ハイズマン賞
ハイズマン賞(ハイズマンしょう)(The Heisman Memorial Trophy Award) は、往年の大学フットボール選手であり監督でもあったジョン・ハイズマン(en:John Heisman)の名を冠した大学アメリカンフットボールの賞で、各年に最も活躍した選手に与えられる。ハイズマン・トロフィーとも呼ばれる。
1934年にニューヨーク大学で活躍したエド・スミスをモデルにしたトロフィーは、ブロンズ製で高さ34.3cm、重さ11.3kgである[1]。
選考編集
ニューヨークにあるダウンタウン・アスレチック・クラブから贈られる、大学フットボールで最も活躍した選手を讃えるこの賞は、他の大学フットボールの賞とは違い、最高の栄誉であるとされる。選考は870の記者関係者票に加え、歴代受賞者票、一般投票の集計で決まるが、それぞれ1位から3位までを選出し、1位が3点、2位が2点、3位は1点でその結果を合計し決定される。
対象者に年齢制限はないが、過去の受賞者のほとんどは4年生で[2]、2007年の受賞者ティム・ティーボウは初の2年生での受賞者となった[2][3]が2012年テキサス農工大のQBジョニー・マンゼルが史上初めて1年生でハイズマン賞を受賞した。複数回の受賞者は1973年・1974年受賞のアーチー・グリフィンのみである。毎年12月初旬にニューヨークのプレイステーション・シアターで受賞者が発表される。発表会の模様はESPNで生中継される。
ハイズマン賞の受賞者は多くがドラフト上位で指名されプロ入りするが、他のアマチュアスポーツの賞と同様に、必ずしもプロでの活躍には繋がる訳ではなく[4]、大成せずに引退する選手も多い[5]。その反面、歴代の受賞者の中で8人が殿堂入りし、4人はスーパーボウルでMVPに輝いている[6]。
受賞者の大部分はオフェンスの選手、特にクォーターバックとランニングバックに偏っており、ディフェンスが本業の選手の受賞者は1997年のCBチャールズ・ウッドソンただ一人である[2]。
1968年受賞者のO・J・シンプソンは裁判の結果、多額の賠償金を支払う必要ができハイズマントロフィーを手放すこととなった[5]。
2005年受賞者のレジー・ブッシュ[7]は在学中の不正な金品授受が発覚したため2010年9月に賞を返上した。また彼が在籍していた南カリフォルニア大学はボウルゲームへの出場権の剥奪、リクルーティングの制限などの処分を受けた。その年2位の得票を得たヴィンス・ヤングは繰上げでの賞受賞についての質問について興味がないと一蹴した[8]。
表中のポジション略称説明 | |||||||
QB | クォーターバック | HB | ハーフバック | S | セイフティ | ||
RB | ランニングバック | WB | ウイングバック | E | エンド | ||
FB | フルバック | WR | ワイドレシーバー | CB | コーナーバック |
歴代受賞者一覧編集
#1:ドラフト全体1位 ☆:NFL殿堂入り
| 1930年代 | 1940年代 | 1950年代 | 1960年代 | 1970年代 | 1980年代 | 1990年代 | 2000年代 | 2010年代 |
大学別受賞者数編集
人数 | 大学名 |
---|---|
7 | オハイオ州立大学、ノートルダム大学[11]、オクラホマ大学 |
6 | 南カリフォルニア大学[11] |
3 | フロリダ州立大学、オーバーン大学、陸軍士官学校、フロリダ大学、ミシガン大学、ネブラスカ大学 |
2 | アラバマ大学、ジョージア大学、マイアミ大学、海軍兵学校、テキサス大学、ウィスコンシン大学、テキサスA&M大学、イェール大学 |
1 | ベイラー大学、ブリガムヤング大学、ボストンカレッジ、コロラド大学、シカゴ大学、ヒューストン大学、アイオワ大学、ルイジアナ州立大学、ミネソタ大学、オクラホマ州立大学、オレゴン州立大学、ペンシルベニア州立大学、ピッツバーグ大学、プリンストン大学、サウスカロライナ大学、サザンメソジスト大学、オレゴン大学、スタンフォード大学、シラキューズ大学、テキサスクリスチャン大学、UCLA |
脚注編集
- ^ John D. Lukacs (2007年12月7日). “From the legendary to the little-known, Heisman history is never dull” (英語). ESPN. 2008年2月19日閲覧。
- ^ a b c “COLLEGE FOOTBALL”. NORAM SPORTS. 2011年2月19日閲覧。
- ^ a b “大学2年生QBティーボー、ハイズマン賞を受賞”. ロイター (2007年12月10日). 2008年3月13日閲覧。
- ^ a b “NFL復帰目指し 元スターRBの挑戦”. NFL JAPAN (2003年5月22日). 2011年2月19日閲覧。
- ^ a b “NFLマニア>コラムHOT OFF THE GRIDIRON #105”. NFL JAPAN. 2008年3月13日閲覧。
- ^ “Heisman Trophy winners in the HOF” (英語). profootballhof.com. 2008年2月19日閲覧。
- ^ “RB レジー・ブッシュ 宣言どおりのハイズマン賞”. 2011年2月19日閲覧。
- ^ “QBヤング、RBブッシュ返上のハイズマン賞に未練なし”. NFL JAPAN (2010年9月16日). 2011年2月19日閲覧。
- ^ “ハイズマン賞 サザンカリフォルニア大学 QB カーソン・パーマー”. NORAM SPORTS. 2011年2月19日閲覧。
- ^ “ハイズマン賞 オクラホマ大学 ジェイソン・ホワイト”. NORAM SPORTS. 2011年2月19日閲覧。
- ^ a b c “ハイズマン賞 サザンカリフォルニア大学 QB マット・ライナート”. NORAM SPORTS. 2011年2月19日閲覧。
- ^ “トロイ・スミス 過去最高の得票率でハイズマン賞受賞”. AFP (2006年12月10日). 2011年2月19日閲覧。
- ^ “オクラホマ大QB、ハイズマン賞を受賞”. ロイター (2008年12月15日). 2011年2月19日閲覧。
- ^ “ハイズマン賞にイングラム 米大学アメフット最優秀選手”. 共同通信 (2009年12月13日). 2011年2月19日閲覧。
- ^ 近藤祐司 (2011年1月14日). “.NFLも注目、オレゴン大が採用した新オフェンスとは?【前編】”. NFL JAPAN. 2011年2月19日閲覧。
- ^ “ベイラー大QBグリフィン、ラックを破ってハイズマン賞”. NFL JAPAN (2011年12月11日). 2011年12月11日閲覧。
- ^ “ジョニー・マンゼル、1年生初のハイズマン賞受賞”. アメフトNewsJAPAN (2012年12月8日). 2012年12月8日閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
- ハイズマン賞公式HP (英語)
- Heisman Award Winner (NORAM SPORTS)
- ハイズマン賞受賞者 (TSPスポーツ)