クリス・ポール
クリス・ポール[2](Chris Paul)ことクリストファー・エマニュエル・ポール(Christopher Emanuel Paul、1985年5月6日 - )は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム出身のバスケットボール選手。身長183cm・体重79kg[3]。NBAのフェニックス・サンズに所属するポイントガード。現NBA選手会会長。
![]() ロサンゼルス・クリッパーズでのポール (2013年) | |||||||||||||||||||||
フェニックス・サンズ No.3 | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ポジション | PG | ||||||||||||||||||||
背番号 | 3 | ||||||||||||||||||||
身長 | 183cm (6 ft 0 in) | ||||||||||||||||||||
体重 | 79kg (174 lb) | ||||||||||||||||||||
ウィングスパン | 194cm (6 ft 5 in)[1] | ||||||||||||||||||||
足のサイズ | 29.0cm | ||||||||||||||||||||
シューズ | エア・ジョーダン | ||||||||||||||||||||
基本情報 | |||||||||||||||||||||
本名 | Christopher Emanuel Paul | ||||||||||||||||||||
愛称 | CP3, Point God | ||||||||||||||||||||
ラテン文字 | Chris Paul | ||||||||||||||||||||
誕生日 | 1985年5月6日(35歳) | ||||||||||||||||||||
国 |
![]() | ||||||||||||||||||||
出身地 | ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム | ||||||||||||||||||||
出身 | ウェイク・フォレスト大学 | ||||||||||||||||||||
NBAドラフト | 2005年 4位 | ||||||||||||||||||||
選手経歴 | |||||||||||||||||||||
2005-2011 2011-2017 2017-2019 2019-2020 2020- |
ニューオーリンズ・ホーネッツ ロサンゼルス・クリッパーズ ヒューストン・ロケッツ オクラホマシティ・サンダー フェニックス・サンズ | ||||||||||||||||||||
受賞歴 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
Stats ![]() | |||||||||||||||||||||
代表歴 | |||||||||||||||||||||
キャップ |
![]() | ||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
来歴編集
学生時代編集
ウェスト・ホーサイス高校出身。高校最後のシーズンには30.8得点8.0アシスト5.0リバウンド6.0スティールの成績を残し、マクドナルド選出のオールアメリカンチームとノースカロライナ州のミスター・バスケットボールに選ばれた。このシーズンの11月15日、ポールの祖父が強盗に遭い殺害されるという惨劇が起こる。ポールは祖父の葬儀に出席した翌日の試合で、祖父の年齢と同じ61得点をあげた。州の高校記録である69得点に手が届く範囲であったが、ポールは故意にフリースローを外すなどし、この日の記録を祖父に奉げた。
高校卒業後、ウェイクフォレスト大学に進学。1年目から先発に抜擢され、同校のアシスト数、スティール数、フリースロー成功率、スリーポイントシュート成功率のルーキー記録を破る14.8得点5.9アシスト2.7スティールの成績を残し、カンファレンスの新人王を獲得。翌シーズンには15.3得点6.6アシスト2.4スティールの成績を残し、AP通信、米国バスケットボールコーチ協会、全米バスケットボール記者協会のオールアメリカンファーストチームに選出され、ウッデン賞、ネイスミス賞、アドルフ・ラップ賞の賞レースでは最終候補にまで残った。3年生には進学せず、NBAドラフトにアーリーエントリーした。
ニューオーリンズ・ホーネッツ編集
キャリア初期編集
2005年のNBAドラフトでニューオーリンズ・ホーネッツから1巡目4位指名を受けて入団する。ドラフト前はカレッジ界最高のポイントガードの呼び声が高かったが、ドラフトでは同じポイントガードのデロン・ウィリアムスに次ぐ全体4位指名だった。ルーキーシーズンとなった2005-06シーズン、ポールはスピーディ・クラクストンと共にNBA屈指のスピードを誇るバックコートを形成し、全てのルーキー・オブ・ザ・マンスを独占。チームは前シーズンの勝ち星から20勝を上乗せし、ポール自身は16.7得点7.8アシスト5.1リバウンド2.2スティールの成績を残して、新人王投票では125票中124票を獲得(残りの1票はデロン・ウィリアムス)という圧倒的支持で新人王を獲得する。
2年目の2006-07シーズンはチームに故障者が多く、ポール自身も17.3得点8.9アシスト4.4リバウンド1.8スティールと、活躍したが18試合を欠場してしまったため、期待されたプレイオフ進出はならなかった。
リーグ最高峰のPGへ編集
2007-08シーズンはホーネッツにとっては大躍進のシーズンとなった。前シーズンは怪我に泣いたが、主力全員が大きな怪我なく過ごし、本来の実力を発揮したホーネッツは快進撃を続け、56勝26敗の成績で地区優勝を遂げた。特にポールの活躍は目覚しく、彼がこのシーズンに記録した21.1得点11.6アシスト4リバウンド2.7スティールは、1992-93シーズンにティム・ハーダウェイが記録して以来の20得点10アシスト以上となる快挙であった。11.6アシスト、2.7スティールは共にリーグ1位の成績であり、ポールはアシスト王とスティール王の二冠を達成した。オールNBA1stチーム、オールディフェンシブ2ndチームにも初選出され、ポールはNBA3年目にして早くもリーグトップPGの地位に上り詰めたことになる。MVP獲得の有力候補でもあったが、MVP投票では2位で終わった。オールスターゲームにも初選出され、16得点14アシスト5スティールと敢闘賞的な活躍を見せ、地元ニューオーリンズで開催されたゲームを盛り上げた。初のプレーオフではチームの経験不足が心配されたが、ポールはそんなプレッシャーとは無縁だった。プレーオフ期間中はレギュラーシーズンを上回る24.3得点11.3アシストの成績を記録し、ホーネッツは1回戦でダラス・マーベリックスを破り、カンファレンス準決勝でサンアントニオ・スパーズと対決。前シーズンチャンピオンチーム相手にも堂々と渡り合ったが、最終第7戦でついに経験の差が表れ、ホーネッツは準決勝敗退となった。
2008-09シーズンのポールは、22年前にアルヴィン・ロバートソンが達成した106試合連続スティールを破る108試合連続スティール、開幕15試合連続20得点10アシスト以上達成という2つのNBA新記録樹立という派手な出だしとなったが、絶好調なポールとは対照的にチームはペジャ・ストヤコヴィッチやタイソン・チャンドラーらの不振で前年ほどの勢いは見られず、49勝33敗の成績に終わった。ポールは22.8得点11.0アシスト5.5リバウンド2.8スティール、FG成功率50.3%の成績で2年連続でアシスト王とスティール王の二冠を達成し、オールディフェンシブチームでは初めて1stチームに選出されている。プレイオフ1回戦ではデンバー・ナゲッツと対戦したが、ベテランPGのチャンシー・ビラップスに経験の差を見せ付けられ、1勝4敗の完敗を喫した。
ロサンゼルス・クリッパーズ編集
2011年12月14日、エリック・ゴードン、アル・ファルーク・アミヌ、クリス・ケイマンとのトレードでロサンゼルス・クリッパーズに移籍した。 ロックアウトが明けた直後にトレードでクリッパーズに加入したポールはそれまで低迷していたクリッパーズをコート外内で率先しながら関係を深め、ブレイク・グリフィンやディアンドレ・ジョーダンらと共にクリッパーズを強豪チームへと仕立て上げた。
ヒューストン・ロケッツ編集
2017年6月28日、再び大型トレードでヒューストン・ロケッツに移籍した[4]。2018年2月3日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で22得点、11アシストを記録、試合は120-88で勝利した。試合中、アンドレ・ミラーのアシスト数(8,624)の抜いて歴代9位のアシスト数となった[5]。2月23日の120-102で勝利したミネソタ・ティンバーウルブズ戦でアレン・アイバーソンを抜いてキャリア通算スティール数を歴代12位となる1,984とした[6]。2018年3月17日に行われたニューオーリンズ・ペリカンズ戦でNBA史上12人目となるキャリア通算2000スティールを達成した。2000スティールを達成したことで、ジェイソン・キッド、ゲイリー・ペイトン、ジョン・ストックトン以来となる通算8000アシスト、2000スティールを達成した選手となった[7]。
オクラホマシティ・サンダー編集
2019年7月11日、ラッセル・ウェストブルックとのトレードでオクラホマシティ・サンダーに移籍した。
フェニックス・サンズ編集
2020年11月16日にリッキー・ルビオ、ケリー・ウーブレらとのトレードでフェニックス・サンズへ移籍した。
アメリカ代表編集
2006年に日本で開催された世界選手権にアメリカ代表として出場し、ポールは9試合中6試合に先発出場し、通算44アシスト17スティール9ターンオーバーを記録する。代表は順調に勝ち進み、準決勝でギリシャと対戦。ポールはギリシャの201cmの長身ポイントガード、セオドロス・パパルーカスとのミスマッチに苦しみ、チームも敗戦。銅メダルに終わった。
2008年の北京オリンピックではベテランPGのジェイソン・キッドの参加が話題となったが、ポールは先発の座こそキッドに譲ったものの出場時間ではポール、キッド、デロン・ウィリアムスの3人の中では最も多く与えられ、金メダル獲得に大きく貢献した。
2012年のロンドンオリンピックでも金メダルを獲得した。
個人成績編集
略称説明 | |||||
---|---|---|---|---|---|
GP | 出場試合数 | GS | 先発出場試合数 | MPG | 平均出場時間 |
FG% | フィールドゴール成功率 | 3P% | スリーポイント成功率 | FT% | フリースロー成功率 |
RPG | 平均リバウンド数 | APG | 平均アシスト数 | SPG | 平均スティール数 |
BPG | 平均ブロック数 | TO | 平均ターンオーバー数 | PPG | 平均得点 |
太字 | キャリアハイ | リーグリーダー | 優勝シーズン |
NBA レコード |
NBAレギュラーシーズン編集
シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2005–06 | NOH | 78 | 78 | 36.0 | .430 | .282 | .847 | 5.1 | 7.8 | 2.2 | .1 | 16.1 |
2006–07 | 64 | 64 | 36.8 | .437 | .350 | .818 | 4.4 | 8.9 | 1.8 | .0 | 17.3 | |
2007–08 | 80 | 80 | 37.6 | .488 | .369 | .851 | 4.0 | 11.6 | 2.7 | .1 | 21.1 | |
2008–09 | 78 | 78 | 38.5 | .503 | .364 | .868 | 5.5 | 11.0 | 2.8 | .1 | 22.8 | |
2009–10 | 45 | 45 | 38.0 | .493 | .409 | .847 | 4.2 | 10.7 | 2.1 | .2 | 18.7 | |
2010–11 | 80 | 80 | 36.0 | .463 | .388 | .878 | 4.1 | 9.8 | 2.4 | .1 | 15.8 | |
2011–12 | LAC | 60 | 60 | 36.4 | .478 | .371 | .861 | 3.6 | 9.1 | 2.5 | .1 | 19.8 |
2012–13 | 70 | 70 | 33.4 | .481 | .328 | .885 | 3.7 | 9.7 | 2.4 | .1 | 16.9 | |
2013–14 | 62 | 62 | 35.0 | .467 | .368 | .855 | 4.3 | 10.7 | 2.5 | .1 | 19.1 | |
2014–15 | 82 | 82 | 34.8 | .485 | .398 | .900 | 4.6 | 10.2 | 1.9 | .2 | 19.1 | |
2015–16 | 74 | 74 | 32.7 | .462 | .371 | .896 | 4.2 | 10.0 | 2.1 | .2 | 19.5 | |
2016–17 | 61 | 61 | 31.5 | .476 | .411 | .892 | 5.0 | 9.2 | 1.9 | .1 | 18.1 | |
2017–18 | HOU | 58 | 58 | 31.8 | .460 | .380 | .919 | 5.4 | 7.9 | 1.7 | .2 | 18.6 |
2018–19 | 58 | 58 | 32.0 | .419 | .362 | .862 | 4.6 | 8.2 | 2.0 | .3 | 15.6 | |
2019–20 | OKC | 70 | 70 | 31.5 | .489 | .365 | .907 | 5.0 | 6.7 | 1.6 | .2 | 17.6 |
Career | 1020 | 1020 | 34.9 | .471 | .370 | .870 | 4.5 | 9.5 | 2.2 | .1 | 18.5 | |
All-Star | 9 | 4 | 26.6 | .532 | .500 | .857 | 3.9 | 12.4 | 2.2 | .0 | 14.2 |
プレイオフ編集
シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2008 | NOH | 12 | 12 | 40.5 | .502 | .238 | .785 | 4.9 | 11.3 | 2.3 | .2 | 24.1 |
2009 | 5 | 5 | 40.2 | .411 | .313 | .857 | 4.4 | 10.4 | 1.6 | .0 | 16.6 | |
2011 | 6 | 6 | 41.5 | .545 | .474 | .796 | 6.7 | 11.5 | 1.8 | .0 | 22.0 | |
2012 | LAC | 11 | 11 | 38.5 | .427 | .333 | .872 | 5.1 | 7.9 | 2.7 | .1 | 17.6 |
2013 | 6 | 6 | 37.3 | .533 | .316 | .892 | 4.0 | 6.3 | 1.8 | .0 | 22.8 | |
2014 | 13 | 13 | 36.3 | .467 | .457 | .774 | 4.2 | 10.4 | 2.8 | .0 | 19.8 | |
2015 | 12 | 12 | 37.1 | .503 | .415 | .941 | 4.4 | 8.8 | 1.8 | .3 | 22.1 | |
2016 | 4 | 4 | 31.3 | .487 | .300 | 1.000 | 4.0 | 7.3 | 2.3 | .0 | 23.8 | |
2017 | 7 | 7 | 37.2 | .496 | .368 | .879 | 5.0 | 9.9 | 1.7 | .1 | 25.3 | |
2018 | HOU | 15 | 15 | 34.5 | .459 | .374 | .830 | 5.9 | 5.8 | 2.0 | .3 | 21.1 |
2019 | 11 | 11 | 36.1 | .446 | .270 | .844 | 6.4 | 5.5 | 2.2 | .6 | 17.0 | |
2020 | OKC | 7 | 7 | 37.3 | .491 | .372 | .885 | 7.4 | 5.3 | 1.6 | .4 | 21.3 |
Career | 109 | 109 | 37.3 | .478 | .365 | .847 | 5.2 | 8.3 | 2.1 | .2 | 20.9 |
タイトル・受賞編集
- 新人王:2006
- アシスト王:2008, 2009, 2014 ,2015
- スティール王:2008, 2009, 2011, 2012, 2013, 2014
- NBAオールスターゲーム出場:2008~2016,2020
- NBAオールスターゲームMVP:2013
- オールNBAチーム
- 4×1stチーム:2008, 2012, 2013, 2014
- 4×2ndチーム:2009, 2015, 2016, 2020
- 3rdチーム:2011
- NBAオールディフェンシブチーム
- 7×1stチーム:2009, 2012-2017
- 2×2ndチーム:2008, 2011
- NBAオールルーキーチーム 1stチーム:2006
私生活・その他編集
脚注編集
- ^ “Chris-Paul”. draftexpress.com (2005年). 2017年閲覧。accessdateの記入に不備があります。
- ^ 女性審判に対するC・ポールの発言、リーグを巻き込んだ問題に - AFPBB News(2015年)
- ^ 【特別インタビュー】クリス・ポール「童顔のファイター」 - WOWOW(2012年)
- ^ ロケッツが7選手と交換でクリッパーズからクリス・ポールを獲得
- ^ “Rockets blast LeBron, disconnected Cavs 120-88” (英語). ESPN.com (2018年2月3日). 2018年4月18日閲覧。
- ^ “Butler hurt as Rockets beat Wolves for 11th straight win” (英語). ESPN.com (2018年2月23日). 2018年4月18日閲覧。
- ^ “Houston Rockets' Chris Paul becomes 12th player in NBA history with 2,000 steals” (英語). NBA.com (2018年3月17日). 2018年3月19日閲覧。
- ^ “クリス・ポール、ヒューストンに本拠地を置くMLBチームの始球式に登場”. バスケットボールキング (2017年7月16日). 2017年12月3日閲覧。
外部リンク編集
- クリス・ポール --- 略歴と通算成績 --- NBA日本, NBA (英語) Basketball-Reference (英語)