レンタルマギカ
『レンタルマギカ』は、三田誠による日本のライトノベル。角川スニーカー文庫(角川書店)より2004年8月から2013年4月まで刊行された。イラストはpako。短編は『ザ・スニーカー』にて連載形式で2008年まで掲載されていたが、短編の連載を辞めたことにより同誌が休刊する前に連載を終了している。2007年、ライトノベルアワードでアクション部門賞を受賞。2009年3月時点でシリーズ累計発行部数は200万部を記録している[1]。
レンタルマギカ | |
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ジャンル | ファンタジー小説 アクション小説 |
小説 | |
著者 | 三田誠 |
イラスト | pako |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | ザ・スニーカー |
レーベル | 角川スニーカー文庫 |
刊行期間 | 2004年8月31日 - 2013年3月30日 |
巻数 | 全24巻(本編23巻+外伝&イラスト集1巻) |
漫画 | |
原作・原案など | 三田誠 |
作画 | 成宮アキホ |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | 月刊Asuka |
レーベル | あすかコミックス |
発表号 | 2006年8月号 - 2009年9月号 |
巻数 | 全5巻 |
話数 | 全30話 |
漫画:レンタルマギカ from SOLOMON | |
原作・原案など | 三田誠 |
作画 | MAKOTO2号 |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | 月刊コンプエース |
レーベル | 角川コミックス・エース |
発表号 | 2007年7月号 - 2008年5月号 |
巻数 | 全2巻 |
話数 | 全11話 |
アニメ | |
原作 | 三田誠 |
監督 | 川崎逸朗 |
シリーズ構成 | 池田眞美子、三田誠 |
脚本 | 池田眞美子、笹野恵、山田由香、あみやまさはる |
キャラクターデザイン | 芝美奈子 |
音楽 | 江口貴勅、市川淳、佐藤直紀 |
アニメーション制作 | ZEXCS |
製作 | レンタルマギカ製作委員会 |
放送局 | #放送局を参照 |
放送期間 | 2007年10月 - 2008年3月 |
話数 | 全24話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
ポータル | 文学・アニメ・漫画・ラジオ |
漫画版が『月刊Asuka』(作画・成宮アキホ)と『月刊コンプエース』(作画・MAKOTO2号)でそれぞれ連載されていた。また、同年10月から2008年3月にかけ、テレビアニメ(2クール/全24話)が放送された。
構成としては全3部構成となっており、第1部は、第1巻『レンタルマギカ〜魔法使い貸します!』から第10巻『吸血鬼VS魔法使い』まで、第2部は第11巻『妖都の魔法使い』から第16巻『滅びし竜と魔法使い』まで、第3部は第17巻『銀の騎士と魔法使い』から第22巻までである。最終巻の第23巻は第22巻より2年が経過した後日譚である。作者の角川スニーカー文庫の別作品『クロス×レガリア』と世界観が同じであり、最終巻の第23巻ではバトンタッチを示唆する演出がなされている。
あらすじ
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
人が思うより少しだけ世界には魔法が多く、人が思うより少しだけ世界には神秘が多い。
臆病で弱気な高校生・伊庭いつきが父の失踪を機に継ぐこととなった魔法使い派遣会社「アストラル」。慣れない経営に悪戦苦闘するいつきが、個性的な従業員たちと共に迫りくる敵と戦う異種魔法戦闘ファンタジー。
登場人物
記載内容はおおむね原作小説の最新時点のもので、部分的に他メディア作品における設定などを含む。声優はボイスドラマ版・アニメ版で共通。
アストラル
以下は現「アストラル」へ所属もしくは準ずる関係にある人物。
- 伊庭 いつき(いば いつき)
- 声 - 福山潤[2] / 大浦冬華(幼少時)
- 本作の主人公で「アストラル」2代目社長。失踪した父(伊庭司)に代わり、魔法使い派遣会社を継ぐ。容姿は同年代と比べるとやや小柄で、髪と瞳は黒色。特徴は右目にある大きな眼帯。性格は異常なほどの恐がりで、昔『ドラえもん のび太の魔界大冒険』を観て気絶したことがある。父親である司と過ごした記憶がなく、物心がついた頃には叔父夫婦の家(日下部家)で育てられていた。勇花という義妹がいる。現在、叔父一家はアメリカに居を移しており、いつき一人が日本の叔父の家に残っている。好物は和菓子で作中でも羊羹や葛きりを食べている。
- 呪力を見ることが可能な魔眼「妖精眼(グラムサイト)」を持っている。
- 眼帯を取り妖精眼が開いたときは普段の気弱な態度とは一転し傲岸不遜かつぶっきらぼうな態度で命令口調となり、周囲に的確な指示を飛ばす。ユーダイクスの創り出した人工精霊を視ただけで分解することや、呪力が尽きかけた社員に命令を下し魔法を強制的に発動させることからいつきの妖精眼は「呪力を操る」とされる。その際の掛け声は「社長命令だ」。なお、眼帯を装着した状態においても呪力を感知することが可能だが、その感知には呪力の大きさに比例した痛みを伴うようである。
- 第1巻時点では高校1年生。いつき自身は最初は覚えていなかったが、穂波とは幼馴染で良く遊んだ間柄であり「いっちゃん」「あーちゃん」と愛称で呼び合っていた。
- 伊庭姓ではあるものの伊庭司とは血が繋がっておらず、伊庭司がヨーロッパ周遊中に拾ってきた子どもである。名前もその時に木の根もとで拾ったという理由で「いつき」となった。普段は臆病で気が弱い性格であるが、根は真っ直ぐな性格で本当に大切なものを護るためなら譲らない強い一面を持ちその性格は周囲の人間に影響をもたらしている。父である司とは血が繋がっていないが、親子二代で責任感が強く先代から「アストラル」に所属する社員達はいつきに司の面影を見ている。
- 有事の際には社長として大きく決断し、自分にしか出来無い一手を打つという上に立つ者に必要な天性の素質を持ち作中でも何度か自身にしか出来ない決断を見せている。困っている他人の心情には敏感であるが自分の問題に対して疎い部分があり、自分が話題の中心になると戸惑うことが多い。同じ妖精眼を持つフィン曰く「現代に於いて妖精眼を所持していて、あれだけ『マトモ』なのはおかしい」ということ。
- いつきの「妖精眼」は通常の妖精眼とは異なるらしく、いつきには謎の声が聞こえる。いつきの「妖精眼」が通常のものと異なる理由は「螺旋なる蛇」と深く関係している。12年前に布留部市の竜を使いある呪物を作り出そうとしていた「螺旋なる蛇」だったが、先代の「アストラル」によって阻まれた。しかしその呪物を作り出そうとしていた術式は竜の中に残っており、いつきは竜の欠片を見たことでその術式を写し取ってしまったのである。結果的にいつきの妖精眼は穢れてしまい、その瞳は眼帯で封印されることとなった。伊庭司は息子のいつきを魔法の世界から遠ざけていたが、社長に就任したことにより必然的に「妖精眼」を解放する回数は増し、その呪物は完成へと近づいていった。「鬼の祭り」では3つの異なる魔術を融合させて霊脈を造り変えた事を契機に「吸血鬼」の事件では戦闘中の異様な高揚感、ウェールズの森では回帰の呪波汚染、義妹の優花の依頼で訪れた廃校で呪波汚染の吸収と通常の妖精眼ではあり得ない能力を身に付けて行く。そしてその呪物こそ魔法使いを魔法に変える紅い種の原型「禁断の果実」である。「竜の事件」の時に穂波を「あーちゃん」と呼んだことなど、現在ではいつきは幼かった頃のことを断片的に思い出している。しかし、忘れているのではなく魔法的な処置によるものではないかと猫屋敷達は見ているが詳細は不明。また、異常なほどの怖がりな性格は「妖精眼」の影響で引き寄せられるさまざまな魔性に対する無意識的な自己防衛本能の顕れと周囲の人間は推測している。
- 「竜の事件」以来、隻蓮に武術を習い始めるが、魔術、社長業と同じくまったく才能がない。だが隻蓮曰く、その才能の割には伸びているらしい。妖精眼を持っているためか身体が呪力を通しやすい体質であり、なおかつ余計な魔術を知らずに五行拳を無心に使い分けた事で呪力が巡るようになった。結果的に「生ける魔法円」とも言える状態になりこの事が原因でアスモダイとパスを繋ぎ、アディリシアがアスモダイを従わせる切っ掛けになっている。
- 「京都の事件」にて、フィンの手によって妖精眼から「紅い種」を引き剥がされたことにより、わずかな呪力を残して強化されていた妖精眼の能力を失う(霊体である黒羽を観る程度の能力は残った)。
- 事件後に旅から帰ってきた隻蓮から指導を受け五行拳の基礎の修行を完成させた。その後隻蓮に連れられて香港に渡り、ヘイゼル・アンブラーと出会い彼女に懇願して弟子となり指導を受けて衰えながらも「体質」として元々持っていた妖精眼の能力を再構築することに成功。しかしその能力は以前の妖精眼と比べると精度が低いため、社員に指示を出す際は自身を基点として魔法を発動させている。この戦い方は指令塔であるいつきが前線に立つというリスクを抱えている。第三部では高校を休みがちになりながらも3年生に進級した。隻蓮との修行や数々の事件を潜り抜けて来たためか、若干貫禄が付き身長も同じ位だった穂波を追い抜いている。妖精眼が弱体化したことで、それまで右目を覆っていた特徴的な黒の眼帯はなくなり、現在はユーダイクスが作成したコンタクトレンズを嵌めて妖精眼を抑えている。穂波と猫屋敷を取り戻すために、オルトヴィーンすら危ぶむほど業務に邁進し、日本だけでなく近隣諸国の入札をもぎ取る勢いであり海外出張などを頻繁に行っている。『白の魔法使い』では『協会』と『螺旋なる蛇』の互いの結社の首領を大英博物館に引きずり出し交渉の場に付かせる(以前のいつきは難易度の高い詰将棋を必死に考えてクリアしていたが、現在のいつきはゲーム盤そのものを創りだすと評されており、穂波や猫屋敷が居なくなったことにより成長が促されたとされている)。
- そして目論見通りに「協会」と「螺旋なる蛇」の二大組織を魔術決闘で競い合わせることに成功。現在はその準備に追われている。クロエからは「腹黒社長」「目論見通りに他人を動かす」等言われ放題に言われている。『騒乱の魔法使いたち』では同級生たちと会話を交わしてつかの間の日常に帰る。そしてその後遂に布留部市を舞台にした「協会」と「螺旋なる蛇」が争う「大魔術決闘(グラン・フェーデ)」を開催。集まった二大組織の代表に提示した条件は「『協会』ないし『螺旋なる蛇』のどちらかが規定の三日間で魔術的な方法を持って伊庭いつきを倒した者を勝利者」にするというもの。勝者への賞品として布留部市全体に集中した三つの霊脈と感応して両方の陣営に使用できる魔法円を敷いた。このようなルールにしたのは、「協会」「螺旋なる蛇」双方どちらにも勝たせる気がないといういつき自身の考えからである。
- 「大魔術決闘」開始当日、フィンと再会し彼から自身を標的にした事について詰問を受け、ツェツィーリエの強襲を受けるが弓鶴とディアナに庇われて戦線を離脱する。その後鎬に案内されたクロエと合流し、竜蓮寺に向かい父・伊庭司と再会。自分の目論見を看破されて動揺している隙と隻蓮の足止めで保管していた紅い種を持って行かれてしまった。「死線の魔法使いたち」では先代「アストラル」と先代「螺旋なる蛇」が戦った因縁の地クリスタル・タワーでメルキオーレとジェイクと対峙する。「死線の魔法使いたち」では「協会」「螺旋なる蛇」の魔法使いたちと対峙し、三つ巴の戦いに突入。メルキオーレの命を賭けた魔法の行使など、戦況が二転三転する中何とか離脱。司の伝言を預かった圭と接触しそのまま事務所に戻る。そこで穂波と自身を捧げたことで「魔法」となったアディリシアと再会する。そしてアディリシアと共にオズワルドと対決した遊園地跡に向かい、旧「アストラル」の面々と対峙し、敵対したことへの謝罪を受ける。残ったヘイゼルから「幽霊屋敷」で起きた真相を聞くが、それでも今の「アストラル」の社長としてアディリシアと共に司の後を追う。司が影崎を救うために呪力の塊の巨人に接触するのを援護し、その顛末を見届けた。司が影崎=柏原を救うことに成功したのを見届けた後にその後穂波やオルトヴィーンと合流するが同行していたアディリシアが限界を迎えてしまい共に行けなくなってしまうが、この時久々に自身の感情を露にしている。夫であるギョームと共に転移してきた劉芳蘭から事情を聞き、最悪の事態になっていることを理解し惑星魔術を止めるためにフィンが襲撃した「協会」の本拠地である飛行船へラピスと隻蓮を伴って向かう。竜の「アストラル」にタブラ・ラサとニグレドの力を注ぎ込まれたことで産まれた新たな「第三団」に妨害を受けるが、司を指示を受けた「アストラル」に縁のある魔法使い達の援護を受けて飛行船に辿り着く。そこでフィンと対峙し惑星魔術が発動するかと思われたがまなみに連れ添われた柏原が現れ、惑星魔術を足止めし彼の提案でダリウスから「大魔術決闘」に於ける「協会」の全権利を譲渡され、改めてフィンと対峙する。
- そして、穂波に連れられて現れたアディリシアと互いを観測者とすることで成立する儀式を穂波の助力を得て行い、アディリシアと共に魔神と融合し魔神を従えてフィンと最後の戦いを繰り広げる。その後惑星魔術の破壊に成功し、崩壊する飛行船から脱出した。
- 「大魔術決闘」後は審判役を務めた事で「協会」内での地位が向上し、「ゲーティア」とも正式に業務提携を結ぶ。その後は3週間ほどイギリスに滞在し仕事を終えた後日本に帰国し、「アストラル」の事務所に戻った。その後魔神と融合した弊害を抑えるため柏原に教えられた大陸の仙人のいる山へ赴いたため、少しは症状はマシになった模様。
- 「未来の魔法使い」においては「ゲーティア」の提携先であるイギリスの大学に留学していたが、フィンの警告により日本に戻っており対策を行なっていた。新入社員であるセリムのドジを影でフォローを行なっている。アディリシアとともに魔神との融合を解除するための研究を行いつつ、いつき自身が魔神を召喚させる試みも行なっている。(ただし現在召喚出来る魔神は1柱のみ)「螺旋なる蛇」の残党との対峙後はアディリシアと二人で街中でゆったりとした散歩をしつつ、通り過ぎた『クロス×レガリア』の二人へエールを心のなかで贈った。
- 成宮アキホの漫画版では臆病な性格が強調されて描かれており、毎回社長を辞退しようとしている。
- 穂波・高瀬・アンブラー(ほなみ・たかせ・アンブラー)
- 声 - 植田佳奈[2]
- 「アストラル」ケルト魔術・魔女術課正社員であり「社長秘書」兼「社長教育係」。肩口で切りそろえられた栗色ショートカット・ヘア(セミロング・ヘア)で「蒼氷色の瞳(アイスブルー・アイ)」を持った少女。うす縁の眼鏡をかけ関西弁(神戸弁)を話す。赤いリボンが巻かれた大きなとんがり帽子に闇色のマントをはおり、片手には樫の木の杖。ヤドリギやハーブを使うケルト魔術と魔女術の魔法使いで、古びたほうきで空を舞う。
- 「魔女の中の魔女」の二つ名を持つヘイゼル・アンブラーの直系の孫娘であり、彼女からアンブラーの名前を受け継いでいる。父親は「協会」の副代表を務めるダリウス・レヴィだが既に絶縁関係にあり、猫屋敷の会話で「アレ」と呼び、会話をする際にも他人行儀で接する。母親については登場していないがハーフである事から日本人であると思われる。
- 通常であれば才ある魔法使いが数十年掛かりで習得していくと言われる、今は滅びしケルト魔術を2年で復活させた才媛。作中では並外れた集中力と再編成能力を持つとされる。イギリスの「学院」では大変優秀であったが、入学当初は英語を片言しか喋れなかったため授業に付いて行けず落ちこぼれであった。しかし持ち前の集中力を発揮し上位の成績に登り詰めて行き、最終的にはアディリシアと首席を競い合うほどになっている。いつきへ「アストラル」経営権の譲渡や相続が行われる頃「学院」を中退して日本へ帰国し、いつきがいる「アストラル」へ真っ先にやってきた。
- いつきの幼馴染で彼の右目の過去を知る数少ない人物だが、いつきはそのことを忘れている。いつきのことを普段は「社長」と呼ぶが、独り言や感情が高ぶった時などは「いっちゃん」と幼き頃の愛称で呼ぶことがある。いつきを守るという思いから彼の前では強がるが、内心は気に掛けている。そのせいか、第三者にいつきのことを聞かれると動揺することがある。アニメの設定では「白馬の王子様」的思想を持っているようである。
- 第1巻時点では高校1年生で、いつきとはクラスメイトでもあり席は彼の左隣である。アディリシアとの仲は一見すると険悪で時に本格的な魔法戦闘を伴うほどの大喧嘩をするが、内心では友人・ライバルとして互いを認め合っており戦闘では抜群の連携を見せる。パソコンや携帯電話などといった最新電子機器が苦手。[3]料理や掃除は得意だが、彼女の部屋は普遍的な女の子の部屋とは懸け離れた物が大量に散乱している。「アストラル」では副業として、占いセンターへの派遣や雑誌コラムの執筆を行っている。幼い頃に「幽霊屋敷」でいつきと共に体験した出来事をずっと悔やみ自分を責めており、「竜の事件」ではいつきに対する自責の念とフィンの言葉をきっかけに竜を生け贄にするという禁忌の行為でもって「アストラル」を敵にまわしてまでいつきの眼を治そうとした。しかしアディリシアといつきの言葉により思い直し、「アストラル」へ戻った。事件後は張り詰めていた一面がなくなり、物事を柔軟に対処出来るようになり冗談めいた一面を見せるようになった。
- 奥の手である「お爺ちゃん」と呼んでいる「生きている杖(リビング・ワンド)」はイギリスのウェールズの森に生えている樹齢数千年の大樹から分けて貰った物で普段はスーツケースに入っている。
- 穂波は普段は関西弁(神戸弁)を話すが、幼少時の言葉はおおよそ標準語である。作者の裏設定によると、6歳までは標準語圏に住んでいたがその後神戸に引っ越したためだそうである。また、葛城の祭りにおける「鬼退治」にて穂波と対面した辰巳(神戸出身)は、穂波に対して何らかの縁を感じている様子を見せている。
- 京都の事件の終結後、いつきの拘束・封印指定を解除する代価として「協会」に出向し猫屋敷と共に「魔法使いを罰する魔法使い」として「協会」に従事している。「アストラル」時代は学校のセーラー服にとんがり帽子とマントであったが、「協会」所属になってからは黒を基調としたスーツと黒のストッキングをまとう秘書風の服装に変わった。「協会」から与えられる呪物を際限なく使用できることで自身の能力を飛躍的に向上させ、その成果を観たいつきは『穂波は仲間を支援することより、単独戦闘を行うことで強さを発揮する魔法使い』と評した。「協会」での仕事中はいつきの事を「伊庭くん」と呼ぶ。「騒乱の魔法使いたち」では「大魔法決闘」に参加するため日本に帰国。休学していた高校に復学し補習を受けている。その後猫屋敷と行動し自身のルーツとも言える「幽霊屋敷」でユーダイクスと再会する。ユーダイクスとの邂逅の後転移してきたフィンとツェツィーリエと対峙し戦闘を繰り広げるが、フィンの魔法で中断。ユーダイクスから齎された情報と自身の記憶から「幽霊屋敷」の事件の真相に気付き、「魔法」になりかけたアディリシアと同調して暴走を食い止めつつ「アストラル」事務所に来訪する。いつき達と別れ「螺旋なる蛇」の本拠地である遊園地跡に突入しツェツィーリエと戦いを繰り広げ、最後の一撃はオルトヴィーンが行い決着をつけるがタブラ・ラサが惑星魔術の起動はフィンに譲渡していたため止めることが出来なかった。柏原を救出したいつき達と合流し、不調に陥ったアディリシアの看病を行い自信を失いかけている彼女に叱咤激励を行い持ち直させている。その後アディリシアを連れて飛行船に突入。いつきとアディリシアが魔神と融合する儀式の助力を行い、胸に痛みを覚えながらも二人を祝福した。「大魔術決闘」後は派遣契約を終えて日本に帰国しいつき達と共に「アストラル」の事務所に戻り祖母であるヘイゼルと再会している。
- 「未来の魔法使い」においては20歳になり今までどおり「アストラル」の事務を取り仕切っている。知り合いの魔術結社への魔法薬の販売も行なっている様子。「螺旋なる蛇」の襲撃により結界が張られアストラルごと閉じ込められる。隻蓮とダフネにより結界が解除されセリムたちが戦う交戦場に到着する。終結のちはひとり「アストラル」に帰り、「竜のアストラル」へ声をかけた後、初期のアストラルの写真を見ながら、いつきへの恋慕の小さな痛みを抱えつつ皆が帰ってくるまでひとときの眠りについた。
- なお、DVD II巻ライナーノーツの植田佳奈のコメントに、穂波は声優である植田佳奈をイメージして描かれたキャラクターである旨の記述があるが、後に作者である三田誠より訂正されている[4]。
- アディリシア・レン・メイザース
- 声 - 高橋美佳子[2]
- 名前の綴りは「Adilisia=lenn=Mathers」[5]。魔術結社「ゲーティア」首領。名門貴族メイザース家の娘で、鮮やかな金色縦ロールの髪と翠色の瞳、漆黒のローブと、同じく漆黒のベレー帽を身にまとい(通学の際は色違いのベレー帽を被っている。トレードマーク)、胸には五芒星のペンダントを下げた少女。なお、アニメ版ではベレー帽とドレスの色が青色に変更されている。ソロモン王の魔術により王命の喚起という形でソロモン72柱の魔神を行使するが、性格柄かマルバス、グラーシャ・ボラス、エリゴールなどの攻撃的な魔神をよく使うため、治療などに使える魔神は作品上では喚起したことがない。イギリスの「学院」では穂波と首席を競い合うほどだったが、「ゲーティア」首領を継承するために「学院」を中退。史上最年少で結社首領となり、魔法と化した父・オズワルドを追い日本に来た。
- 第一部開始時は高校一年生。穂波とは反対側、いつきの右隣に席を持ち、いつきの事を「イツキ」と呼んでいる。穂波との仲は一見すると険悪で時に本格的な魔法戦闘を伴うほどの大喧嘩をするが、内心では友人・ライバルとして互いを認めあっている。高校の成績は優秀で転校当初は編入生用の試験を受けていたが『竜と魔法使い』の時点では他の生徒と同じ試験を受けており、その時の成績は二位(古文が苦手であり、それ以外は完璧。一位は穂波)。フリルやぬいぐるみなど可愛いものに弱く、かなりの料理オンチ[6]。また、タロット占いも嗜んでおり、いつきが入院した際には、「女」で不幸な目に会うと占った。魔法を尊んでいるが、文明の利器である携帯電話も持ち歩いている。相手は主にいつきとのこと。アニメでは凝ったデザインと大きな液晶画面、電子マネーも使える最新機種[7]。
- 性格は典型的なお嬢様。強情で見栄っ張りな面も見せるが、その反面「ゲーティア」の首領としての責任感と矜持を強く持ち、情に流されぬよう踏みとどまり、甘えと弱さをほとんど人に見せない。しかしながら、いつきの前では素直になり、自分の弱い部分を曝け出すような場面がしばしばあり(ツンデレ)、またそのいつきが社長である「アストラル」が有利に働くように各地を走り回ることがある。故に自分の本来の立場との相容れなさに心悩む場面がしばしばあり、特に『レンタルマギカ from SOLOMON』ではそれが色濃く表現されている。ザ・スニーカー誌の企画による人気投票では堂々の1位に輝き、2位の穂波と恋愛に関する小説を書くことになった。アニメでは「魔女と騎士」に憧れを持っている模様。
- 父であるオズワルドを追い日本に来たが、「アストラル」の協力により事件は解決。その後も日本に残り、いつき達と高校生生活を過ごしつつ必要に応じて「ゲーティア」本部のあるイギリスへ戻るという生活を送っている。錬金術師の事件の際に「アストラル」の経営権の2割を所有する大株主となったが、「アストラル」が事件へ向かう際には「アストラル」の他の社員と同様に現場の最前線に立ち、大切なものを守るために共に闘う。
- アディリシアが幼少時にフォルネウスと初めて契約した際に、断片的に自分の未来を思わせる視覚的イメージを垣間見ている。その断片的なイメージの中に眼帯をした少年が登場しており、アディリシア自身は「イツキかもしれない」と認識している。しかし彼女が魔神との契約の代償として捧げてしまったのは、その未来である。アディリシアのチャームポイントである縦ロールは、母親を偲んでのもので、そのきっかけは母親のことをほとんど口にしないオズワルドが、娘の縦ロールを見て母親と同じだと言ったためで、それ以来毎日この髪型でいる。髪型は基本的には屋敷の侍女が作るが、ダフネがいる時には、彼女に作ってもらうのがお気に入り。ダフネが作る際は、アレンジを加えることもあり、その時は好きにさせている[8]。
- 「京都の事件」終結後、アスモダイ以外の残された至上の3柱の魔神との契約を決意する。魔神との契約に支払われる代価は彼女にとって「最も大切な時間」、すなわちいつきと過ごした記憶であることを認め、密かに涙を流す。
- 第三部では「禁忌」指定された「アストラル」の首領であるいつきと距離を取るために高校を休学。「ゲーティア」の運営に力を注いでおり、「螺旋なる蛇」の襲撃により傾きかけていた「協会」に多額の出資を行い「ダリウス・レヴィの懐刀」と呼ばれる。クロエの計らいで「協会」の廊下で再会。「ゲーティア」を守るため距離を取るために敢えて感情を抑えて接するが、以前と変わらない態度で自分に接するいつきの姿に奮起し彼のことを決して忘れぬことを誓う。『白の魔法使い』では終盤に登場。「協会」のパイプ役であることを利用して「協会」預りになっていたユーダイクスを引き取り彼を伴って大英博物館に現れる。いつきの指示によりユーダイクスの手によって「協会」と「螺旋なる蛇」の正面衝突が回避された。その後、二つの組織の折衝役となった「アストラル」と「ゲーティア」が組織的な繋がりを得るという大義名分を得て休学していた高校に復学した。『魔法使いの妹、再び』で夏期休暇で帰国した勇花と再会し、彼女との約束を守れなかったことを謝罪した。アメリカに帰国する勇花からいつきの父・伊庭司が戻ってきたことを告げられた。『騒乱の魔法使いたち』ではいつき達と共に高校の補修を受けて束の間の日常を満喫する。そしてその後『大魔術決闘』の賞品である『紅い種』を元に起動する魔法陣の警護をダフネと共に行っていた所を「礎」とガラに強襲されて、戦闘に突入した。『死線の魔法使いたち』では〈礎〉との戦闘の中敗北しいつき対しての人質となるか、いつきを犠牲に残る三柱の魔神と契約するかの二択を付き付けられてしまう。考えた結果何方も取らず自身をアスモダイに捧げてアスモダイと融合を行う事で窮地を脱するが、その代償として「魔法」になる一歩手前の状態になってしまった。その後不調を押していつき共に遊園地跡を訪れ、初めて「アストラル」先代社長である司と対峙。彼からオズワルドの件について触れられ、恨む権利があると言われるが自身は全く気にしておらず「魔法使が志した夢の途中で倒れるのは本望」と言い切り、その姿勢は司から賞賛されている。その後再び体調を崩し自我を保っていられなくなってしまうが、穂波の叱咤激励により何とか持ち直し彼女に連れられて最後の戦いの場に向かう。そしていつきに「一緒に魔法になって欲しい」と告白を行なう。いつきからの了承を受け、穂波の助力で儀式を行い魔神達との融合に成功し結果的に最後の戦いに終止符を打った。その後はいつきと共に「アストラル」と「ゲーティア」の提携を行うためにイギリスに渡っており9月下旬に共に帰国。会話の様子からいつきとは相思相愛の仲となったようで再会した穂波に「いつきを守る」と約束をしている。「協会」から秘蔵書を提供されており、元の人間に戻るべく研究を行なっている模様。
- 「未来の魔法使い」においてはいつきとともに日本に戻っている。「螺旋なる蛇」との対決の最終局面にいつきとともに登場する。エピローグにおいていつきとともに街中を散歩している。
- 猫屋敷 蓮(ねこやしき れん)
- 声 - 諏訪部順一[2]
- 「アストラル」専務取締役兼陰陽道課課長。灰色の髪と切れ長の目、常に平安風の羽織をまとい片手には扇子という、名前のとおり猫をこよなく愛する陰陽術師。過去の短編で学生服を着ている事と本人のセリフから20代後半の様子。4匹の猫の使い魔(式神)にはそれぞれ青龍、白虎、朱雀、玄武と名づけている。話を誤魔化す際に猫への賛美を口走り、ライター業を務めつつも締め切り破りの常習で担当から逃げ回るなど、普段の所作はダメ大人じみたもの。実力は<アストラル>No.1[9]。あらゆる業界に顔が利き、情報収集に長けている。魔法使いと思えないほど所帯じみており、口調もどこか惚けていて「昼行灯」とも言われるが確かな実力の持ち主。
- 「アストラル」先代社長時代に在籍した社員の中では事務所に残っている唯一の社員であり、事実上のアストラルNo.2(他は離籍、あるいは事務所を離れて行動している)「アストラル」では副業として猫又陰陽術師の名で雑誌にエッセイを書いており、現在の「アストラル」の収入の大半を担っている。どん底時代を支えてきただけに金銭面では特にシビア。アディリシアからは「強欲陰陽師」と呼ばれており、若干煙たがれているが窮地の際には抜群のコンビネーションを発揮することがある。
- 総合呪術である陰陽道の性質を最大限に行使する実力者。精密な呪力操作にも長けており、通常は使い魔は1体、一流の魔法使いでも操ることが出来るのは4体ほどだが、常に4体を伴い時に陰陽道の秘術でその数を増やす実力はアディリシアも驚くほど。
- 現在では考えられないが若き頃は非常に尖った性格をしていた。「アストラル」に入社する前は数々の流派を渡り歩き、生業としてフリーの拝み屋を営んでおり裏社会でその名を轟かせ、当時はその名前を聞いた者を震え上がらせていた。その当時の悪行の一つとして本来は禁術である「呪詛」を行なうなど。外法とまで言われる「呪詛」を繰り返していた目的は「協会」の「魔法使いを罰する魔法使い」を引っ張り出すことで戦闘を仕掛け、腕を磨くためである。ある時いつものように依頼を受け「呪詛」を行っていた際に「呪詛返し」を受けてしまう。その直後に「魔法使いを罰する魔法使い」である劉芳蘭と遭遇し戦闘に突入。彼女の「禁呪」により魔法を封じられ、そのスキを突かれ負傷した所を「アストラル」の柏原に助けられる。様々な紆余曲折の結果、隻蓮と柏原にスカウトされて陰陽道課臨時契約社員として「アストラル」に入社した。常に目をギラつかせ周囲からの接触を拒み、その全てを投げ出して魔法に捧げようとする苛烈な行動は周囲から「魔法使いらしすぎる魔法使い」と評されるほど。入社してからも「アストラル」の面子とは反りが合わず拒絶した態度を取っている。特に、魔術結社の首領でありながら魔法使いらしくない先代社長の司に激しく反発していた。子どものような性格を持つ司には「誂い甲斐ある」としてよく誂われており、その仕返しに呪詛を行おうかとこぼしていたほど。
- 入社から数年後「アストラル」のやり方に反発しながら契約社員として働いていた初夏のある日、司の頼みで柏原と共に幼い頃の穂波と出会い彼女の「お使い」に付いて行った際に「螺旋なる蛇」の魔法使いたちと遭遇。その内の一人である砂の幽精を操る魔法使いナジムと出会い、魔術戦闘を繰り広げる。彼と似た空気を纏っていたためか自分達の結社に勧誘されるが、司に渡された名刺に書かれた言葉の意味を悟り、逆に彼を「アストラル」に誘う。しかしその直後、「竜」によりクリスタル・タワーに転移され司達と落ち合い、辞める事を撤回しナジムと戦闘を繰り広げるが経験の差から敗れる。戦いの後(当時の猫屋敷は事件の発端となった依頼人と「螺旋なる蛇」については知らされていない)、殺された魔法使い達の墓前で「誰かを幸せに出来る魔法使い」になることを誓う。
- 「アストラル」解散後、「アストラル」を離れ他の流派に所属していたある時「葛城家」を家出したみかんと偶然出会い、後継者と期待されていた所属流派を離れて彼女を連れて籍を残していた「アストラル」へ戻った。しかし社長不在のため魔法使いとして仕事を行うことが出来ず、幼いみかんを世話しながらライター業を行って収入を得ていた。そのためいつきがやって来るまで実質開店休業状態になっており、事務所に泊まり込んで執筆業を行なっていた。かつては「アストラル」のやり方に反発していたが、現在では「アストラル」にとってなくてはならない存在になっており、京都に向かう際に穂波に「自分の帰る場所は「アストラル」」と告げるほど。猫屋敷の現在と過去を知る穂波からは「司に似ている」と評されている。ロンドンの事件では、今代の「アストラル」の社員の一員として、初めて全力を振るい4体の式神を用いて様々な魔術を模倣する「森羅万象の陣」を使用した(本人曰く「若き日の過ち」)。この時使用したのは神道の「禊ぎ」、ルーン魔術など。過去話である短編「魔法使いの出会い」では4匹の式神を利用して天使召喚なども行ない、勝利しているが未完成であったためか呪波汚染に蝕まれかけていた。
- 先代時代の猫屋敷は一人の魔法使いとして完成され、思考が最適化された戦闘向けの性格であった。しかしその性格は個人で行動するには最適であるが組織の運営や闘争には向いておらず、現在の性格は先代社長であった司やユーダイクスに指摘されていた欠点(冷静すぎる思考が故に行動が読みやすい)を矯正した物であり、取り乱した時や激昂した際には素である以前の気性の荒い性格と言動が飛び出すことがある。
- 京都の「協会」規定AAランク陰陽道結社「八葉」当主・御厨庚申の息子(妾腹)。猫屋敷は御厨庚申が行った蠱毒により呪波汚染に侵された母胎から生まれた子どもであり、呪力に高い親和性を持っている。しかし呪波汚染が原因で生まれた時には母親が死亡しており、父である御厨庚申には呪力の深奥を掴むためという理由で拷問以上ともいえる過酷極まりない修行を強制されていた。そのため当然の結果として父を憎悪し、殺害を図るも果たせずに出奔して流浪の身となる。父親である御厨庚申については、受けた仕打ちからかつては憎んでいたが現在はさほど興味を持っておらず、「あれ」と呼ぶなど他人行儀な呼び方をしている。京都の事件で対峙した際御厨庚申の一手を読んでおり、彼の目論見を打ち砕いた。その幕引きはいつきに託している。
- 「京都の事件」終結後、いつきの拘束・封印指定を解除する代価として「協会」に「魔法使いを罰する魔法使い」として出向することになる。「アストラル」時代は和装であったが、英国が本部の「協会」所属になったことで服装をスーツに変更。魔眼対策が施された伊達メガネをかけるようになっている。猫屋敷曰く、ロンドンは日本に比べて猫用のペットグッズが充実しているらしく「アストラル」の面子と再開した際に熱弁を振るった。その後も「協会」に派遣されたレンタルマギカとして「アストラル」のメンバーと共同で仕事をしたりしている。「死線の魔法使いたち」ではかつての上司と先輩である司と影崎と共にチームを組んで「螺旋なる蛇」のアジトに突入。この時12年ぶりに司と再会しているが、彼の性格が解散前と全く変化のないためかつてのように突っつけどんな態度で接している。その後天仙となった影崎を救うために先代「アストラル」の一員として、呪力の塊となった影崎に突っ込む司の援護をしている。「大魔術決闘」後は派遣契約が切れたことで日本に帰国し「アストラル」に戻っており、格好も和装に戻している。
- 青龍、白虎、朱雀、玄武
- 猫屋敷が従える4匹の使い魔(式神)。猫の姿をしており普通からもまったく猫のように振舞っている。猫屋敷の行使する術式のいくつかでは重要な役割を演じ、特に大掛かりな術式の場合は魔力制御の要として、また時には対象への攻撃の役割を担うこともある。現時点では4匹には使い魔としての性質には特別大きな違いは見られない。元は子どもに捨てられた四匹の子猫で、雨の中で死にかけていた所を少年時代の猫屋敷に拾われて式神にされた。青龍は澄ました知性派のブチ猫、白虎はいたずら好きの白猫、朱雀はわがままな気分屋の三毛猫、玄武は太っていていつも眠っている黒猫の姿をしている。玄武が太っているのは、過去に司が高級キャットフードの与えすぎたのが原因らしい。
- 青龍・白虎・朱雀・玄武の鳴き声はSE処理ではなく声優が兼ね役で担当している。ドラマCDの最初の2作までは福山潤、諏訪部順一、植田佳奈が担当し、TVアニメでは高橋美佳子(青龍 役)、植田佳奈(白虎 役)、伊藤静(朱雀 役)、釘宮理恵(玄武 役)が担当した[10]。なお、レンタルマギカ Special Gift「愛のアルバム〜for♀」の「企画その2 戦隊ヒーロー ニャレンジャー」ではTVアニメ版のキャストによる鳴き声をそれぞれ単独で順に聞くことができる。
- 「未来の魔法使い」においても強制ではなく情報収集等のため任意で協会に所属し「魔法使いを罰する魔法使い」を続けておりユーダイクスの元を訪れていた。
- 葛城 みかん(かつらぎ みかん)
- 声 - 釘宮理恵[2]
- 「アストラル」神道課契約社員。千早に色鮮やかな紅袴という巫女装束に身を包む長いツーテールの少女。「葛城家」という神道を使う魔術結社本家直系の生まれだが、あるきっかけにより「葛城家」を出て猫屋敷と出会い、彼に連れられて「アストラル」へ身を寄せることとなった。「葛城家」には現当主でありみかんの祖母である鈴香と後継者である姉の香がいる。猫屋敷とは「アストラル」のメンバーの中で一番付き合いが長い。
- 第一部時点では小学校二年生。いつきのことを「お兄ちゃん社長」、穂波やアディリシア、黒羽に対して「(名前)お姉ちゃん」と呼び慕っている。大概の相手には元気良く明るく接するが(幼き頃は置かれていた環境からか暗い性格であったらしく、現在のみかんの性格を聞いた辰巳は軽く驚いていた)、影崎にだけは激しく怯える。香よりも多く霊脈を浄化した際に彼女が自分に嫉妬めいた感情を抱いたことを察知したのか、猫屋敷の影響を受けた彼譲りの意地悪な笑い方を見せている。「アストラル」では副業として地鎮祭やお祭り、お札作りなどを行っている。私立三橋小学校に通っている。学校の成績は幼い頃から古文書を読んで育ったため、国語の成績は常に満点で穂波からは「既に大学教授クラス」と評価されており古文が苦手なアディリシアの家庭教師役を務められるが、理科と算数の成績は壊滅的である。また、神饌を作る作業を行っていたため料理が出来る。
- 「葛城家」という魔術世界有数の血脈に生まれながら、その才を受け継ぐことがなく(「葛城家」の血族としては落ちこぼれとされている。制御出来無い呪力は身体から溢れ出し、やがては呪波汚染を起こしみかん自身を滅ぼすと危惧されていた)、故に「葛城家」で自分の存在を認めてもらえない悩み、自分と違い「葛城家」を継ぐに相応しい天賦の才ある姉に対するコンプレックスを抱いていたが、「鬼の事件」を経て祖母と姉の想いを知り、姉とも互いに理解しあう。
- オルトヴィーンから「アストラル」の呪物・魔術書の管理業務を与えられ、勉強の毎日に悲鳴を上げている。最初はオルトヴィーンを嫌っていたが、後に打ち解け彼を「オル君」と呼ぶようになる。
- 第三部では4年生に進級。いつきが普通の「妖精眼」になった後は、その支援を受けて飛躍的に能力を伸ばしており振魂と雄詰などのかつてのみかん自身が行うことが出来なかった高度な術を習得した。身長が幾らか伸びたため成長に合わせて巫女装束を新調。若干複雑な作りに変化している。いつきが「アストラル」の格付けを上げるために仕事に邁進している姿に不安を抱いていた。「騒乱の魔法使いたち」では他のメンバーと離れ(いつきから戦闘行為などを厳禁されている)、姉の香と共に布留部市の霊脈の浄化をして回り、布留部市全体を舞台としたひもろぎを作りだした。
- 「未来の魔法使い」においては6年生となった。いつきの訓練により制御の力もようやく安定してきている。セリムがみかんに対して『天才』と称したことに複雑な表情を伺わせていた。「螺旋なる蛇」の襲撃に対してはセリムを守ったが捕虜となってしまう。後にいつきやラピスに助けられセリムや圭の窮地を救っている。
- 黒羽 まなみ(くろは まなみ)
- 声 - 伊藤静[2]
- 「アストラル」幽霊課契約社員。腰までのストレートな黒髪に赤い(アニメでは緑色の事もある)バレッタ、そしてくりくりとした黒い瞳を持った快活な少女。文字通りに幽霊であり、魔法使い以外には姿も見えず声も聞こえない。外見・精神年齢ともにいつき達と同年代に見えるが、自分の名前以外の生前の記憶を失っているため詳細は不明。
- 自我の認識(アイデンティティ)により、服装などを変えることができる。エプロンドレスが最近のお気に入り。ポルターガイストを念動力のように使い[11]、事務所の掃除やお茶くみなどをする一方で憧れたレンタルマギカの一員としての勉強の日々を過ごす。入社の経緯からか、いつきが社長業務からの解放を目論んだ際には唯一味方した。いつきのことは「いつき君」と呼ぶ。アニメ版では原作より性格がやや強気に描かれている。元々はとある病院にいたが、いつきが入院した時に出会い、いつきに誘われる形で「アストラル」へ入社することとなった。物怖じしない性格で無意識的に相手の懐に入ることが出来るためか、会う人間のほとんどが緊張するあるいは怯える影崎に対しても普通に接する。また勘が鋭く、「京都の事件」では影崎が先代「アストラル」に在籍していた「柏原代介」である事を見抜いた。
- みかんと同じく、オルトヴィーンから「アストラル」の呪物・魔術書の管理業務を与えられ、勉強の毎日に悲鳴を上げている。
- 第三部にて契約社員から幽霊課正社員に昇格。社員の中ではオルトヴィーンと共に最年長として他の社員のまとめ役と社長であるいつきの補佐役として活躍している。いつきが普通の「妖精眼」になった後は、その支援を受けて飛躍的に能力を伸ばしている。
- 「大魔術決闘」では連絡役として布瑠部市を飛び回り、いつきのサポートを行なっている。司が影崎を救うために「非想非非想」を行なって呪力の塊に突入した際にいつき達の援護を受けて同じく突入し自我を失いかけた影崎に呼びかけ、司が影崎を救い出す後押しをした。その後柏原の頼みで彼を連れて「竜」の下に現れ、柏原とダリウスを連れて脱出している。
- 「未来の魔法使い」においては、司、柏原とともに旅を続けている。
- オルトヴィーン・グラウツ
- 名前の綴りは「Ortwin=Grautz」。第二部から登場。「アストラル」ルーン魔術課正社員。亜麻色の髪とエメラルドグリーンの瞳を持った北欧の面影の少年でルーン魔術を扱う。年齢は14歳。常に耳あて付きの帽子・皮のコート・手袋を着用する。元は北欧の結社・ミーミルに所属していたが大兄に無理やり契約させられ「アストラル」への入社を指示された。魔法の世界では異端である「アストラル」とその首領であるいつきに対して嫌悪感をあからさまに示しており、入社前に「『アストラル』に入れと契約を交わしたが『潰してはいけない』とは言われていない」という理由から「アストラル」の首領であるいつきを殺そうとした(実際はツェツィーリエの危害が穂波達に及ぶのを防ごうとした)。性格は獰猛で目つきも口も悪く、時折ドイツ語で相手を罵る。ヴァイキングの末裔であるためか格闘術にも長けており、いつきの練習相手を務めている。魔法を絶対視し全てを投げ出そうとするという魔法使いの生き方に傾倒しているように見えるが実際には魔術の世界を忌み嫌っており、魔法を絶対視しているのはその考え方の裏返しである。
- 穂波とアディリシアにとっては「学院」時代の後輩で、その実力は2人も一目置くほど。また、会社経営に明るく「アストラル」入社後は経営状態改善に辣腕を振るい、時にやや強引とも言えるやりかたで「入札」を数多く取ってきた。
- かつて彼が所属していた結社が「人間の生贄」を求めてきたツェツィーリエの要求を拒否したことにより結社に所属していた人間を皆殺しにされ、自身だけが生き残った過去を持つ。以降は弟子として彼女に振り回された挙句、「飽きたから」という身勝手な理由で捨てられたが解放されても生きる場所が他に無かったため結局は「ミーミル」に戻った。しかし悪行名高いツェツィーリエの「弟子」という理由から気味悪がられて「学院」に「留学」という形で外に出されており実質的に放逐されている。「学院」でも魔法に傾倒する同級生達の空気に耐え切れず、一人で行動する事が多かったらしい。そんなある時普段から喧嘩しあっていた穂波とアディリシアを見かける。その姿が自分が知る「魔法使い」との姿からかけ離れているのを観て、どこか救われた気持ちとなり日本語はその時に興味を持ち習得している。そのため穂波とアディリシアは特別に尊敬しており、敬語で話している。その身体にはツェツィーリエによって他の人間がその身に刻んで馴染んだルーンを無理矢理皮膚移植されている。その結果、身体に移植された『神力』のルーンを開放することで『人狼(ヴリコラカス)』の姿に変化することが可能。皮膚移植されたルーンに侵食されないように、魔術的処理を施した厚手の帽子やコートを常に身に付けている。師匠のツェツィーリエと同じく呪力を吸収出来る体質であり、ルーンに『喰われない』ように定期的に呪力を吸収している(血液でも代用出来るらしい)そのような身体の成り立ちから『異端』を打擲する「銀の騎士団」の魔術とは相性が悪い。また、『呼吸』によっても空気中の呪力を吸収しており、「アストラル」の事務所はその吸収効率が高いらしく、季節によっては妙に肌艶が良い彼の姿を見ることができる。
- 「吸血鬼事件」を経て、「アストラル」と社長であるいつきのことを認めるようになる。経営状態改善への力の入れ具合はより一層強まり、社内で最も新人にもかかわらず社員教育(先輩であるみかんとまなみへの監督)だけでなく社員査定にも手を出し始めた。機械音痴である穂波とは違いノートパソコンを駆使している。
- 第三部では出向した穂波や猫屋敷に代わっていつきの片腕として活躍している。猫屋敷が「協会」へ出向してしまって以降、猫屋敷の副業であった雑誌の記事の仕事を引き継いでゴーストライターをしている。締め切りを破るのが当たり前の猫屋敷と違って締め切りを遵守するため、出版社からは重宝がられている。また、いつきの通う学校に彼も入学。本人はさほど興味が無かったようだがいつきの勧めもあり不本意ながら入学した模様。特殊な魔術的処理をした制服と「宗教的理由」を言い訳に手袋をして登校している。いつきへの忠誠心の高さからヘイゼル・アンブラーから『過保護』と揶揄されている。
- 猫屋敷や穂波が抜けた「アストラル」でまなみと共に社員のまとめ役を担う傍ら、社長であるいつきの補佐を行なっている。「螺旋なる蛇」が掲げる思想については共感は出来るらしいが、「アストラル」の社員としていつきの指示に従っている。「大魔術決闘」ではいつきの護衛役として様々な場所で魔法使い達と戦っており、彼の窮地を幾度となく救っている。ツェツィーリエが穂波と戦っている最中乱入し彼女に止めの一撃を放ち、長きに渡る因縁に終止符を打った。
- 「未来の魔法使い」においては人事部門を統括している。花粉症を患わっているほか、本人のいないところでセリムを心配しており、穂波にからかわれている。異変を感じアストラルを出ようとするが「螺旋なる蛇」の封印により閉じ込められる。戦闘終結後はセリムの護衛を依頼した石動圭への発注費の激しい交渉戦を行なっている。
- ラピス
- 声 - 名塚佳織
- 真っ赤な長い髪に東欧系の顔立ち、真っ白な肌と碧眼を持った少女。外見は12歳程度(実際年齢は6歳)で、感情はどこか乏しいように見える。ユーダイクスのことを「あにさま」と呼び付き従う。最初の出会いと経緯からいつきのことを強く慕っていて、時折独占欲なような物を見せ抱きつくことがある。好物は最初の出会いでいつきから貰った竹筒入りの水羊羹。私物がほとんどない彼女の部屋には空になった羊羹の竹筒と彼から貰った名刺が大切に置かれている。
- ユーダイクスに造られた疑似人間(ホムンクルス)で使い魔。見た者の視力を奪う邪視を持つ。普段の言動からは感情はどこか乏しいように見えるが、表面に表さないだけで人を想う親愛の情などの感情や絆を感じる精神は持っている。ロンドンで発生した「螺旋なる蛇(オピオン)」による襲撃事件でユーダイクスと共に物語へ再び登場する。(外見)年齢が近いせいかみかんと何かと張りあうことが多い。
- 第二部終盤に猫屋敷、穂波の後押しによりアストラルに補充要員として入社。第三部では正社員として働いており、役職は錬金課社員。みかん、黒羽と同じくいつきの「妖精眼」の支援を受けて飛躍的に能力を伸ばしている。入社してからは自身の仕事をしながらかつての穂波のように社員たちの動向に気を配っている模様。最近はテレビドラマも視聴しているらしく、さまざまな言葉を使用しいつきを困惑させることがある。「騒乱の魔法使いたち」では竜蓮寺にある霊脈の中に隠していた「紅い種」を取り出していたが、来訪した司によって持ち去られてしまった。その後はいつきの指示で事務所で呪物のチェックを行なっていたがフィンの手によって竜の「アストラル」が「第三団」に作り変えられたことを察知し、いつきを飛行船まで運ぶために圭に呼ばれて遊園地跡に駆けつけている。「未来の魔法使い」においては呪波汚染への対処を行なっていたが「螺旋なる蛇」の襲撃の情報をみかんとセリムに伝えつつ、みかんをその場に任せセリムを逃す。その後みかんを助けるために単独で「螺旋なる蛇」に挑む。騒動の終結後、セリムに対しみかんと自分どちらの下に付くか迫っている。
- 隻蓮(せきれん)
- 声 - 小西克幸
- 「アストラル」真言密教課契約社員。常に虚無僧の格好をしており、10代にして密教を修めている(本人によると17の時であるらしい)。また武術の天才で体中に武具を隠し持っており、「印」や「真言」を巧みに操り、単純な威力であれば穂波や猫屋敷を凌ぐ。戦い方を見たまなみからは「機動力と攻撃力に特化している」と評されている。考え方は至って古く、武士のような喋り方をし謝罪の際には切腹をしようとする。
- 布留部市にある竜蓮寺の住職であるが、現在は「アストラル」事務所には常駐せず世界中を放浪しつつ時折戻ってきては仕事をするという形で行動している。甘い物が好物で12年前の先代「アストラル」在籍時には事務所近辺や電車で動ける範囲のケーキ屋や喫茶店に出掛けては、食べ歩きをしてグルメマップを作るほど。自分が気に入ったメニューを自作してレシピを自分で再現出来るほどの料理の腕前を持っていて、先代「アストラル」の食事関係を担っていた。その腕前は衰えておらず、「アストラル」で行ったクリスマスパーティーでは料理とケーキを作っている。アディリシア曰く『破戒僧』。
- いつきの眼帯の製作に関わった3人のうちの1人。竜の事件の後、いつきに頼まれ武術の指南役となり指導したが、再び「アストラル」を離れて行動。「協会」の依頼によりイタリアへ向かった。ヴェネツィアでフィンと遭遇し魔術戦闘を繰り広げた。「ゲーティア」の徒弟・ダフネとは共に行動した縁からかいつき経由で手紙を送ったりしている。また、生前のオズワルドとも親交があり彼の言葉をダフネに伝えた。「京都の事件」の後にいつきの下を訪れ、未完成であった五行拳の基礎の修行を行う。修行の完成後いつきを連れて香港に渡り、隠遁生活をしていたヘイゼル・アンブラーにいつきを預け自身は再び修行の旅に出る。第三部ではイギリスに向かいダフネと共に「銀の騎士団」の動向を調べていつきに伝えた。『魔法使いの思い出』での舞台であるロンドンでダフネに彼女の父・オズワルドの顛末を語った後にホテルにいた先代社長伊庭司と会話した内容から司の側に付く模様。「騒乱の魔法使いたち」では司と共に対峙し、いつきと拳を合わせ乱入してきた辰巳と戦闘を繰り広げる。柏原救出後飛行船に向かおうとするいつきの前に現れ、一連の行動を謝罪。共に飛行船に向かい、退路を確保するためにいつき達を先に行かせた。その際にダフネから交信を受け、彼女の言葉で奮起している。「大魔術決闘」後は「ゲーティア」のイギリス本部に間借りをして滞在しているらしい。2年後の「未来の魔法使い」においては竜蓮寺に滞在し、セリムの妖精眼のや襲撃への対策をしつつ、ダフネと将棋を指していた。
- ヘイゼル・アンブラー
- 「アストラル」創業者の一人であり、ヨーロッパ周遊中の取締役兼呪物課課長。ルーン魔術や魔女術を極め「魔女の中の魔女」と呼ばれた女性であり、穂波・高瀬・アンブラーの祖母。穂波の話では実年齢は90歳以上とのことであるが、その声は老齢のものとは思えないほど若々しく30代にしか聞こえず喋り方にも艶がある。
- いつきの眼帯の製作に関わった3人のうちの1人。第三部では隠遁生活をしていたがある事を理由にいつきを弟子にして妖精眼の能力を取り戻す訓練を施す。いつきからは『先生』と呼ばれる。本人は姿を現さずロシアンブルーの毛皮を持つ作り物の羽根を付いた猫の使い魔の姿を通して「アストラル」のメンバーに助言を行う。猫の姿をしているが、霊体は三十代の女性のもの(作中の会話から妖精眼を持ついつきや影崎といった上位の魔法使いにしか視認出来ない模様)。『白の魔法使い』のエピローグでは「アストラル」の面々の前に姿を見せていなかったが、ロンドンで息子であるダリウスと再会。親子にも関わらず、よそよそしい態度で短い会話を行いそのまま別れた。『魔法使いの思い出』で姿を現しており、司の下に姿を現している。『騒乱の魔法使いたち』では布留部市に紅い種を使用することが出来る大規模術式を施した魔法円を『アストラル』に送った。みかんからの命名で素性を知らない人物たちからは「猫先生」と呼ばれている(呼ぶ相手は命名したみかん本人くらいらしい)。ダリウス達に身柄を確保された司と共にこっそりと「協会」の本部に潜入しており、影崎との会話から既に人間を辞めている旨の発言をしている。今回の件ではほとんど手を出しておらず、いつき達若い世代に顛末を託している。「大魔術決闘」後「アストラル」の事務所に現れており、「協会」の監視が緩くなったのと「隠居に飽きた」という理由で事務所で暮らす模様。その際に猫屋敷は複雑そうな顔をしており、ヘイゼル自身はニヤついていた事から先代時代に何やらあった模様。再会した穂波に「幽霊屋敷」の事件で命を失いかけた穂波自身を助けるために、今の姿になったと推測されているが本人ははぐらかしている。しかし、その後の態度から概ね当たっていると思われる。「未来の魔法使い」においても登場、ロンドンのユーダイクスの工房を訪れており、セリムの妖精眼を制御するためのメガネをユーダイクスとともに作成している。
- セリム・レフティ
- 「アストラル」カバラ魔術課新入社員。原作最終巻の「未来の魔法使い」より登場。真面目でメガネをしている。一般的な西洋魔法使いと同様の価値観をもっている。実は「大魔術決闘」での惑星魔術の数十秒の奇跡により「妖精眼(グラムサイト)」の能力を得たため元の結社からアストラルに送られた経緯がある。さらにその「妖精眼」は偶然により過去のいつきと同じく赤い種が宿っている。アストラルの考えに戸惑うものの、「螺旋なる蛇(オピオン)」の残党と戦う際の圭の言葉により整理をつけ、アストラルに居続けることを決める。当初は「アストラル」の面子に対して距離を取っており「僕」という一人称を使っていたが本来は「俺」である。
アストラル関係者
以下は以前は所属していた、あるいは所属の有無が定かではない人物。
- 伊庭 司(いば つかさ)
- 「アストラル」創業者で初代社長。最後の妖精博士であり、一部の人間から「魔法を使わない魔法使い」と呼ばれている。人好きで自由奔放かつ軽薄な性格で、隻蓮からは「見た目は礼儀正しい」と言われるなどしているが責任感が非情に強くその性格の一端は息子であるいつきにも受け継がれている。新入社員だった猫屋敷をからかうためにその当時大変高価であったパソコンをアストラルに導入し、ホームページを開設しようとするほど。普段は仕事をせずスーパーファミコンやゲームボーイ、パズル雑誌などの一人遊びを熱心に行ったり、線路模型を会社に広げて遊んでいた。「道化師と騎士が混在しているな性格」と評されるように常に忙しく立ち回っている。先代「アストラル」が発足から十年足らずでBBBランクにまで登り詰めたのは「アストラル」に所属する魔法使いたちの優秀さと司自身の水際だった手腕による部分が大きい。その能力の優秀さは「協会」が把握出来無い問題を掴み、「アストラル」の仕事とし表面的な解決だけでなく根本にある問題を撃滅・駆逐するからであるらしい。大変羽振りが良いそうで、時には億単位で金を使用する。20年以上前にプラハの錬金術通りで部品が失われて朽ちかけていたユーダイクスを見つけ、明らかにふっかけられた高額な代金にもかかわらず喜んで購入。その後、3年以上の時間をかけて世界中に散逸した彼の部品を自らの手で集め、設計図を手に入れて完全に修復。いつきの父で7年前に行方不明になったままである。長らく登場していなかったが第三部にて登場。現在はある南アジアの山脈で、時が止まったかのように眠りについている。
- 魔法使いの家系でない普通の人間であるために魔法を一切使うことが出来ない。代わりに、魔術ひとつひとつの効用や術式をパターン化し、組み立てた対魔法用理論を用いて味方に鋭い迎撃指示を出すことができる。精度は「妖精眼」に匹敵するほどであり、異名「妖精博士」の所以でもある。指示をする時は眼鏡を外す。掛け声は、妖精眼が開いたいつきと同じ「社長命令だ」。その精度は対峙した魔法使いが「妖精眼」と勘違いするほどであるが、影崎によると当てずっぽうで8割方勘であるらしい。
- 12年前に布留部市にて「螺旋なる蛇(オピオン)」と「竜」を巡って戦うことになり、それがきっかけで今の場所に事務所を移転した。普通の魔法使いなら思いつかない彼らの目的を看破し、その魔法使いらしからぬ思想は「螺旋なる蛇」からも恐れられるほど。12年前の戦いの顛末について「いつか今日の夜のことを後悔するかもしれない」とこぼした。
- いつきを遥かに超える五行拳の使い手でもある。しかし、本人曰く「一発芸」。いつきの戦闘スタイルは彼に酷似している。身体能力は普通の人間と変わらず、霊視能力も霊体の黒羽が見える程度であるがその部分を技術で補っており、その技術はオルトヴィーンの攻撃や黒羽のポルターガイストを躱してしまうほど。
- 『白の魔法使い』の最後で隻蓮に発見され、約二ヵ月後経過した『魔法使いの思い出』の舞台である倫敦で9年ぶりに目覚めた。現在は長い間眠っていた身体の運動機能を取り戻すためにリハビリ中。その性格は眠りに付く前と変わらない様子を見せ、何らかの思惑を抱きつつ『舞台に上がる』ことを宣言する。『協会』の副代表であるダリウス・レヴィとは旧知の間柄であるらしい(業務日誌より)
- 『騒乱の魔法使いたち』では『大魔術決闘』中の布留部市に来訪し、竜蓮寺で『紅い種』を回収しようとしていたオルトヴィーン達の元を訪れ手練の魔法使いであるはずの『アストラル』社員達を翻弄。そのまま『紅い種』を持ち去ろうとするが、やってきたいつきと再会。いつきのどのような状況においても冷静であろうとする思考を賞賛し、彼の目論見と人間性を見抜き『人に自分の考えを無理強いすることができない人間』と述べて動揺している隙に隻蓮に任せて去った。その後ダリウスに『紅い種』と一緒に『協会』に捕縛された。冷静ぶっていたが10年でのいつきの豹変ぶりに驚いたようで、ニグレドの前で息子が成長していたことについて動揺していた。いつきとは違う方法で「魔法使いが幸せになる」方法を考えている。「紅い種」を使用することで、ニグレドやタブラ・ラサに続く「アストラル」に第3の霊的象徴を作り、「アストラル」を新たな監視機構に据えるのが目的で会った。「死線の魔法使いたち」では「アストラル」を解散し消息を絶っていた理由が明かされた。司が消息を絶っていた理由は「幽霊屋敷」で起きた出来事で命を失いかけたいつきと穂波を助けるために自分の全てを投げ打った柏原を救うため。そのために自身の夢であった「アストラル」を設立し「魔法使いがまっとうに幸せになってもいい」という夢と第三団を作り「アストラル」を第三の監視機構にする未来を諦めている。ヘイゼルから教わった「非想非非想」を修得するためと、ダリウスが影崎(柏原)と結んだ最後の契約を使用するタイミングを待つ必要があったためであった。自分が目覚めなかった保険として自身の『源書』に第三団の作り方を記している。
- 司自身は非常に才能に溢れた人間で大抵の事柄をそつなくこなす、いわゆる「天才」に当たる人間であるが、逆にそのことに虚しさを感じていた。故に人生に対して熱くなれない一面があったらしいが、ある時「魔女の中の魔女」と呼称されていたヘイゼルと彼女を追っていた影崎と出会い、「魔法」の存在を知る。その存在は衝撃的だったらしく「人型の嵐」と呼称している。何とかして自分も魔法を使おうと調べ尽くしたが、魔法使いの血筋でない自分では魔術を使用出来ないという事実だけが残った。しかし、それでも「自分には出来ない事がある」という結果が自身の人生に情熱を与え、魔法に対して憧れを持つようになり魔法使いの為に何かをしたいと「アストラル」という結社を作るに至っている。一般の魔法使いよりも魔法に精通していたためにヘイゼルから教わった「非想非非想」を実行して影崎(柏原)を救うことを決意させてしまった。先代社員達やいつき達の援護を受けながら「非想非非想」の状態で呪力の塊である巨人に突入。同じく羽化登仙で呪力の塊となったサタジットの妨害を受けるが持っていた「紅い種」を使用して自身の霊体に刻んでいたあらゆる術式を発動させ、消えかけている影崎を救おうとする。しかし後少しで阻まれてしまい、最終的に突入してきたまなみの声を受けてヘイゼルから託された術式によって影崎の存在を救い出し、柏原として助けだしている。その代償は凄まじく半病人状態となっているが、相変わらず軽口を叩いている。本人によると「アストラル」を解散し失踪してから最初の三年間は自身の霊体にあらゆる術式を刻んで回り、残りの9年は霊体の回復と「非想非非想」を体得するために費やしていたらしい。その後布瑠部市に散らばる魔法使いに指示を行い、飛行船に向かったいつきを援護している。「大魔術決闘」終了後はいつきと会話を行い彼に「アストラル」を託し、再び行方を眩ませているがまなみによると自らの霊体の修復と未だ不調の柏原と共に霊地を巡る旅に出ている。「未来の魔法使い」においても旅を続けており、旅の先でディアナと出会う。
- ユーダイクス・トロイデ
- 声 - 安元洋貴
- 「アストラル」創業者の一人で元取締役。赤髪で彫りの深い顔立ち。2メートル近い巨体に純白のインバネスをまとった錬金術師。いつきの父・司が「アストラル」を設立する際に共に参加したが、司が失踪後は最初に脱退した。「アストラル」の経営権の2割を保有していた。司への忠誠心から『世界最高の猟犬』と揶揄され、彼の下した命令なら躊躇なく実行すると言われるほど。
- 人間ではなく、伊庭司に拾われた機械人形(オートマタ)。司が失踪した後は「アストラル」を抜けて司の跡を追おうと研究を進める。錬金術師の事件では、いつきから「アストラル」を取り戻すために「アストラル」の現メンバーと魔術決闘をする。三回の決闘の中でいつきと現在の「アストラル」の在り方を認めたのか敗北を認めた。その後、ラピスと共にエジプトへ向かった。彼の保有する2割の経営権は後にアディリシアに引き継がれることになる。「アストラル」が「協会」の審査を受けるために向かった先、ロンドンで発生した「螺旋なる蛇(オピオン)」による襲撃事件で物語へ再び登場。いつきの眼帯の材料を手にいれるために「螺旋なる蛇」の魔法使いと魔術決闘を行うが敗北。その際に自分自身の身体を勝利の品として賭けていたために身体を奪われてしまうが、ラピスの機転で辛うじて首だけが残った。奪われた身体は「螺旋なる蛇」の「礎」によって利用されてしまう。いつきたちとの戦いの後、何かが変わったようで『作品』であるラピスのことを気にかけたり、いつきから隻蓮の名を聞いて溜息をつくなどといった人間らしい感情を見せるようになった。
- いつきの眼帯の製作に関わった3人のうちの1人。幼い頃の穂波にいつきがいずれ穢れた「妖精眼」により喰われると予言し、ある意味で彼女が「一番の魔法使い」になるというキッカケを作った人物とも言える。「襲撃事件」後に「協会」から拘留される。いつきたちに12年前の先代「アストラル」と「螺旋なる蛇」の戦いの顛末を話した。第三部では「協会」の監視下にあるが自分の工房に篭っており、いつきの妖精眼を抑制するコンタクトレンズを作成する。『白の魔法使い』では「協会」の会議に出席するためにGWを利用して渡英してきたいつきと再会。いつきに対して「血が繋がっていなくても司の息子」だとも取れる発言をしている。大英博物館に集結した「協会」と「螺旋なる蛇」が互いの切り札を出し膠着状態に陥っている最中にアディリシアに連れられて登場。両者の切り札を無効化する術式を発動し、戦闘を一旦収拾させた。『騒乱の魔法使いたち』ではいつきの動向を監視していた穂波と猫屋敷と接触。二人を連れてかつていつきの妖精眼が「紅い種」を写しとった「幽霊屋敷」に案内し、自分が司の陣営に加わることと12年前の事件の顛末を語る。その際に穂波からラピスのことを尋ねられた時は既にラピスが自分の所有物でなく、一個の独立した存在であると告げてそのまま去った。「死線の魔法使いたち」では司のことを「主人」と呼んだ。
- 「大魔術決闘」では先代「アストラル」の社員たちと共に司の援護を行なっている。その後司の指示でかつて「アストラル」事務所を半壊させた「トートの槍」を発動させ、光の道を作り出し速射砲の如くいつき達を飛行船まで送り届けた。「大魔術決闘」終了後は旅に出た司の後を追って行った模様。
- 「未来の魔法使い」においてはロンドンの工房に滞在しており、猫屋敷の訪問を受けもてなしている。その際司の動向を訪ねていたため司の動向は把握していない模様。
- 柏原 代介(かしわら だいすけ)
- 「アストラル」創業時に初代社長である司に誘われて「アストラル」へ参加した。どこかオドオドとした口調で喋るお人好しそうな表情の男だが、時折全ての感情を消した無感情ともいえる表情を見せることがある。着古したダークスーツを着用した魔法使い。道術を使う。当時の「アストラル」にいた理由は「司の傍なら魔法使いでいることが面白いかもしれない」から。その後本編開始前の10年前に「幽霊屋敷」の事件が起こり、命を失いかけていたいつきと穂波を救けるために「天仙」となる「羽化登仙」を行い二人を救うことに成功するがその代償として世界に溶け込んでしまう。その後ダリウス・レヴィの手によって「契約」の力で無理矢理地上に縛り付けられて彼の部下として働くことになった。変わり果てた影崎としての姿が司に救うことへの後押しとなった模様。その後の経緯は影崎の項を参照。
- 「最後の魔法使いたち」ではダリウスが執行した最後の契約によって天仙となり、巨大な呪力の塊となり同じく羽化登仙をしたサタジットとぶつかり合う。しかし、「非想非非想」を体得した司が呪力の塊となった自分の中に入り込んできてしまう。司が「紅い種」に刻まれたあらゆる術式を行使するが、ほとんど成果がなくこのまま終わりかと思いきやいつき達の援護を受けたまなみの声によって覚醒。ヘイゼルが用意していた「世界に溶け込んだ個性を検索し収集し再構築する」術式を司によって打ち込まれ、呪力の大半を失ってしまっているが復活を遂げた。そして「柏原」として復活を果たし、12年振りに司と会話を行った。その際にかつて被っていたソフト帽を再び被っている。その後まなみに連れられて最後の戦いの場に赴き、ダリウスに「退職金」代わりとして「大魔術決闘」における「協会」の権利を「アストラル」に譲渡するように提案した。「大魔術決闘」決闘後は司の霊体修復と自身の不調の回復を行うために霊地を巡る旅に出たようで話をしたまなみによると1 - 2年で戻るらしい。「未来の魔法使い」において司、まなみと同じく旅を続けている。その時の呼び名は再び「影崎」に戻っている。
- 正体は「協会」所属の「魔法使いを罰する魔法使い」である影崎。
魔術結社ゲーティア
以下は魔術結社「ゲーティア」へ所属もしくは関係する人物。
- アディリシア・レン・メイザース
- 魔術結社「ゲーティア」首領で「アストラル」の大株主でもある。詳細はアディリシア・レン・メイザースの項を参照。
- ダフネ
- 声 - 甲斐田裕子
- 「ゲーティア」の徒弟で、「ソロモン王の大きな鍵」の使い手。アディリシアの日本宅管理を請け負ったアディリシア付きのメイド長(本人は家令と呼ぶよう強く主張している)。後に「ゲーティア」副首領となる。ワンレングスの白髪と灰色の切れ長な眼を持つ女性で、常にダークスーツに身を包む。当初はいつきのことを他結社であり魔法界の異端である「アストラル」の首領である事と魔法使いらしくないその性格から訝しみ冷淡な態度を取っていた。しかし、隻蓮との邂逅やアディリシアがいつきの影響を受けて人間として成長していく姿を目の当たりにし考えを改め、その人間性を認めるようになり「アストラル」との提携も進んで行なうようになった。大型二輪免許を持っているらしく、「吸血鬼VS魔法使い」では大型バイクを駆り出している。
- 護符と指輪のデザインはダフネ自身によるもの。初めて作る際、1週間以上もの間そのデザインだけで悩んでしまったらしく、本人的には一生隠しておきたい秘密だという。
- 髪の色や目の色に対してコンプレックスを抱いていたが隻蓮にその色が綺麗と言われてから、彼に対しては特別な感情を抱いている様子で普段は冷静沈着な彼女であるが、彼からの手紙は嬉しそうに受け取る。現在でも隻連との文通を継続中。最近はなんとかメールを覚えてもらえないかと悩んでいるそうである。第三部では立場上以前のようにいつきと会うことが出来ず強がる妹を支えることが出来ない自分自身の立場に嘆いた所へ隻蓮が訪れ、いつきに「銀の騎士団」の動向を伝えた。
- 「ゲーティア」首領であるアディリシアが主に使う魔法はソロモン72柱の魔神を喚起する魔法だが、ダフネはソロモン王の護符による護符魔術を使う。
- 実はオズワルドの娘(妾の子)であり、アディリシアの姉に当たる。メイザース家の屋敷における幼い頃のアディリシアとの出会いとアディリシアの言葉によって、妹であるアディリシアの影となり見守り尽くすことを誓う。元はアディリシアと同じ髪と眼の色をしていたが、妹と似すぎていたため魔神との契約の際には鮮やかな髪と眼の色を代償とし、そのために白髪・灰色の眼となった。「魔法使いの思い出」ではロンドンで隻蓮から父・オズワルドの過去を聞かされた。「騒乱の魔法使いたち」では因縁の相手であるガラと相見え、これまでの決着を付けるべく戦闘に突入した。その戦闘中にガラによって自分がアディリシアの異母姉であることを暴露されてしまう。その後アスモダイと融合したアディリシアによって魔神を吸収されそのまま消滅していくガラの姿を見送った。隻蓮がいつき達の退路を確保するために残った際に、渡していた指輪で会話を行い隻蓮から敵対した事について謝罪を受けているが自分の気持ちが変わらない事を伝えた。
- 「未来の魔法使い」では龍蓮寺で隻蓮と将棋を指しており、セリムと邂逅をしている。
- オズワルド・レン・メイザース
- 声 - 中村秀利
- アディリシアの父で「ゲーティア」先代首領。ソロモン王その人を除きソロモンの魔神72柱を全て喚起する事に成功した唯一の天才魔法使いで、ソロモン王の再臨とまで謳われた。しかし、限界を感じ自らと研究員の生命を生贄として魔法となろうとするが(ガラに唆され妨害を受け)失敗する。
- 禁忌を犯した父を追い日本へやってきた娘・アディリシアといつきたち「アストラル」により葬られる。漫画(レンタルマギカ from SOLOMON)では亡くした妻の願いを想い、娘の成長を願う優しい父親の姿が描かれた。妻であるエレオノーラ曰く「疑り深い性格なのに一度気を許すと甘くなる」らしく、ある夏の日に隻蓮と出会った際には違う立場故なのか彼とウマが合い友人となった。「ゲーティア」の首領であるが魔法使いにありがちな魔法に対して全てを捧げるという姿勢が見られず、娘に魔法使いの業を継がせることに疑問を抱いていた。かつての恋人を魔神の生贄にした過去を持つことから、結婚したエレオノーラを愛さないと決めていたが日々の暮らしの中で彼女を愛するようになって行き、その心を魔神に気付かれてしまい結果的にかつての恋人の時と同じく妻を失ってしまう。その後は「典型的な魔法使い」としての思考を取るようになった。
- 12年前に初夏の日本にアディリシアを連れて訪れる。司とは「アストラル」結成当時に後見人になったらしく顔見知りで、その縁から当時の「アストラル」に「ゲーティア」の布留部市に続く霊脈を汚した者の正体を突き止めるように依頼し、自身も調査を行って霊脈を汚した者の正体を突き止めるべく独自に行動する。「螺旋なる蛇」の魔法使いであるドゥマとの戦闘中の柏原と遭遇し、儀式の成果と「竜」を奪おうとするが、彼の手で霊脈の端まで飛ばされる。
- 「アストラル」と「螺旋なる蛇」の戦闘終了後に姿を現わし、「アストラル」との取引を終えた「螺旋なる蛇」の魔法使いたちを不意打ちに近い形でバールで葬り去る。その際に激昂した司と一触即発の雰囲気になるが、彼らが作り出した「紅い種」を強奪しそのまま去る(司の指示で気絶していた隻蓮と猫屋敷にはこの事実は伏せられた)。
- 彼らが作りあげた「紅い種」はそのままオズワルドにより研究され、「赤い種」を利用した儀式は11年後に悲劇を招くことになった。
- クライヴ・ローランド
- 声 - 櫛田泰道
- 鷲鼻に痩せこた頬、陰気な雰囲気の隻腕の白人。「ゲーティア」の徒弟だが、先代首領のオズワルドに破門された。
- 師であるオズワルドを欺いて単独で魔神アスモダイの喚起に挑み、その結果として片腕を失うと共に「ゲーティア」から破門された。その後も魔法の探求は潰えず、アディリシアがアスモダイの喚起に挑んだ際には儀式を妨害し、ソロモンの壷を奪うことに成功した。ダフネとガラとは、同時期に「ゲーティア」の徒弟となった間柄。独自の召喚技術を身に付け、アスモダイを召喚することに成功する。が、命令方法がソロモンの魔法であったため支配出来ることが出来ず、喉を切り裂かれてしまう。その後、アディリシアがいつきの助力を受けて自身が行った儀式をその場でアレンジしてアスモダイを従えている。事態解決後余りの才能の違いに絶望したのとアディリシアの恫喝を受けてその場を逃げ出しているが、逃げ延びた先でガラに殺された模様。
- ガラ
- 声 - 藤原啓治
- 肩まで伸びたくせの強い赤髪をもつラテン系の青年。「ゲーティア」の徒弟で書記官。魔法使いとしては一流で、普通は数人がかりで行う魔神との契約を単独で行う実力者。
- 「螺旋なる蛇(オピオン)」と関わりを持ち、「ゲーティア」を裏切った。かつてオズワルドをそそのかした張本人。なんらかの理由により「アストラル」や「ゲーティア」へ度々干渉している。
- 禁忌に手を染めた結果、72柱の魔神の1柱であるハウレスを「喰らう」ことにより融合し、その力を得ている。融合の影響で口が耳まで裂けており、それを隠すために常にマスクをしている。『騒乱の魔法使いたち』では既に人であることを捨てて「礎」の使い魔になっていたことが判明。ハウレスと融合してから「大魔術決闘」までの2年間の間は自身の力を制御する訓練に費やしていた模様。『ゲーティア』工房を強襲し、『大魔術決闘』の賞品である魔法陣を接収しようとする。戦闘の最中アディリシアに対して人質になるか魔神に対価を払って契約するかのどちらかを選ばせようとする。しかし、アディリシアはどちらも選ばず自身と同じように魔神と融合するという選択を取ったことで初めて狼狽を見せる。阻止しようとするがアスモダイと融合したアディリシアに食らったハウレスを吸収され、ダフネとクライヴの名前を叫びながらそのまま消滅してしまった。
- エレオノーラ・レン・メイザース
- アディリシアの母。物語開始時には既に故人であり、過去のエピソードにのみ登場する。美しい金色に縦ロールの髪、その潔い性格は娘のアディリシアにも受け継がれた。アディリシアが聞いた話によると、身体が弱かったためにアディリシアを産んですぐに亡くなったと言われている。隻蓮とも面識がある。
- 彼女が亡くなった真相はオズワルドがアスタロスとバイモンと契約を行う際に生贄となったため。オズワルドはかつてアスモダイとバールと契約した際にも代償として恋人(ダフネの母)を失っていた。その後政略結婚に近い形で(年齢が親子ほど離れていたと言われる)エレオノーラと結婚し、子供を儲けている。エレオノーラはオズワルドを愛しており、オズワルドもまた彼女と日々を過ごす中で妻を愛するようになっていった。警戒心が強い一面を持ち当初は風来坊の隻蓮を警戒し無愛想な態度を取る。勘が鋭くオズワルドがひた隠しにしていたダフネの存在も察知しており、エレオノーラ本人はダフネをいっその事引き取ってもいいと考えていた模様。その潔さを見た隻蓮は彼女を「本物の貴族」と賞賛した。オズワルドがアスタロスとバイモンを喚起した時魔神は代償として彼が愛する者を求め、オズワルドはかつての過ちを繰り返さないために喚起を中断したものの、半端な状態で召喚された魔神は暴走を始めてしまう。術者である自分が死ぬことでそれを止めようとしたオズワルドだったが、エレオノーラはそれを庇い自ら魔神の生贄となり、死に際にオズワルドに死んでいく姿を見せることを嫌いシャックスを呼び出し自分の身体を燃やすように指示してそのまま亡くなった。結果かつての恋人と同様に妻を失ってしまったオズワルドが更に苦悩を増し、禁忌の道に走ってしまうことになった。
協会
- 影崎(かげざき)
- 声 - 小野大輔[2]
- 「協会」における「アストラル」担当者。中肉中背であまりにも普通すぎる顔で、20代から40代までどれにも見える外見の持ち主。普通すぎて逆に存在を感じない謎の人物。特徴的な物といえば良く吸っている細葉巻(シガリロ)位である(吸ってい細葉巻は失踪する前の司が吸っていた物と同じ銘柄)。禁忌を犯した魔法使いを裁く「協会」の「魔法使いを罰する魔法使い」である。いつきの右目をもってしても呪力を感知できず魔術系統も知れぬ謎の魔法使いで、穂波やアディリシアであっても敵対する場合には恐怖を感じ、みかんに至っては対面するだけで怯えてしまう存在である。しかし、物怖じすることなく接してくるまなみにだけは、戸惑うような反応を見せたり表情を和らげることもある。
- ロンドンで発生した「螺旋なる蛇(オピオン)」による「襲撃事件」の際には魔法使いの常識を超越した強大な力を見せた。その力は凄まじく「『天才』という言葉の数光年先を行って、津波や台風などの天災を人間ひとりの手でねじ伏せたようなもの」と評される。能力の詳細はいまだ明らかではないが高度な道術を使う仙人級の実力を持ち現段階では「人」としての姿の状態では最高ランクである「地仙」の位階にあるとされている。だが影崎は「天仙」に限りなく近い位階にあり、自然と同化し消滅するところを魔術的な契約で縛り付けている状態にある。そのため大きな力を使うほど影崎の存在は薄れていき、いずれ人間としては消滅してしまう運命にある。
- 猫屋敷が1対1の魔術戦闘で敗戦したことのある唯一の相手。副代表であるダリウス・レヴィと何らかの「契約」を交わしているらしく、彼が許可することで超絶的な力を振るう(ヘイゼル曰く北斗七星の術式を利用した契約らしく、七度力を行使すれば再び地上から消えてしまうとのこと)。「京都の事件」でまなみに先代「アストラル」に所属していた「柏原代介」であることが見抜かれる(本人は軽く驚いていた)。まなみとオルトヴィーンを「協会」の飛行船に案内し、事件の説明を行った。フィンとの戦闘後、何らかの「力」を行使しすぎたらしく元からなかった人としての存在感が更に希薄になった。影崎の言によれば全力で戦えるのはあと一度だけらしい。
- 先代のアストラルが黄金時代を迎える少し前に、「柏原代介」という名前で一時期「アストラル」に所属しており、その頃の性格は温和でかなりの臆病者だった。それ以前は影崎として「協会」の元で活動しており、偽名を使ってまでアストラルに所属した経緯・真意は明かされていない。「柏原」が「影崎」として「アストラル」から「協会」に戻ったのは10年前であり、その時期がいつきの妖精眼が異変を生じた時期と一致するが詳細は不明。ユーダイクス曰くいつきの『何か』を見守っていて、現在の姿を見たヘイゼル曰く『荒れ果てた』姿をしているらしい。
- 『死線の魔法使いたち』では遂にその過去が明かされた。12年前の「幽霊屋敷」で穂波の「アンブラーの血」に刻まれた魔法と不完全な術式により、〈第三団〉になりかけた〈竜〉の暴走に巻き込まれてしまったいつきと穂波を救うべく羽化登仙(個を捨て地上から消え去る)を行い、天仙となり一度は地上から消えさってしまう。しかし、ダリウス・レヴィが行った契約により「人の姿をした天仙」として地上に縛り付けられてしまうこととなる。ダリウスの指示で司や猫屋敷と共に「螺旋なる蛇」のセフィラー達が遊園地跡に乗り込んだ際にサタジットが「羽化登仙」を行ったことで、ダリウスの手によって最後の契約が執行され「だいだら」とも言える魔力の塊となった。
- ニグレド
- 「協会」代表。霊体の姿で行動する。タブラ・ラサとは一つの現象の裏表と言えるらしく、それを表すように全身も身につけている衣服もすべてが漆黒の出で立ちの少年。その正体は「第三団」と呼ばれる霊的象徴。「魔法が魔法使いになった存在」であるため妖精眼を持つフィンすら苦戦するほどの実力を持つ。実際にフィンを圧倒しているが「惑星魔術」を止めるために力を消耗しすぎたために、双首領が作り出した対「第三団」用の術式の前に力尽きそのままタブラ・ラサと共に竜の「アストラル」が新たな「第三団」になるために力をそのまま注ぎ込まれて消滅した。
- ダリウス・レヴィ
- 「協会」の副代表。天使召喚術を使う他は、経歴は謎に包まれている。
- 穂波の父。穂波とその祖母であるヘイゼルとは絶縁関係にあり、そのためダリウスはアンブラーの名を引き継いでいない。そのため実の娘である穂波とも断絶した関係にある。「京都の事件」で消耗した影崎の代わりとして穂波と猫屋敷を「協会」の魔法使いとして抱え込む。母親であるヘイゼルからは「ボンクラ」と言われている。
- 娘の穂波が受け継いだアンブラーの名前を自身が受け継がなかったのは、単純に魔法使いとして才能に恵まれていなかったから。アンブラーの血統のお陰で呪力は高いらしいが個人としての実力は低く、母親のヘイゼルからもそのことを幼少期から言い聞かせられていたらしい。しかしアンブラーの血統の特性といえる第三団にまつわる魔法に関してのみは適性があり、まさにそれ故に俗世に返されることもなくアンブラーの血統を繋ぐための「歯車」としての人生を運命づけられた。自身はそのような自分に対して割り切った考えを持っており、魔法使いらしからぬ思考を持っているが故に「協会」のトップとも言える副代表のち今で上り詰めることが出来たという。
- 「大魔術決闘」ではその手腕を発揮し幾度と無く「螺旋なる蛇」や標的であるいつきを苦しめたが、影崎の最後の契約を発動する際にパスを繋いだためフィンに本拠地である飛行船の場所を察知され奇襲を受ける。個人としてフィンの前に立ちはだかるが全く歯が立たず、自身の欠陥を暴露した。「大魔術決闘」後は1ヶ月足らずで持ち直したらしい。「未来の魔法使い」においては会長に就任している。
- 劉芳蘭(リウ・ファンラン)
- しなやかな肢体を蒼いチャイナドレスで纏った妙齢の女性で「協会」に所属する「魔法使いを罰する魔法使い」。大陸出身。影崎の後輩であり、彼を「先輩」と呼ぶ。霊符を行使する道術の使い手。禁忌を犯し「呪詛」を繰り返していた「アストラル」に所属する前の猫屋敷を罰するために「協会」の空白地帯である日本に訪れ戦闘を行う。予め用意していた禁呪を用いて彼の陰陽道の力を無効化し戦闘を優位に進めようとするが、あらゆる魔術を模倣する「森羅万象の陣」で敗北。猫屋敷の処遇を柏原と名乗っていた影崎に預けた。現在の消息は不明であったが、第三部の短編『魔法使いの罰』で登場。本人曰く『道士の端くれ』のため、猫屋敷と出会った10数年前と寸前違わぬ容姿をしている。前線を引いていたようだが、夫であるギョーム・ケルビーニと共に来るべき『大魔術決闘』で戦う穂波に『イカサマ』を指導するために復帰した。ギョームとは戸籍上なのか魔術上であるかは不明だが夫婦らしく抜群の連携を見せ、ジェイクとメルキオーレの魔法を封じて二人を圧倒している。
- 石動 圭(いするぎ けい)
- 声 - 櫻井孝宏
- 「協会」の紹介で「アストラル」へ星祭りを依頼してきた魔法使い。肩口まで伸ばした黒い髪と、ロケットつきのペンダントが特徴の青年。猫屋敷と同じ陰陽道の使い手で、猫屋敷は兄弟子にあたる。朔夜は姉。
- 3年前、所属する流派で実行した星祭りに失敗し姉を失う。複雑な思いのもと、その遠因であった猫屋敷と決闘する為の口実として「アストラル」へ星祭りを依頼した。陰陽道だけでなく飯綱法も使い、下級の式神である管狐を使役するが、そのように異なる魔術を習得したのも実力が上回る猫屋敷へ対抗するためだった。
- 鬼の祭り事件では葛城家に雇われたことで登場。星祭りで受けた傷が回復していないのにもかかわらず、魔法を行使した代償で「返しの風」を受けて吐血している。事件の中で不審な動きを見せ、猫屋敷と香と再会したいつきの背に使役している管狐の一匹を張り付かせて猫屋敷が潜伏していた場所を把握し香を連れ去る。いつき達の行動を阻止しようとする動きを見せるが、正体は葛城家が「協会」から雇った「監査員」。「螺旋なる蛇」の正体をつかむために行動していた。その後は事件を鎮圧しようとするいつきたちの行動を見送った。自分と才能がないことで家族と向き合えないみかんを重ねてみているらしく、猫屋敷と彼女に対しては何かと気にかけている節がある。
- 「凡庸な血脈」ながらそれを最大限引き出す使い手、という位置づけである。
- 夏休みに猫屋敷とみかんの元に訪れ「アストラル」の格付けがBBランクになったことを告げて、彼に「魔法使いを罰する魔法使い」にならないかと勧誘する。「京都の事件」では「鬼の祭り」の事件の詳細なレポートを「協会」へ提出しいつきへの封印・拘束指定の決定のきっかけを作る。そして「協会」の一員として、穂波たちに「禁忌」となったいつきへの拘束の協力を通達する。第三部では猫屋敷達に頼まれて『協会』の実情を調査している。「死線の魔法使いたち」では司に報酬を貰い彼の言葉を伝えるべくいつきと接触。その際に荒んだ目をしたいつきを見て「俺みたいな目をするな」と自身の経緯から忠告している。司と邂逅した際にその余裕ぶった姿を見てどこか自分と似ていると既視感を抱いた模様。その後は布瑠部市に残り、いつき達と合流し彼から連絡役を頼まれている。
- 「未来の魔法使い」においては「アストラル」より「螺旋なる蛇(オピオン)」からの攻撃に対してセリムへの援護を求められ雇われる。その際セリムに対してセリムが抱いているアストラルの疑問に答えつつ、セリムにアドバイスを行なっている。セリムが「螺旋なる蛇(オピオン)」と戦うことを決意した後は、中華街へ移動したり、ありとあらゆる「触媒」を使うなど手段を選ばず「螺旋なる蛇(オピオン)」を混乱させる。
螺旋なる蛇(オピオン)
- タブラ・ラサ
- 生命の樹の頂点に位置する「王冠(ケテル)」のセフィラー。「螺旋なる蛇」の首領。外見はいつきや穂波と同年齢の少女であるが髪の毛から肌に至る全てと身につけている司祭服全てが漂白されたような純白という出で立ち。あどけない口調で話「螺旋なる蛇」のメンバーを家族のように捉えている節がある。霊体の姿で行動する。サタジットとメルキオーレによると彼女自身は人間ではなく魔術による生成物であるらしい。フィン曰く「魔法使いの祈りが具現化した存在」らしく、傍若無人なツェツィーリエでさえも気にかけるほど。その正体は「魔法が魔法使いになった存在」とされる「第三団」と呼ばれる超越的存在。メルキオーレが自分の命を捧げて絶命した後、惑星魔術を行使するために自分の力を捧げ、術式にフィンに譲渡している。その後「竜のアストラル」の霊体に自分の力を注ぎ込み新たな「第三団」として生まれ変わらせた後に消滅した。と思われたが、「未来の魔法使い」においてはジェイクの手により力をある程度まで回復させており、アストラルへの復讐心をもやしている。その後救援に現れたいつき達と対峙し、用意していた切り札を凌がれたことで敗北を認める。しかしいつきから「螺旋なる蛇」の象徴として存在し続けて欲しいと言われた事で一度激昂するが「アストラル」のやり方を見届ける事を告げ、アイラ達を連れて引き下がった。
- サタジット
- 「慈悲(ヘセド)」のセフィラー。道術使い。影崎と似たような雰囲気を持っているが、本人曰く『足元にも及ばない』とのこと。『死線の魔法使いたち』では影崎を倒すために「羽化登仙」を行い人としての存在を捨てて仙人となった。
- フィン・クルーダ
- 声 - 宮野真守
- いつきが禁忌を犯しているという疑いがかけられた時、影崎の代わりに「協会」における「アストラル」の担当を一時的に任された魔法使い。枯れ草色でクセ毛のある髪と鳶色の瞳を持ったケルト魔術使いの青年。穂波がケルト魔術を修行する中で出会い、失われたケルト魔術を穂波と共に再興した。穂波にとっては先生に近い存在だった。
- シュークリームが好き。1ダースは軽く食べるほど。初登場時は学生服に似た服装だったが、それ以降はいつきと対比しているような白いスーツを纏っている。
- 闇の魔法結社「螺旋なる蛇(オピオン)」の一員で、妖精眼(グラムサイト)を持つもう一人の青年。普段はコンタクトレンズで隠している。いつきが右目だけなのに対して、フィンは両目に妖精眼を持っている。過去に妖精に攫われて帰ってきた取り替え児。他人の願いを知ると方法をいとわず叶えようとする思考の持ち主。作中では「他人の願いを無私無欲で叶える願望機械」と称されている。自身の思考が異常であるということへの自覚があるようで、「妖精眼を保持するいつきがあれだけマトモなのはおかしい」と述べた。「竜の事件」では、穂波の願いを叶えるためにいつきの眼帯や竜を封印するための仕掛けを全て破壊し、竜を生け贄にして穂波の願いを叶えようとした。しかし、思い直した穂波と「アストラル」のメンバーにより阻止され、いつき達の前から去った。水の都・ヴェネツィアにて穂波の祖母のヘイゼルを探しているところ、隻蓮と出会い魔術戦闘を繰り広げた。ウェールズの森ではいつきの妖精眼が暴走したことにより起きた回帰の呪波汚染により穂波と修行していた頃の過去の姿が現れた。
- 京都の事件では再びいつき達の前に姿を現す。「協会」から呪詛を受けるが、「禁忌」指定され拘束されかけたいつきを庇い逃走する。「協会」からの追っ手も難なくかわし、いつきの「妖精眼」から「紅い種」を取り出した後に彼に俗世に戻るように言い聞かせるが、話の途中裏切った御厨 庚申により攻撃を受け昏倒する。戦闘終了後に「協会」に拘束された。
- 「螺旋なる蛇」の「調停(ティフェレト)」のセフィラーであり、いつき達がウェールズで回帰の呪波汚染に遭遇した際に現れた過去の幻の言動からかなり前から一員だったことが察せられる。
- 第三部ではツェツィーリエと共に「協会」のある場所に投獄されている。「白の魔法使い」ではGWを利用して渡英してきたいつきと再会。半年前に引き剥がした「紅い種」を再びいつきの瞳に戻すことに協力すれば拘束を緩めてもいいという取引を持ちかけられ快諾する。術式を行うために大英博物館に連行され、現れた「螺旋なる蛇」の魔法使いたちによって救出。以降は彼らと行動を共にしている。「大魔術決闘」の会議で「自分自身を倒す」という条件を提示したいつきに対して、普段では考えられないほどに激昂し語気を荒らげて彼を詰問した。
- その後はツェツィーリエと引き続き行動を共にしており、他の幹部たちが次々と戦いに出ていく中タブラ・ラサに惑星魔術の術式を託されている。
- ダリウスが影崎とパスを繋ぎ最後の契約を執行したのを見計らって「協会」の本拠地である飛行船を強襲。芳蘭とギョームに足止めを受けるが、戦い方がメルキオーレの眼球に記録されていたためアッサリと攻略している。そしてニグレドと対峙し彼と戦闘を繰り広げるが、「妖精眼」をもってしても歯が立たず、追い込まれていく。しかし「螺旋なる蛇」の双首領の力を利用して、惑星魔術の発動を続け「竜のアストラル」にタブラ・ラサの力を注ぎ込み新たな「第三団」として生まれ変わらせている。その後突入してきたいつきと最後の戦いを繰り広げ、惑星魔術を破壊されてしまう。最後の戦いの後いつきから「生き続けて欲しい」と頼まれ、「君の頼みじゃしょうがないな」という言葉を残して崩れゆく飛行船の中で姿を消した。その後穂波によると「協会」の調査でヴェネツィアで姿が目撃されたらしいが、それ以来消息不明になっている。
- 「未来の魔法使い」においては「螺旋なる蛇」のアストラルへ対しての襲撃をアストラル側に事前にリークし戦闘等の対処への時間的余裕を与えた。騒動後、いつきと2年ぶりに邂逅を果たし短い会話を行って再び別れた。
- ツェツィーリエ
- 『ミーミルの忌み児』の異名を持つ吸血鬼であり、オルトヴィーンの『師匠』で自身も優れたルーン魔術の使い手である。容姿は黒色の長髪を持ち獣の毛皮を纏う美女であるが、口には鋭い牙があり肉食動物を彷彿とさせる雰囲気を持つ。「ミーミル」では特殊顧問という役職に付いていて様々な支部を自由に渡り歩き、理不尽な要求と引換に取引をしていた。ある時オルトヴィーンが所属していた結社に「人間の生贄」を求め、要求を断った結社の人間を皆殺しにした際にただ一人生き残った幼いオルトヴィーンを「弟子」とし彼にトラウマを刻みつけルーン魔術を仕込む。また、『神力』のルーンの実験台として彼の身体に他人から剥いだルーン文字を何度も移植し、絶望感を味わわせ飽きた挙句に捨てた。その後は彼の名前すらも忘れていたが「ミーミル」が「学院」に送ったことを聞きつけ、「自分が捨てたモノを他人が拾うと腹が立つ」という理由でオルトヴィーンが所属する結社を次々と襲撃する。
- 「吸血鬼」事件で布留部市に訪れ「アストラル」と対峙し、魔術戦闘を繰り広げる。性格は傲慢かつ唯我独尊的な性格。「欲しい物は力ずくで奪う」という思考を持つある意味で純粋に『本来の魔法使い』の生き方を体現している存在で自らの力のみで「強さ」を求めつづけている。オルトヴィーン曰く『生きとし生けるあらゆる者にとっての災厄』であり、彼女が通り過ぎた場所は惨劇と悲劇しか残らないとされる。呪力を吸収出来る特異体質でその腕力は他の魔法使いを凌駕し、どれほどの重傷を受けても短時間で全快するという驚異的な回復能力を持つ。また、オルトヴィーンに施した『神力』のルーンを自身も纏うことで吸血鬼の源泉の姿である『人狼』に変化することが出来る。
- 「螺旋なる蛇」の「王国(マルクト)」のセフィラ―に据えられた。
- とある戦いで「銀の騎士団」のクロエと対峙し、魔術的な相性が悪い圧倒的不利な状況でありながらもかろうじて勝利する。「京都の事件」にて右腕をジェイクから与えられた義手を移植し辰巳と香、オルトヴィーンと戦闘を行った後にフィンと共に「協会」に拘束された。第三部ではフィンと共に「協会」のある場所に投獄されている。『白の魔法使い』では「螺旋なる蛇」を誘き出すために「協会」から監視を緩められて脱獄。サタジットの手によって大英博物館に転移される。膠着状態のさなか「自分の所有物を誑かした」と嘯いていつきを急襲。しかし、駆けつけたクロエによって既の所で阻まれた。
- 「大魔術決闘」ではオルトヴィーンの事も含め、いつきが自身を倒す事を勝利条件に掲げた際には、真っ先に喜び決闘開始と共に戦いを挑んでいるが駆け付けたディアナと弓鶴に阻まれている。その後フィンと礎と共に「幽霊屋敷」を訪れ、猫屋敷や穂波と交戦。2日目には「螺旋なる蛇」が本拠地としている遊園地跡に司を指令役にした「魔法使いを罰する魔法使い」に襲撃を受けており、司の的確な指示により深刻な傷を与えられてしまいサタジットに足止めを任せて撤退している。
- 「大魔術決闘」の終盤に穂波との激戦を繰り広げるが乱入してきたオルトヴィーンに一撃を受け、その果てに彼にある"呪い"をかけてそのまま絶命した。
- 礎(イエソド)
- 「螺旋なる蛇」の「礎」の座に据えられている仮面の錬金術師。
- その正体はユーダイクス・トロイデを作った錬金術師の手による一連の自動人形の1体。古い型らしく、仮面の下には肌どころか骨も筋肉もない。ユーダイクスと同じく錬金術を行使する。倫敦の事件では身体を持っておらず、魔術決闘によって徴収したユーダイクスの身体を自身の身体として利用。ある法則に則り高名な魔法使いを次々と襲撃し術式に必要な人体の一分を手に入れていた。猫屋敷との戦闘で首を切断された後ガラによって回収されしばらくは彼と行動を共にする。その後『白の魔法使い』ではツェツィーリエが投獄されている牢獄を襲撃。待ち伏せていたオルトヴィーンと黒羽と戦闘中に大英博物館に転移された。その後は「螺旋なる蛇」の幹部として「大魔術決闘」に参戦、様々な魔法使い達と激闘を繰り広げ本拠地である遊園地跡で司と彼に率いられた猫屋敷と影崎と対峙し、サタジットとツェツィーリエと共に戦うが致命傷を負いタブラ・ラサの前で大破した。
- メルキオーレ
- 「螺旋なる蛇」の「永遠(ネツアク)」の座に据えられている降霊術(死霊術)師。十二年前に死亡したマルチェッラは母親であり、彼女が殺された布留部タワーに訪れた際には「殺されて当然の事をしていた」とこぼした。「死線の魔法使いたち」では死霊術でいつきを殺そうとするがギョーム・ケルビーニが仕込んでいた鏡魔術で呪いが反射されてしまい瀕死の重傷を負ってしまう。「協会」に包囲されてしまったことで脱出するために自分自身を捧げてそのまま脱出するが、力尽きて亡くなった。
- ナジム
- 12年前の布留部市に訪れた当時の「螺旋なる蛇」の「尊厳(ホド)」。60代半ばの老人で中東出身の魔法使い。幽精術を行使して砂の形を取る「幽精(ジン)」を操る実力者。当時の猫屋敷に自分と同じ気配を察知して彼を「螺旋なる蛇」に勧誘する。生まれが劣悪な環境であったらしく、家族を養うために異形であるとわかっていた魔法を習得するために師匠の元で修行を行っていた。長い時間をかけて修業を終えて家族の元へ喜び勇み帰宅するが家族が全員失踪しており、師匠の元へ真相を聞くために戻る。彼の師匠の手により家族は全員彼が操る「幽精」の餌にされていた。そのことに激昂し、「幽精」を操り師匠を殺害。師匠殺しという魔法使いの世界で御法度の行為を行ったことにより追われる身となる。逃げ続けた結果、闇の世界に逃げ込んだという過去を持つ。猫屋敷と戦闘を繰り広げるが、経験の差によって辛勝するがその直後現れたオズワルドの手によって絶命した。
- ドゥマ
- 12年前の布留部市に訪れた当時の「螺旋なる蛇」の魔法使い。痩せ細った体躯の僧侶で臙脂色の僧衣を纏っている。行者の位階に立っていて柏原の状態を見抜く。穏やかな性格であるが、目的のためであるなら冷徹な手段を取る一面を持つ。砂曼荼羅を使用して布留部市に眠る「竜」に対して術式を施してヨーガによって「赤い種」を創り出す。その後やって来た柏原と対峙し魔術戦闘に突入。本人曰く戦う力を持っていないらしく、戦闘でも幻惑魔法を行使している。「クリスタルタワー」に集結した「アストラル」の面々と戦闘するが敗れた。その後致命傷を負い、司から隻蓮を元に戻す解毒剤を渡す代わりに見逃すという取り引きを持ち掛けられ、了承するがオズワルドの手により絶命した。後の〈螺旋なる蛇〉の幹部の一人であるジェイクの師匠であったことが判明する。
- マルチェッラ
- 12年前の布留部市に訪れた当時の「螺旋なる蛇」の魔法使い。鍔広の帽子を被り顔の半分を包帯で隠していて、角張った身体を包むイタリア風のダークスーツを着込んでいる。ゾンビパウダーを使用した死霊術を使用する。格闘術の使い手でもあり、隻蓮とも互角に戦うほどの技術を持つ。隻蓮をゾンビ化し操り、「アストラル」のメンバーと対峙する。包帯の下の顔は美貌に包まれているが、左半分が事故か魔術の代償によって醜く焼け爛れている。典型的な魔法使いの性格で魔法に絶対の誇りを持っており、魔法使いの常識を否定する伊庭司の言葉に激昂した。その後は他の二人と同様にオズワルドの手で殺害されている。メルキオーレの師匠であり、後に母親であったことが明かされた。
- ジェイク
- 「尊厳(ホド)」のセフィラー。第二部の「京都の事件」に際して登場。後に過去の「螺旋なる蛇」のセフィラーの一人であったドゥマの弟子であったことが判明した。アディリシアや「協会」所属の圭、「協会」の魔法使いたちと交戦するが、使用する魔法の正体を把握出来ず詳細は不明。呪力は平凡の域を出ないが、呪物を多用する。その正体は「混沌魔術」と呼ばれる様々な魔術系統を再統合して魔法を使用する魔法使い。元々は「螺旋なる蛇」が「協会」から離反した際に巡りあった商人の一族の末裔。本人には魔法使いとしての才能があったが「血」が薄かったため呪力が完成されておらず、マトモな魔法を使用することが出来なかった。しかし「印形(シジル)」という術式を使用し、自身の呪力を固定するのでなく呪物に刻んで「呪物から呪力を供給する」という本来の魔法使いとは全く逆の方法を取っている。この方法を行うと呪物に込められた呪力が消費されて行き、使い物にならなくなってしまう。しかしジェイク本人は全く気にも留めておらず対峙したいつきからはフィンやツェツィーリエとは何ら引けを取らぬ怪物であり、科学と魔術と言う相反する二つのを歪めて行使する「文化の破壊者」と評され怖気を抱かれている。圧倒的な魔術加護を持っている理由はエジプトにある「螺旋なる蛇」の魔術庫である隠しピラミッドに印形を刻んでいるため。ツェツィーリエに渡した義手も「栄光の手(ハンドオブグローリィ)」という貴重な呪物であるらしい。「死線の魔法使いたち」ではメルキオーレと共に先代「アストラル」と先代「螺旋なる蛇」の因縁の地であるクリスタル・タワーで布留部市の霊脈を抑えようと画策。それを阻止するためにやって来たいつき達と対峙する。戦闘を繰り広げる中不意を突いた「協会」が3日間の大魔術決闘で2度まで許された儀式魔法をその身で受けてしまい、瀕死の状態になってしまう。それでも足掻こうとするが劉芳蘭の禁呪によって魔術を封じられてしまい為す術もない状態に陥る。しかし、メルキオーレが自身を捧げた魔術を使用したことでその場から脱出した。受けた傷が酷かったために昏睡状態となっており、実質的に「大魔術決闘」は途中退場となった。しかしその後そのまま行方を眩ませており、生存が示唆されている。
- 「未来の魔法使い」においても登場。タブラ・ラサの復活させるために小国が傾くほどの財産を消費して実現させる。アストラルへの戦力分散のため、みかんを病院に換金した後、アストラルの社屋とともに結界で封じる策を講じるも破られた。
- オードリー・ラーター
- 「協会」屈指の占星術師だったが、「螺旋なる蛇」へ鞍替えした。12年前の布留部市の様子を占う。「京都の事件」に際しても「螺旋なる蛇」に有益な情報をもたらしている。
- アイラ
- 「未来の魔法使い」に登場する魔法使い。「大魔術決闘」においての惑星魔術で「妖精眼」に目覚めた一人で「アストラル」に対し激しく憎しみを抱いている。またセリムを引きこもうと躍起になっている。ケルト魔術の使い手。
葛城家
- 葛城 鈴香(かつらぎ すずか)
- 声 - 磯辺万沙子
- 神道を使う魔術結社「葛城家」の現当主で香とみかんの祖母。みかんが猫屋敷の付き添いの元で「葛城家」へ里帰りした際、みかんが「アストラル」へ戻ることを拒否して「葛城家」へ残そうとした。そのことを了承できない「アストラル」に対して、葛城の祭りにおける「鬼退治」を依頼する。先代「アストラル」の司と一度だけあったことがあるらしい。厳格な性格で孫であるみかんにも冷徹に接する。老獪な戦略家でもあり葛城家をまとめる実力者で魔法使いとして能力も高い。本当は孫思いな人格者であるが、敢えて冷酷な性格を演じている。本当は愛している孫娘であるみかんを人柱に仕立て上げたのも、才能が無くいつか呪力を制御出来なくなり命を落とす危険があるから。鬼ごと呪力を剥がして魔法を使えなくするためであった。
- 「大魔術決闘」前にいつきが霊脈の様子を見るべく来訪した際に、会話を行なっている。
- 葛城 桔梗(かつらぎ ききょう)
- 声 - 田中理恵
- 鈴香の娘であり、香、みかんの母親であるが、3年前の葛城の祭りの事故で命を落とす。優しい人格者で鬼も救おうとしていたらしい。
- 葛城 香(かつらぎ かおり)
- 声 - 釘宮理恵
- 「葛城家」の後継者でみかんの姉。10歳くらいの少女だが年齢の割には非常に古風な物言いをする。「葛城家」の血脈を受け継ぐ、生まれながらの天才。髪型は長い髪を纏めて古風な簪を指している。容姿は妹のみかんと酷似しているとされるが、対照的な印象であるとされている(みかんが「光」であるなら香が「影」)。どこか諦観的な雰囲気を持っているが、守り人である辰巳が絡むと年相応の態度を取る。事件の中でみかんと心を通わせて互いの想いを理解しあう。
- いつき達が京都を訪れるのを聞いて再会し、「八葉」への同行を申し出た。10歳とは思えない祖母譲りの老獪な戦略家で、「協会」から「禁忌」指定を受けたいつきをめぐって仲違いをしようとしたアディリシアを諌める一面を見せる。いつきを追ってきたツェツィーリエと辰巳と共に対峙し『神降ろし』の秘技で対決する。『騒乱の魔法使いたち』では妹と共に布留部市の霊脈を浄化して回っており、いつきの指示で浄化した布留部市の霊脈七十七カ所を利用してひもろぎを作り出した。
- 紫藤 辰巳(しとう たつみ)
- 声 - 三宅健太
- 身長は2メートル近く、巨木のような体躯に鋼の筋肉を持つ少年。年は17歳の高校二年生。学生であるため学ランを着ているが、体格に合うものがないため特注品を作ってもらっているらしい。神戸出身で武術の神楽を使う。人当たりが良くお人好しな性格で隠し事が下手だが、親しい人間には意地悪な面を見せる。「葛城家」の当主直系の人物を守護する守り人(もりびと)の一人で、当初は香の守り人であったが3年前に起こったある出来事により守り人の任を解かれ「葛城家」を離れていた。みかんの里帰りをきっかけに、再び「葛城家」へ呼ばれた。幼少児は泣き虫であったらしい。香、みかんとは従兄弟の関係で桔梗は叔母に当たる。
- いつき達の京都来訪に伴い、香に同行し京都へ出向く。「螺旋なる蛇」のツェツィーリエとの戦闘の際に香から神降ろしを受けて人間離れした彼女の「力」と真正面から対向出来るほどの膂力を見せた。またその際、守り人としての血筋には鬼の血が入っている可能性が示唆されている。『騒乱の魔法使いたち』では修行と並行して、高校に通い続け受験勉強し大学に合格。大学生となっている。いつきの「力」となるべく「大魔術決闘」に参戦し、いつきと敵対した隻蓮と戦闘を繰り広げる。
- 橘 弓鶴(たちばな ゆづる)
- 切れ長の眼に細い眉、神主にも似た白い装束を身にまとった細身の青年。神楽の他、鳴弦を使う。みかんの守り人として「葛城家」へ呼ばれていたが、3年前の「祭り」により辰巳の代わりに香の守り人となった。
- 3年前の「祭り」の際に、鬼に追いついた所に当時はまだ「ゲーティア」に所属していたガラと遭遇。「鬼」の一部を封じ込めた「ソロモンの壺」を見て彼に教えを乞う。異なる系統の魔術を習得した代償として、片目の視力がほとんど失われ内臓が腐りかけている。事件後いつきが新たに創造した霊脈の守護者に任命される。アニメでは未登場。『騒乱の魔法使いたち』では『鬼の祭りと魔法使い』以来久方ぶりに登場。異なる系統の魔術を行使したことによる代償は1年余りの時間の中で浄化された模様。いつきの現状を聞き彼の『力』となるべく、大魔術決闘に参戦する。
八葉
- 御厨 庚申(みくりや こうしん)
- 京都の魔術結社「八葉」の当主。猫屋敷の父親。かつては名高い陰陽師として活躍したが、現在では寝たきりの状態となっている。
- 「螺旋なる蛇」の「法」の座である。先代「アストラル」が対峙し死亡した三人の魔法使いたちとも旧知の仲。「アストラル」を京都におびき寄せ、「アストラル」に「鬼の祭り」で行った霊脈の創造を依頼する。2対1の状況で激昂した猫屋敷を倒し仮死状態に追い込む。フィンの手によりいつきから「生命の実」を引き剥がすことに成功するが、そこから「螺旋なる蛇」を裏切りフィンに怪我を負わせ自らの「続き」として育て上げた猫屋敷にそれを埋め込もうとする。だが、復活した猫屋敷といつきに敗北。いつきの父である伊庭司と一度だけ会ったことがあるらしく死ぬ間際に「あのバカ者」とこぼし塵となって死亡した。司によると猫屋敷を〈アストラル〉に入社させた際に一度だけあいさつをするために顔を合わせており、結局は理解し合えず最終的に互いに不干渉を貫くことで同意したとのこと。
- 御厨 藤次(みくりや とうじ)
- 「八葉」に所属する陰陽師。御厨庚申の嫡男であり、猫屋敷にとって腹違いの兄。眉間に常に皺を寄せた表情をしている。猫屋敷と違い普通に修行をしていた。手紙で父親の危篤を猫屋敷に伝えた。すぐに思いつめる部分があり、視界や考え方が狭まる部分があるらしい。条件が揃えば穂波やアディリシアを翻弄するほどの腕前を持つ。自分とは違い父親の期待を一身に受ける猫屋敷には複雑な感情を抱いており事件の最中、それを吐露した。「螺旋なる蛇」の一員である疑いを向けられた御厨 庚申へ「協会」が向けた呪詛により昏倒する。事件後に、猫屋敷の要望で死亡した父親に代わり「八葉」の当主に据えられた。
その他(魔術側)
- マクレガー
- 山高帽にコールマン髭を蓄えたイギリスの老紳士で、穂波とアディリシアが恩師と呼ぶ「学院」の魔法使い。専門はエジプト魔術で「学院」に研究室を構える研究好きな教授。穂波が帰国のために「学院」を離れる際には卒業試験を与え、見事に対処した生徒の帰国を見送った。
- ディアナ
- 声 - 水野理紗
- 呪物調達会社「トリスメギストス」取締役社長・首領で、黒尽くめの装いでおっとりとした口調の美人。「アストラル」とは先代社長である司の頃からの付き合いで呪物調達を一任されていた。司とはディアナが中学生時代からの知り合いで母親が亡くなり、家業を継ぐまで面倒を見てもらっていた旧知の間柄である。「大魔術決闘」で彼の話が出た際には「悪戯や茶目っ気が過ぎて面倒くさい」と評している。花泥棒の事件の際に「アストラル」へ仕事を依頼する。
- 花泥棒の事件以降、「アストラル」などの魔術結社と取引を行っており、アディリシアの婚姻儀式の際にはドレスや指輪など呪物調達の依頼を受けた。人に生える冬虫夏草(コルジセプス)(実在する菌類の冬虫夏草とは別の、魔的な花)を育てられる素質を持った身体を遺伝的に持っている。また、冬虫夏草の種を右の手首に植えつけている。「アストラル」の社員を除けばいつきと接した時間が最も長く、彼のことを年齢の離れた弟のように思っており『騒乱の魔法使いたち』ではいつきの『力』となるべく「大魔術決闘」に参戦する。
- 「未来の魔法使い」においては、伊庭司、黒羽まなみ、影崎が訪れる霊脈上の砂漠の街に表れる。「伊庭司の源書」を持ち伊庭司に尋ねるが司が何も言わなかったので焼却した。その後3人とともに宿で宴会を開いている。
- ファウナ
- ディアナの母親。「ありし日の魔法使い」に名前だけ登場している。その時点で体調を崩しており先が長くないとされ身体に宿る冬虫夏草の拒絶反応が出ており、様子を見るため当時の司がトリスメギストスに頻繁に出入りしていた。
- 御凪 鎬(みなぎ しのぎ)
- 声 - 岡村明美
- 布留部市にある蔵名神社の神主。長い黒髪に切れ長の眼で細面、神職らしからぬ豪放な口調や振る舞いをする女性。蔵名神社の夏祭りの時に「アストラル」へ審神者(さにわ)のレンタルを依頼した。諸刃は兄。
- 夏祭り事件が解決した後は兄のもとで修行を続ける。その後も船魂の供えを「アストラル」へ依頼したり、いつきをアルバイトとして雇ったりというように縁は続いている。: 「大魔術決闘」ではクロエを案内しいつきと行動を共にしている。
- 御凪 諸刃(みなぎ もろは)
- 声 - 小林由美子
- 蔵名神社の後継者で鎬の兄。
- 前回の夏祭りの際に執り行った神降ろしに失敗し、その事態収拾による影響で永き眠りにつき10年が経過していた。夏祭り事件が解決した後、蔵名神社の後継者として妹の修行を見守る。
- 肉体年齢は14〜15歳程度だが、それでも剣の腕前は鎬を上回るという。商才もあり、あどけない笑顔で商談を纏めていくらしい。
- 石動 朔夜(いするぎ さくや)
- 声 - 小林沙苗
- 圭の姉。肩口までの滑らかな黒髪と笑顔の女性。陰陽道の使い手。
- 流派後継者と見られていた猫屋敷が流派を離れた後、代わりに星祭りを引き継いだ。星祭りは猫屋敷の才能を絶対視する師匠の妨害により失敗し命を落とす。猫屋敷がみかんを連れて流派を離れる際に彼とある約束を交している。
- クロエ・ラドクリフ
- 名前の綴りは「Chloe=Radcliffe」。「銀の騎士団」のアデプト。「大戦」以来くすぶり続けていた「銀の騎士団」若手一番の有望株で十字剣「クルセイダーソード」を使う。その凛とした佇まいと実直な性格から『騎士』と称される程の傑物。アンネという妹がいる。とある戦いでツェツィーリエと対峙し、魔法の相性で圧倒するが、既の所で敗北。そのことから、ツェツィーリエに勝利した「アストラル」に強い執着を持っている。
- 第三部にて本人の強い希望により「協会」から影崎に代わる新しい「アストラル」の担当になる。その後いつきと接する中で魔法使いらしからぬ言動や、何度も振り回されたせいか彼の動向を見守るようになる。「アストラル」の面子ともすっかり打ち解け、出向中の穂波と猫屋敷と「協会」の廊下で再会できるように配慮し、業務日誌の担当を任せられるようになっている。書いている最中に話しかけられると聞いた言葉をそのまま書いてしまう癖を持っていて妹のアンネにからかわれたことがあるらしい。親しくなるに連れて砕けた一面を見せるようになりアディリシアと勇花が出掛けた際に、集音器を持ち出して会話を盗み聞きしようとするなどコミカルな面を見せ、みかんからは『たまに面白い人になる』と言われている。「大魔術決闘」ではジェラールの命令と自身の希望でいつきの護衛役として行動を共にしている。
- 「未来の魔法使い」においては「アストラル」やいつきの思いに整理をつけ、モレーから受けた『協会の顧問』としての仕事として「協会」の資料の乱読を行なっている。
- ジェラール・ド・モレー
- 「銀の騎士団」騎士総長。齢70を超えてなお鍛え抜かれた肉体は頑健そのもので、そして由緒正しい結社の長に相応しい老練な頭脳を備えた傑人。「魔術決闘」の後にいつき達「アストラル」をいたく気に入り、心強い後援かつ油断ならない隣人として、利害に応じて共同歩調を取る。いつきのことを「小僧」と呼ぶ。その後ダリウスと会談するいつきを援護するべく現れたり、「大魔術決闘」で自らを標的にした彼の護衛としてクロエを送った。「大魔術決闘」後「螺旋なる蛇」に与した魔術結社の処罰については「大魔術決闘」自体が無効となったことで黙認させたようでその結果に満足したらしい。その後「協会」の顧問に就任し、ダリウスの後見役となっているため協会の資料を閲覧する権利を手に入れた。
その他(一般人側)
- 日下部 勇花(くさかべ ゆうか)
- いつきの叔父夫婦の娘。いつきは物心がついた頃には叔父夫婦のもとで養育されてきたが、姓が異なる通りいつきの籍は日下部家へ移されていない。しかし、勇花はいつきの事は「兄さん」であり自分はいつきの「妹」だと考えており、いつきも勇花のことを義妹と呼ぶ。いつきが物心つくまでは家族の中でいつきだけ姓が異なることに違和感を抱かないようにと、母親が伊庭姓を名乗っていた(周囲には夫婦別姓として通している)ため、それを受けて勇花もまた「伊庭 勇花」を名乗ることがある。現在こそいつきを慕っているが幼少期は生来の勝気な性格から「妖精眼」の力で霊的存在を察知できるために気弱で臆病だった彼を嫌っていたが、小学校時代に防空壕で動けなくなった時に恐怖を押し殺して自分を探しに来た姿を見て考えを改める。アディリシアから「異性」として好きなのかと聞かれた時には恋愛感情を否定し「自分は一生兄さんの妹」と答えている。
- 叔父夫婦と勇花は、いつきの眼が普通でないことを認識している。現在は叔父の赴任のため家族そろって渡米中。いつきのことを強く慕っており、頻繁に国際電話をかけて何度もいつきをアメリカへ呼ぼうとした。いつきの父親でありながら、父親らしいことをしていない叔父の司に対して若干不満を持っている模様。
- 「魔法使いの告白」(「レンタルマギカ 魔法使いの妹」収録)では学校の夏期休暇を利用してニューヨークから一時帰国。兄であるいつきの様子を見るために「アストラル」を訪れ、ある理由により魔法使いのレンタルを依頼した。勇花自身は魔術側の世界のことは知らず「アストラル」についても占い師などの人材派遣会社としての表向きの顔で認識しているが、いつきの眼のこともあり魔術的な不思議な事象に対してある程度は理解を示す柔軟性を持っている。1年後の「魔法使の妹、再び」で再び帰国しておりいつきの眼帯がなくなったことに驚いている。いつきに頼みアディリシアと再会し彼女を連れ出して旧友たちと街に繰り出している。その後アディリシアと会話を行いいつきの変化と彼女がいつきに似ていることを話し、帰宅。再びアメリカに戻るが、その際にアディリシアに「伊庭司が帰ってきた」という言葉を事付けている。
- 山田 和志(やまだ かずし)
- 声 - 千々和竜策
- いつきとは小学校からの幼馴染で親友(自称)で、いつきの義妹である勇花とも幼い頃から遊んでいた間柄。現在高校2年生。いつきが昔『ドラえもん のび太の魔界大冒険』を観て気絶した経験があることをクラス中にばらした張本人。圧倒的な存在感を放つ穂波やアディリシアに物怖じすることなく接し、いつき達と共に学生生活を過ごす。
- 姓は違うが千鳥の実の弟。8年前のある時、偶然のきっかけでいつきや千鳥と共に呪波汚染事件に巻き込まれた。第三部では穂波とアディリシアが休学したことを嘆きつつもいつきが戻れない覚悟をして何かに挑んでいることを察知しており、翔子と「何があったのかを聞かない」と約束を交している。「大魔術決闘」開始前に帰国した穂波を加えて補習に出ている。
- 功刀 翔子(くぬぎ しょうこ)
- 声 - 那須めぐみ[2]
- いつきや穂波と同じ高校の同級生。現在高校2年生。圧倒的な支持を集めて委員長をしている。たいてい三つ編み。祖父が行方不明になった際に、祖父の荷物の中にあった「アストラル」の名刺を頼りに「アストラル」へ助けを求めた。
- 「アストラル」へ仕事を依頼したこともあり、翔子自身は魔法使いではないがいつきや穂波、アディリシアの事情を知る数少ないクラスメートとなった。
- 苫小牧 千鳥(とまこまい ちどり)
- いつきの通う高校の養護教諭。非常に砕けた物言いをする女性で元不良という噂がある。シガレットチョコをよく手にしている。
- 両親の離婚により姓は違うが、山田和志の実の姉。8年前の呪波汚染の事件以降、いつき達のことを何かと見守ってくれる。学校に対していつきがみかんやオルトヴィーンの保護者代理になることに対して口添えを行ってくれた模様。
- 矢車 うらら(やぐるま-)
- 短編「魔法使いと家庭訪問」に登場。みかんが通う三橋小学校三年三組の担任。年齢は28歳。以前からみかんが「学校の行き帰りに巫女服を着ている」という噂を聞き、彼女が問題児でないことを証明するために「アストラル」に家庭訪問に訪れ、そこで何故か「アストラル」の社員全員と面談することになる。仕事熱心で受け持った生徒を一人一人を気にかけているが、仕事に情熱を傾ける余り恋愛関係成就せず過去に三人振られているらしい。穂波にタロット占いで運勢を見てもらうが、前述の結果を言い当てられて落ち込む素振りを見せている。その後いつきと対談し彼の事情を聞き「幸せの在り方」について語り、いつきにみかんが「アストラル」で暮らして幸せなのかを問い掛けているが迷う彼の姿を見てみかんを引き取ることを諦めている。保護者である猫屋敷とは以前から顔見知りである。その後みかんが書いた業務日誌によると彼女が所属する折り紙部の顧問だが、不器用らしく思ったものが折れない模様。またそそっかしいようでテストの時間に誤って回答を配ってしまい、減俸させられたらしい。
魔術
魔術・魔法は日本では西洋のイメージを伴うが、本作品内では東西を問わず呪力による超常的な能力や行為を魔術・魔法と呼んでいる。下記は登場する主な魔術・魔法で、本作品内における性質・特質の説明を含む。
現代科学が発達しているために魔術は「最早必要のないもの」と認識されている。その上で魔術を志すことは『異端』そのものであり、社会的常識に背を向けて魔術風習に走ることが尊ばれる世界である。
そしてその能力は魔術に代々身を捧げてきた『家系』『血脈』という先天的資質に大きく由来し、才能や努力では埋めがたいものとされている。強い『血脈』の持ち主は魔術の資質について、一般人の100倍1000倍といった絶対的な差を付けている。
- ケルト魔術
- 古代ヨーロッパのケルト民族の宗教階級・ドルイドが用いた魔術。樫の木を聖木にヤドリギを霊草とし、ストーンサークルなども用いて自然の森や岩の力を呪歌で導く自然魔術。口伝のみで伝えられる魔術とされ、習得するためには膨大な量の呪歌や知識を暗記しなければならず「失われた魔術」とされていた(そのため、穂波はイギリス中をフィールドワークしつつ習得していった)。魔術特性は「霊樹の末裔」-自然との融和によってその力を得る。なお、ドルイドが執り行っていた儀式や祭り(ケルトの大祭など)では生け贄を供することもあったとされており、本作品内においてもケルト魔術の真正のやりかたとして認識されている。
- 魔女術
- 本作品内では常にウィッチクラフトという読み仮名が当てられる。ウィッチクラフトは魔女(witch)の技能(craft)。文脈や研究によって異なる意味を持つ言葉だが、本作品内で穂波が習得しているものは悪魔崇拝のものではなく、自然崇拝のもとで月や円錐(ピラミッドと同様に呪力に影響を与える構造。穂波の場合は大きなとんがり帽子に象徴される)から力を導いたり、ハーブや魔女の軟膏といった薬草術などを用いるもののようである(ただし大釜派ではない)。また、掃除などの家事一般も範疇とされている。
- ソロモン王の魔術
- 古代イスラエルの王ソロモンを祖とする魔術。大別すると2種類に分けることが出来、ソロモン72柱の魔神と契約・喚起する召喚魔術と、魔神へ影響を及ぼす7惑星の力を利用する護符魔術に分けられる。
- 一般的に召喚魔術と呼ばれる「ソロモン王の小さな鍵」は、霊的存在を「喚起」または「召喚」する魔術形態である。魔神喚起の魔術特性は「王命の喚起」-血脈強制召喚で、その名の通り血統による素質が非常に重要である。喚起の際には五芒星や魔法円などを駆使し魔神を封印した壷を用いる(アニメおよび漫画「レンタルマギカ from SOLOMON」では護符である指輪も多く用いられる)。
- 一般的に護符魔術と呼ばれる「ソロモン王の大きな鍵」は、7大惑星の惑星霊を支配する。魔術特性は「惑星の喚起」-惑星霊の護符により心身の内側と外の世界を繋ぐ、意志の具現化。指輪の形をとった護符を用いて身体機能を強化したり、霊的存在の探査や自分の姿を隠すなど特殊効果を生み出す。
- ソロモン72柱
- ソロモン王の末裔であるアディリシア・レン・メイザースが、「王命の喚起」という形で「ソロモン72柱」を呼び出している。
- フォルネウスはアディリシアが一番初めに契約した魔神であるためか一番のお気に入りの様で、移動手段として多用する。マルバス、グラーシャ・ボラス、エリゴールの3体は先にも述べた通り、戦闘の際にはその高い戦闘能力に絶対の信頼を置き多用する。また、エリゴールについては父親を追って日本に来た際に発生した事件で肩に乗る位のサイズで喚起され、「ちびゴール」などと呼ばれた。シャックスに関しては、その高い探知能力から主に霊脈の発見に役立てるが、徒弟達に貸与することも多く「ゲーティア」ではこれを機動力として運用する場合が多い。最近では、いつきの協力により(接吻によるパス繋ぎ)アスモダイとの契約に成功した。その他にボーティス、フールフール、バシム、サブノック、フェネクスを喚起しており、またアニメ版のみプロケルを、『レンタルマギカ from SOLOMON』でのみヴァプラを喚起している。アニメ第8話では、穂波との魔術対決のシーンで、ハヴォリムの喚起の際のセリフだけが確認出来る。同じくソロモン72柱の1つであるハウレスは、徒弟のガラが契約している。
- フェネクス
- 「20の軍団を愛する侯爵」という位置づけで、美しい炎を纏った鳥の姿で喚起される。
- フールフール
- 「26の軍団を従える、偉大なる公爵」という位置づけで、牡鹿の姿で喚起される。翼は生えていない。
- ハヴォリム
- 「26の軍団を指揮する業炎の公爵」という位置づけ。
- フォルネウス
- 「29の軍団を支配する侯爵」という位置づけで、鯱のような姿で喚起される。アディリシアが初めて契約した魔神であり、一番のお気に入りのようで、移動手段として多用する。
- シャックス
- 「30の軍団を支配する偉大なる侯爵」という位置づけで、烏のような姿で喚起される。戦闘に際しては、その探知能力から、主に霊脈の発見に役立てており、また、「ゲーティア」の徒弟達に貸与することが多く、結社の機動力としても運用される。
- バシム
- 「30の軍団を支配する力強き侯爵」という位置づけで、馬に跨る蛇の尻尾を持った男の姿で喚起されるが、その肉体は骸骨である。
- グラーシャ・ボラス
- 「36の軍団を制する力強き伯爵」という位置づけで、翼の生えた狼の姿で喚起される。戦闘の際には、その高い戦闘能力から、エリゴールやマルバスと共に多用される。
- マルバス
- 「36の軍団を統べる王」という位置づけで、ライオンの形で喚起される。戦闘に際しては、その攻撃力に絶対の信頼を置き、多用される。
- サブノック
- 「50の軍団を統治する強壮なる大侯爵」という位置づけで、大剣を携え、ライオンの頭を持つ戦士の姿で喚起された。戦闘の際にはその圧倒的な戦闘力から、切り札として使われる。
- エリゴール
- 「60軍団を治める、堅固なる騎士」という位置づけで、槍を携えて鎧を身に着けた騎士の姿で現れる。戦闘に際しては、最も信頼する魔神として、多用される。父親を追い、日本に行った際に発生した事件では、肩に乗る程のサイズで喚起され、「チビゴール」と呼ばれた。
- ボーティス
- 「60の軍団を支配する叡智ある伯爵」という位置づけで、蛇の姿をして現れる。他者に意思とは無関係の行動を強要することが出来る。
- アスモダイ
- 「72の軍団と、18の悪霊が仕える、至高の女王」という位置づけ。至高の4柱として、バール、アスタロス、パイモンと並ぶとされている。
- バール
- 「66の軍団と、16の悪霊が服従する、禍々しき皇帝」という位置づけ。至高の4柱として、アスモダイ、アスタロス、パイモンと並ぶとされている。アディリシアは未だ喚起に成功していない。
- その他、プロケル(アニメ版のみ)、ヴァプラ(『レンタルマギカ from SOLOMON』のみ)も喚起している。
- 神道
- 禊ぎにより穢れを祓い清めたり御霊を祭り・慰め・浄化などを行う魔術の他に、武術としての神楽、剣や弓などの呪具を用いた魔術もある。前者の魔術特性は「禊ぎ」-あらゆる穢れを祓い除く絶対結界。玉串などの呪具や祝詞、神楽などの舞を用いるもので、戦闘時の性質としては「守り」に特化している。比較して後者は攻撃的であるが、これは主を周囲の者が守護するという体制的なものに由来する場合や、あるいは祭る神の性質に由来する場合など様々である。
- 陰陽道
- 中国から日本へ伝わった陰陽五行説や風水、呪禁道や密教から民間信仰まで、ありとあらゆるものが融合した総合魔術。魔術特性は「陰陽五行の式」-精密なる完全呪波制御。
- 騒霊現象
- ポルターガイスト。幽霊が行う念動力をはじめとする超常現象を指す。厳密には魔術ではなく、系統らしい系統もない。能力の詳細は個体ごとの特性によって異なる。
- 錬金術
- 一般的に小説、漫画、伝説などで知られる錬金術とおおよそ同じものとして描かれている。ホムンクルスや魔術的な薬品を作成する。
- 密教
- 仏教に複数の魔術的秘法が融合した総合魔術。「印」と「真言」で超常的能力を発動し、数珠や錫杖・棍棒など宝具を用いての直接攻撃だけでなく結界・封印など多様な能力を持つ。魔術特性は「両界曼荼羅」-神仏の力を借りて様々な超常現象を発する。
- 魔眼
- 超常的な力を持つ眼として描かれており、「妖精眼」と「邪視」の2つが登場する。魔眼はその種類により性質は大きく異なる。いつきの右目にある妖精眼は神代の魔法使い達が持っていたとされる伝説の魔眼で、魔物の「全て」を見ることができ、強力すぎるその能力は所持者を蝕むと伝えられている。いつきが魔法使いではないにもかかわらず魔術的な存在を知覚できるのは、妖精眼を持っているためである。なお、説明はされていないが黒羽と苦もなく会話をしている点から、視覚だけでなく聴覚などの他の感覚でも知覚していることがわかる(一般人である功刀翔子は黒羽の姿を見ることも声を聞くこともできない)。
- ルーン魔術
- 北欧由来の文字「ルーン文字」を用いて行われる魔術。主に小石やメダルにルーン文字を刻み、その文字の意味を詠唱することで、魔術を使用する。そのほかは一般的に小説、漫画などで知られるルーン魔術とおおよそ同じものとして描かれている。
- 道術
- 道(タオ)と呼ばれる思想のもと、自らを仙人などの高次の存在に引きずり上げようとする魔術大系。極めれば絶大な力を手にできるが、天仙と呼ばれる最上位のランクに達すると自然と同化し個を失ってしまうという。
- 祓魔式(エクソシズム)
- 俗に悪魔祓いと呼ばれる儀式。時代や宗教によって多彩なバリエーションを持っている。作中で登場する「銀の騎士団」は、十字架などのシンボルに力を溜め込み、信仰の強さによってその力を制御するという方式をとっている。
- 禁呪
- 物事や現象の本質をつかみ、対象を思いのままにする魔術。
- 混沌魔術
- 七十年代に英国で生まれたとされる魔術系統。具体的な技法はほとんど存在しておらず、個々の術者が勝手な解釈で様々な魔術を取り込んで再統合し自称しているものが多い。
- 第三団
- 劇中では「サード・オーダー」というルビが振られている。「魔法が魔法使いになった存在」であり霊的象徴とされる。劇中ではタブラ・ラサ、ニグレドが該当する。
魔術名 魔術特性 魔術強度 霊的加護 術式速度 呪詛対価 呪的技術 危険度 ケルト魔術 霊樹の末裔 3 2 2 2 4 2 ソロモン王の魔術 王命の喚起 5 1 1 4 5 5 神道 禊 1 5 2 2 2 3 神楽 2 - 5 4 1 - 3 2 - 4 4 2 - 4 陰陽道 陰陽五行の式 3 3 4 4 4 4 騒霊現象
(ポルターガイスト)なし
(厳密には魔術でない)1 - 4 1 - 3 5 3 - 5 1 3 - 5 錬金術 万物の変成 1 1 5 3 5 3 密教 両界曼荼羅 4 3 3 4 2 2 魔眼
妖精眼(グラムサイト)?
(魔眼の種類に依存する)1 - ?[12] 1 3 - 5 3 - ? 1 3 - ? ルーン魔術 秘文字の神性 4 2 5 4 3 4 死霊術 死の黄金律 道術 中庸なる道 2 4 4 4 5 4 祓魔式(エクソシズム) 聖霊の加護 4 4 3 4 2 4 禁呪 万物の制圧 4 5 3 4 4 4
上記の他にカバラ、飯綱法、修験道など多くの魔法・魔術が登場する。霊的存在を召喚する召喚魔術や自然界の性質を利用する自然魔術が多く、ほとんどは儀式や呪文、呪具を用いてマニュアル化された典礼魔術のスタイルを取っている。例外は妖精眼(グラムサイト)。
用語
アストラル関連
- アストラル
- 世界各地から有能な魔法使いを集めた魔術結社で、客の要望にあった魔法使いを派遣する魔法使い派遣会社。いつきの父である司が設立し、現在はいつきが社長である。布留部市のビルとビルに挟まれた小さな洋館に事務所を構えており(当初は貸しビルに拠点を構えていたが、「螺旋なる蛇」との戦いの後現在の洋館に移転した。元々はヘイゼルの工房である)、客の望みにあう魔法使いを貸し出す会社として設立当時はかなり繁盛していた模様。当時の格付けはBBBだが、猫屋敷曰く司が仕事を選り好みしなければAランクであったしい。その評判を聞きつけて入社したいと手練の魔法使い達がやってくるほどだった。しかし、司の失踪以降は会社は上手くいかず魔法使いが1人抜け2人抜け、「協会」の入札にも参加しておらず収入のほとんどは表向きの業務である占いセンターやオカルト雑誌への人材派遣でまかなわれる状態だった。見た目は古めかしい洋館だがヘイゼルとユーダイクス謹製の結界が施されており、魔術的現象が起きた際には要塞のごとく堅固な護りを発揮する。
- 通常の魔術集団は1つの魔術系統だけで構成されており、「アストラル」のように異なる魔術系統の魔法使いが所属している点は異例であり、また他人のために魔法使いを派遣し魔法を行使することを目的としている点も異端である。そのため、他の魔術集団や「協会」からはよくは見られていない。「協会」による「アストラル」の格付けはCCCでほぼ最低ランクである(猫屋敷曰く、いつきが入る前はさらに低いCCだったようで、いつきは最低よりも下だったことに少しあきれていた)。その後「協会」の審議によりBBに格上げとなった。
- アニメでは司、いつき両名の名刺が登場しており、「アストラル」の所在地等が書かれている(代表取締役社長、布留部市由黒区外山季通2-13-3、https://web.archive.org/web/20130124162508/http://www.kadokawa.co.jp/sneaker/magica/ (リンク切れ))。
ゲーティア関連
- ゲーティア
- アディリシアが率いる魔術結社。ソロモン王の魔術を使う。入札した仕事は落とさないことで有名で、「協会」にも大きな影響力を持つ。「協会」による「ゲーティア」の格付けはAAAランクである。
- ソロモン王
- アディリシアの使うソロモン王の魔術を創った人間。紀元前10世紀頃に実在した、古代イスラエル(イスラエル王国)の第3代の王である。
- ソロモン72の魔神
- 資料によっては「72柱」「72の悪魔」「72霊」などと書かれることもある。本作品内では、「ゲーティア」におけるソロモン王の魔術で「喚起」または「召喚」される霊的存在で、広義では「使い魔」または「アガシオン」と呼ぶ[13]。72の魔神の中でもバール、アスタロス、パイモン、アスモダイの4柱は頭角にある「至上の4柱」と特別視されており、その4柱と契約する事により他の魔神を従える。なお、契約と喚起は別の行為であり、契約が出来ても喚起が出来るとは限らない。
- メイザース家
- 表向きの顔は名門貴族であり一流投資家。そしてソロモン王の秘術を伝え「ゲーティア」を統べる魔術の名門である。現在の当主はアディリシア。メイザースの姓はマグレガー・メイザースから拝借していると思われる[14]。
- レメゲトン
- ソロモン王の魔術はいくつかの魔術書で知られているが、その中で最も著名であるのが、「レメゲトン」、またの名を、「ソロモン王の小さな鍵」である。
- 内容は5部構成で、そのうちの第1部が「ゲーティア」と題され、72の魔神を呼び出すための秘術が記されている。
その他の結社、団体、集団、機関関連
- 学院
- イギリスのロンドンにある魔術に関する教育・研究機関。魔術的には中立であり、各地の魔術集団・結社をはじめ「協会」からも独立した位置にある。学院の学生になるためには入信儀式を行わなければならない。
- 葛城家
- 神道を使う結社としてはトップクラスで、「協会」でも名を知られた結社。古都・奈良にほど近い飛鳥の地・葛原市にある。
- 協会
- 魔法使いや魔術結社の最大互助団体。魔法使い同士の勢力争いなどを避けるためにできた組織で世界各地の結社を格付けし、格付けや特性にあった結社に対して「仕事」を公募・依頼したり、結社同士の仲立ちを行う。呪波汚染や禁忌の監視も重要な役割であり、禁忌を犯した魔法使いへの制裁・消去を行う制裁機関でもある。極めて巨大な組織であり、魔法側の世界だけに留まらず世界各国に系列を持つ超巨大企業グループを表向きの顔として持っている。
- 蔵名神社
- 御凪家が神主を勤める神社。祭神は経津主神と建御名方神。
- トリスメギストス
- ディアナが率いる呪物調達会社で魔術結社でもある。魔法使いと術具や呪物などの取引を行う専門集団。世界各地に隠し倉庫を持っており、呪物をはじめ色々と取り揃えている
- 螺旋なる蛇
- オピオン。古くから存在する謎の結社で禁忌を求める魔法使いの集団として知られる。世界各地から禁忌を収集し、それを「グノーシスの叡智」と称する。禁忌を犯すことを禁ずる「協会」とは反目する関係にある。幹部達はそれぞれカバラの思想の象徴である生命の樹(セフィロト)のセフィラの名を名乗る。オピオンとは生命の樹に住まう蛇であり、人間に知恵を与えた聖なる蛇であり、世界卵を生んだ創造の蛇である。そしてその名前はそのままこの結社の目的を表しており、現代において意味をなくした魔法に意味を獲得するため、現在の宇宙と全く異なる新たな宇宙を創世することこそが「螺旋なる蛇」の目的である。「京都の事件」にていつきは妖精眼で観た「螺旋なる蛇」の白昼夢の光景から「螺旋なる蛇」のある推測を行う。
- その正体は「協会」から別れた組織。いつきが観た白昼夢はスペインで行われていた異端審問であり、処刑していた異端審問官は当時の銀の騎士団の魔法使い。そのため「第三団」を生み出す術式を始めとして「協会」に伝わる秘術の一部が流出している。
- 銀の騎士団
- 「テンプル騎士団」の系譜といわれる、西洋ではそれなりの勢力である魔術結社。「螺旋なる蛇」と戦うための大義名分として「アストラル」に接触し、その旗頭としていつきを祭り上げようとするが、ある理由からいつきに魔術決闘を挑まれる。そしてその戦いでアストラルを認め、友好契約を結ぶ。
魔術関連
- アガシオン
- 使い魔。厳密に言えばソロモン72柱は、精霊などと同類で、非常に純粋な「精気(オド)」や「霊的エネルギー」で構成されているので実体がないため、アガシオンである。
- このため、魔神たちは、原則的に物理的な攻撃で傷つくことはほとんどない(例外は、超高温のプラズマ化した熱や、落雷のような同じく超高圧の電流を浴びた時くらいである)。
- また、何らかの魔術的攻撃でその体の一部が吹き飛んだとしても、再び霊的構成要素の補充を受けることで、元通りの状態に復帰することが出来る。構成要素を補充する余裕がない場合は、構成要素の配分を変えることによって状態を一時的に復元することも不可能ではない。
- 本編中では、アディリシア・レン・メイザースが、暴走した父オズワルドに、魔神エリゴールの構成要素を一部奪われてしまった際に、エリゴールをミニサイズで「喚起」することにより復元を行っている[15]。
- 位階
- 階級・序列を意味する。一般的には魔術結社ごとに異なる序列制度がある。本作品内では主に「ゲーティア」の首領・徒弟に対して西洋魔術結社でよく見られる10〜12の位を持つ位階制が用いられている。位は「6=5」のように1〜10(あるいは0〜10)までの数字を2つ組み合わせて表現され、先頭の数字が大きいほど上位となる。「ゲーティア」ではアディリシアが6=5(アデプタス・メジャー:大達人)、ガラが5=6(アデプタス・マイナー:小達人)。肉体を持つ者としての最上位は7=4(アデプタス・エグゼンタプス:被免達人)とされており、ツェツィーリエと戦った時のいつきがこれに相当する力を一瞬だけ発揮していた。
- 陰陽五行
- 中国の陰陽思想と五行思想とが結びついたもの。
- 喚起
- 「喚起」とは、多くの場合において自身よりも低位の霊的存在を、自身とは分離させた形で呼び出す行為を言う(実は一般に「召喚」と呼ばれる行為のほとんどのケースにおいてこの「喚起」のことである)。「喚起」は魔術を行使する術者が、能動的に行動し、意識する必要がある。そもそも極論すれば、「喚起」とは自身とは別個の存在を、己の意のままにコントロールしている状態である。そのため、術者に多大なストレスを感じさせることとなり、より高位の魔神であるほど、その負担は大きくなる。
- したがって、「喚起」の術とは、常に暴走と反逆の危機に晒された、高度かつ精密な能動的魔術であり、また、能動性の象徴である「剣」の名を冠して「剣の業」と呼称される場合もある[16]。
- 契約儀式
- ゲッシュ。本作品内では魔法使い同士がなんらかのルールを維持するために、また約束事を守るために魔術的な制約をかける契約行為、誓いの儀式。
- 呪波汚染
- 呪波汚染にはさまざまな現象があり、およそ次の3種類に大別される。汚染範囲の時空間が過去に戻ってしまう「回帰」、物質や生命に魔術的な変化を及ぼす「付与」、元々の魔法が肥大した「呪詛」。呪波汚染が強力に発展したものを「夜(マギナイト)」と言う。呪波汚染の浄化は「協会」が公募する仕事のひとつである。
- 呪物
- 本作品内ではフェティシュとの読み仮名が振られることがある。詳細は呪物崇拝を参照。
- 呪力
- 本作品内では、魔法の力の源となるものは「呪力」と呼ぶエネルギーとされている。呪力には世界に満ちる「源力(マナ)」と生物の内にある「精気(オド)」の2通りがある。呪力は安定しないエネルギーで、無制御に溜まると呪力は暴走して魔術的な現象が生じる。その現象を呪波汚染と言う。
- 魔法使いが魔法を行使する際に源力と精気をどのように使うのかという点が作品内で明確に記述されることはあまりないが、ケルト魔術と魔女術に関しては精気を触媒として源力を導くという記述はある。また、ある程度は世界・自然などから得た呪力を自身の体に吸収しとどめておくことが出来るようである。
- 入札
- 「協会」は魔術的な現象や事件に対して直接的な干渉はほとんど行わない。その代わりに、「協会」へ登録している魔術集団に対して物事を解決する「仕事」という形でもって公募を行う。魔術集団は公募に対して「入札(入札契約)」を行い、物事を解決する。魔術集団にとっては報酬が発生する経済行為である。
- 入信儀式
- イニシエーション。魔術結社など集団が新たな魔法使いを加える際に行われる儀式。儀式の内容は集団や時代によって異なる。
- バジリスク
- 猛毒を持つ小さな蛇。見た物を石化させる邪眼をもち、毒には槍をさした勇者の命を奪うばかりか勇者の乗っていた馬の命をも奪ったという。
- ホムンクルス
- 錬金術師がフラスコの中で作り出す人工生命体でフラスコから出すとすぐに死んでしまうといわれている。
- 魔術系統
- 本作品内では、魔術には源流や性質による系統がある。魔術系統はそれぞれ異なる呪波を持ち、性質が異なる呪波同士は反発し呪波干渉が生じる。軽度であれば魔法の発動に影響するが、重度の場合は呪波汚染を引き起こす。そのため魔法使いは通常は系統が大きく異なる魔法を習得することはなく、魔術結社は複数の魔術系統を扱わない。その意味で「アストラル」は異例である。穂波はケルト魔術と魔女術の両方を習得しているが、それらは共通の源流を持っている。
- 魔術決闘
- フェーデ。魔法使い同士で主張の食い違いなどの衝突が生じるとき、魔術の戦闘によって勝者を決めて解決する行為。魔法使い同士の私闘を認めていない「協会」が例外的に認めている決闘手段で、「協会」は特定の形式を定めている。魔術決闘の際には契約儀式を伴う場合がある。
- 魔術書
- グリモア。魔術の手順をはじめ魔法の知識を記録した本の事。本作品内では、魔法使いは自分自身の魔術を構築するのと同じように独自の魔術書「源書(オリジナル・グリモア)」を書く。ほとんどの場合、その秘密を守る為に暗喩や隠し文字などを用いて暗号のように記述する。そのため、他人が読む際には解読が必要となる。穂波は「アストラル」で魔術書の解読や写本を行っているが、それは「アストラル」における貴重な収入源の一つとなっている。
- 竜
- 本作品内においてはいくつかの異なる意味を持つとされている。「力」の隠語としての「竜」、魔法的生物としての「竜」、自然現象に呪力が影響を及ぼして自然霊と化したものを指す「竜」。
- 洋の東西を問わず、強大な力を持った存在。主に東洋では神獣として、悪魔の眷属や力の顕現として認識されている。その正体は制御されていない状態の、荒れ狂う自然エネルギーの具象であり、嵐や洪水、地震、津波、火山の噴火などのおよそありとあらゆる災害の象徴である。そして同時に、自然がもたらす恩恵の具現でもある。すべての土地、霊脈には竜がおり、これを支配したものはある意味で地球を我がものにしたに等しい。
- 竜穴
- 本作品内では霊脈から呪力が漏れ出す点とされており、パワースポット、あるいはノードとの読み仮名が振られることがある。呪力が漏れているため、なにかをきっかけに呪波汚染へ発展することがある。
- 霊脈
- レイラインとの読み仮名が振られることがあるが、本作品内では風水における「竜脈」としての意味がやや強い。簡単には、大地における気・霊的なエネルギーが流れる道筋と考えて良い。
- 生命の実
- かつて楽園に存在したとされる生命の樹の実。それを食べた者は永遠の命を手にするとされる。
- 「螺旋なる蛇」が布留部市の竜を作り替えることで完成させようとした「魔法使いを魔法に変える方法」の完成形。更に霊脈の力の全てを扱うことでありとあらゆる魔法の実現を可能とする万能の触媒。作中では「紅い種」と表現される。かつて先代「アストラル」と「螺旋なる蛇」がこの種を巡って布留部市で争いを繰り広げた。創られた「紅い種」は途中乱入してきた当時の「ゲーティア」首領であったオズワルドに奪取され、彼の儀式に利用されることになる。当時の「螺旋なる蛇」の魔法使い達によって施された「紅い種」を創りだす術式はそのまま「竜」に残され、その数年後に術式は「妖精眼」を持つ伊庭いつきによって写し取られ「紅い種」そのものが彼の妖精眼に宿ることになり通常の「妖精眼」とは違う能力を発揮していくことになる。
- アンブラーの「血」
- アンブラーの血統に代々宿っている魔術。ヘイゼル曰く「本質的に時代遅れで不必要な血統と術式」でその正体は「竜」を霊的象徴である「第三団」に作り変える力。アンブラーが「魔女の中の魔女」と呼ばれ、ヘイゼルの血を引くダリウスが「協会」の副代表を務められるこの血があるためらしい。
- 12年前の事件の真相とは布留部市の「竜」は先代「螺旋なる蛇」の魔法使い達の手により「紅い種」を産み出せるように術式が施されていた。「幽霊屋敷」自体は「竜」と接触しやすいというだけの場所であり、一般人が立ち入っても何ら問題がないはずであった。しかしその場所にあらゆる魔法を見抜く「妖精眼」を持ついつきと「血」を引く穂波、そして「第三団」を創りだすために必要な呪物である「紅い種」があったために穂波の血が反応を起こし不完全であるが布留部市の「竜」を「第三団」に変えてしまった。術式を知らない穂波に制御が出来る筈もなく「竜」は暴走を起こし、幼かったいつきと穂波は命を失いかけ当時の布留部市は魔術的に崩壊寸前となった。布留部市の「竜」である「アストラル」の霊体が幼少期の穂波と似た姿をしているのはこの為である。
- 影崎を地上に引き留める魔術もアンブラーの魔術によるものであり、そちらは北斗七星を使って七つの契約という形で世界に溶け込んだ天仙を実体ある人間の形で縛りあげている。
その他
既刊一覧
小説
本編
- 三田誠(著) / pako(イラスト) 『レンタルマギカ』 角川書店〈角川スニーカー文庫〉、全23巻
- 「〜魔法使い、貸します!」2004年9月1日初版発行(8月31日発売[17])、ISBN 4-04-424906-7
- 「魔法使いVS錬金術師!」2005年4月1日初版発行(3月31日発売[18])、ISBN 4-04-424907-5
- 「魔法使い、集う!」2005年8月1日初版発行(7月30日発売[19])、ISBN 4-04-424908-3
- 「竜と魔法使い」2005年12月1日初版発行(11月30日発売[20])、ISBN 4-04-424910-5
- 「魔法使いの宿命(さだめ)!」2006年1月1日初版発行(2005年12月28日発売[21])、ISBN 4-04-424909-1
- 「魔法使い、修行中!」2006年7月1日初版発行(6月30日発売[22])、ISBN 4-04-424911-3
- 「鬼の祭りと魔法使い(上)」2006年11月1日初版発行(10月31日発売[23])、ISBN 4-04-424912-1
- 「鬼の祭りと魔法使い(下)」2006年12月1日初版発行(11月30日発売[24])、ISBN 4-04-424913-X
- 「魔法使いのクラスメイト」2006年12月31日初版発行(12月28日発売[25])、ISBN 4-04-424914-8
- 「吸血鬼V.S.魔法使い!」2007年7月1日初版発行(6月30日発売[26])、ISBN 978-4-04-424915-1
- 「妖都の魔法使い」2007年11月1日初版発行(10月29日発売[27])、ISBN 978-4-04-424916-8
- 「魔法使いの記憶」2008年1月1日初版発行(2007年12月28日発売[28])、ISBN 978-4-04-424918-2
- 「ありし日の魔法使い」2008年4月1日初版発行(3月29日発売[29])、ISBN 978-4-04-424919-9
- 「魔法使いの妹」2008年8月1日初版発行(同日発売[30])、ISBN 978-4-04-424920-5
- 「旧き都の魔法使い」2009年3月1日初版発行(2月28日発売[31])、ISBN 978-4-04-424921-2
- 「滅びし竜と魔法使い」2009年7月1日初版発行(6月30日発売[32])、ISBN 978-4-04-424922-9
- 「銀の騎士と魔法使い」2010年2月1日初版発行(1月30日発売[33])、ISBN 978-4-04-424923-6
- 「白の魔法使い」2010年7月1日初版発行(6月30日発売[34])、ISBN 978-4-04-424924-3
- 「魔法使いの妹、再び」2011年2月1日初版発行(1月29日発売[35])、ISBN 978-4-04-424925-0
- 「争乱の魔法使いたち」2011年8月1日初版発行(7月30日発売[36])、ISBN 978-4-04-424927-4
- 「死線の魔法使いたち」2012年2月1日初版発行(1月31日発売[37])、ISBN 978-4-04-424926-7
- 「最後の魔法使いたち」2012年8月1日初版発行(7月31日発売[38])、ISBN 978-4-04-100396-1
- 「未来の魔法使いたち」2013年4月1日初版発行(3月30日発売[39])、ISBN 978-4-04-100758-7
外伝&イラスト集
- 三田誠(著) / pako(イラスト) 『レンタルマギカ 魔導書大全』 角川書店〈角川スニーカー文庫〉、2007年12月1日初版発行(11月30日発売[40])、ISBN 978-4-0442-4917-5
文庫未収録の短編など
ザ・スニーカーにほぼ毎号に掲載されており、掲載号で完結する短編の場合と長編の冒頭章のみを文庫本発売より先行して掲載する場合がある(「吸血鬼V.S.魔法使い!」「妖都の魔法使い」等)。文庫本収録時には加筆修正が行われる事がある。また、DVD第VI巻限定版には特典として書き下ろしの短編小説が同梱された。 以下は現時点で文庫本へ収録されていないエピソード。
- 魔法使いの祝祭(DVD第VI巻限定版 特典)
- 「明日一日、私と過ごすこと」 「社長とあたしやって年末はずっと!」 ソロモンの姫とケルトの魔女が衝突したクリスマスイヴの夜。いつの頃からか見慣れた「アストラル」のいつもの光景。しかし話は収まらず、猫屋敷は解決案として「合同儀礼」を提示する。これは「ゲーティア」と「アストラル」が並び立つ、クリスマスの1日の物語。
- レンタルマギカ 超スペシャル版 「魔法使いがいっぱい!」(2008年8月号掲載)
- いつき達キャラクター達が自ら「小説」と「アニメ」について語るスペシャルな短編。物語本編でも外伝でもない、「あっち」と「こっち」のお話。短編ではあるがザ・スニーカー2008年8月号では話は完結しておらず、続きはDVD第XII巻限定版へ特典として同梱される予定。
漫画
- 「レンタルマギカ」
- 月刊Asukaにおいて2006年8月号から2009年9月号まで連載された。原作小説第1巻から第2巻までをコミックス化している。
-
- 三田誠(原作) / pako(キャラクター原案) / 成宮アキホ(作画)、角川書店〈あすかコミックス〉、全5巻
- 2007年5月17日発売[41]、ISBN 978-4-04-925044-2
- 2007年10月17日発売[42]、ISBN 978-4-04-925052-7
- 2008年4月17日発売[43]、ISBN 978-4-04-925059-6
- 2009年1月17日発売[44]、ISBN 978-4-04-925066-4
- 2009年8月24日発売[45]、ISBN 978-4-04-925069-5
- 三田誠(原作) / pako(キャラクター原案) / 成宮アキホ(作画)、角川書店〈あすかコミックス〉、全5巻
- 「レンタルマギカ from SOLOMON」
- 月刊コンプエースにて2007年7月号から2008年5月号まで連載された。ゲーティア首領・アディリシアを主人公にしたスピンオフ作品。原作ではまだ描かれていないアディリシア幼少時[46]やゲーティア側のエピソードをアディリシアの視点で描いている。赤い種等一部設定は後に原作にも取り入れられた。
-
- 三田誠(原作) / pako(キャラクター原案) / MAKOTO2号(作画)、角川書店〈角川コミックス・エース〉、全2巻
- 2007年10月24日発売[47]、ISBN 978-4-0471-3978-7
- 2008年4月24日発売[48]、ISBN 978-4-0471-5051-5
- 三田誠(原作) / pako(キャラクター原案) / MAKOTO2号(作画)、角川書店〈角川コミックス・エース〉、全2巻
テレビアニメ
2007年10月から2008年3月まで全国独立UHF局にて放送された。全24話。
オープニング・エンディングでは、主題歌の歌詞自体が映像に含まれ、英語版の歌の回は映像も差し替えられている。次回予告には魔術考証の三輪清宗を模したキャラクターが登場していた[49]。原作との差異については小説・ドラマCD・漫画・アニメの差異についてを参照。
スタッフ
- 原作 - 三田誠・pako[2]
- 監督 - 川崎逸朗[2]
- シリーズ構成 - 池田眞美子[2]、三田誠
- キャラクターデザイン - 芝美奈子[2]
- クリーチャーデザイン - 橋本英樹[50]
- 美術監督 - 太田大[2]
- 色彩設計 - 岩井田洋[50]
- 撮影監督 - 奥井厚子、口羽毅[50]
- 編集 - 平木大輔[50]
- 音響監督 - 岩浪美和[50]
- 音楽 - 江口貴勅[2]、市川淳[2]、佐藤直紀
- プロデューサー - 立崎孝史、鈴木智子、武智恒雄、陽木哲、山口晋輝、川崎とも子[50]
- アニメーション制作 - ZEXCS[2]
- 製作 - レンタルマギカ製作委員会[2](角川書店、角川映画、クロックワークス、IMAGICA、NTTドコモ[51]、ZEXCS)
主題歌
- オープニングテーマ
-
- 「宇宙に咲く」(第1話 - 第6話、第13話 - 第18話、第22話)
- 作詞 - 小峰理紗 / 作曲 - 山崎ますみ / 編曲 - 山崎敦 / コーラス編曲 - 江口貴勅 / 歌 - コミネリサ
- 第1話はOPが無く、EDとして使用。
- 「Faith」(第7話 - 第12話、第19話 - 第21話、第23話)
- 作詞 - 有坂美香 / 作曲 - 山崎ますみ / 編曲 - 山崎敦 / コーラス編曲 - 江口貴勅 / 歌 - コミネリサ
- 「宇宙に咲く」の英語版。第6話では挿入歌として使用。
- 「宇宙に咲く 〜弾き語りVersion〜」(第24話)
- 作詞 - 小峰理紗 / 作曲 - 山崎ますみ / 編曲 - 小峰理紗 / 歌・演奏 - コミネリサ
- エンディングテーマ
- 挿入歌
-
- 「ついてる百回そんぐ」(第8話)
- 作詞・作曲・編曲 - 松尾泰伸 / 歌 - アストラルのみなさん
- 「歩いていこう。(アカペラVersion)」(第12話、第21話)
- 作詞・作曲 - 吉田旬吾 / 編曲 - 宅見将典 / 歌 - 吉田旬吾
- 「聖なる夜に」(第12話)
- 作詞 - エリコ / 作曲・編曲 - 市川淳 / 歌 - アストラルのみなさんと子供たち
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 原作収録巻 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 魔法使い、貸します | 池田眞美子 | 川崎逸朗 | 川崎逸朗 藤本ジ朗 |
堀越久美子 | 芝美奈子 | 「魔法使いのクラスメイト」内 「魔法使いと神隠し」 |
2 | 魔女の誓い | 岡村正弘 | 烏宏明 | オリジナルエピソード[52] | |||
3 | 神々の禊ぎ | 笹野恵 | 徳本善信 | 織岐一寛 | 烏宏明 | 「魔法使い、集う!」内 「魔法使いと夏祭り」 | |
4 | ひとりじゃないから | 山田由香 | 藤本ジ朗 | 雨宮英雄 崔瑛旻 |
堀越久美子 | 「魔法使い、集う!」内 「魔法使い、貸します!」 | |
5 | 魔術の夜 (マギ・ナイト) |
あみやまさはる | 川崎逸朗 | 畠山茂樹 | 番由紀子 | 烏宏明 | 「魔法使い、貸します!」 |
6 | 妖精眼 (グラムサイト) |
藤本ジ朗 | 中本尚 さのえり | ||||
7 | 赤い髪の少女 | 池田眞美子 | 井硲清高 | 濱崎義浩 | Young Sang Kuan 和田道也 |
堀越久美子 | 「魔法使いV.S.錬金術師!」 |
8 | 温泉魔法 | 難波江宏隆 | 岡村正弘 | 谷川亮介 中村佳史 山崎正和 |
烏宏明 | オリジナルエピソード | |
9 | 父を継ぐ者 | 池田眞美子 | 影山楙倫 | 渡辺穏寛 | 北村友幸 都竹隆治 |
「魔法使いV.S.錬金術師!」 | |
10 | ホムンクルスの涙 | 川崎逸朗 | 川崎逸朗 徐恵眞 |
堀越久美子 海野なつき | |||
11 | 死者に咲く花 | 山田由香 | 金﨑貴臣 | 徳本善信 | 織岐一寛 杉藤さゆり |
堀越久美子 | 「魔法使い、集う!」内 「魔法使いと花泥棒」 |
12 | 聖夜に捧げる レクイエム |
笹野恵 | 藤本ジ郎 | 中本尚 さのえり 岡辰也 谷川亮介 |
烏宏明 | 「魔法使い、修行中!」内 「魔法使いとクリスマス」 | |
13 | 入信儀礼 | あみやまさはる | 影山楙倫 | 白石道太 | 清水勝祐 いわさきたいすけ |
堀越久美子 | 「魔法使いの宿命(さだめ)!」内 「魔法使いと学校の怪談」 |
14 | 星のキオク | 山田由香 | 小島多美子 | 畠山茂樹 | 山崎正和 若野哲也 佐藤天昭 |
烏宏明 | 「魔法使いの宿命(さだめ)!」内 「魔法使いと星祭り」 |
15 | 人魚の伝説 | 笹野恵 | 名和宗則 | 藤本ジ朗 | 海野なつき 村上真紀 |
堀越久美子 | 「魔法使いの宿命(さだめ)!」内 「魔法使いと夏の海」 |
16 | 赤い槍 | 山田由香 | 中村憲由 | 渡部穏寛 | 北村友幸 都竹隆治 氏家嘉宏 |
烏宏明 | 「魔法使い、修行中!」内 「魔法使いと赤い槍」 |
17 | 魔神の反乱 | 笹野恵 | 山本天志 | 岡村正弘 | 織岐一寛 杉藤さゆり |
「魔法使い、修行中!」内 「魔法使いとソロモンの血」 | |
18 | ソロモンの絆 | 山田由香 | 徳本善信 | 中本尚 さのえり 小川一郎 |
「魔法使い、修行中!」内 「魔法使いとソロモンの絆」 | ||
19 | 巫女の故郷 | あみやまさはる | 金﨑貴臣 | 畠山茂樹 | 澤田孝秋 佐藤天昭 |
「鬼の祭りと魔法使い」(上)(下) | |
20 | 鬼の祭り | 大平直樹 | 佐野英敏 都竹隆治 | ||||
21 | 白と黒のドレス | 笹野恵 | 小林哲也 | 渡部穏寛 | 都竹隆治 氏家嘉宏 北村友幸 |
「レンタルマギカ 魔導書大全」内 「魔法使い、結婚します!?」 | |
22 | 眠れる街 | 池田眞美子 | 川崎逸朗 | 村上真紀 海野なつき 杉本智子 |
芝美奈子 | 「レンタルマギカ 竜と魔法使い」 | |
23 | 取り替え児 (チェンジリング) |
川崎逸朗 | 岡村正弘 | 織岐一寛 杉藤さゆり | |||
24 | アストラル | 川崎逸朗 | 堀越久美子 村上真紀 海野なつき 橋本英樹[53] |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送区分 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
千葉県 | チバテレビ | 2007年10月8日 - 2008年3月24日 | 月曜 0:00 - 0:30(日曜深夜) | 独立UHF局 | |
埼玉県 | テレ玉 | 月曜 1:30 - 2:00(日曜深夜) | |||
神奈川県 | tvk | 2007年10月9日 - 2008年3月25日 | 火曜 1:15 - 1:45(月曜深夜) | ||
京都府 | KBS京都 | 火曜 1:30 - 2:00(月曜深夜) | |||
福岡県 | TVQ九州放送 | 火曜 1:53 - 2:23(月曜深夜) | テレビ東京系 | ||
北海道 | テレビ北海道 | 火曜 2:00 - 2:30(月曜深夜) | |||
兵庫県 | サンテレビ | 2007年10月10日 - 2008年3月26日 | 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) | 独立UHF局 | |
東京都 | TOKYO MX | 2007年10月11日 - 2008年3月27日 | 木曜 1:30 - 2:00(水曜深夜) | ||
愛知県 | テレビ愛知 | 木曜 2:28 - 2:58(水曜深夜) | テレビ東京系 | ||
日本全域 | AT-X | 2008年8月6日 - 2009年1月14日 | 水曜 10:30 - 11:00 | CS放送 | リピート放送あり |
DVD
全12巻(各巻2話、計24話収録)で限定版「アストラルグリモア」と通常版「スリムグリモア」の2種類を発売。限定版には魔術解説書と特製グッズが同梱される。魔術解説書はアフレコ台本、アニメ設定資料、魔術解説(第I巻はケルト魔術編)という構成。第VI巻には特製グッズとして書き下ろし短編小説が同梱された。 第XII巻限定版には「魔法使いがいっぱい!」の続きが同梱される。
- 第I巻(2007年12月21日発売) :KABA-3601(限定版) :KABA-3701(通常版)
- 第II巻(2008年1月25日発売) :KABA-3602 :KABA-3702
- 第III巻(2008年2月22日発売) :KABA-3603 :KABA-3703
- 第IV巻(2008年3月21日発売) :KABA-3604 :KABA-3704
- 第V巻(2008年4月25日発売) :KABA-3605 :KABA-3705
- 第VI巻(2008年5月23日発売) :KABA-3606 :KABA-3706
- 第VII巻(2008年6月27日発売) :KABA-3607 :KABA-3707
- 第VIII巻(2008年7月25日発売) :KABA-3608 :KABA-3708
- 第IX巻(2008年8月22日発売) :KABA-3609 :KABA-3709
- 第X巻(2008年9月26日発売) :KABA-3610 :KABA-3710
- 第XI巻(2008年10月24日発売) :KABA-3611 :KABA-3711
- 第XII巻(2008年11月28日発売) :KABA-3612 :KABA-3712
CD
- 「宇宙(そら)に咲く」 - 2007年11月21日発売 VTCL-35005
- 「歩いていこう。」 - 2007年11月21日発売 VTCL-35006
- 上記2作品は#主題歌を参照。
- webラジ voice theater 「レンタルマギカ 魔法使いの宴」 - 2006年8月2日発売 VICL-61994
- webラジ voice theater 「レンタルマギカ 魔法使いのススメ」 - 2006年10月4日発売 VICL-61996
- オリジナルのボイスドラマ、ドタバタでコミカルな日常を描いた短編3作と事件短編「魔法使いとコンピュータ」他2作を収録。
- 声の出演:福山潤、諏訪部順一、植田佳奈、高橋美佳子、釘宮理恵、小野大輔、他
- スペシャルアルバム 「THE 縁起物〜聴くと幸せになれる(かも)CD」 - 2007年12月19日発売 VTCL-60008
- 伊庭いつきと猫屋敷蓮による架空ラジオ番組、アストラルメンバによるコント、「ラジオ・レンタルマギカ」オープニングテーマ「紅の伝説」ほか4曲収録。
- 歌:コミネリサ、金太郎、アストラルのみなさん
- 声の出演:福山潤、諏訪部順一、植田佳奈、高橋美佳子、釘宮理恵
- 「レンタルマギカ」音魔術-Sound Magica- - 2008年1月23日発売 VTCL-60009
- オリジナルサウンドトラック集。
- 「レンタルマギカ」Special Gift「愛のアルバム〜for♂」 - 2008年2月14日発売 VTCL-60010
- 女性キャラクターから男の子達へ贈るアルバム。キャラクターソングのほかドラマパートも収録されている。
- 歌:植田佳奈、高橋美佳子、釘宮理恵、伊藤静、アストラルのみなさん
- 声の出演:福山潤、諏訪部順一、植田佳奈、高橋美佳子、釘宮理恵、伊藤静(黒羽まなみ 役)
- 「レンタルマギカ」Special Gift「愛のアルバム〜for♀」 - 2008年2月14日発売 VTCL-60011
- 男性キャラクターから女の子達へ贈るアルバム。キャラクターソングのほかドラマパートも収録されている。
- 歌:諏訪部順一、アストラルのみなさん
- 声の出演:福山潤、諏訪部順一、植田佳奈、高橋美佳子、釘宮理恵、伊藤静、小野大輔
インターネットラジオ
- WEBラジ 「ラジオ・レンタルマギカ〜魔法使い、しゃべります!」
- 公式サイト配信のインターネットラジオ 「ラジオ・レンタルマギカ」
- 配信期間:2007年6月29日 - 2007年9月7日。全6回で終了。
- パーソナリティ:福山潤、植田佳奈
- ゲスト:高橋美佳子、諏訪部順一、伊藤静
- WEBラジ 「ラジオ・レンタルマギカ〜魔法使い、もっともっとしゃべります!」
- 配信期間:2007年10月5日 - 2008年3月28日。毎週金曜更新。全26回で終了。
- パーソナリティ:福山潤、諏訪部順一
- ゲスト:吉田旬吾、植田佳奈、高橋美佳子、小西克幸(隻蓮 役)
- 主題歌
- OPテーマ曲「紅の伝説」(歌:コミネリサ)
- EDテーマ曲「ついてる100回そんぐ」(歌:金太郎)、Christmas Song「聖なる夜に」(歌:アストラルのみなさん)
その他
- モバイルサイト
- 角川書店による携帯電話向け公式サイト。作品に関する基本情報の他に、<アストラル>社員による「モバイル業務日誌」(作品製作談話)などPC向け公式サイトでは公開されていない独自コンテンツを持つ。
- 第1回人気投票:キャラクター投票と読みたいエピソード
- ザ・スニーカーで実施された第一回<アストラル>株主総会議題のひとつ。人気投票1位と2位のキャラクターと読者リクエスト1位のエピソードで、作者が小説を書くという企画。投票結果とエピソード「魔法使い、結婚します?!」はザ・スニーカー2007年6月号に掲載された(その後、角川スニーカー文庫「レンタルマギカ 魔導書大全」へ収録)。投票結果は以下の通り。
- キャラクター人気投票
- 1位…アディリシア・レン・メイザース
- 2位…穂波・高瀬・アンブラー
- 3位…伊庭いつき
- 4位…猫屋敷蓮
- 5位…隻蓮
- 6位…黒羽まなみ
- 7位…伊庭勇花
- 8位…ラピス
- 9位…葛城みかん
- 10位…ダフネ
- 読みたいエピソード投票
- 1位…恋愛もの
- 2位…学園もの
- 3位…魔法戦闘もの
- その他、投票されたエピソード
- いつきの少年時代
- 学園祭
- 旅行
- 編集者対猫屋敷 など
- イベント
-
- 『風のスティグマ』&『レンタルマギカ』最強ライトノベルまつり!(2007年9月16日)
- 出演:福山潤、高橋美佳子、小野大輔
- レンタルマギカ・ファン感謝イベント『マギ・ナイト・パーティ』(2008年3月29日)
- 出演:福山潤、植田佳奈、高橋美佳子、諏訪部順一、釘宮理恵、伊藤静、小野大輔、三田誠、pako、三輪清宗、小峰理紗、吉田旬吾
脚注
- ^ “シリーズ累計発行部数”. ラノベニュースオンライン 2022年12月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “レンタルマギカ”. メディア芸術データベース. 2023年5月28日閲覧。
- ^ 原作および webラジ『voice theater「レンタルマギカ」魔法使いのススメ』より。
- ^ 要約すると「演技を時々参考にしているがモデルという程ではない」という内容。詳細はザ・スニーカー2008年8月号掲載の「魔法使いがいっぱい!」の作中に登場する「作者からの手紙」を参照。
- ^ アニメ13話では「ADILICIA」となっている。
- ^ webラジ『voice theater「レンタルマギカ」魔法使いのススメ』より。
- ^ レンタルマギカ 第III巻アストラルグリモア、魔術解説書「ソロモン王の魔術編」より。
- ^ ザ・スニーカー2008年4月号より引用。
- ^ 文書や時期によって「No.2」「No.1」「トップクラス」など微妙に異なる。
- ^ 「月刊ニュータイプ」2008年2月号インタビュー記事および「レンタルマギカ〜魔法使いもっともっとしゃべります〜」第17回放送より。後者のラジオ放送内ではキャスト変更に関するエピソードが福山潤、諏訪部順一、高橋美佳子によって詳しく語られている。
- ^ 相当の重量を支え、複数のものを同時に動かすなど、かなり強力に習熟している。
- ^ 小説「竜と魔法使い」の巻頭カラーイラストとモバイルサイトの魔術紹介では?表記である。しかし、『ザ・スニーカー』2007年6月号掲載の「レンタルマギカ魔術大全」では7となっている。?と7のどちらが正しいかは今のところ明確ではない模様。
- ^ 「悪魔」「魔神」と言っても他宗教においては神とみなされる存在を含んでおり、またソロモン王の時代では精霊と悪魔には区別はないとの説もある。そのため必ずしも邪悪な存在ばかりとは言えず、一般的に知られる悪魔のイメージとはやや異なるものと言えなくもない。
- ^ ザ・スニーカー2007年6月号「レンタルマギカ魔術大全」より。
- ^ レンタルマギカ 第III巻 アストラルグリモア付属、魔術解説書より一部引用。
- ^ レンタルマギカ 第III巻 アストラルグリモア付属、魔術解説書より。
- ^ “レンタルマギカ 〜魔法使い、貸します!”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔法使いVS錬金術師!”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔法使い、集う!”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 竜と魔法使い”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔法使いの宿命!”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔法使い、修行中!”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い(上)”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い(下)”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔法使いのクラスメイト”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 吸血鬼V.S.魔法使い!”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 妖都の魔法使い”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔法使いの記憶”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ ありし日の魔法使い”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔法使いの妹”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 旧き都の魔法使い”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 滅びし竜と魔法使い”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 白の魔法使い”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔法使いの妹、再び”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 争乱の魔法使いたち”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 死線の魔法使いたち”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 最後の魔法使いたち”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 未来の魔法使いたち”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 魔導書大全”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 1(漫画)”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 2(漫画)”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 3(漫画)”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 4(漫画)”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ 5(漫画)”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ 漫画(レンタルマギカ from SOLOMON)にて描かれたアディリシア幼少時のエピソードが、後に原作小説の短編「魔法使いの代理授業」の中で過去のエピソードとして登場する。
- ^ “レンタルマギカ from SOLOMON 1”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “レンタルマギカ from SOLOMON 2”. KADOKAWA. 2022年12月7日閲覧。
- ^ ただし、声は三輪本人ではなく猫屋敷蓮役の諏訪部順一が担当した。台本には台詞が書かれておらず、アドリブで喋った台詞にあわせてアニメの絵が製作されていた(WEBラジ「ラジオ・レンタルマギカ〜魔法使い、もっともっとしゃべります!」およびイベント「マギ・ナイト・パーティ」より)。
- ^ a b c d e f “レンタルマギカ”. allcinema. 2023年6月1日閲覧。
- ^ 製作のNTTドコモは、携帯電話事業者で初めてUHFアニメの製作に参加している。
- ^ アニメ第2話で描かれたいつきと穂波の幼少時のエピソードは、原作においては短編などの独立した形では存在しないが過去の出来事として物語の中で断片的に語られている。
- ^ クリーチャー作画監督
- ^ ドラマCDの「布留川神社の事件」が後に原作小説の短編「魔法使いの査定!」の中で過去の事件として登場する。
関連項目
外部リンク
- レンタルマギカ - KADOKAWA内 公式サイト
- レンタルマギカ - TOKYO MX内 アニメ公式HP
- レンタルマギカ〜魔法使い、しゃべります!
- ラジオ・レンタルマギカ~魔法使い、もっともっとしゃべります!
- 超音速あんこ-unco- - イラストレータ・pakoのブログ
- 癒し (CD・DVD) 音楽 02MA RECORDS/松尾泰伸 - 「ラジオ・レンタルマギカ〜魔法使い、もっともっとしゃべります!」EDテーマ曲
- レンタルマギカ(DVD1巻発売告知CM) - YouTube