |
一覧: 開催国 | 開催レース |
1950年のF1世界選手権(1950ねんのエフワンせかいせんしゅけん)は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第1回大会である。1950年5月13日にイギリスで開幕し、9月3日にイタリアで開催される最終戦まで、全7戦で争われた。
シーズン概要編集
FIAがF1世界選手権規定を新設[1]、インディ500も選手権レースに認定し年間のレースで入賞に応じてポイントが与えられ[1]、その総合得点で競う世界選手権が開始された。アルファロメオ[1]が圧倒的[1]な戦闘力を発揮し、ジュゼッペ・ファリーナ[1]が最初のF1世界選手権チャンピオン[1]となる。
レギュレーション編集
FIAがF1世界選手権規定を新設した。選手権のポイントシステムについてはF1世界選手権ポイントシステムを参照のこと。
- エンジン
- 非過給4.5リットル、あるいは過給機つき1.5リットル
- 車体重量
- 制限なし
- レース距離
- 300kmを超えた最初のラップ、あるいは3時間を超えた最初のラップ
- インディ500
- インディ500規定に従う
- 乗換
- この年から1957年まではレース途中でもマシンの乗換が認められていた
特記記事編集
- F1世界選手権開始
- F1規定を統一し、年間のレースで入賞に応じてポイントが与えられ、その総合得点で競う世界選手権が開始された。
- アルファロメオ全勝
- アルファロメオが全てのF1規定レースにおいて勝利した。この車両、ティーポ158[1]は1938年[1]にデビューしたもので、マイナーチェンジが続けられていたものの13年目の車両である。エンジンは1.5リットルスーパーチャージャー付きエンジン。
- モナコGPで多重事故
- 10台がリタイヤする多重事故が発生。
- 有効得点差で順位に影響
- 年間7戦のうち、ベスト結果4戦の合計得点で競う有効得点システムが採用されたが、ルイジ・ファジオーリが2位4回・3位1回で28ポイントを稼ぐも有効得点24点に留まり、1位3回FL3回で獲得した27ポイント全てが有効得点となったファン・マヌエル・ファンジオより下のシリーズ3位となった。
開催地及び勝者編集
ラウンド | レース | サーキット | 開催日 | ポールポジション | ファステストラップ | 優勝者 | コンストラクター | タイヤ | レポート |
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1 | イギリスグランプリ | シルバーストン | 5月13日 | ジュゼッペ・ファリーナ | ジュゼッペ・ファリーナ | ジュゼッペ・ファリーナ | アルファロメオ | P | 詳細 |
2 | モナコグランプリ | モナコ | 5月21日 | ファン・マヌエル・ファンジオ | ファン・マヌエル・ファンジオ | ファン・マヌエル・ファンジオ | アルファロメオ | P | 詳細 |
3 | インディ500 | インディアナポリス | 5月30日 | ウォルト・フォークナー | ジョニー・パーソンズ | ジョニー・パーソンズ | カーティス・クラフト-オッフェンハウザー | F | 詳細 |
4 | スイスグランプリ | ブレムガルテン | 6月4日 | ファン・マヌエル・ファンジオ | ジュゼッペ・ファリーナ | ジュゼッペ・ファリーナ | アルファロメオ | P | 詳細 |
5 | ベルギーグランプリ | スパ・フランコルシャン | 6月18日 | ジュゼッペ・ファリーナ | ジュゼッペ・ファリーナ | ファン・マヌエル・ファンジオ | アルファロメオ | P | 詳細 |
6 | フランスグランプリ | ランス・グー | 7月2日 | ファン・マヌエル・ファンジオ | ファン・マヌエル・ファンジオ | ファン・マヌエル・ファンジオ | アルファロメオ | P | 詳細 |
7 | イタリアグランプリ | モンツァ | 9月3日 | ファン・マヌエル・ファンジオ | ファン・マヌエル・ファンジオ | ジュゼッペ・ファリーナ | アルファロメオ | P | 詳細 |
エントリーリスト編集
1950年のドライバーズランキング編集
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- 斜体:ファステストラップ (1ポイントが与えられた)
- 太字:ポールポジション
- † 順位は同じ車両を使用したドライバーに配分された
- ベスト4戦のみがポイントランキングに数えられた。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。
ノンタイトル戦結果編集
レース | サーキット | 開催日 | 優勝者 | コンストラクター | レポート |
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XI ポーグランプリ | ポー | 4月10日 | ファン・マヌエル・ファンジオ | マセラティ | 詳細 |
II リッチモンド・トロフィー | グッドウッド | 4月10日 | レグ・パーネル | マセラティ | 詳細 |
V サンレーモグランプリ | サンレーモ | 4月16日 | ファン・マヌエル・ファンジオ | アルファロメオ | 詳細 |
IV グランプリ・ド・パリ | モンレリー | 4月30日 | ジョルジュ・グリニャール | タルボ・ラーゴ | 詳細 |
XII ブリティッシュ・エンパイア・トロフィー | ダグラス | 6月15日 | ボブ・ジェラード | ERA | 詳細 |
IV グラン・プリモ・ディ・パーリ | バーリ | 7月9日 | ジュゼッペ・ファリーナ | アルファロメオ | 詳細 |
IV J.C.C. ジャージー・ロードレース | ジャージー | 7月13日 | ピーター・ホワイトヘッド | フェラーリ | 詳細 |
XII シルクィート・デ・アルビジョア | アルビ | 7月16日 | ルイ・ロジェ | タルボ・ラーゴ | 詳細 |
I グローテ・プリース・ヴァン・ネダーラント | ザントフォールト | 7月23日 | ルイ・ロジェ | タルボ・ラーゴ | 詳細 |
III グラン・プリ・デス・ネイションズ | ジュネーヴ | 7月30日 | ファン・マヌエル・ファンジオ | アルファロメオ | 詳細 |
I ノッティンガム・トロフィー | ガムストン | 8月7日 | デヴィッド・ハンプシャー | マセラティ | 詳細 |
IV アルスター・トロフィー | ダンドロッド | 8月12日 | ピーター・ホワイトヘッド | フェラーリ | 詳細 |
XIX コパ・アチェルボ | ペスカーラ | 8月15日 | ファン・マヌエル・ファンジオ | アルファロメオ | 詳細 |
I シェフィールド・テレグラフ・トロフィー | ガムストン | 8月19日 | カス・ハリソン | ERA | 詳細 |
II BRDC インターナショナル・トロフィー | シルバーストン | 8月26日 | ジュゼッペ・ファリーナ | アルファロメオ | 詳細 |
III グッドウッド・トロフィー | グッドウッド | 9月30日 | レグ・パーネル | BRM | 詳細 |
X グラン・プリモ・デ・ペンヤ・リン | ペドラルベス | 10月29日 | アルベルト・アスカリ | フェラーリ | 詳細 |
出典編集
参考文献編集
- ジョー・ホンダ『F・1 サーカスのヒーローたち』グランプリ出版 ISBN 4-906189-94-6