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マルシンハンバーグ

マルシンフーズが製造する、日本のハンバーグ状の食品

マルシンハンバーグは、日本の食品メーカーである株式会社マルシンフーズが、1962年昭和37年)から販売している、ハンバーグ状の食品の商品名である。

概要編集

基本的に、本商品は、さまざまな肉類(2011年現在は鶏肉豚肉牛肉)とタマネギパン粉、植物性蛋白質などを練り合わせて作られたハンバーグの種を、ラードコーティングした食材である[1]フライパンに油を引かずに焼くことができる[1]ほか、(冷蔵庫に入れなくても)10℃以下で鮮度を長く保持できる[1]。食感は豚肉や牛肉を主原料として用いた一般的なハンバーグとはやや異なる。

パッケージには紙製の背面部分に隙間があり[1]、中のハンバーグが見えるものが長年使われていた[1](現在は完全密封に変更されている)。これは製造工程上、ハンバーグを一旦加熱後に冷却してから包装するため、中の水蒸気を逃がすための工夫である[1]。また、パッケージに描かれている女の子「みみちゃん」は[1]、髪の毛のカールが魚、リボンの曲線が豚のしっぽと、発売当初の本商品の原材料を表現したデザインになっており[1]、その後、マルシンフーズのシンボルキャラクターとしても使用されている。

のち[いつ?]には、ハンバーグソースのルウを別添とした「マルシンルウバーグ」、本格的な味を追求した「マルシンニューハンバーグ」などの派生商品も発売された[2]

2000年代以降は、電子レンジの普及の高まりを考慮して、電子レンジでも調理可能な包装に改良されている。

歴史編集

東京築地市場魚河岸で働いていた若者・新川有一は、1960年(昭和35年)9月[3]マグロの切り身やイカもろみ漬、煮凝り(にこごり)などといった水産加工品を扱う[1]「有明商店」[4]を開店した[1]。普通であれば目の前の商売を軌道に乗せることに専念するであろうところを、新川は、海外で[要出典]ハンバーグを食べたことをきっかけに日本国内でのハンバーグの市販品の実現を目指して開発に着手した。

日の目を見たのは1962年(昭和37年)、画期的な商品「マルシンハンバーグ」の発売に漕ぎ着けた。「マルシン」は自身の名字「新川(しんかわ)」の「新」と屋号などによく使われる「丸:〇」との組み合わせ、すなわち「〇新」から名付けられた[4]。 発売当初は牛肉が高価であったこともあり、主原料には鯨肉豚肉マグロが使われていた。小売価格瓶入り牛乳1本と同じ1個14円と[1]、当初から庶民的であった[1](※当時の価格情報補足:コロッケは1個10円、コーヒーは1杯60円)[1]。ただ、発売当時の日本の庶民にはハンバーグそのものが全く認知されていなかった[4][5]薩摩揚げと間違えられることが多く、薩摩揚げより大きかったことから「薩摩揚げのおばけ」と呼ばれていた[4]という。その後、日本人の食の欧米化の進捗や、地道な営業活動、「マルシン、マルシン、ハンバーグ♪」という定番化することになる印象的なジングルと共に放映される[5]テレビCM[* 1]の絶大な訴求効果など[5]により、1975年(昭和50年)には日産100万食を達成した[1][4]1977年(昭和52年)まで3年連続で大台に乗り[1][4]、この頃がマルシンハンバーグの全盛期であった[1][4]

しかし、1970年(昭和45年)4月になると[5]石井食品から業界初の調理済みハンバーグでレトルト食品の「イシイのチキンハンバーグ」が強力な競合商品として発売され[5]湯煎しただけで食べられる手軽さとフワッとした食感で人気を博すようになった[5]。さらには、牛肉を贅沢に使ったボリューム感たっぷりのハンバーグ、ソースに凝ったハンバーグ、チーズインハンバーグなど[4][5]、調理加工されたハンバーグが競合他社から次々に発売されてゆく[4][5]。そのような時流にあって、1970年代後半以降[1]、マルシンハンバーグの売上は下降線を辿っていった[1][4]1980年代以降は、一流料理店で供されるような本格的なハンバーグが日本の一般家庭でも容易に食べられるようになり、そうなると、1個100円前後と安価なマルシンハンバーグは、むしろその安さゆえに消費者の選択肢から外されてしまう商品になってしまった[1]。また、1991年(平成3年)3月に日本のバブル景気崩壊すると[1]、長年続けてきたテレビCM放送を打ち切らざるを得なくなった[1]

2000年(平成12年)頃からは[1]弁当への需要や昭和ノスタルジーなどで売上低下が下げ止まり[1]、それ以降、やや上昇傾向に転じた[1]。昭和ノルタルジーをテーマとして前面に押し出した東京居酒屋「薄利多賣 半兵ヱ」では[5]、昭和コロッケ、昭和メンチカツソフトめん大塚ボンカレーなどと共に、マルシンハンバーグを料理メニューとして供している[5]2005年(平成17年)以降はテレビCMも再開し、「マルシン、マルシン、ハンバーグ♪」のジングルも復活した。

2011年(平成23年)10月28日丸大食品マルシンフーズ買収して完全子会社化する[6][7]と、商品開発の方針も変化する。2013年(平成25年)9月1日には[8]、素材もパッケージも高級感あふれる「マルシンハンバ-グ 贅沢仕立て」(希望小売価格150円 税別)が、10年ぶりの新商品[4]として発売された[8][5]。これは豚肉6:牛肉4の配合で、隠し味に赤ワインを使って味に深みを加えた商品であり[8][5]2015年(平成27年)8月5日[9]一般社団法人日本ハンバーグ協会が主催する第1回ハンバーググランプリでチルド部門の金賞を受賞した[10][5]2016年(平成28年)の年間販売個数は約4400万個[5]である。

年表編集

  • 4月 - 石井食品が強力な競合商品「イシイのチキンハンバーグ」を発売[5]
  • 月日不明 - 本格的な機械化工場が完成し、操業開始[1]。それまでは手作り生産であった[1]
  • これ以降、需要の急激な伸びに対応して、全国に8か所あった工場は常時フル稼働するようになる[1]
  • 1975年(昭和50年) - 日産100万食を達成[1][4]1977年(昭和52年)まで3年連続で大台に乗り[1][4]、この頃がマルシンハンバーグの全盛期であった[1][4]
  • 1980年(昭和55年)1月8日 - 株式会社マルシンフーズの設立[3]
  • 1980年代 - 料理店で供されるような本格的なハンバーグが日本の一般家庭でも容易に食べられるようになり、マルシンハンバーグの売上は低下してゆく。
  • 1991年(平成3年)3月 - バブル崩壊の始まり。係る時勢のなか、長年続いていたテレビCM放送は打ち切りに追い込まれる。
  • 2000年(平成12年)
  • - この年までは紙のパッケージを使用していた[1]
  • - この頃から、弁当への需要や昭和ノスタルジーなどで売上低下が下げ止まり[1]、やや上昇傾向に転じる[1]電子レンジでも調理可能な包装への改良。

提供した番組編集

  • 現在
  • なし
  • 過去

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ CMに起用されたタレントには、仁科明子(のちの仁科亜季子)や大和田獏がいる。

出典編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an マルシンハンバーグ - ニッポン・ロングセラー考 2007年12月号」『COMZINE』、NTTコムウェア2019年8月16日閲覧。
  2. ^ 雑誌『ハラペーニョ』1995年9月号、25頁。
  3. ^ a b c 会社概要”. 公式ウェブサイト. 株式会社マルシンフーズ. 2019年8月15日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p マルシンフーズ 千葉重好 社長 60 - トップ戦略を聞く - 『読売新聞』2014年3月12日版 (PDF)”. 公式ウェブサイト. 株式会社マテハンソフト[1] (20140315). 2019年8月15日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 日本テレビnews every.』 2017年3月7日放送回。
  6. ^ a b 株式会社マルシンフーズの株式取得(子会社化)に関するお知らせ (PDF)”. 公式ウェブサイト. 丸大食品株式会社 (2011年10月28日). 2019年8月15日閲覧。
  7. ^ a b 丸大食品(2288)マルシンフーズを買収”. 公式ウェブサイト. M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 (2011年10月28日). 2019年8月15日閲覧。
  8. ^ a b c d 発売51年を迎えたロングセラー「マルシンハンバーグ」に新商品登場!『マルシンハンバーグ贅沢仕立て』新発売” (PDF) (プレスリリース), 丸大食品株式会社, (2013年8月21日), http://www.marudai.jp/news/index_130821.pdf 2019年8月15日閲覧。 
  9. ^ a b “日本ハンバーグ協会【第一回ハンバーググランプリ】 応募総数322点から一次選考通過の「優秀バーグ」を発表! 6月2日より「金賞バーグ」を選出する本選(一般投票)を開始! - @Press” (プレスリリース), ソーシャルワイヤー株式会社, (2015年6月2日), https://www.atpress.ne.jp/news/62679 2019年8月15日閲覧。 
  10. ^ a b 第1回結果発表(2015年)- ハンバーググランプリ”. 公式ウェブサイト. 日本ハンバーグ協会 (2015年). 2019年8月15日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集