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オーストラリアン・ベースボールリーグ

オーストラリアン・ベースボールリーグ(Australian Baseball League, ABL)は、オーストラリアプロ野球リーグ。2010年発足。オーストラリア野球連盟(ABF)によって運営され、オーストラリア政府の支援を受けている[注釈 1]

オーストラリアン・ベースボールリーグ
競技 野球
開始年 2010年
参加チーム 8
オーストラリアの旗 オーストラリア
 ニュージーランド
本部所在地 オーストラリアの旗 オーストラリア
クイーンズランド州ゴールドコースト
前回優勝 ブリスベン・バンディッツ(2017-18)
最多優勝 パース・ヒート(4回)
公式サイト The Official Site of the Australian Baseball League

概説編集

ABL発足以前編集

オーストラリアで野球が行われたのは100年以上前と言われており、アメリカの鉱夫によって紹介されたのがはじまりだとされている。1897年にはオーストラリア人だけで組織されたナショナルチームがアメリカ遠征を行い、14試合で10勝を挙げたという記録が残っている。1930年代には国内のアマチュア野球リーグが整備されたが、南半球にあるため野球が盛んな国のメインシーズンと合うことができず、国際試合に再び顔を出したのは1971年韓国で開かれたアジア野球選手権大会からであった。 オーストラリア国内で野球というスポーツが一般に認知されはじめたのは、1987年デーブ・ニルソンミルウォーキー・ブルワーズ入団からであり、その後徐々に選手数を増やしていくこととなった。

オーストラリアでは1980年代に様々な国内プロスポーツ組織が結成され、そんな中で野球も1989年に最初の「オーストラリアン・ベースボールリーグ」が8チームの加盟により発足した。1994年には参加チーム数が9チームへと拡大され、翌1995年にはアジア地域のプロ野球リーグによるトーナメント「アジア・パシフィックスーパーベースボール」に招待出場するなど競技の普及に力を尽くしたものの、財政難により発足から10年後の1999年にリーグごとデーブ・ニルソンによって買収され消滅した。 ニルソンはその年、新リーグ「インターナショナル・ベースボール・リーグ・オブ・オーストラリア」(International Baseball League of Australia, IBLA)を発足するに至った。新リーグには国外のチームも複数参加するなど、旧ABL時代よりグローバルに展開された。しかしIBLAも2002年を最後に休止となった。

そのため、現在のオーストラリアン・ベースボールリーグが発足する2010年まで国内プロリーグが不在となった。その間もナショナルチームは、継続的に国際大会やグアムサモアフィジーなどのチームが参加する「オセアニア野球選手権大会」へと参加し、後述の大規模アマリーグも毎年開催されるなど競技者自体は一定数存在していた。

クラクストン・シールド編集

プロリーグとは別に、1934年から2010年までは、州別対抗アマチュアリーグの「クラクストン・シールド」(Claxton Shield英語版)という大会が行われていた。これは豪州最大の野球大会であり、旧ABL/IBLAといった各プロリーグもこの大会を兼ねる形で開催されていた。現ABL発足後も同様にリーグに統合する形で休止され、優勝トロフィーであった盾「クラクストン・シールド」はABLチャンピオン球団へと引き継がれている。

リーグ発足編集

現在のABLは、2010年にオーストラリア野球連盟(ABF)とメジャーリーグ機構(MLB)の出資により本格的なプロ野球リーグとして発足され、国内6都市に球団を置き、この年11月から翌年2月まで、レギュラーシーズン40試合、ポストシーズン12試合[注釈 2]という日程でスタートした。当時MLBの下部組織であったリーグの性格も手伝い、北米マイナーリーグの選手も多数派遣され[2]、さらに日本からは読売ジャイアンツ福岡ソフトバンクホークス阪神タイガース埼玉西武ライオンズなどNPB複数球団の選手[3][4][5][6][7]が派遣された。 その後も各国との派遣交流は続いており、日本からもNPBのみならず、リーグ発足前からABFと派遣交流のあった[8]四国・九州アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)や、社会人野球の選手らが参加している[9][10][11]

リーグ戦は北半球のシーズンオフに開催されるため、実力のある選手はその後アメリカ、日本台湾イタリアなどのプロリーグでプレーするというパターンが多く、中南米のウィンターリーグに近い形であると言える。このため日本やアメリカ、台湾などからも冬季の調整を兼ねて参加する選手がいる。

また、2011年度からプロ野球・「アジアシリーズ」にも参戦しており[注釈 3]2013年にはキャンベラ・キャバルリーがオーストラリアのチームとして初のアジアシリーズチャンピオンに輝いた[12]

新球団の加入とリーグの拡大編集

2017年シーズン初頭、オーストラリア国内における野球競技の知名度、レベルの向上に伴うリーグの拡大構想が示され、翌2018-19シーズンより参加球団数を8チームとする事が発表された[13][注釈 4]。これにより、ニュージーランドのオークランドを保護地域とするオークランド・トゥアタラKBOリーグの選手が参加するなど韓国と深い繋がりのあるジーロング・コリアの2チームが新たに加入した[14]。8球団体制となった事によりリーグが再編され、各チームが「サウスウェストディビジョン」と「ノースイーストディビジョン」に割り振られる2ディビジョン制となり、ワイルドカード制の導入などポストシーズンのシステムも改められた。

また2018年は、国際大会外での日本との代表強化試合の開催や[15]、ABLでもプレーした台湾プロ野球の伝説的選手張泰山ブリスベン・バンディッツのコーチに招聘したほか[16]、台湾でのプロ野球放映権を持つイレブンスポーツ英語版と提携し、リーグ戦およびプレーオフ全試合の放送を台湾内で開始するなど[17]、前述のオーストラリア国外を主体とする新球団加入とあわせ、アジア・オセアニア地区にかけてリーグの拡大へと舵を切る年となった。

試合編集

  • オーストラリアでの夏期、主に11月~1月の間にリーグ戦が行われる。参加するチーム数は8。同ディビジョンのチームとは8試合ずつ(計24試合) 行い、異なるディビジョンとは4試合ずつ(計16試合)行う。全40試合行う。(2018–19年シーズン)試合はインターネットで生中継が行われている[18]
  • リーグ戦の上位5チームによりプレーオフが行われる。リーグ戦4位、5位チームにワイルドカードが与えられ、1試合制のワイルドカードゲームが行われる。その勝者とリーグ戦1位チーム、リーグ戦2位と3位チームの間で3戦2勝制のセミファイナルシリーズが行われ、それぞれの勝者が3戦2勝制のチャンピオンシップシリーズを争う(2018–19年シーズン)。最終的な勝者が年間ABLチャンピオンとなる。
  • シーズン中の12月には、オーストラリア国籍の選手から選抜された「チームオーストラリア」と他国籍の選手から選抜された「ワールドオールスター」によるABLオールスターゲームが開催される。

参加チーム編集

プレーオフからチャンピオンシップシリーズまでの道のり編集

2018-19シーズン〜現在
  ワイルドカードゲーム
(1試合制)
    セミファイナルシリーズ
(3戦2勝制)
    チャンピオンシップシリーズ
(3戦2勝制)
                           
      A シーズン第1位チーム  
  シーズン第4位チーム     A WCゲーム 勝者    
  シーズン第5位チーム         セミファイナルA 勝者
      セミファイナルB 勝者
      B シーズン第2位チーム    
        B シーズン第3位チーム  
  • 2010–11および2011–12シーズンでは、まずシーズン優勝チームとシーズン第2位チームによるセミファイナルシリーズが行われ、勝者がチャンピオンシップシリーズに進む。敗者は、シーズン第3位と第4位チームによるマイナーセミファイナルの勝者とプレリミナリー・ファイナルシリーズで対戦し、その勝者がチャンピオンシップシリーズへと進出した。なお、システムは同一であるが初年度と2年目とで試合数が異なる。
  • 2012–13から2016–17シーズンでは、シーズン優勝チームは無条件でチャンピオンシップシリーズへと進み、シーズン第2位と第3位チームにより3戦2勝制のプレリミナリー・ファイナルシリーズが行われ、その勝者がチャンピオンシップシリーズへと進出した。
  • 2017–18シーズンでは、シーズン優勝チームとシーズン第4位、シーズン第2位と第3位チームにより3戦2勝制のセミファイナルシリーズが行われ、それぞれの勝者がチャンピオンシップシリーズへと進出した。

歴代チャンピオンシップシリーズ結果編集

シーズン 優勝 勝敗 敗退チーム MVP
2010–11 パース・ヒート 2 – 1 アデレード・バイト ベンジャミン・ムーア
2011–12 パース・ヒート 2 – 1 メルボルン・エイシズ バージル・バスケス英語版
2012–13 キャンベラ・キャバルリー 2 – 0 パース・ヒート アーロン・スローン
2013–14 パース・ヒート 2 – 0 キャンベラ・キャバルリー ジョーイ・ウォン英語版
2014–15 パース・ヒート 2 – 1 アデレード・バイト アラン・デサンミゲル
2015–16 ブリスベン・バンディッツ 2 – 0 アデレード・バイト ドナルド・ルーツ
2016–17 ブリスベン・バンディッツ 2 – 0 メルボルン・エイシズ ローガン・ウェイド
2017–18 ブリスベン・バンディッツ 2 – 1 キャンベラ・キャバルリー ティム・アサートン
リーグ優勝チーム

※2010-11リーグ優勝のシドニー・ブルーソックスはポストシーズン敗退

※MVPは勝利チームより選出

脚注編集

  1. ^ Australian Baseball League to go ahead in 2016, without financial support of Major League Baseball - Herald Sun、2016年8月3日
  2. ^ 新ウインターリーグとしてオーストラリア浮上 - スポーツニッポン 2010年5月11日
  3. ^ 亀井も豪州プロリーグに派遣 - スポーツ報知 2010年11月5日
  4. ^ ウインターリーグ参加について - 福岡ソフトバンクホークス公式web、2010年10月21日
  5. ^ ウインターリーグ参加について - 福岡ソフトバンクホークス公式web、2011年10月26日
  6. ^ 戦力底上げへ真夏の豪州で若虎6人武者修行-デイリースポーツ 2011年10月25日
  7. ^ 雄星、豪州武者修行へ!木村とWL参加 - デイリースポーツ 2011年11月1日
  8. ^ 香川OGの塚本投手がオーストラリアより16日に帰国 - 四国新聞社 2008年3月17日
  9. ^ 星野育成担当 オーストラリア武者修行だより Vol.1 - 福岡ソフトバンクホークス 2010年11月11日
  10. ^ 新設のオーストラリアリーグに挑戦する日本人選手 - スポーツナビ+ 2010年4月28日
  11. ^ オーストラリアン・ベースボール・リーグと社会人野球の提携強化へ:HONDAの担当者に聞く - スポーツナビ+ 2017年10月29日
  12. ^ Canberra Cavalry wins historic Asia Series final - ABC news、2011年11月21日
  13. ^ オーストラリア野球リーグ(ABL)が来季8球団に拡大 - WBSC、2017年11月20日
  14. ^ Aust Baseball League adds overseas teams - SBS.com、2018年06月06日
  15. ^ http://www.japan-baseball.jp/jp/games/jpnaus2018/ ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 「日本 vs オーストラリア」] - 侍ジャパンオフィシャルサイト、2018年03月03日
  16. ^ CPBL SUPERSTAR "TARZAN"TAI-SHAN CHANG JOINS COURAN COVE BRISBANE BANDITS - ABL.com、2018年11月01日
  17. ^ ELEVEN SPORTS引進澳職  擴張棒球轉播版圖 - ETtoday、2018年11月01日
  18. ^ ABLtv.com - YouTubeチャンネル

注釈編集

  1. ^ 発足時にはメジャーリーグベースボールによる支援も受けていたが、2015-16シーズンをもって撤退した。提携関係はその後も継続している。[1]
  2. ^ セミファイナルシリーズ、マイナーセミファイナル、プレリミナリー・ファイナルシリーズ、チャンピオンシップシリーズ各3試合制。この試合方式は初年度のみ。翌年度はシステムはそのままに試合数が変更され、三年目以降はポストシーズンのシステム自体が変更されている。
  3. ^ 日程の関係上、前年度の優勝チームが出場。
  4. ^ リーグ8球団構想や国外フランチャイズ球団の参加については、リーグ設立以前より案の一つとしては存在していた。

関連項目編集

外部リンク編集