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シラユキヒメとは日本で生まれた白毛サラブレッドである。馬名はグリム童話の『白雪姫』に由来する。

シラユキヒメ[1]
欧字表記 Shirayukihime[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 白毛[1]
生誕 1996年4月4日(23歳)[1]
サンデーサイレンス[1]
ウェイブウインド[1]
母の父 Topsider [1]
生国 日本の旗 日本北海道早来町[1]
生産 ノーザンファーム[1]
馬主 金子真人[1]
調教師 後藤由之美浦[1]
競走成績
生涯成績 9戦0勝[1]
獲得賞金 190万円[1]
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目次

現役時代編集

サンデーサイレンス産駒の白毛馬として話題を集めた。芦毛とは違い白毛は産まれたときから白い。鹿毛のウェイブウインドの初仔である本馬は、父が青鹿毛のサンデーサイレンスであるにもかかわらず、突然変異で誕生した白毛である。突然変異なので、本馬の弟妹には一頭も白毛は生まれていない。

突然変異の場合は白毛馬は非常に生まれる確率が低く、1万頭から2万頭に1頭ほどの確率でしか産まれない。そのため白毛馬は出走した頭数も少なく、地方競馬ではホワイトペガサスが南関東公営競馬で8勝を挙げているのを筆頭に数頭が勝利を挙げているが、中央競馬では本馬が競走馬としてデビューした2001年(平成13年)当時まだ勝利はなかった。

本馬はデビューが遅れたこともあって、出走したレースは中央競馬の500万円以下または900万円以下という厳しい条件であり、初勝利を挙げることはできなかったが、それでも9戦して一度3着に入っており、白毛馬としては中央競馬で初めて馬券に絡む着順(3着以内)に入っている。

競走成績編集

以下の内容は、netkeiba.com[2]およびJBISサーチ[3]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ(人気) 着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 勝ち馬/(2着馬)
2001.02.03 小倉 500万下 芝1200m(良) 16 4 8 13.0(5人) 11着 1:11.0 (34.9) -0.8 青木芳之 55kg スカイジャンプ
0000.02.10 小倉 500万下 芝2000m(良) 16 5 9 14.6(5人) 12着 2:05.0 (36.9) -1.3 青木芳之 55kg ジンパーフェクト
0000.03.04 中京 500万下 ダ2300m(不) 16 1 2 20.2(8人) 14着 2:05.0 (42.9) -5.2 武幸四郎 55kg エイシンジョーダン
0000.05.04 福島 いわき特別 900 芝1700m(良) 13 7 11 32.3(10人) 8着 1:44.2 (36.8) -1.2 横山賀一 55kg ノーブルダービー
0000.05.13 福島 500万下 芝2000m(良) 16 1 1 06.5(4人) 3着 2:03.0 (37.4) -0.2 勝浦正樹 55kg シルバーミーティア
0000.06.09 函館 奥尻特別 500 芝2000m(良) 15 7 14 15.6(5人) 10着 2:05.0 (36.7) -0.8 横山典弘 55kg ダイイチライン
0000.06.17 函館 湯川特別 500 芝2000m(良) 15 6 11 28.0(5人) 9着 2:03.2 (38.2) -1.5 勝浦正樹 55kg ニューイングランド
0000.09.15 札幌 ニセコ特別 500 芝1200m(良) 11 2 2 59.7(11人) 8着 1:10.8 (35.0) -0.5 鹿戸雄一 54kg デリキット
0000.09.23 札幌 恵庭岳特別 500 芝2000m(良) 12 6 7 25.1(7人) 9着 2:04.1 (36.7) -1.2 鹿戸雄一 54kg ソーウンセンプー

繁殖牝馬時代編集

競走馬引退後は繁殖牝馬となった。突然変異の本馬自身と違い、すでに白毛遺伝子(ほかの毛色に対して優勢)を持つ本馬の産駒はメンデルの法則により50パーセントの確率で白毛として生まれる。良血でもあるため、白毛の新系統誕生も期待されている。

繁殖成績編集

馬名 生年月日 毛色 厩舎 馬主 戦績(現状)タイトル
シロクン 2003年
2月20日
白毛 ブラックホーク 美浦後藤由之 金子真人
ホールディングス
5戦0勝
(引退→乗馬→消息不明)
ホワイトベッセル 2004年
3月18日
クロフネ 栗東安田隆行 17戦3勝
(引退→誘導馬)
ユキチャン 2005年
3月28日
美浦・後藤由之
川崎山崎尋美
金子真人
ホールディングス
→金子真人
17戦5勝
(引退→繁殖牝馬)
関東オークス(JpnII)
クイーン賞(JpnIII)
TCK女王盃(JpnIII)
ママズディッシュ 2007年
3月4日
芦毛 美浦・後藤由之 金子真人
ホールディングス
10戦0勝
(引退→繁殖牝馬)
シラユキヒメの
2008
2008年
2月28日
白毛     未出走
(誘導馬)
マシュマロ 2009年
3月23日
栗東・吉田直弘 金子真人
ホールディングス
12戦2勝
(引退→繁殖牝馬)
ブラマンジェ 2010年
3月22日
美浦・萩原清 3戦0勝
(引退→繁殖牝馬)
マーブルケーキ 2011年
4月9日
白毛
(栗ブチ)
キングカメハメハ 17戦3勝
(現役)
ブチコ 2012年
4月27日
白毛
(鹿ブチ)
栗東・音無秀孝
16戦4勝
(引退→繁殖牝馬)
シロニイ 2014年
2月13日
白毛
(ブチ)
栗東・池江泰寿[4] 12戦3勝[4]
(現役)
シラユキヒメの
2015
2015年
4月22日
鹿毛      
ブッチーニ 2016年
5月10日
白毛 栗東・中内田充正[5] 金子真人ホールディングス 3戦1勝[5]

出典:[6]

2003年平成15年)に生まれたシロクンは、2006年(平成18年)1月5日、美浦・後藤由之厩舎からデビュー。同年7月20日、競走馬登録を抹消。ノーザンホースパーク乗馬となったが、2008年(平成20年)8月に退厩。その後、関西方面に移動ののち、2009年(平成21年)1月頃を最後に消息不明となっている。

2004年(平成16年)に生まれたホワイトベッセルは、2007年(平成19年)2月18日栗東安田隆行厩舎からデビュー。同年4月1日、2戦目となる3歳未勝利戦で白毛馬初の中央競馬勝利を挙げた。2011年(平成23年)1月26日、競走馬登録を抹消。京都競馬場誘導馬として活動した。詳細は当該項目を参照のこと。

2005年(平成17年)に生まれたユキチャンは、2007年(平成19年)7月8日、美浦・後藤由之厩舎からデビュー。2戦目と3戦目を連勝し、2008年(平成20年)6月18日、5戦目となる川崎競馬場の重賞・関東オークス (JpnII) では8馬身差で圧勝。世界初となる白毛馬による重賞勝利を挙げた。2009年(平成21年)9月、出走機会を求めて川崎競馬・山崎尋美厩舎に移籍。その後も重賞を2勝した。2010年(平成22年)12月28日、競走馬登録を抹消。同年NARグランプリ最優秀牝馬を獲得。繁殖牝馬となった。詳細は当該項目を参照のこと。

2006年(平成18年)に生まれる予定だった産駒(父ブラックホーク)は、流産した。

2007年(平成19年)に生まれたママズディッシュは、2009年(平成21年)9月6日、美浦・後藤由之厩舎からデビュー。2010年(平成22年)9月2日、競走馬登録を抹消。繁殖牝馬となった。

2008年(平成20年)に生まれた産駒は、結局デビューしないまま、シロベエという名前で京都競馬場誘導馬として活動している[7]

2009年(平成21年)に生まれたマシュマロは、2011年11月13日、栗東・吉田直弘厩舎からデビュー。初戦の新馬戦を勝った[8]。白毛馬の新馬戦勝利はJRA史上初である。2014年3月13日、競走馬登録を抹消。繁殖牝馬となった。産駒には、白毛で2019年の新潟競馬場ダート1600mで開催されたレパードステークス(GIII)で、白毛馬として世界初平地国際グレードレース優勝馬[9]となったハヤヤッコ(父キングカメハメハ、美浦・国枝栄厩舎)やその全弟の黒鹿毛ピオノノ(父キングカメハメハ、美浦・奥村武厩舎)がいる。

2010年(平成22年)に生まれたブラマンジェは、2012年(平成24年)11月17日、美浦・萩原清厩舎からデビュー。2013年(平成25年)6月5日、競走馬登録を抹消。繁殖牝馬となった。

2011年(平成23年)に生まれたマーブルケーキは、登録上は白毛だが、栗毛の斑点を有するブチ模様である。2014年(平成26年)1月19日、美浦・萩原清厩舎からデビュー。

2012年(平成24年)に生まれたブチコは、登録上は白毛だが、「ブチ」の名前の通り鹿毛の斑点を有し、や耳も鹿毛となっている。2014年(平成26年)10月25日、栗東・音無秀孝厩舎からデビュー。オープン馬まで勝ち進んだが[10]ストレスに弱く、出走前にゲート内でパニックを起こすことがあり、最後までゲート難を克服できず2017年に引退。安平町ノーザンファームで繁殖牝馬となった[11]

2013年(平成25年)に生まれる予定だった産駒(父クロフネ)は、流産した。

2014年(平成26年)に生まれたシロニイは、登録上は白毛だが、斑点を有するブチ模様である。また、右目が魚目[注釈 1]である[12]

2015年(平成27年)に生まれた産駒は、当年時点で産駒唯一の鹿毛である。

シラユキヒメの白毛編集

白毛の発生は、一般的にメラニン細胞の移動と分化、定着、維持といった機能を持つ受容体型チロシンキナーゼ幹細胞因子受容体(SCFR)というタンパク質をコードするKIT遺伝子の変異が原因であることが多いが、シラユキヒメ及びその子孫のKIT遺伝子にも、第17エクソンに54塩基の欠失(c.2392_2445del)が確認されている。これはSCFRのチロシンキナーゼドメインIIに18アミノ酸残基の欠失を起こすもので[13]、これが原因となってメラノサイト前駆細胞の遊走が正常に起こらず白毛やブチ毛が生じている。この変異はW14と命名されている[14]

シラユキヒメ 1996 牝 W14の祖 →シロクン、ホワイトベッセル、シロベエ
ユキチャン 2005 牝(父クロフネ) →ラテマキアート
||シロインジャー 2013 牝(父ハービンジャー)
||ハウナニ 2015 牝(父ロードカナロア)
||マイヨブラン 2016 牡(父ヨハネスブルグ)
|マシュマロ 2009 牝(父クロフネ)
||ハヤヤッコ 2016 牡(父キングカメハメハ)
|ブラマンジェ 2010 牝(父クロフネ)
||ブラマンジェの2017 牝(父エイシンフラッシュ)
||ブラマンジェの2018 牡(父ルーラーシップ)
|マーブルケーキ 2011 牝(父キングカメハメハ)
|ブチコ 2012 牝(父キングカメハメハ)
||ブチコの2018 牝(父クロフネ)
|シロニイ 2014 牡(父キングカメハメハ)
|ブッチーニ 2016 牝(父キングカメハメハ)
  • →は繁殖馬とならずに引退した馬

血統編集

シラユキヒメ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

*ウェイブウインド
Wave Wind
1991 鹿毛
Topsider
1974 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Drumtop Round Table
Zonah
母の母
Storm and Sunshine
1983 黒鹿毛
Star de Naskra Naskra
Candle Star
Sea Drone Drone
Malaga
母系(F-No.) (FN:2-w) [§ 3]
5代内の近親交配 Almahmoud 4 × 5(9.375 %) [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ[15]
  2. ^ netkeiba.com[16]
  3. ^ JBISサーチ[15]
  4. ^ JBISサーチ[15]

母・ウェイブウインドは不出走で繁殖入り。祖母・Storm and SunshineはアメリカG2勝ち馬である。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 「馬の眼の虹彩は、普通は暗黒色であるが、虹彩の色素が少なく、外観からは黒目の部分が青色に見えるもの。」(競馬用語辞典 魚目(さめ)

出典編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o シラユキヒメ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  2. ^ シラユキヒメの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年8月20日閲覧。
  3. ^ シラユキヒメ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  4. ^ a b シロニイ”. JBISサーチ(JBIS-Search). 公益社団法人日本軽種馬協会. 2017年1月13日閲覧。
  5. ^ a b ブッチーニ”. JBISサーチ(JBIS-Search). 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月8日閲覧。
  6. ^ 繁殖牝馬情報:牝系情報|シラユキヒメ”. JBISサーチ(JBIS-Search). 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年8月19日閲覧。
  7. ^ 今週はエリザベス女王杯!” (日本語). 競馬場だより. 日本中央競馬会 (2011年11月9日). 2011年11月28日閲覧。
  8. ^ 白毛馬のマシュマロが初陣飾る/京都新馬戦” (日本語). netkeiba.com (2011年11月13日). 2011年11月28日閲覧。
  9. ^ Extremely rare white thoroughbred wins Group 3 in Japan”. racing post. 2019年8月5日閲覧。
  10. ^ ブチコ 3.86 現役 牝4歳 白毛”. netkeiba.com (2015年3月8日). 2015年3月8日閲覧。
  11. ^ ブチコ引退 ゲート難克服できず - スポーツ報知/Yahoo!ニュース (2017年1月19日14:13版/2017年1月20日閲覧)
  12. ^ かわいい?怖い!?ブチコの全弟シロニイの素顔” (日本語). netkeiba.com (2016年8月9日). 2018年3月14日閲覧。
  13. ^ 一般的にSCFRの変異は、細胞外領域で起こったものよりも、細胞内領域のチロシンキナーゼ領域で起こった物の方が重篤である。これはSCFRが幹細胞因子のシグナルを受け取り2量体となって活性化する際、2量体のうち片方でも変異型だとチロシンキナーゼ活性を示さない。このため、細胞内領域で起こった変異はSCFR全体の活性を最大で75%低下させ、症状がより重く出る傾向がある。W14系統はこのタイプである。一方、細胞外領域や細胞膜結合部位で起こった変異は、全体の活性を最大で50%しか低下させず、一般的に症状はより軽い傾向がある。
  14. ^ Haase B, Rieder S, Tozaki T, Hasegawa T, et al. (Jun 2011). “Five novel KIT mutations in horses with white coat colour phenotypes”. Animal Genetics 42 (3): 337-9. doi:10.1111/j.1365-2052.2011.02173.x. PMID 21554354. 
  15. ^ a b c 繁殖牝馬情報:牝系情報|シラユキヒメ”. JBISサーチ(JBIS-Search). 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年8月19日閲覧。
  16. ^ シラユキヒメの血統詳細|競走馬データ”. netkeiba.com. 2015年8月19日閲覧。

外部リンク編集