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概要編集

 
MP4-30(初期カラー)
 
MP4-30(後期カラー)
 
MP4-30(ショートノーズ仕様)

2008年以来7年ぶりのF1復帰となるホンダ製パワーユニットを搭載したマシン。「マクラーレン・ホンダ」としては1992年MP4/7A以来のコンビ復活となる。

正式発表前には、車名の区切り文字が従来のハイフン区切りからMP4/11以前のスラッシュ区切りに戻されるという話が出ており、実際ティザーサイトでは「MP4/30」という表記も見られたが[1]、最終的には従来のハイフン区切りを踏襲している。

車体設計においては、空力的メリットを得るために車体後部をタイトに絞り込んだ「サイズゼロ」コンセプトを導入。パワーユニットはメルセデスが先鞭をつけた「スプリットターボ方式」を採用し、非常にコンパクトにデザインされた。しかし、そのアグレッシブな設計ゆえに冷却系の問題が発生[2]。また、シリンダーバンク内に収められたコンプレッサーを小型化した結果、MGU-H(熱エネルギー回生)の発電量が不足し、デプロイメント(エネルギーの使用配分)の問題にも悩まされた[3][4]モンテカルロハンガロリンクのような低速コースでは表面化しないものの、高速コースではバッテリー切れになってしまい、直線でなす術もなく抜かれるような場面が見受けられた[5](回生エネルギーのアシストは160馬力)。

ノーズはフェラーリ・SF15-Tと同じく、前方へ低く長く伸びたデザインを採用したが、第8戦オーストリアGPよりウィリアムズ・FW37のような先端に突起の付いたショートノーズに変更された[6]

カラーリングはボーダフォンカラー以前の、MP4-20に近いノーズに赤い縁取りのシルバーアローカラーで開幕を迎える。第5戦スペイングランプリで、グラファイトグレーを基調とした新カラーリング[7]に変更された。

2015年シーズン編集

プレシーズンテストでは走り始めからトラブルが多発。合計周回数は参加9チーム中最下位[8]フェルナンド・アロンソはテスト中のクラッシュの影響で開幕戦を欠場した。

開幕戦オーストラリアGPでは気温上昇による熱害を避けるため、パワーユニットをセーブして走行。予選は最後列に2台が並び、決勝はアロンソの代役のケビン・マグヌッセンがスタート前にリタイア、ジェンソン・バトンは完走11台中最下位だった。

第6戦モナコGPでバトンが8位入賞し、初ポイントを獲得。第8戦イギリスグランプリではアロンソが10位入賞した。第10戦ハンガリーGPでは、フェルナンド・アロンソが5位入賞、ジェンソン・バトンが9位入賞となり2015年シーズン初のダブル入賞となった。

第11戦ベルギーGPではニュースペックエンジンを投入。部品交換によるグリッド降格ペナルティが2台合計105グリッド(アロンソ55・バトン50)に達した[9]。ホンダの地元レースである第14戦日本GPでは、マシンの遅さに苛立ったアロンソが、無線で「GP2エンジン」と叫んだ。ホンダへの批難について、新井康久プロジェクトリーダーは「すべてがエンジンの責任ではないんです。シャシーに関しても問題はたくさんあります」と反論した[10]

第15戦ロシアGP、第16戦アメリカGPではバトンが連続入賞し、最終戦アブダビGPではアロンソがレース中の最速ラップで3番手のタイムを記録した。コンストラクターズ選手権順位は10チーム中9位に終わった。

スペック編集

[11]

シャーシ編集

エンジン編集

ERS システム編集

  • バッテリー出力:4MJ(1周あたり)
  • MGU-K 出力:120KW
  • MGU-K 最高回転数:50,000 rpm
  • MGU-H 最高回転数:125,000 rpm

ギアボックス編集

記録編集

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 ポイント ランキング
AUS
 
MAL
 
CHN
 
BHR
 
ESP
 
MON
 
CAN
 
AUT
 
GBR
 
HUN
 
BEL
 
ITA
 
SIN
 
JPN
 
RUS
 
USA
 
MEX
 
BRA
 
ABU
 
2015 14   アロンソ Ret 12 11 Ret Ret Ret Ret 10 5 13 18† Ret 11 11 11 Ret 15 17 27 9位
20   マグヌッセン DNS
22   バトン 11 Ret 14 DNS 16 8 Ret Ret Ret 9 14 14 Ret 16 9 6 14 14 12
  • 太字ポールポジション斜字ファステストラップ、DSQは失格
  • † 印はリタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。
  • アロンソがシーズン開幕前のテストにて負傷したため開幕戦オーストラリアGPはアロンソにかわりマグヌッセンが出走。

脚注編集

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  1. ^ マクラーレン、MP4/30の一部を公開 - F1-Gate.com・2015年1月8日
  2. ^ "ホンダ「F1挑戦は想像以上に困難」苦戦の原因語る". オートスポーツweb. (2015年8月6日) 。
  3. ^ "F1:ホンダの弱点、デブロイメントとは?". F1-Gate.com. (2015年10月15日) 。
  4. ^ "Honda、コンセプト維持のままターボの大型化を目指す". ESPN F1.(2016年1月13日)。
  5. ^ "ホンダ“サイズゼロ”に未来はあるか 元フェラーリ浜島裕英が今季戦いを解説 (page2/2)". スポーツナビ. (2015年9月24日) 。
  6. ^ "F1:ショートノーズのメリットは?". F1-Gate.com. (2015年6月29日) 。
  7. ^ MP4-30の新しいカラーリングを公開 - 本田技研工業・2015年5月7日
  8. ^ "【2015年プレシーズンテストまとめ】本命メルセデスAMG、追い上げるフェラーリ、苦難のマクラーレン・ホンダ". TopNews.(2015年3月3日)。
  9. ^ "マクラーレン・ホンダ、合計105グリッド降格が決定". オートスポーツweb. (2015年8月23日) 。
  10. ^ 実際、スペインGP・モナコGP・カナダGP・シンガポールGPはマクラーレン側が担当する部品のリタイアであり(現にシンガポールGPでは2台ともギアボックスが原因のリタイアとなっている)反論する根拠は存在していた。"マクラーレンの姿勢は生産的ではないと示唆したホンダF1リーダー". TopNews. (2015年9月28日) 。
  11. ^ "[1]".Honda McLaren-Honda 新型「MP4-30」 2015年3月1日閲覧。