ルイス・セベリーノ

ドミニカ共和国の野球選手 (1994 - )

ルイス・セベリーノLuis Severino, 1994年2月20日 - )は、ドミニカ共和国アト・マジョール州出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBニューヨーク・メッツ所属。愛称はセビー[1]

ルイス・セベリーノ
Luis Severino
ニューヨーク・メッツ #40
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2015年8月5日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 アト・マジョール州
生年月日 (1994-02-20) 1994年2月20日(30歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2012年 アマチュアFA
初出場 2015年8月5日
年俸 $13,000,000(2024年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入りとヤンキース時代 編集

2012年にアマチュア・フリーエージェントでニューヨーク・ヤンキースと契約してプロ入り。[2]。契約時、ストレートは最速91mph(146km/h)を計測した[3]。その年、ルーキー級ドミニカン・サマーリーグヤンキース1でプロデビューを果たした。14試合に登板し、4勝2敗、防御率1.68、45奪三振を記録した。

2013年はルーキー級ヤンキース1でプレーし、A級チャールストン・リバードッグスに昇格し、10試合に登板し、4勝2敗、防御率2.45、44奪三振を記録[4]。ストレートは最速97マイル毎時 (156 km/h)を記録した[3]

2014年は「ベースボール・アメリカ」誌の有望株ランキングで球団内1位の評価を受けた[4]。開幕時、A級チャールストンでプレーし、A+級タンパ・ヤンキースに昇格、7月にオールスター・フューチャーズゲームに世界選抜として出場[5]。オールスター明けにはAA級トレントン・サンダーへ昇格[2]。このシーズン3チームで24試合に登板し、6勝5敗、防御率2.46、127奪三振を記録[6]

 
2014年8月19日

2015年の開幕前には「ベースボール・アメリカ」誌の有望株ランキングで球団内1位、マイナー全体でも23位の高評価を受けた。AA級トレントンで8試合に登板し、2勝2敗、防御率3.32、48奪三振を記録。AAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースに昇格、11試合に登板し、7勝0敗、防御率1.91、50奪三振を記録[7]。7月終わり、マイケル・ピネダの負傷に伴い[8]、メジャー昇格が決まる[9]。8月5日、ボストン・レッドソックス戦でメジャーデビューを果たし、5回2失点で敗戦投手となった。しかし、以後は安定した投球を披露し、先発ローテーションの一角として投げ続けた。レギュラーシーズンでの成績は防御率2.89、5勝3敗だった。

2016年9月26日のトロント・ブルージェイズ戦で警告試合となった後でジャスティン・スモーク死球を行い、両チーム入り乱れる乱闘を起こし、退場処分を受けた[10]。最終的に先発とリリーフを投げ分け、それぞれ11試合ずつで投げた。22試合の防御率5.83、3勝8敗と負け越した。

2017年開幕前の2月8日に指名投手枠で第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ドミニカ共和国代表に選出された[11]。シーズンでは9月4日のオリオールズ戦で通算200奪三振を達成した[12]。初めてシーズン通して先発として投げ規定投球回をクリアし、さらにチームトップタイの14勝、防御率2.98、奪三振230を記録した。

2018年3月17日の開幕戦であるトロント・ブルージェイズとの試合で自身初の開幕投手に指名された[13]。5.2回を投げ、1安打を許すが7奪三振を残し開幕戦を勝利で飾る[14]。2018年5月2日のアストロズ戦で自身初のメジャーでの完封を記録し、10三振も奪い4-0で勝利した[15]。4月16日から6月4日にかけて68回を投げ、7勝0敗、防御率1.85、45安打(4本塁打)、82奪三振、14与四球、被打率.185で1自責点内に抑えた試合が6試合もあり少なくとも6回まで10連続でクオリティ・スタートを達成する。6月16日にタンパベイ・レイズ戦で8回を投げ、3安打、2四球で9奪三振を残し、10勝目を挙げた。2017年のオールスター休暇前の勝利数の2倍で、これは2014年の田中将大以来だった。7月1日のレッドソックス戦で2011年のC.C.サバシア以来となる6.2回を投げオールスター休暇前に13勝目をあげた。オールスターに選出され、2度目の選出となった[16]。シーズンの半分で20先発で128.1回を投げ、WHIP1.01、被打率.209、32与四球、144奪三振、14勝2敗だった。オールスター休暇前に14勝を記録したのは、1934年のレフティ・ゴメス、1961年のホワイティー・フォード、1969年のメル・ストットルマイヤー以来4人目だった。しかし後半戦は、速球の切れ味とチェンジアップの制球がイマイチであった為、調子を落とした[17]。それでも通年では32試合に先発登板し、防御率3.39(リーグ9位)、19勝(同3位)8敗、220奪三振(同8位)という成績を残し、シーズンオフのサイ・ヤング賞投票では1ポイントだけ獲得した[18]。また、同年は平均球速97.6mph(158km/h)を記録し、規定投球回に到達したメジャーリーグの先発投手で最速だった[17]2018年のアメリカンリーグワイルドカードゲーム英語版に先発し、4回無失点に抑えた[19]ボストン・レッドソックスとのディビジョンシリーズ第3戦にも先発したが、3回6失点で敗れた。

2019年2月15日に球団オプション付きで4年総額4000万ドルの契約を結んだ。しかし3月に右肩を故障すると治療が長引き、8月にようやく投球練習を解禁した[20]。9月17日のロサンゼルス・エンゼルス戦でメジャー復帰を果たし、3試合に登板した。

2020年はシーズン開幕前の2月25日に右肘のトミー・ジョン手術を受ける事を発表した[21]。手術の影響で同年は全休した。

2021年2月22日にトミー・ジョン手術からの回復を続けていたため60日間の故障者リストに入った。

2023年オフの11月3日にFAとなった[22]

メッツ時代 編集

2023年12月1日にニューヨーク・メッツと1300万ドルの1年契約を結んだ[23]

選手としての特徴 編集

最速101.3mph[24](約163km/h)、平均約97mphのフォーシームと、平均80mph台後半のスライダーチェンジアップを投じる。

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2015 NYY 11 11 0 0 0 5 3 0 0 .625 255 62.1 53 9 22 0 2 59 2 1 21 20 2.89 1.20
2016 22 11 0 0 0 3 8 0 1 .273 312 71.0 78 11 25 1 3 66 3 0 48 46 5.83 1.45
2017 31 31 0 0 0 14 6 0 0 .700 783 193.1 150 21 51 0 6 230 6 0 73 64 2.98 1.04
2018 32 32 1 1 0 19 8 0 0 .704 780 191.1 173 19 46 0 5 220 8 0 76 72 3.39 1.14
2019 3 3 0 0 0 1 1 0 0 .500 48 12.0 6 0 6 0 1 17 0 0 2 2 1.50 1.00
2021 4 0 0 0 0 1 0 0 1 1.000 22 6.0 2 0 1 0 1 8 0 0 0 0 0.00 0.50
2022 19 19 0 0 0 7 3 0 0 .700 405 102.0 72 14 30 0 4 112 1 0 37 36 3.18 1.00
2023 19 18 0 0 0 4 8 0 0 .333 417 89.1 113 23 34 1 5 79 1 3 73 66 6.65 1.65
MLB:8年 141 125 1 1 0 54 37 0 2 .593 3022 727.1 647 97 215 2 27 788 21 4 330 306 3.79 1.19
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績 編集



投手(P)












2015 NYY 11 5 11 1 1 .941
2016 22 4 13 2 1 .895
2017 31 7 27 2 2 .944
2018 32 6 22 2 3 .933
2019 3 0 2 1 0 .667
2021 4 1 0 0 0 1.000
2022 19 6 13 0 0 1.000
2023 19 7 13 2 1 .909
MLB 141 36 101 10 8 .932
  • 2023年度シーズン終了時

記録 編集

背番号 編集

  • 40(2015年 - 2019年、2021年 - )

脚注 編集

  1. ^ Yanks Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  2. ^ a b Sherman, Joel (2014年7月17日). “The pitching prospect hailed as Yankees’ best in a decade”. New York Post. 2015年8月1日閲覧。
  3. ^ a b Marchand, Andrew (2014年2月5日). “Severino, Yanks' next international star?”. ESPN New York. ESPN.com. 2014年9月12日閲覧。.
  4. ^ a b Norris, Josh (2013年12月9日). “2014 New York Yankees Top 10 Prospects”. Baseball America. 2014年9月12日閲覧。
  5. ^ Lennon, David (2014年7月14日). “Yankees pitching prospect Luis Severino earns high praise at Futures Game”. Newsday. 2015年8月1日閲覧。
  6. ^ Luis Severino Minor League Statistics & History - Baseball-Reference.com”. Baseball-Reference.com. 2015年8月1日閲覧。
  7. ^ Kuty, Brendan (2015年8月1日). “Why Yankees' top prospect Luis Severino is better than ever”. NJ.com. 2015年8月2日閲覧。
  8. ^ Hatch, Ryan (2015年7月30日). “How close is Luis Severino to joining the Yankees?”. NJ.com. NJ Advance Media. 2015年8月2日閲覧。
  9. ^ King III, George A. (2015年8月1日). “Yankees to call up, let loose pitching phenom Severino”. New York Post. 2015年8月1日閲覧。
  10. ^ Yanks, Blue Jays clear benches twice MLB.com (英語) (2016年9月27日) 2017年3月16日閲覧
  11. ^ DR aims to defend title as WBC '17 roster set MLB.com (英語) (2017年2月15日) 2017年3月4日閲覧
  12. ^ Severino reaches 200 K's, embraces ace role MLB.com (英語) (2017年9月4日) 2017年9月6日閲覧
  13. ^ Yankees tab Luis Severino to start 2018 Opening Day”. MLB. 2018年3月17日閲覧。
  14. ^ “Blue Jays overpowered by Stanton, Yankees on Opening Day - Sportsnet.ca” (英語). Sportsnet.ca. https://www.sportsnet.ca/baseball/mlb/blue-jays-overpowered-stanton-yankees-opening-day/ 2018年5月15日閲覧。 
  15. ^ Luis Severino pitches complete game shutout in 4–0 win over Astros”. MLB. 2018年5月2日閲覧。
  16. ^ Kernan, Kevin (2018年7月8日). “Yankees have at least four All-Stars — including Gleyber Torres”. Nypost.com. 2018年10月3日閲覧。
  17. ^ a b 村上雅則友成那智『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2019』廣済堂出版、2019年、46頁。ISBN 978-4-331-52217-2 
  18. ^ 2018 Awards Voting - AL Cy Young Voting - Baseball-Reference.com (英語) . 2019年3月13日閲覧。
  19. ^ Kristie Ackert. “Yankees Luis Severino to face off against A's 'opener' Liam Hendriks in wild card game”. NY Daily News. 2018年10月3日閲覧。
  20. ^ ヤンキース・セベリーノ、3月以来のブルペンに「想定よりずっと良い」 2、3週間以内に復帰登板へ!”. ベースボールチャンネル. 2019年10月3日閲覧。
  21. ^ Severino needs season-ending Tommy John”. MLB.com (2020年2月27日). 2020年2月27日閲覧。
  22. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (2023年11月3日). 2023年11月10日閲覧。
  23. ^ METS SIGN ALL-STAR RHP LUIS SEVERINO” (英語). MLB.com. 2023年12月2日閲覧。
  24. ^ 2017年 ミネソタ・ツインズ戦で計測

関連項目 編集

外部リンク 編集