ドモニク・ローン・ブラウンDomonic Larun Brown, 1987年9月3日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州パスコ郡ゼファーヒルズ英語版出身のプロ野球選手外野手)。左投左打。

ドモニク・ブラウン
Domonic Brown
フィラデルフィア・フィリーズ時代
(2011年5月30日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州パスコ郡ゼファーヒルズ英語版
生年月日 (1987-09-03) 1987年9月3日(36歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 左翼手右翼手
プロ入り 2006年 MLBドラフト20巡目(全体607位)でフィラデルフィア・フィリーズから指名
初出場 2010年7月28日 アリゾナ・ダイヤモンドバックス
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入り前 編集

フロリダ州で生まれ、後にジョージア州アトランタへ移る。高校時代は野球以外にアメリカンフットボールワイドレシーバーとしても活躍。

プロ入りとフィリーズ時代 編集

高校卒業後はマイアミ大学へ進学してフットボールに専念する予定だったが、2006年MLBドラフト20巡目(全体607位)でフィラデルフィア・フィリーズから指名を受ける。20万ドルの契約金を提示されたブラウンは、フィリーズへの入団を決意した[1]

2009年には主にA+級クリアウォーター・スレッシャーズ英語版とAA級レディング・フィリーズ打率.299、14本塁打、23盗塁OPS.880を記録し、マイナー全体でも屈指の有望株と見なされるようになる。同年オフには、ロイ・ハラデイのトレード交渉において、トロント・ブルージェイズ側がブラウンを交換要員に含めることを要求したが、フィリーズのルーベン・アマロ・ジュニアGMはブラウンの放出を断固拒否した。代わりにマイケル・テイラーを差し出すことでトレードは成立した[2]

 
2010年

2010年オールスター・フューチャーズゲームに米国選抜として出場。7月28日アリゾナ・ダイヤモンドバックス戦でメジャーデビューを果たした。メジャーでは出場機会に恵まれず、35試合70打席で打率.210、2本塁打だったが、マイナーではAA級レディングとAAA級リーハイバレー・アイアンピッグスで打率.327、20本塁打、17盗塁、OPS.980と活躍。オフには、「ベースボール・アメリカ」誌の有望株ランキングでは、ブライス・ハーパーマイク・トラウトヘスス・モンテロに次ぐ全体4位の評価を受けた[3]。この年限りでフィリーズの正右翼手だったジェイソン・ワースFAワシントン・ナショナルズに移籍したが、フィリーズはブラウンの台頭を見込んで、ワースに対して積極的な引き留めを行わなかった[4]

2011年スプリングトレーニング中に右手の有鈎骨を骨折し、開幕を故障者リストで迎えた。マイナーでのリハビリを経て、5月20日にメジャーへ昇格。その後は右翼のレギュラーとして起用されたが、復帰を急ぎ過ぎた影響もあって、期待されたような成績は残せなかった。7月29日トレードハンター・ペンスが加入すると、ブラウンはAAA級リーハイバレーへ降格し、左翼手へコンバートされた。慣れない左翼守備への戸惑いが打撃にも悪影響を及ぼし、降格後はAAA級リーハイバレーで92打数20安打の打率.227、1本塁打と不振を極めた。自信を失っていたブラウンに対して、チャーリー・マニエル監督は「彼が我々の期待する通りの選手なら、挫折も成長の一環だ」として、将来の正左翼手として改めて期待を寄せた[5]。この年は56試合に出場して5本塁打・3盗塁を記録するなど、メジャーでの経験は積んだ。

2012年7月にペンスがトレード放出された影響により、スタメンに名を連ねる機会が増えた[6]。2年連続で56試合に出場したが、打率は前年から.010低下した。また、メジャー3年目にして初めて盗塁0に終わった。

2013年は、シーズン開幕前の試合も含めて好調を維持。5月には1ヵ月で12本塁打放って月間MVPに輝くと、前半戦で23本のホームランを放ち、オールスターのメンバーにも選出された[7]。本塁打王を獲得する可能性もあったが、後半戦は相次ぐ故障[7]によって4本塁打に留まった。139試合に出場して自身初の規定打席到達、打率.272・27本塁打・83打点を記録した。

2014年も引き続き左翼手のレギュラーの座をキープし、2年連続で規定打席に到達したが、打撃成績は低下した。

2015年10月19日40人枠から外れる形でAAA級リーハイバレーへ配属された[8]後、翌20日にFAとなった[9]

フィリーズ退団後 編集

2016年2月25日トロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ[10]。シーズンでは傘下のAAA級バッファロー・バイソンズでプレーし、126試合に出場して打率.239・7本塁打・41打点・5盗塁の成績を残した。オフの11月7日にFAとなった[9]

2017年1月31日コロラド・ロッキーズとマイナー契約を結んだ[11]。7月19日に解雇となる。

2018年メキシカンリーグモンテレイ・サルタンズと契約するが、4月29日に解雇となる。7月3日にドスラレドス・オウルズと契約した。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2010 PHI 35 70 62 8 13 3 0 2 22 13 2 1 0 3 5 1 0 24 1 .210 .257 .355 .612
2011 56 210 184 28 45 10 1 5 72 19 3 1 0 1 25 1 0 35 2 .245 .333 .391 .725
2012 56 212 187 21 44 11 2 5 74 26 0 0 0 2 21 2 2 34 6 .235 .316 .396 .712
2013 139 540 496 65 135 21 4 27 245 83 8 3 0 4 39 5 1 97 5 .272 .324 .494 .818
2014 144 512 473 47 111 22 1 10 165 63 7 1 0 4 34 4 1 91 9 .235 .285 .349 .634
2015 63 204 189 19 43 6 1 5 66 25 3 1 0 0 14 0 1 36 2 .228 .284 .349 .634
MLB:6年 493 1748 1591 188 391 73 9 54 644 229 23 7 0 28 138 13 5 317 25 .246 .305 .405 .710
  • 2018年度シーズン終了時

年度別守備成績 編集



左翼(LF) 右翼(RF)
























2010 PHI - 15 28 1 1 0 .967
2011 - 52 78 0 4 0 .951
2012 29 31 3 0 0 1.000 38 63 4 0 1 1.000
2013 132 185 9 5 0 .975 2 5 0 0 0 1.000
2014 127 182 4 2 2 .989 -
2015 - 50 99 4 1 1 .990
通算 288 398 16 7 2 .983 157 273 9 6 2 .979
  • 2018年度シーズン終了時

記録 編集

背番号 編集

  • 9(2010年 - 2015年)

脚注 編集

  1. ^ Passan, Jeff(2010-04-15). Even perceived slights can harm Robinson’s legacy. Yahoo! Sports(英語). 2011年11月24日閲覧
  2. ^ Stark, Jason(2009-12-15). Sources: Halladay, Lee deal close. ESPN.com(英語). 2011年11月24日閲覧
  3. ^ 2011 Top 100 Prospects: 1-20. Baseball America.com(英語). 2011年11月24日閲覧
  4. ^ Zolecki, Todd(2011-04-11). Reunion on tap, Phils recall Werth fondly. phillies.com(英語). 2011年11月24日閲覧
  5. ^ Zolecki, Todd(2011-09-17). Brown lost confidence after he was sent down. MLB.com(英語). 2011年11月24日閲覧
  6. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2013』廣済堂出版、2013年、300頁頁。ISBN 978-4-331-51711-6 
  7. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2014』廣済堂出版、2014年、313頁頁。ISBN 978-4-331-51809-0 
  8. ^ Marc Lancaster (2015年10月19日). “Phillies give up on Domonic Brown, perennial prospect” (英語). Sporting News. http://www.sportingnews.com/mlb-news/4658692-phillies-outright-domonic-brown-mlb-prospects-baseball-america-all-star 2015年10月20日閲覧。 
  9. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2017年3月2日閲覧。
  10. ^ Fordin, Spencer (2016年2月25日). “Blue Jays sign Brown to Minor League deal”. MLB.com. 2016年10月4日閲覧。
  11. ^ http://www.mlbtraderumors.com/2017/01/rockies-sign-domonic-brown-minors.html

関連項目 編集

外部リンク 編集