デッドプール&ウルヴァリン

アメリカの映画作品、『デッドプール』シリーズ第3作目

デッドプール&ウルヴァリン』(原題:Deadpool & Wolverine)は、2024年アメリカ合衆国スーパーヒーロー映画。『デッドプール』シリーズの第3弾で、監督は前作のデヴィッド・リーチからショーン・レヴィへと交代するが、主演は前2作に引き続きライアン・レイノルズが務める[5]

デッドプール&ウルヴァリン
Deadpool & Wolverine
監督 ショーン・レヴィ
脚本 レット・リース英語版
ポール・ワーニック英語版
ライアン・レイノルズ
原作
デッドプール
製作 ケヴィン・ファイギ
ライアン・レイノルズ
ショーン・レヴィ
出演者 ライアン・レイノルズ
ヒュー・ジャックマン
エマ・コリン
モリーナ・バッカリン
ロブ・ディレイニー
レスリー・アガムズ英語版
アーロン・スタンフォード
マシュー・マクファディン
音楽 ロブ・シモンセン
主題歌 マドンナ
ライク・ア・プレイヤー
製作会社 マーベル・スタジオ
マキシマム・エフォート
21ラップス・エンターテインメント英語版
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 日本の旗2024年7月24日[1]
アメリカ合衆国の旗2024年7月26日[2][3]
上映時間 127分[4]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
前作 X-MENフランチャイズ
ニュー・ミュータント(2020年)
デッドプール
デッドプール2(2018年)
MCU
マーベルズ(2023年)
次作 MCU
キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2025年)
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ライアン・レイノルズがショーン・レヴィと組むのは、『フリー・ガイ』(2021年)、『アダム&アダム』(2022年)に続いて3度目となる[6]

前作までは、20世紀フォックス映画(現・20世紀スタジオ)の元で製作されてきたが、2019年に行われたウォルト・ディズニー・カンパニーによる21世紀フォックスの買収に伴い、今作からはディズニー主導の下で製作される。併せて、今作からはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に組み込まれる[7]。また、ヒュー・ジャックマンウルヴァリン役に復帰することでも話題となった[8]R15+指定[9]

あらすじ

前作の最後にケーブルのタイムトラベル装置を使って過去に戻ったウェイド・ウィルソン / デッドプールはガールフレンドのヴァネッサの命を救った後、神聖時間軸・アース616(マーベル・シネマティック・ユニバースのメインタイムライン)へと移動し、アベンジャーズへの加入を申し出る。しかし利己的な態度から拒否されてしまい、やさぐれた結果、ヴァネッサとも破局してしまう。ウェイドはヒーローを引退し、中古車セールマンとしてブラインド・アルとともに平凡な生活を送っていた。ウェイドの誕生日パーティーが催されたその日、時間変異取締局(通称TVA)のエージェントが自宅に現れウェイドを連れ去る。TVAエージェントのミスター・パラドックスによれば、将来的な危機から神聖時間軸を守るためにウェイドを招聘したのだという。そのさなか、ウェイドたちが暮らす時間軸が、もっとも主要な存在「アンカー」であったローガン / ウルヴァリンが死亡したため、ゆるやかな滅亡へ向かっていると知る。パラドックスは、ウェイドが時間軸を移動した後に滅亡を加速させユニバースを消し去る計画を語るが、ウェイドは拒絶し、パラドックスのタイム・パッドを奪うと数々のマルチバースを訪れ、代わりとなるローガンを探し始める。最終的にバーで酔いつぶれているローガンをTVAに連れ帰るが、パラドックスによればこのローガンは自身の世界を失望させるほど酷い行いをしたといい、アンカーとしての適性はないという。ウェイドとローガンはパラドックスの野心を見抜くが、逆に剪定され、虚無の世界(ヴォイド)に送られてしまう。

虚無の世界には、TVAによって元の時間軸から剪定された者たちが生き残りをかけて生活していた。砂漠のような地帯に朽ちた20世紀FOXの会社ロゴが埋まっている場所で、互いに相いれないウェイドとローガンが戦っていると、一人の男が現れる。ウェイドは彼をキャプテン・アメリカだと認識するが、それは顔が良く似た(俳優が同じである)ファンタスティック・フォーのメンバー、ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチであった。ウェイド、ローガン、ジョニーは虚無で人攫いを行うミュータントたちの襲撃で捕獲され、カサンドラ・ノヴァの要塞(巨大化したアントマンスーツ)に連行される。強力なテレキネシスマインドコントロールの能力を持つミュータント、カサンドラ・ノヴァは、虚無の世界で生命エネルギーを喰らっている存在アライオスと一種の共存関係にあり、能力も含め最強の存在として君臨し変異体たちを支配していた。彼女はヒューマン・トーチの皮膚と筋肉を分解して殺害し、その力を見せつけるが、ローガンとウェイドは共闘してカサンドラに反撃、アライオス襲撃をかわして要塞から脱出する。

草原地帯にたどり着いた二人は、デッドプールの変異体にあたるナイスプールと飼い犬メリー・パピンズ/ドッグプールに出会う。ナイスプールは二人を中古車(ホンダ・オデッセイ)まで案内し、元の世界に戻るため奮闘する者たちの居場所へ向かう準備を手伝う。運転の最中、ウェイドとローガンは再衝突をおこし車内で凄惨な戦闘を繰り広げるが、不死身の再生能力を持つ二人は気を失うまで戦い続ける。気絶していた彼らは何者かに攫われるが、行きついた先は、カサンドラに対抗するレジスタンスのアジトであった。そこにいたのはエリック・ブルックス/ブレイドエレクトラ・ナチオスレミー・ルボー/ガンビット、そしてウェイドたちをさらったローラ/X-23であった。訳も分からぬまま剪定された彼らに対しウェイドは共闘を提案し、元の世界に戻れるほどの力を持ったカサンドラを倒すことで利害が一致するが、ローガンはそれに応じない。自身の不手際によって仲間のX-MENやミュータントたちを殺害され、完全に心を閉ざしてしまっていたのである。ローラとの会話によって過去と向き合い戦う決意をしたローガンは、こっそりと車に同乗し、6人のヒーロー達はカサンドラの要塞に攻撃を仕掛ける。

カサンドラ軍と壮絶な戦闘の末、ローガンとウェイドはローラから受け取ったジャガーノートのヘルメットをカサンドラに被せることで無力化に成功する。一時的に能力を失ったカサンドラに対し、反逆の機会を伺っていたパイロが銃撃、生命の危機に陥る。ローガンはチャールズの遺志を継ぎカサンドラに情けをかけ、その生命を救う。この行動に対する恩義としてカサンドラはドクター・ストレンジの変異体から奪ったタイム・ストーンとリアリティ・ストーンが嵌められたスリング・リングで時間と現実を超越するポータルを開き、ローガンとウェイドをアース10005に送り返す。

一方アース10005では、パラドックスがタイムラインそのものを破壊することができる装置「タイム・リッパー」の起動を進めていた。カサンドラもタイム・リッパーの存在を知り、自らパラドックスに接触、装置を掌握して虚無の世界以外の時間軸すべてを破壊しようと試みる。ウェイドとローガンを足止めするため、カサンドラは虚無の世界に落とされた100人を超えるデッドプールたちを招集し二人と戦わせる。ローガン側についたナイスプールを失いながらもピーターの尽力で不死のデッドプール達を封殺、ウェイドとローガンはタイム・リッパーの起動を止めるため自らを犠牲にして装置を破壊する。カサンドラは装置の爆発の巻き添えになって消滅し、パラドックスはTVAエージェントに逮捕され連行される。奇跡的に助かったウェイドはTVAエージェントB-15に虚無の世界に落ちたヒーローたちをそれぞれの時間軸に戻すよう説得。更にローガンとの約束で彼の時間軸に起きた悲劇を巻き戻すよう要求するが、この悲劇が現在のローガンに繋がっていることから、その必要はないと告げられ、二人ともそれに納得する。

ウェイドは行き場所のないローガンとローラを自身の時間軸に住まわせ、ブラインド・アルのアパートに連れて行く。自身の世界を救ったウェイドはヒーローとして再び活動する決意をし、ヴァネッサとの関係を修復していく。傍らにはデッドプールとウルヴァリンのマスクが置いてあった。

ポスト・クレジット・シーン。TVAに舞い戻ったウェイドは、ジョニー・ストームがカサンドラ・ノヴァに殺された際、彼女に対し厚顔無恥な言動をしたと告げ口したせいで怒りを買い死んだことが本当であると証明するために、第四の壁を突き破って、本編ではカットされたジョニーの破廉恥なセリフをすべて公開するのだった。

キャスト

アース10005の登場人物

ウェイド・ウィルソン / デッドプール
演 - ライアン・レイノルズ、日本語吹替 - 加瀬康之[10]
本作の主人公。
元特殊部隊員で傭兵であり、ニューヨークでトラブルシューターをしながら日銭を稼ぎ生活し、人体実験により後天的に不死身に近い治癒能力を得たミュータント。
前作から6年経過するまでにタイムマシンを利用して神聖時間軸(アース616)へと移動してアベンジャーズ入りを熱望したものの拒絶され、それ以降はデッドプール稼業を引退していた。本作ではTVAに連行され、神聖時間軸が存亡の危機にあることからマーベル・シネマティック・ユニバースへの移行を打診されるが、引き換えに自身の時間軸を失う危険性を知り、再びスーツとマスクを装着する。
第四の壁を無視して観客に語りかける。
ヴァネッサ・カーライル英語版
演 - モリーナ・バッカリン、日本語吹替 - 林真里花[10]
娼婦でウェイドの元婚約者。前作では麻薬カルテルとの戦いの巻き添えで一度死亡するが後にケーブルのタイムマシンでタイムトラベルしてきたウェイドによって救われた。
前作から6年の間にウェイドが挫折を味わったことから関係が悪化し、現在は友人ではあるものの心の距離は離れてしまっている。
エリー・フィミスター / ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド英語版
演 - ブリアナ・ヒルデブランド、日本語吹替 - 嶋村侑[10]
ミュータントのヒーローチーム「X-MEN」のメンバーであり、コロッサスとバディを組んでいた女性ミュータント。
原子力のエネルギーを放出する能力を持ち、エネルギーを盾として展開することも可能。レズビアンであるため、ユキオとは同性の恋人同士であり、バディとしても共に行動している。
ウェイドとは悪口雑言を言い合う仲ではあるものの、ユキオやコロッサス共々「大事な友人」と認識されている。
ピョートル・ラスプーチン / コロッサス英語版
声 - ステファン・カピチッチ英語版、日本語吹替 - 木村雅史
頑強な鋼鉄の身体と驚異的な怪力を持つミュータントであり、「X-MEN」のメンバー。ミュータントの学校である「恵まれし子らの学園」では教師を務めている。正義感が強く真面目な性格をしているが、ウェイドからは「優等生キャラ」「学級委員長タイプ」と揶揄されている。
アルテア / ブラインド・アル英語版
演 - レスリー・アガムズ英語版、日本語吹替 - 一柳みる[10]
ウェイドのルームメイトの盲目の老婆。コカインを常用しており、彼女の家には銃の他にもウェイドのコカインも一緒に保管してある。
ドーピンダー
演 - カラン・ソーニ、日本語吹替 - 影平隆一[10]
インド系のタクシー運転手の男性でありウェイドの協力者。
スーパーパワーは持たないがドライバーとしてウェイドのサポートを行っており、ウェイドがデッドプールとしての仕事を放棄してからも大切な友人の一人として交流している。
ユキオ
演 - 忽那汐里、日本語吹替 - 忽那汐里[10]
帯電能力を持つ日系人の女性ミュータントであり、「X-MEN」のメンバー。ネガソニックとは同性の恋人同士であり、バディとしても共に行動している。
ピーター・ウィズダム
演 - ロブ・ディレイニー、日本語吹替 - 三上哲[10]
前作でX-フォースのメンバーに参加した一般人の男性。
本作ではウェイドとすっかり親しい仲になっており、デッドプールを引退した彼と共に自動車のセールスマンとして働いている。
デッドプール引退後もヒーロー活動を再開することを望んでおり、時折復帰を打診しているほか、ピーターのロッカーの中にはデッドプールのスーツが常に入っている。
ラスティ / シャッタースター英語版
演 - ルイス・タン、日本語吹替 - 中村悠一
前作でX-フォースメンバーとして参加した能力不明のミュータント。前作において護送車襲撃時に死亡したが、ピーターを除く他のX-フォースメンバーと異なりウェイドが復活させたことが確定しているメンバーであり、友人としてウェイドの誕生日パーティーに参加している。

別の世界からの登場人物

別アースのウルヴァリンたち

ジェームズ・“ローガン”・ハウレット / ウルヴァリン
演 - ヒュー・ジャックマン、日本語吹替 - 山路和弘[10]
驚異的な治癒能力、格納可能な爪、最強の金属「アダマンチウム」が注入された骨格を備えたミュータントにして「X-MEN」のメンバー。
LOGAN/ローガン』とは別の世界線のウルヴァリンで、原作やアニメでおなじみの黄色を基調としたコスチュームを着用する変異体[11]
自身がいた時間軸では、人間の襲撃でミュータントの子供たちやX-MENの仲間を喪い、自責の念で非常に不安定な精神状態となっている。これまで実写映画では見られなかった黄色いスーツを常備している理由も、X-MENであることを思い出させてくれる唯一の物であるため。
こういった事情からジャックマンが演じてきた映画「X-MEN」シリーズのウルヴァリン像と比べて非常にネガティブかつ厭世家となっており、TVAが過去を修正してくれるという情報だけを頼りにウェイドと不安定ながらも手を組む。
ウェイドの相手の神経を逆なでするような発言や減らず口に対しては大いに毛嫌いしており、救いを求める彼に対しても冷たい態度を取り完全に心を閉ざしていた。ヒーローとして死んだウルヴァリンを知るローラと出会って心情を吐露してからは態度が軟化し、生命の危機に瀕したカサンドラに対してプロフェッサーXならどうするか考えるなど、少しずつヒーローとしての自分を取り戻していく。最後にはウェイドの意思を認め、世界を救うべく尽力する。
演じたジャックマンは、他にマルチバースにおいて様々な世界に生きるウルヴァリンの変異体を演じている。
カヴィルリン
演 - ヘンリー・カヴィル(カメオ出演)、日本語吹替 - 星野貴紀
ウェイドがアンカーを探している途中で出会った別の世界線のウルヴァリンの一人。
2000年代のアンキャニィX-MEN風の装いであり、演じたカヴィルはDCユニバースにおいてはスーパーマンを演じており、そちらの再編に合わせて再演が消滅したこととジャックマンの引退を受け「カヴィルがマーベルに移りウルヴァリンを演じるのではないか」といった噂を拾った形での出演となった[12]
オールドマン・ローガン
演 - ヒュー・ジャックマン
ウェイドがアンカーを探している途中で出会った別の世界線のウルヴァリンの一人。
ウェスタンハットを被った年老いた変異体。ショットガンでウェイドを撃つ。
パッチ / ウルヴァリン
演 - ヒュー・ジャックマン
ウェイドがアンカーを探している途中で出会った別の世界線のウルヴァリンの一人。
白スーツを着て、左目に黒のパッチをしている変異体。

別アースのデッドプール軍団

ワンダ・ウィルソン / レディ・デッドプール英語版
演 - クリスティアン・ベットリッジ、声 - ブレイク・ライヴリー[13]、日本語吹替 - 朴璐美
別の世界線で女性となったデッドプール。約100人の世界線のデッドプールを引き連れウェイド達の前に現れる。
声を当てたライヴリーはウェイド役ライアン・レイノルズの妻であるが、日本語吹替えを担当した朴はウルヴァリン担当の山路の妻である。
ヘッドプール
声 - ネイサン・フィリオン、日本語吹替 - 花江夏樹
別の世界線でゾンビの生首となったデッドプール。
カウボーイ・デッドプール
声 - マシュー・マコノヒー、日本語吹替 - 杉田智和
別の世界線で西部劇ガンマンとなったデッドプール。
キッドプール
声 - イネス・レイノルズ
別の世界線で子供となったデッドプール。
ウェルシュプール
演 - ポール・マリン
カナダプール
演 - アレックス・キシュコビッチ
ハロルドプール
演 - ハリー・ホランド[14]
レディ・デッドプールと共に現れた変異体達。

このほか、ニック・ポウリーがダンスプール、オーリン・レイノルズがベビープール、ケヴィン・フォーティンがゼンプール、スコット・アドキンスがウェポンXIを演じ、ゴールデンエイジ・デッドプール、デッドプール2099、ワタリ/フール、リッチプール、キングプール、ショートプール、フレンチプール、別名不明のデッドプールをそれぞれ未公開の俳優が演じている。

その他

ブルース・バナー / ハルク(カメオ出演)
スーパーソルジャー計画の再現実験の失敗により、ガンマ線を大量に浴びた影響で感情の高ぶりによって緑色の大男“ハルク”に変身してしまう体質となった天才生化学者。MCUとは別の世界線の変異体。
ハロルド・“ハッピー”・ホーガン
演 - ジョン・ファヴロー、日本語吹替 - 大西健晴
神聖時間軸におけるトニー・スタークの運転手。
インフィニティ・ウォーが始まる少し前のタイミングでアベンジャーズ入りを熱望するウェイドの面接を行い、彼にヒーローではなく身の程に合った職業に就くよう薦める。
バーテンダー
演 - グレッグ・ヘンプヒル(カメオ出演)
バーの客
演 - オリー・パーマー(カメオ出演)

カサンドラ・ノヴァ軍

カサンドラ・ノヴァ英語版
演 - エマ・コリン[15]、日本語吹替 - 佐倉綾音[16]
テレキネシスとテレパシーの能力を持つミュータントであり、チャールズ・エグゼビアの双子の妹。並外れた能力を有しており、相手触れることなく自在に操るテレキネシスと致命傷をも回復する再生力、物理的に接触することで発動するテレパシー能力を持つ。
歩くより前にTVAの剪定によって虚無空間に追いやられていた。桁外れの能力で虚無に君臨し、ジャイアントマンの遺体を利用して拠点を構え、剪定された者たちを配下に置くか、拒絶する者は襲いかかるアライオスへの餌付けとして捕食させている。
ジョン・アラダイス / パイロ英語版
演 - アーロン・スタンフォード、日本語吹替 - 浪川大輔
X-MEN:ファイナル ディシジョン』の世界線から来た、火を操ることができるミュータントの男。カサンドラの配下の一人。
生成こそできないものの、既に存在している火であればそれが他のミュータントが発生させたものであれ自在に操作・肥大化・縮小化させることができる。
カサンドラの優秀な配下のひとりではあるが、裏では能力によって虐待されており、まるで奴隷のごとく働かされている。
ヴィクター・クリード / セイバートゥース英語版
演 - タイラー・メイン、日本語吹替 - 天田益男
X-MEN』の世界線から来た、エリック・レーンシャー / マグニートーが率いた「ブラザーフッド」のメンバーの一人。伸縮可能な爪と超人的な力を持つミュータント。
カサンドラの配下の一人で、デッドプールはウルヴァリンの実兄であることを認識しているものの、セイバートゥース自身はかつて戦った相手程度としか理解していなかった。ヒーリング・ファクターを持っているものの、勝負でウルヴァリンにあっけなく首を切断され、それ以降登場することなくフェードアウトする。
モーティマー・トゥインビー / トード英語版
演 - ダニエル・メディナ・ラモス
舌を自在に操るミュータント。セイバートゥース敗北後、パイロの指示でウェイドとローガンを捕縛する。原作コミックと同様黒色のゴーグルを着用している。
俳優が変更されたキャラクターの一人で、レイ・パークおよびエヴァン・ジョニカイトが演じたバージョンとの差異は不明。
アザゼル英語版
演 - エドゥアルド・ガゴ・ムニョス
瞬間移動を可能とするテレポーターのミュータントで、真紅の肌に悪魔めいた外観をもつ。カサンドラの配下の一人。
ジェイソン・フレミングから配役が変更されおり、そちらのバージョンと同一人物かは不明。
ユリコ・オーヤマ / レディ・デスストライク英語版
演 - ジェイド・ライ
アダマンチウムの骨格と伸縮可能な爪をもった女性ミュータント。カサンドラの配下の一人。
ケリー・フーからの配役変更であり、過去作のレディ・デスストライクとの関連性は不明。
ケイン・マルコ / ジャガーノート英語版
演 - アーロン・W・リード
サイトラックの魔石の力によって絶対に傷つかない身体と圧倒的な力を持つ人間。被っているヘルメットは精神攻撃を防ぐことが出来る。カサンドラの配下の一人。前作および20世紀FOX版X-MENシリーズのジャガーノートの変異体。
演者はヴィニー・ジョーンズからアーロン・W・リードに変更されており、関連性は不明となっている。
フレッド・デュークス / ブロブ英語版
演 - マイク・ウォルターズ
アイバン / ロシアン英語版
演 - ビリー・クレメンツ
カリスト英語版
演 - クロエ・キブル
配役はダニア・ラミレスから変更されている。
ベッツィ・ブラドック / サイロック英語版
演 - アイシャ・フセイン
レスター / ブルズアイ英語版
演 - カーティス・ローランド・スモール
フィリッパ・ソンタグ / アークライト
演 - ジェシカ・ウォーカー

レジスタンス

ローラ / X-23
演 - ダフネ・キーン[17]、日本語吹替 - 鈴木梨央
LOGAN/ローガン』の世界線から来た、治癒能力とアダマンチウムが施された鋭い爪を持つミュータントの少女。虚無空間においては、カサンドラ・ノヴァと敵対関係にある一人。
ローガンと離別した後のタイミングで剪定されており、成長したX-23としての姿で登場している。
ヒーローとして最期を迎えたウルヴァリンを知っていることから、自信を失い落ち込んでいたローガンに対して話しかけ、彼の再起を手助けすることとなる。
ローガンからもらったサングラスを大切に持っており、戦闘の時に着用する。
エリック・ブルックス / ブレイド
演 - ウェズリー・スナイプス、日本語吹替 - 小山剛志
ブレイド(1998)』の世界線から来た、ダンピール(ヒトとヴァンパイアの混血)ヴァンパイアハンター。ヴァンパイアの根絶に人生を捧げている。ダンピールであるブレイドは、ヴァンパイアのような超人的な身体能力に加えて、ヴァンパイアの弱点であるニンニク太陽光などへの耐性も兼ね備えている。戦闘スタイルは刃物と銃器の併用。虚無空間においては、カサンドラと敵対関係にある一人。
自身がいた世界が滅びることを知っているTVAの手によって虚無へと剪定され、戦いの場から引きずり降ろされた。カサンドラと長く敵対しており、マグニートーの最期と彼のヘルメットが破壊されたことを語った。
エレクトラ・ナチオス英語版
演 - ジェニファー・ガーナー[18]、日本語吹替 - 生天目仁美
デアデビル(2003)』の世界線から来た、一対の釵(さい)を武器に戦う女戦士。虚無空間においては、カサンドラと敵対関係にある一人。
エレクトラとともに虚無空間に追いやられたデアデビルは、作中の時点ですでにカサンドラに殺害されている。
滅びゆく世界を救おうとしたことが抵抗とみなされた結果剪定されており、同じく抵抗したがために選定された者たちと共に元いた世界に戻るべくカサンドラと敵対している。
レミー・ルボー / ガンビット
演 - チャニング・テイタム[19]、日本語吹替 - 森久保祥太郎
トランプカードなどの物体にエネルギーを込め、自由自在に放出する能力を持つミュータント。出自は不明であり、どこの世界から来たのかもわからず、そもそも生まれる前から虚無にいたのかもしれない、とされている。
虚無空間においては、カサンドラ・ノヴァと敵対関係にある一人。訛りがひどく、何を喋ってるのか聞き取りにくいとデッドプールに言われる。
本来はチャニング・テイタムが主演を務める予定であったX-MENのスピンオフ映画『ガンビット』の主人公レミー・ルボー/ガンビットがモデルとなっており、同作が紆余曲折を経て企画そのものが消滅したため、本作のガンビットの出自そのものが不明となっている。
ジョニー・ストーム / ヒューマン・トーチ
演 - クリス・エヴァンス、日本語吹替 - 神奈延年
ファンタスティック・フォー(2005)』の世界線から来た、同名のヒーローチームに所属するスーパーヒーロー。「発火(フレイム・オン)」の掛け声とともに全身に炎を纏う。炎を纏った状態から「火球による遠距離攻撃」や「火の推進力による飛行」などが可能。虚無空間においては、カサンドラ・ノヴァと敵対関係にある一人。
演者のクリス・エヴァンスは他作品でキャプテン・アメリカを演じている。そのため、「発火(フレイム・オン)」の掛け声とともにヒューマン・トーチの能力やスーツがあらわになるまで、デッドプールはヒューマン・トーチをキャプテン・アメリカだと誤解していた。

このほか名前のみの登場としてエリック・レーンシャー/マグニートー、ピーター・マキシモフ/クイックシルバー、フランク・キャッスル/パニッシャー、マット・マードック/デアデビルが存在していたことが言及されている。これらはいずれも20世紀FOXの映画作品に登場したキャラクターたちである。

虚無空間(ヴォイド)に存在する別アースのデッドプール

メリー・パピンズ / ドッグプール英語版
演 - ペギー英語版
別の世界線で犬となったデッドプール。パグチャイニーズ・クレステッドのミックス犬。
ナイスプール
演 - ライアン・レイノルズ、日本語吹替 - 子安武人
別の世界線でデッドプールの性格とは正反対の変異体。長髪で顔の傷が無いためマスクを着けず治癒能力はない。言葉遣いがきれいで、愛想がよくかなりのお人好しで、カサンドラの敵対組織のアジトへ行くウェイドに愛車のホンダ・オデッセイを貸す。
日本語吹替の子安は『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』でデッドプールを演じており、本作では「アニメも見てね」と発するシーンがある。

TVAの関連人物

ミスター・パラドックス
演 - マシュー・マクファディン、日本語吹替 - 置鮎龍太郎[16]
TVAのエージェント。滅びゆくアース10005の監視が任務であったが、アース616の危機に対しウェイドをリクルートするついでに野心からタイムラインの破壊とそれに伴う自身の昇格、ひいてはTVAの支配を目指す。
かつてTVAが行っていた時間軸の剪定を復活させるべく、時間軸そのものを破壊するタイム・リッパーの完成と実証のために暗躍する。
ハンターB-15
演 - ウンミ・モサク、日本語吹替 - 斉藤貴美子
TVAの実働部隊“ミニットメン”を率いる女性隊員。かつてはハンターとして時間軸の剪定や変異体の逮捕のために働いていたが、ドラマ「ロキ」においてゴッド・ロキの意思に基づき剪定ではなく見守る方針に転換、現在はオフィスワークを主に活動している。
TVA兵士
演 - ロブ・マケルヘニー(カメオ出演)
カメオ出演であったが、劇場版において当該シーンは削除されている。
ソー
演 - クリス・ヘムズワース[20](アーカイブ映像)
マイティ・ソー/ダーク・ワールド』からの映像を流用する形での出演。

製作

2022年9月28日、『デッドプール』シリーズの主演とプロデューサーを兼任するライアン・レイノルズは、その第3作目にヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンが登場することを明らかにした[21]

2023年5月に撮影が開始されたが、同時期に全米脚本家組合映画スタジオテレビ局各社(全米映画テレビ製作者協会)との交渉が決裂し、同組合がストライキを開始した。このため、脚本家とスタジオの間で締結している契約により、主演のレイノルズは本シリーズの特徴でもあるアドリブを発することができない状態に陥っていることが報じられた[22][23]

2023年6月13日、ウォルト・ディズニー・カンパニーは前述のストライキに伴うディズニー映画の劇場公開スケジュールの見直しを行い、当初予定されていた2024年11月8日から半年前倒しし、同年5月3日に変更となった[24][25][26]

2023年7月14日、俳優組合のSAG-AFTRAと映画製作者協会のAMPTPとの交渉が決裂し、SAG-AFTRAが同日からストライキを開始したことを発表した。これに伴い、本作品の撮影が一時中断していることが報じられた[27][28]

2023年11月8日、SAG-AFTRAとAMPTPは暫定合意したことを受けて、ストライキは終結した[29]。しかし、本作品の製作が遅れていることから公開日を2024年7月26日に変更することになった。なお、それ以外のマーベル・スタジオ製作映画についても公開日を2025年以降に変更したため、本作品は2024年に唯一公開される予定のMCU作品となった[2]

2024年2月11日、第58回スーパーボウルの開催に合わせて、正式タイトル並びに予告編が公開された[7]

2024年6月、ラージフォーマットとして、IMAXDolby4DXScreenX・REAL D 3Dで上映されることが発表された[30]

日本

『デッドプール&ウルヴァリン』の邦題でアメリカ合衆国と同じ2024年7月26日に劇場公開されることが同年2月12日に発表された[3]。その後、同年6月18日に公開日を2日前倒しして、同年7月24日に劇場公開されることが発表された[1]

2024年6月21日、ラージフォーマットとして、IMAX・Dolby・4DX・ScreenXで上映されることが発表された[30]

脚注

  1. ^ a b 最速公開決定!『デッドプール&ウルヴァリン』7月24日(水)日本劇場公開日変更のお知らせ”. マーベル公式 (2024年6月18日). 2024年6月18日閲覧。
  2. ^ a b 中谷直登 (2023年11月10日). “『デッドプール3』『キャプテン・アメリカ4』などマーベル映画4作が公開延期、新日程が発表”. THE RIVER. 2023年11月10日閲覧。
  3. ^ a b 『デッドプール&ウルヴァリン』7/26日米同時公開決定&最新予告・ポスター解禁!!”. マーベル公式 (2024年2月12日). 2024年2月12日閲覧。
  4. ^ SAWADY (2024年5月21日). “『デッドプール&ウルヴァリン』上映時間が判明、シリーズ最長の2時間7分”. THE RIVER. 2024年5月21日閲覧。
  5. ^ 『デッドプール』第3作、デヴィッド・リーチ監督が続投しなかった理由とは?「話し合ったことはある」 | THE RIVER”. theriver.jp (2022年8月21日). 2024年1月7日閲覧。
  6. ^ “「デッドプール」第3弾監督に「フリー・ガイ」ショーン・レビが交渉中”. 映画.com. (2022年3月15日). https://eiga.com/news/20220315/6/ 2023年3月2日閲覧。 
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外部リンク