2024年兵庫県知事選挙
2024年兵庫県知事選挙（2024ねんひょうごけんちじせんきょ）は、2024年（令和6年）11月17日に投開票が予定されている[1][2]、日本の地方公共団体である兵庫県の執行機関である兵庫県知事を選出するための選挙。
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概要
編集前職の斎藤元彦（1期目）が兵庫県庁内部告発文書問題により兵庫県議会定例会初日の2024年9月19日に全会一致で不信任決議を受け[3]、9月30日に失職したことにより実施される選挙である[4]。
公職選挙法の規定により失職から50日以内に選挙を実施することとされており、9月30日に兵庫県選挙管理委員会は10月31日に告示、11月17日に投開票を実施することを決定した[2]。9月27日に自由民主党総裁に当選し10月1日に内閣総理大臣に就任予定の石破茂がなるべく早く衆議院解散を行うことを表明したため[5]、第50回衆議院議員総選挙と同日選挙になる可能性が指摘されていたが[6]、9月30日に石破が総選挙について10月27日を投票日とする方針を明言し[7]、同日選挙にはならなかった。
長の辞職に伴う出直し選挙では、前任者が再び当選した場合の任期は辞職前の任期の残り期間となるが、今回は斎藤が不信任決議に対し辞職ではなく失職を選択したことから、この選挙で斎藤が再び当選した場合の任期は2028年（令和10年）までの4年間となる[8]。
現職の任期途中での退任による兵庫県知事選挙は、2001年（平成13年）に貝原俊民が4期目の中途で配偶者の介護のために辞職して以来23年ぶり3回目となる。
選挙データ
編集争点
編集同日投開票の選挙
編集- 兵庫県議会議員補欠選挙 - 両選挙区とも前職の衆議院議員転出に伴う欠員発生により実施。
立候補者
編集届け出順[11]。年齢は投票日時点。
| 氏名 | 年齢 | 党派 | 前元新 | 主な肩書き | ウェブサイト |
|---|---|---|---|---|---|
| 清水貴之 （しみず たかゆき） |
50 | 無所属 | 新 | 前参議院議員 元朝日放送アナウンサー |
https://www.shimizu-takayuki.com/ |
| 稲村和美 （いなむら かずみ） |
52 | 無所属[注 1][11] | 新 | 前尼崎市長 | https://www.tomonihyogo.jp/ https://inamura-kazumi.com/ |
| 斎藤元彦 （さいとう もとひこ） |
47 | 無所属 | 前 | 前兵庫県知事 元総務省理事官 |
https://saito-motohiko.jp/ |
| 大澤芳清 （おおさわ よしきよ） |
61 | 無所属[注 2][11] | 新 | 整形外科医 兵庫県保険医協会理事 |
https://osawa-hyogo.com/ |
| 福本繁幸 （ふくもと しげゆき） |
58 | 無所属 | 新 | レコード会社社長 | https://fukumoto0718.com/ |
| 立花孝志 （たちばな たかし） |
57 | 無所属 | 新 | NHKから国民を守る党党首 元参議院議員 |
https://x.com/tachibanat |
| 木島洋嗣 （きじま ひろつぐ） |
49 | 無所属 | 新 | ニュース分析会社社長 | https://x.com/hirokijima0318 |
立候補を断念した人物
編集- 中川暢三 - 元加西市長。立候補を表明するも後に断念[12][13][14][15]。
- 中村稔 - 元経済産業省官僚。立候補を表明するも後に断念[15][16]。
- 宮崎謙介 - 元衆議院議員。10月18日に行われた立候補者説明会に陣営関係者が出席したが[17]、22日に断念を表明[18]。
党派の動き
編集兵庫県議会の勢力順。
- 前回の知事選挙で斎藤を推薦した自由民主党県議団の北野実幹事長は、9月26日、斎藤を推薦しない方針を示した[19]。10月1日、県議団は立候補を表明した中村と面談。支援を検討したが[20]、翌2日、独自候補の擁立を断念し自主投票とする方針と判明[21]。中村の推薦に反対意見が多く、稲村の支援を主張する声もあり、意見がまとまらなかった[22]。10月3日、擁立断念と自主投票を正式決定[23]。しかし翌4日、県選出の国会議員らから「候補者を最後まで探すべき」との意見があがり、擁立断念の方針を撤回、改めて選考を進めることとした[24]。10月27日、総選挙後の議員団総会で、独自候補擁立を最終的に見送り、自主投票と斎藤の支援禁止を決めた[25][26]。自民党が兵庫県知事選挙で自主投票を決めたのは、1958年以来66年ぶり。
- 10月28日、自民党の一部の県議らが稲村と初めて面会。政策協力を持ちかけた[27][28][29]。斎藤の支援を禁止する決定に対して明石市議会の自民党会派所属市議らから異論が出たため[30][31]、県連は告示後に方針を撤回し、11月1日夜に自主投票を正式決定[32][33]。神戸市会の市議団が清水の支援を表明したのをはじめ、一部に斎藤や清水を自主支援する動きが出た[32][34]。
- 前回の知事選挙で斎藤を推薦した日本維新の会の吉村洋文共同代表は、9月27日の記者会見で、斎藤を推薦せず、独自候補を擁立すると明言[35]。10月2日、同党の参議院議員で、次期衆議院総選挙で兵庫8区に鞍替えを予定していた清水が立候補する意向を示した[36]。10月10日、清水は立候補を表明したが、維新を離党し、公認や推薦は受けず無所属とする方針を示した[37]。10月29日、維新の地元組織「兵庫維新の会」は、清水支援の方針を決定。推薦や党議拘束は見送った[38]。
- 前回の知事選挙で自主投票とした公明党は、独自候補を擁立せず、自民党と対応を調整[39]。自民党と歩調を合わせ、今回も自主投票とした[40]。
- 立憲民主党の大串博志選挙対策委員長は、9月26日の記者会見で独自候補を擁立すると明言していたが[41]、立憲民主党系の県議らでつくる会派「ひょうご県民連合」では所属議員が自主的に稲村を支援しており[42]、党の支持基盤である連合兵庫も稲村への支持を表明した[43]。11月2日、立憲民主党兵庫県連は稲村の支援を表明。国民民主党兵庫県連も稲村の支援に回った[44][注 3]。
- 日本共産党兵庫県委員会などでつくる政治団体「憲法が輝く兵庫県政をつくる会」は9月7日、大澤を擁立すると発表。大澤は無所属で立候補し、共産党が推薦した[45]。
タイムライン
編集- 2024年
- 9月7日 - 医師の大澤芳清が無所属（日本共産党推薦）での立候補を表明[46]。
- 9月19日 - 県議会が知事の斎藤元彦に対する不信任決議を県議86人の全会一致で可決[3]。
- 9月26日 - 斎藤が不信任決議に対する対応として、9月30日に失職することを選択した上、立候補を表明[1][47][48][49][50][51]。
- 9月29日 - 元尼崎市長の稲村和美が立候補する意向を示す[52]。
- 9月30日
- 10月1日 - 元経済産業省官僚の中村稔が立候補を表明[16]。
- 10月2日 - 日本維新の会の参議院議員（兵庫県選挙区選出）の清水貴之が立候補の意向を示す[36]。
- 10月3日 - 自民党は、独自候補の擁立を断念し自主投票とすることを決定したが[23]、翌4日に撤回[58]。
- 10月4日 - 元加西市長の中川暢三が立候補する意向を示す[12]。
- 10月8日
- 10月9日 - 中川が無所属での立候補を表明[13][14]。
- 10月10日 - 清水が無所属での立候補を表明。維新を離党し、推薦や支持を受けない方針[65][66][67]。
- 10月11日 - 大澤が政策発表[68]。
- 10月18日
- 10月20日 - サンテレビジョンと神戸新聞社が立候補予定者討論会を開催。立候補予定者6人が出席[72][73]。
- 10月23日 - 斎藤が政策発表[74][75]。
- 10月24日
- 10月25日 - 稲村が政策発表[79][80]。
- 10月27日
- 10月28日 - 清水が政策発表[86][87]。
- 10月29日
- 10月30日 - 朝日放送テレビの番組『newsおかえり』に立候補予定者4人が出演し討論[92]。
- 10月31日 - 告示。
- 11月1日
- 動画メディア「ReHacQ」に立候補者全員が出演し討論[98]。
- 自民党が斎藤への支援を禁じる方針を撤回。
- 11月2日 - 立憲民主党と国民民主党の兵庫県連がそれぞれ稲村の支持を表明[99]。
- 11月4日 - 関西テレビの番組『newsランナー』に候補者4人が出演し討論[100]。
- 11月5日 - 元兵庫県副知事の片山安孝の代理人が、立花の選挙中の発言に関連して、片山が立花と「面談したこと及び話をしたことは一切ありません」と文書で説明[101]。
- 11月6日 - 神戸新聞社が、JX通信社とともに3、4日に実施した選挙戦序盤の情勢調査の結果を報道。稲村がややリードし、斎藤が追う展開。清水は巻き返しを図っている。ほかの4人は支持に広がりを欠く。約2割は投票態度を明らかにしておらず、終盤に向けて変動する可能性がある[102]。
選挙関連の主な出来事
編集
ポスター掲示場を巡る問題
編集兵庫県選挙管理委員会では、告示前の段階で候補者の乱立が予想されていたことから各市町の選挙管理委員会に対し、ポスター掲示場を10枠分準備するよう指示していた。
その後、10月18日に行われた立候補者説明会に13陣営が出席したことから6枠分を増やして16枠とするよう追加指示が行われたが[103]、24日に立候補を表明した立花が7月の東京都知事選挙で批判を浴びた掲示枠の外販は行わないとしながらも、NHK党公認候補者を10名前後擁立する方針を示唆したことにより、さらに追加で24枠以上を確保するよう指示が変更された[104]。
そのため、市町によっては27日に投開票された衆議院議員総選挙の掲示場を撤去せずに上から板を張り付けて再利用で枠を確保するなどの対応に追われたが[104]、最終的にNHK党からの立候補はなく、立花が無所属で立候補したのみで、他に2名が撤退。立候補者は7名となり、各地のポスター掲示場で大量の空き枠が発生することになった[105]。
脚注
編集注釈
編集出典
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- ^ 【詳しく】兵庫 斎藤知事 失職し 出直し知事選に立候補を表明NHK 2024年9月26日
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- ^ ＜一問一答＞石破茂自民党総裁「衆院選は10月27日投開票」 首相就任前の表明「異例だが不適切ではない」 - 東京新聞 TOKYO Web 2024年9月30日
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- ^ “N党立花氏と「面談一切ない」 斎藤氏失職に伴う知事選巡り、兵庫元副知事側が書面で説明 - 産経ニュース”. 産経新聞 (2024年11月5日). 2024年11月6日閲覧。
- ^ 兵庫知事選、稲村氏ややリード 斎藤氏が続く 本紙情勢調査 終盤に向け変動する可能性神戸新聞 2024年11月6日
- ^ “兵庫県知事選、立候補予定者説明会に13陣営 混戦模様か、ポスター掲示板を16人分に増枠へ”. 神戸新聞 (2024年10月18日). 2024年11月1日閲覧。
- ^ a b “掲示枠は10→16→24→16 NHK党余波で選管も右往左往、兵庫知事選も波乱の予感”. 産経ニュース. 産経新聞大阪本社 (2024年10月30日). 2024年11月1日閲覧。
- ^ “乱戦模様の兵庫知事選、候補者は結局何人? 10→16→24→16 ポスター枠数、二転三転 増設費が大きな無駄に”. 神戸新聞 (2024年10月30日). 2024年11月1日閲覧。
外部リンク
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