B'z The "Mixture"

B'zのコンピレーション・アルバム
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B'z The "Mixture"』(ビーズ・ザ・ミクスチャー)は、日本音楽ユニットB'zが2000年2月23日にリリースした公認裏ベスト・アルバムである。

B'z The "Mixture"
B'zコンピレーション・アルバム
リリース
ジャンル
時間
レーベル BERG レーベル
プロデュース 松本孝弘
チャート最高順位
ゴールドディスク
  • クワドラプル・プラチナ(日本レコード協会[3]
  • B'z アルバム 年表
    • B'z The "Mixture"
    • (2000年)
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    概要 編集

    通称「パール盤[4]。「パール盤」の意味は、以前にリリースしたベスト・アルバム『B'z The Best "Pleasure"』『B'z The Best "Treasure"』が、ジャケットの色からそれぞれ『金盤』『銀盤』と呼ばれており、そこにライオンが当時行っていた洗濯用洗剤「ブルーダイヤ」の金・銀・パール プレゼントキャンペーンに引っ掛けて「パール盤」となった[5]。「何故、銅盤では無いのか?」とインタビューで尋ねられた際に、松本は「下がっちゃうみたいじゃない?」、稲葉は「3位みたいで嫌じゃない?」と答えた[5]

    アルバム未収録となっていたシングルの2nd beat[注釈 1]や未発表曲、再録やリミックス[注釈 2]などを行った楽曲で構成された、文字通りの「混合アルバム」である。バージョン違いを含め全曲アルバム初収録曲となっている。

    B'z自身はこのアルバムを「裏ベスト」や「B面集」といった呼び方はせずに「マスト・アルバム」と捉えている[注釈 3]

    なお、このアルバムにはボーナス・トラックがあり、2000年2月から3月までの期間限定で開設された「BZ-MIXTURE.COM」というサイトでのみ配布された「B'z Media Player」をパソコンにインストールし、CDをパソコンに入れると、後に発売された11thアルバム『ELEVEN』に収録されている「Raging River」のデモバージョンが聴けた[5][6]。その「BZ-MIXTURE.COM」は現在存在しないので、「Raging River」のデモバージョンは試聴不可能となっている。

    本作は『B'z The Best "Pleasure"』『B'z The Best "Treasure"』同様スリーブケース仕様であるが、1つはパッケージの裏に松本・稲葉の顔写真が載っており、モンタージュ風に2人の顔が混合されている物と、もう1つはアルバム名と曲名が書いてある細長い物と2種類ある。

    初回生産特典としてB'zのロゴと松本・稲葉の顔写真がついたルービックキューブ「B'z CUBE」が付属していた[7][注釈 4]。二次出荷特典としては、B'zの新旧ロゴが施された携帯電話用電磁波防止シール(計5種類)が封入されている[8]

    第15回日本ゴールドディスク大賞でロック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した[9]

    「Mixture style」と「Mixture mix」について 編集

    • 「Mixture style」は新たにレコーディングされたものである[10]ドラムベースの音が打ち込みから生音に変更されており、またほとんどの曲はギターの音が重くなっている。「だからその手を離して」のように大幅にアレンジされた曲もあり、初期の楽曲に施されている。
    • 「Mixture mix」は既存の楽曲をリミックスしたもの[10]で、ほとんどの曲は左右の音の振り分けが変わっている。

    発売元に関して 編集

    アルバムの原盤権はビーイングが保有し、発売元は「BMGファンハウス」(現・アリオラジャパン)のビーイング専用レーベルBERG レーベルからの発売となっている。しかし、このアルバムは公式ページのディスコグラフィにも入れられており、選曲には全て本人が関わっている公式アルバムである[11]

    本作の配信が行われていたのは、長年着うた着うたフル(いずれも一部楽曲)とビーイングが運営している配信サイト「BEING GIZA STUDIO」のみとなっていたが、2021年5月21日のサブスクリプションサービス解禁に伴い[12]、本作も各配信サービスでの配信が開始となった。

    プロモーション 編集

    本作発売同日にはニッポン放送のラジオ番組『B'zのオールナイトニッポン〜Media Mixture〜』に生出演した。同番組はインターネットでも中継され、同時アクセス数が14,600ストリームに達し、当時の日本記録を更新した[8][13]

    東急百貨店東横店(2020年3月31日閉館)の屋上に、本作PR用の巨大オブジェが設置された[14]。また、渋谷のQFRONT屋上からレーザー光線を放ち、夜空の雲をスクリーン代わりにB'zのロゴを描くという試みが行われた。曇り空が必須のため、晴天の場合はSHIBUYA109に写し出された[15]

    収録曲 編集

    CD
    全作詞: 稲葉浩志、全作曲: 松本孝弘。
    #タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
    1.だからその手を離して -Mixture style-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志
    2.YOU & I -Mixture mix-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志
    3.OH! GIRL -Mixture style-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・明石昌夫
    4.NEVER LET YOU GO -Mixture style-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・明石昌夫
    5.JOY -Mixture mix-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・明石昌夫
    6.今では…今なら…今も… -Mixture style-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・明石昌夫
    7.孤独のRunaway -Mixture style-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・明石昌夫
    8.MOVE稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志
    9.東京 -Mixture mix-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・明石昌夫・池田大介
    10.hole in my heart -Mixture mix-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・明石昌夫
    11.KARA・KARA -Mixture mix-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・明石昌夫
    12.FUSHIDARA 100%稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・池田大介
    13.ビリビリ -Mixture mix-」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    14.Hi稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志
    15.The Wild Wind稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志
    16.「あなたならかまわない」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    合計時間:

    楽曲解説 編集

    1. だからその手を離して -Mixture style-
      27thシングル『今夜月の見える丘に』2nd beat。1stシングルの再録。
      ハードロック調にアレンジされ、プロモーションでのテレビ出演で最も多く歌われた。
      PVは、『The true meaning of "Brotherhood"?』収録のライブ映像と、『B'z LIVE-GYM '99 "Brotherhood"』の横浜国際総合競技場公演の映像を使ったフルバージョンとなっている。
    2. YOU & I -Mixture mix-
      16thシングル『ねがい』2nd beat。
      原曲よりもデジタル音が目立たなくなり、ギターリフがより強調されている。
      PVは、「love me, I love you」のMVのアウトテイクで構成されている。
    3. OH! GIRL -Mixture style-
      2ndアルバム『OFF THE LOCK』の8曲目の再録。
      原曲に比べてギターの音が重くなり、アウトロはフェードアウトではなく、ライブで演奏されるアウトロとほぼ同じ構成になっている。なお、ギターソロは原曲と同じフレーズとなっている[16]
      PVは、1995年に行われた『B'z LIVE-GYM Pleasure '95 "BUZZ!!"』でのライブ映像で構成されている。
    4. NEVER LET YOU GO -Mixture style-
      2ndアルバム『OFF THE LOCK』の3曲目の再録。
      原曲に比べてギターの音が太くなっている。
      PVは、『FRIENDS II』のアートワーク撮影時の映像で構成されている。
    5. JOY -Mixture mix-
      12thシングル『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』2nd beat。
      原曲よりもドラムがやや強調され、ラストのコーラスの音量が抑えられている。
      PVは、『Calling』のジャケット撮影時の映像で構成されている。
    6. 今では…今なら…今も… -Mixture style-
      3rdアルバム『BREAK THROUGH』の9曲目の再録。
      アレンジは原曲に忠実[16]であるものの、全体的にギターの音が太くなり、ギターソロも変更されている。原曲では松本が担当したコーラスは、稲葉のものになっている。アウトロは本作で唯一、フェードアウトのままとなっている。
      PVは、夜景と『LOOSE』の頃に撮影された映像で構成されている。
    7. 孤独のRunaway -Mixture style-
      3rdミニ・アルバム『MARS』の1曲目の再録。
      原曲に比べてロック色が強くなり、松本のカッティング・ギターと稲葉のコーラスが目立つようになっている[16]
      PVは、1992年に行われた『B'z LIVE-GYM Pleasure '92 "TIME"』でのライブ映像で構成されている。
    8. MOVE
      19thシングル『ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜/MOVE』2nd beat。原曲収録されており、アルバム初収録。
      本作で唯一のシングルA面曲(バージョン違いで収録された「だからその手を離して」を除く)。
      PVは、「Real Thing Shakes」のレコーディング時の映像で構成されている。
    9. 東京 -Mixture mix-
      17thシングル『love me, I love you』2nd beat。
      原曲よりも全体的に楽器の音の重みが抑えられている。
      PVは、橋のふもとに座るメンバー2人の映像で構成されている。
    10. hole in my heart -Mixture mix-
      15thシングル『MOTEL』2nd beat。
      原曲よりもギター音が強調されている。
      PVは、会報撮影時の映像で構成されている。
    11. KARA・KARA -Mixture mix-
      13thシングル『裸足の女神』2nd beat。
      原曲よりもホーンが強調され、キャッチーさが増している。
      PVは、1993年に行われた『B'z LIVE-GYM Pleasure '93 "JAP THE RIPPER"』でのライブ映像で構成されている。
    12. FUSHIDARA 100%
      18thシングル『LOVE PHANTOM』2nd beat。原曲収録されており、アルバム初収録。曲終了後、すぐ次の曲に移る。
      PVは、1996年に行われた『B'z LIVE-GYM '96 "Spirit LOOSE"』でのライブ映像で構成されている。
    13. ビリビリ -Mixture mix- (3:34)
      23rdシングル『Liar! Liar!』2nd beat。
      序奏でのみカッティングの音量が下げられ、随所でディレイが強くなっている。
      PVは、モノクロで稲葉が走っているシーン(「Liar! Liar!」のPVのアウトテイク)で構成されている。
    14. Hi
      24thシングル『さまよえる蒼い弾丸』2nd beat。原曲収録されており、アルバム初収録。
      PVは、1998年に行われた『B'z LIVE-GYM '98 "SURVIVE"』でのライブ映像で構成されている。
    15. The Wild Wind
      25thシングル『HOME』2nd beat。原曲収録されており、アルバム初収録。
      PVは、「HOME」と同じく香港で撮影された。
    16. あなたならかまわない
      未発表曲[17]。9thアルバム『SURVIVE』の頃のアウトテイク[10]
      ギターによるイントロの後、サビから始まる。ライブ未演奏。
      PVは、本作のアートワークを用いた映像。

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集

    注釈 編集

    1. ^ ただし、4thシングル『BE THERE』の2nd beat「星降る夜に騒ごう」、5thシングル『太陽のKomachi Angel』の2nd beat「Good-bye Holy Days」、6thシングル『Easy Come, Easy Go!』の2nd beat「GO! NUDE! GO!」、7thシングル『愛しい人よGood Night...』の2nd beat「GUITAR KIDS RHAPSODY CAMDEN LOCK STYLE」、9thシングル『ALONE』の2nd beat「GO-GO-GIRLS」、14thシングル『Don't Leave Me』の2nd beat「Mannequin Village」、21stシングル『FIREBALL』の2nd beat「哀しきdreamer」、23rdシングル『Calling』の2nd beat「Gimme your love (Live at Tokyo Dome)」の8曲は未収録となった。
    2. ^ また「LADY NAVIGATION」のリミックスも制作したが、ベスト・アルバム『B'z The Best "Pleasure"』に収録されているという理由で未収録となった[5]
    3. ^ ただし、公式サイトや会報誌に掲載されているディスコグラフィでは、ベスト・アルバムとして紹介されている。
    4. ^ また、このアルバム発売後に発行された会報誌『be with!』Vol.46には、実際に遊べるキーホルダー型のルービックキューブ「B'z CUBE Jr.」が付属した。

    出典 編集

    1. ^ “B'z、さらなる記録更新へ!ニューアルバムリリース決定!”. ORICON NEWS (オリコン). (2006年5月10日). https://www.oricon.co.jp/news/21023/full/ 2021年2月8日閲覧。 
    2. ^ Billboard Japan Top Download Albums | Charts”. Billboard JAPAN. オリコン (2021年5月26日). 2022年12月14日閲覧。
    3. ^ GOLD ALBUM他 認定作品 2000年2月度」『The Record』第485号、日本レコード協会、2000年4月、8頁。 
    4. ^ Pleasure & Treasure B'z完全ディスコグラフィー 1999〜2008年”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2019年11月19日閲覧。
    5. ^ a b c d 『be with!』第45巻、B'z Party、2000年3月。 
    6. ^ 高島茂男(インタビュー)「【INTERVIEW】「B'zの“Mixture”では、みんなが楽しめるお祭りをやりたかった」--ZET取締役の安田景憲氏に聞く」『ASCII.jp』、角川アスキー総合研究所、2000年2月22日https://ascii.jp/elem/000/000/307/307890/2020年4月28日閲覧 
    7. ^ MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「限定」の項)”. エムアールエム. 2019年11月19日閲覧。
    8. ^ a b 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、143頁。 
    9. ^ 第15回日本ゴールドディスク大賞 / Gold Disc Hall of Fame 15th|THE GOLD DISC”. 日本レコード協会 (2001年). 2019年11月19日閲覧。
    10. ^ a b c mfm I 2013, p. 248.
    11. ^ B'z ミレニアムCD発売/狙いは空前の2000万枚だ!!”. 中日スポーツ. 株式会社中日新聞社. 1999年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月28日閲覧。
    12. ^ “B'zが全曲サブスク解禁、初配信ライブを映像作品化”. 音楽ナタリー. (2021年5月21日). https://natalie.mu/music/news/429056 2021年5月21日閲覧。 
    13. ^ インプレスが、ネットイベントに全面協力 日本新記録の同時アクセス数、14,600を記録!』(プレスリリース)インプレス、2000年2月25日。 オリジナルの2006年10月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20061018095202/http://www.impressholdings.com/release/2000/005/2020年5月23日閲覧 
    14. ^ B'z 百貨店の屋上に出現/巨大オブジェで新アルバムPR”. 中日スポーツ. 株式会社中日新聞社. 2000年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月28日閲覧。
    15. ^ 渋谷の夜空にB'z?!”. B'z Official Website. ルームスレコーズ. 2000年時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
    16. ^ a b c mfm I 2013, p. 139.
    17. ^ B’z初のアコースティックライブ”. SANSPO.COM. 株式会社産業経済新聞社. 2000年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月5日閲覧。

    参考文献 編集

    • 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年。 

    外部リンク 編集