アンジェイ・ドゥダ

ポーランドの法学者、政治家。ポーランド大統領

アンジェイ・セバスティアン・ドゥダAndrzej Sebastian Duda, ポーランド語発音: [ˈandʐɛj ˈduda] ( 音声ファイル), 1972年5月16日 -)は、ポーランド法律家にして政治家。2015年にポーランド共和国大統領に就任した。

アンジェイ・ドゥダ
Andrzej Duda
Prezydent Rzeczypospolitej Polskiej Andrzej Duda.jpg

任期 2015年8月6日
首相 エヴァ・コパチ
ベアタ・シドゥウォ
マテウシュ・モラヴィエツキ

出生 (1972-05-16) 1972年5月16日(50歳)
ポーランドの旗 ポーランドクラクフ
政党 自由連合(2000年 - 2001年)
法と正義(2005年 - 2015年)
配偶者 アガタ・コルンハウザー=ドゥダ
子女 キンガ・ドゥダ

経歴編集

ポーランド南部のマウォポルスカ県クラクフ出身。クラクフ市内のヤン3世ソビェツキ高校を1991年に出た後、1996年にヤギェウォ大学(ヤギェロン大学)の法律行政学部を卒業した。2001年10月に同大学の行政法学部准教授となり、2005年1月24日に行政法PhDを取得する。同年の春に自身の法律事務所を開業した。

2005年に「法と正義」(PiS)党に入党。2006年から2007年まで法務次官、2007年から2008年までポーランド国家裁判所裁判官、2008年から2010年までレフ・カチンスキ大統領の大統領府次官を務めた。2010年から2011年まではクラクフ市議会議員だった。2010年のクラクフ市長選挙では落選したが、2011年のポーランド共和国下院議員選挙では7万9981票を獲得して当選した。2014年には欧州議会議員となった。

2014年12月6日に PiSの政務会においてドゥダは大統領候補に選出され、2015年3月30日に選挙管理委員会により候補者登録された。2015年5月24日、ポーランド大統領選挙決選投票において、与党市民プラットホーム(PO)が支持するブロニスワフ・コモロフスキ大統領に得票率51.55%対48.45%という僅差で勝利した(出口調査では53%対47%だった[1][2])。大統領当選に伴いPiSから離党し、欧州議会議員も辞職した。当選から3日後の5月27日にはウクライナの大統領ペトロ・ポロシェンコとの会談が予定されていたが中止になっている[3]。5月29日には首都ワルシャワヴィラヌフ宮殿において、ドゥダへの「大統領選出証」授与式が実施された[4]

2015年8月6日、アンジェイ・ドゥダは43歳で第三共和政[5]で6代目の大統領に就任した。就任式はポーランド国会での宣誓から始まり、ポーランド議会下院(セイム)での演説の後、ワルシャワのピウスツキ広場においてポーランド軍の最高指揮権が授与されることをもって終了した[6]

前年の2014年には、東隣のウクライナロシアによるクリミアの併合が起きており、就任演説ではロシア連邦の脅威への対応などを訴えた[7]

再選をかけた2020年6月28日の大統領選挙英語版では優勢だったが当選に必要な過半数を下回り、ワルシャワ市長のラファウ・チャスコフスキ英語版と共に決選投票に進んだ[8]。7月12日の決選投票では51.2%の票を獲得し再選を果たした[9]

2021年新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い同年4月と6月に計2回、COVID-19ワクチンの接種を受けたが、同年10月23日の検査で陽性反応となった。回復後の12月に3回目(ブースターショット)の接種を受けたが、2022年1月5日、再び陽性反応が出たことが発表されている[10][11]

2022年ロシアのウクライナ侵攻ではウクライナを支援しており、同年5月22日にはウクライナ首都キーウウクライナ議会で演説し、難民の受け入れや滞留しているウクライナ産穀物の輸出を促進し、「両国の国境は分離されるのではなく一体となるべきだ」と演説した[12]

家族編集

 
アガタ・コルンハウザー=ドゥダ夫人

ドゥダの父であるヤン・タデウシュ・ドゥダはコンピュータ学者、母ヤニナ・ミレフスカ=ドゥダは化学者であり、二人ともAGH科学技術大学の教授。ヤンとヤニナの間にはアンジェイの他にアンナとドミニカという二人の娘がいる。

ドゥダの妻の名はアガタ・コルンハウザー=ドゥダという。二人は1994年12月21日に結婚し、1995年に娘のキンガが誕生した。アガタの父であるユリアン・コルンハウザーユダヤ系ポーランド人の作家(詩人、翻訳家、文芸評論家)である。アガタにはヤクプ・コルンハウザーという弟がおり、ドゥダの義弟に当たる。また、ヤクプの職業も父ユリアンと同じく作家である。

脚注編集

  1. ^ 最大野党候補ドゥダ氏、勝利確実に ポーランド大統領選”. 朝日新聞デジタル (2015年5月25日). 2015年8月20日閲覧。
  2. ^ ポーランド大統領選、野党の保守強硬派が当選”. 日本経済新聞 (2015年5月25日). 2015年8月20日閲覧。
  3. ^ ポーランド新大統領に選出のドゥダ氏、ポロシェンコ氏との会談取りやめ”. Sputnik 日本 (2015年5月27日). 2015年8月20日閲覧。
  4. ^ アンジェイ・ドゥダ氏がポーランド大統領選勝利”. 駐日ポーランド共和国大使館 (2015年5月29日). 2015年8月20日閲覧。
  5. ^ ポーランド・リトアニア共和国が第一共和政、第二次世界大戦初期のナチス・ドイツソビエト連邦ポーランド侵攻で滅亡したのがポーランド第二共和国ソビエト連邦の崩壊東欧革命により民主化された現在のポーランドが第三共和政と位置付けられる。
  6. ^ アンジェイ・ドゥダ大統領”. 駐日ポーランド共和国大使館 (2015年8月7日). 2015年8月20日閲覧。
  7. ^ ドゥダ大統領が就任=ロシアの脅威対応訴え-ポーランド”. 時事通信社 (2015年8月6日). 2015年8月20日閲覧。
  8. ^ “Poland presidential election: Duda heading for run-off against Warsaw mayor Trzaskowski”. ユーロニュース. (2020年6月29日). https://www.euronews.com/2020/06/28/poland-presidential-election-duda-heading-for-run-off-against-warsaw-mayor-trzaskowski 2020年6月29日閲覧。 
  9. ^ “Poland's Duda narrowly beats Trzaskowski in presidential vote”. BBC News. BBC. (2020年7月13日). https://www.bbc.com/news/world-europe-53385021 2020年7月13日閲覧。 
  10. ^ 新型コロナに感染したポーランド大統領、ブースターショットを打ってまた感染”. 中央日報 (2021年1月6日). 2022年1月6日閲覧。
  11. ^ ポーランド大統領 コロナ感染”. スプートニク (2021年10月24日). 2022年1月6日閲覧。
  12. ^ a b 【ウクライナ侵攻】ポーランド大統領 ウクライナ国会で演説「両国の国境 一体になるべきだ」毎日新聞』朝刊2022年5月24日(国際面)2022年5月28日閲覧

外部リンク編集

公職
先代:
ブロニスワフ・コモロフスキ
  ポーランド共和国大統領
第三共和政第6代:2015年 -
次代:
(現職)