カーティス・ロス・オーレンドルフCurtis Ross Ohlendorf, 1982年8月8日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州オースティン出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。

ロス・オーレンドルフ
Ross Ohlendorf
シンシナティ・レッズ時代
(2016年4月27日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テキサス州オースティン
生年月日 (1982-08-08) 1982年8月8日(41歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
240 lb =約108.9 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2004年 MLBドラフト4巡目(全体116位)で
初出場 MLB/ 2013年8月7日
NPB / 2017年4月2日
最終出場 MLB / 2016年10月2日
NPB / 2017年4月23日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入りとダイヤモンドバックス傘下時代 編集

2004年MLBドラフト4巡目(全体116位)でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名され、7月9日に契約。

2006年にAAA級ツーソン・サイドワインダーズに昇格。オフにテキサス大学財務部のインターンシップに参加した[1]

ヤンキース時代 編集

2007年1月9日にランディ・ジョンソンとのトレードで、アルベルト・ゴンザレススティーブン・ジャクソン英語版ルイス・ビスカイーノと共にニューヨーク・ヤンキースへ移籍[2]。移籍後はAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキースでプレー。9月9日にメジャー初昇格を果たし、9月11日のトロント・ブルージェイズ戦でメジャーデビュー。7点リードの9回裏に登板し、1回を無安打無失点1三振に抑えた。ポストシーズンではアメリカンリーグディビジョンシリーズ(ALDS)のロースター入りを果たした。10月4日のクリーブランド・インディアンス戦で王建民が8失点で降板した5回2死から2番手で登板。しかし1回4安打1四球3失点と抑えられず、6回2死で降板した。

パイレーツ時代 編集

2008年7月26日にダマソ・マルテゼイビア・ネイディとのトレードで、ジェフ・カーステンスダニエル・マカッチェンホセ・タバタと共にピッツバーグ・パイレーツへ移籍[3]。移籍後はAAA級インディアナポリス・インディアンスでプレーした。9月2日にメジャー昇格。移籍後は5試合に登板し、0勝3敗と結果を残すことができなかった。

2009年は29試合に登板し、自己最多の11勝(10敗)を挙げた。9月5日のセントルイス・カージナルス戦ではメジャー40人目となる「三者連続三球三振」を達成した。オフに農務省インターンシップに8週間参加した[4]

2010年7月28日のコロラド・ロッキーズ戦の1回裏2死の場面でトロイ・トゥロウィツキーの打球が頭部に直撃し降板した[5]。この年は21試合に登板し、1勝11敗と結果を残せなかった。

2011年、球団は96万1000ドル増額の140万ドルを提示したが、オーレンドルフは不服として年俸調停に持ち込み、2月9日に自身の要求額である202万5000ドルが認められた[6][7]。しかしシーズンは肩の故障でシーズンの大半をリハビリに費やした[8]。8月23日にメジャー昇格[9]。9月5日のニューヨーク・メッツ戦ではデイナ・イブランドからメジャー初本塁打を記録し、この試合の決勝打となった[10]が、シーズンはこの1勝にとどまった。オフの12月8日に放出された。

レッドソックス傘下時代 編集

2012年2月16日にボストン・レッドソックスとマイナー契約で合意[11]。AAA級ポータケット・レッドソックスでプレーしていた。6月2日にFAとなった。

パドレス時代 編集

2012年6月4日にサンディエゴ・パドレスと1年契約で合意[12]。6月16日にメジャー昇格。13試合に登板し4勝4敗・防御率は7.77を記録し、8月18日にAAA級ツーソン・パドレスに降格[13]。9月4日にDFAとなり[14]、10月10日にFAとなった。

ナショナルズ時代 編集

 
ワシントン・ナショナルズ時代
(2013年7月26日)

2013年1月10日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ[15]。開幕はAAA級シラキュース・チーフスで迎えた。6月12日にメジャー昇格した[16]。シーズンは16試合に登板し、4勝1敗と2009年以来の貯金を作った。12月2日にナショナルズと125万ドルの1年契約に合意した[17]

2014年3月21日に腰を痛め、15日間の故障者リスト入り。3月26日に60日間の故障者リストへ異動。この年はメジャーでの登板はなかった。

レンジャーズ時代 編集

2015年1月23日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結んだ[18]。5月17日にメジャー契約となり、25人枠入りする[19]。7月27日にDFAとなり[20]、7月31日に解雇となるが、8月5日にマイナー契約でレンジャーズと再契約し、AAA級ラウンドロック・エクスプレスへ配属された。9月1日にロースター拡大に伴ってメジャー昇格した。2年ぶりのメジャー復帰となったこの年は、21試合でマウンドに登って3勝1敗・防御率3.72・WHIP1.45という、まずまずの成績だった。オフの11月2日にFAとなった[21]

レッズ時代 編集

2016年2月18日にカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結んだが、3月23日に自由契約となった[22]。3月26日にシンシナティ・レッズと年俸80万ドルでのメジャー契約を結んだ。5月13日のパイレーツ戦で、すでに警告試合が宣告された状態で登板し、デビッド・フリースに死球を与えて退場処分となり、3試合の出場停止処分と罰金を科せられた。[23]。2016年11月3日、FAとなった[24]

東京ヤクルト時代 編集

2016年12月28日に日本プロ野球の東京ヤクルトスワローズと契約[25][26]

2017年オープン戦では好投したものの[27]、レギュラーシーズンに入ると横浜DeNAベイスターズとの開幕カードの3戦目で先発し、ミスも絡んで[28]6回4失点(自責点2)だった[29]。4月23日の広島東洋カープ戦でも2回3失点(勝ち負けつかず)でKOされ、二軍降格となった[30][31]。8月17日に右肩の検査のため帰国した[32]。前述の広島戦を最後に登板がなく[33]、4試合の登板(いずれも先発)で0勝1敗、防御率5.50と振るわなかった。オフの9月14日に自由契約となった[34]

投球スタイル 編集

走者がいない時は腕を後ろから大きく振りかぶるワインドアップで投げる[35]。長身を生かした角度ある直球が武器[36]。持ち球は、フォーシームツーシーム、2種類のスライダーチェンジアップ[37]。2016年シーズン終了時点で、ゴロ/フライ比率がメジャー通算0.66と低く、フライボールピッチャーの傾向がある[38]

人物 編集

プリンストン大学では経済学を学んだ。クラスメートの多くは金融系の仕事に就いたという[39]。実家では広大な牧場を経営している[40][41]

来日した際に寿司を食べ、気に入っていた[42]

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2007 NYY 6 0 0 0 0 0 0 0 1 --- 26 6.1 5 1 2 0 0 9 0 0 2 2 2.84 1.11
2008 25 0 0 0 0 1 1 0 4 .500 187 40.0 50 7 19 3 1 36 6 0 31 29 6.53 1.73
PIT 5 5 0 0 0 0 3 0 0 .000 113 22.2 36 3 12 0 0 13 4 1 18 16 6.35 2.12
'08計 30 5 0 0 0 1 4 0 4 .200 300 62.2 86 10 31 3 1 49 10 1 49 45 6.46 1.87
2009 29 29 0 0 0 11 10 0 0 .524 725 176.2 165 25 53 1 7 109 2 1 80 77 3.92 1.23
2010 21 21 0 0 0 1 11 0 0 .083 475 108.1 106 12 44 2 6 79 5 0 54 49 4.07 1.39
2011 9 9 0 0 0 1 3 0 0 .250 194 38.2 60 9 15 2 6 27 2 0 38 35 8.15 1.94
2012 SD 13 9 0 0 0 4 4 0 0 .500 233 48.2 62 7 24 0 1 39 2 1 44 42 7.77 1.77
2013 WSH 16 7 0 0 0 4 1 0 1 .800 247 60.1 56 8 14 1 1 45 1 0 22 22 3.28 1.16
2015 TEX 21 0 0 0 0 3 1 1 7 .750 85 19.1 21 4 7 2 0 19 0 0 8 8 3.72 1.45
2016 CIN 64 0 0 0 0 5 7 2 3 .417 290 65.2 59 14 32 1 6 68 4 0 35 34 4.66 1.39
2017 ヤクルト 4 4 0 0 0 0 1 0 0 .000 84 18.0 18 1 11 0 1 15 2 0 13 11 5.50 1.61
MLB:9年 209 80 0 0 0 30 41 3 16 .423 2575 586.2 620 90 222 12 28 444 26 3 332 314 4.82 1.44
NPB:1年 4 4 0 0 0 0 1 0 0 .000 84 18.0 18 1 11 0 1 15 2 0 13 11 5.50 1.61
  • 2020年度シーズン終了時

記録 編集

NPB投手記録
NPB打撃記録
  • 初打席:同上、4回裏に濵口遥大から空振り三振

背番号 編集

  • 60 (2007年)
  • 39 (2008年 - 同年途中)
  • 49 (2008年途中 - 2011年)
  • 59 (2012年)
  • 43 (2013年)
  • 25 (2015年 - 同年途中)
  • 51 (2015年途中 - 同年終了)
  • 27 (2016年)
  • 34(2017年 - 同年途中)

脚注 編集

  1. ^ Jenifer Langosch (2009年10月22日). “Mr. Ohlendorf goes to Washington” (英語). MLB.com. 2017年1月12日閲覧。
  2. ^ Ohlendorf excited to finally be a Yankee MiLB.com
  3. ^ Yanks acquire Nady, Marte from Bucs for 4 minor league prospects Sports Illustrated
  4. ^ Intern Ohlendorf home for holidays MLB.com
  5. ^ Ohlendorf's injury MLB.com
  6. ^ Ross Ohlendorf gets big pay raise ESPN MLB
  7. ^ Anthony Castrovince (2011年2月9日). “Ohlendorf wins arbitration hearing” (英語). MLB.com. 2017年1月12日閲覧。
  8. ^ Ross Ohlendorf Injury Rehab Shut Down Due To Renewed Discomfort Baseball Nation
  9. ^ Pirates recall Ross Ohlendorf ESPN MLB
  10. ^ Pirates' Russ Ohlendorf homers, nabs first win of season vs. Dodgers ESPN MLB
  11. ^ Boston Red Sox Sign Ross Ohlendorf MLB Daily Dish
  12. ^ Padres Sign Ross Ohlendorf; Designate Matt Palmer MLB Daily Dish
  13. ^ Padres option Ohlendorf to minors FOX Sports
  14. ^ Padres Notes: Team DFAs Ohlendorf, Rodriguez; Activates Bass; Recalls Boxberger, Parrino, Solis MLB Daily Dish
  15. ^ Nats sign Ohlendorf, Mann to Minor League deals MLB.com
  16. ^ Nationals call up Ross Ohlendorf ESPN MLB
  17. ^ Nationals, Ohlendorf agree on one-year deal MLB.com
  18. ^ Brandon Wise (2015年1月23日). “Rangers sign Ross Ohlendorf to minor-league contract” (英語). FANTASY NEWS (CBSSports.com). http://fantasynews.cbssports.com/fantasybaseball/update/24986671/rangers-sign-ross-ohlendorf-to-minor-league-contract 2015年7月28日閲覧。 
  19. ^ Shawn Krest (2015年5月17日). “Rangers put Ross Detwiler on DL” (英語). FANTASY NEWS (CBSSports.com). http://fantasynews.cbssports.com/fantasybaseball/update/25187948/rangers-put-ross-detwiler-on-dl 2015年7月28日閲覧。 
  20. ^ Anthony Andro (2015年7月27日). “Rangers bring up Phil Klein for bullpen help” (英語). FOX SPORTS. http://www.foxsports.com/southwest/story/texas-rangers-bring-up-klein-for-bullpen-help-072715 2015年7月28日閲覧。 
  21. ^ Transactions | texasrangers.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2016年2月19日閲覧。
  22. ^ “Ross Ohlendorf Statistics and History : Transactions” (英語). Baseball-Reference.com. (2016年5月15日). http://www.baseball-reference.com/players/o/ohlenro01.shtml 2016年5月16日閲覧。 
  23. ^ “レッズ救援右腕、警告後にD.フリースへの死球で出場停止処分”. iSM (Yahoo!JAPAN). (2016年5月14日). オリジナルの2016年5月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160530171145/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160514-00000211-ism-base 2016年5月16日閲覧。 
  24. ^ MLB公式プロフィール参照。2017年1月12日閲覧。
  25. ^ 新外国人選手獲得のお知らせ”. 東京ヤクルトスワローズ (2016年12月28日). 2017年1月12日閲覧。
  26. ^ ヤクルト、メジャー30勝右腕オーレンドルフ獲得”. SANSPO.COM (2016年12月27日). 2021年5月13日閲覧。
  27. ^ ツバメ新助っ投オーレンドルフ好投4回無失点/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online. 2021年5月13日閲覧。
  28. ^ 出場成績 2017年4月2日(日) vs. DeNA JERA セ・リーグ公式戦 神宮 | 東京ヤクルトスワローズ”. www.yakult-swallows.co.jp. 2022年7月3日閲覧。
  29. ^ 出場成績 2017年4月2日(日) vs. DeNA JERA セ・リーグ公式戦 神宮 | 東京ヤクルトスワローズ”. www.yakult-swallows.co.jp. 2022年7月3日閲覧。
  30. ^ 24日の公示 巨人が森福、ヤクルトがオーレンドルフ、DeNAが佐野を抹消”. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2017年4月24日). 2022年7月3日閲覧。
  31. ^ ヤクルト・ドラ2星“緊急登板”4回0封 先発オーレンドルフは2軍降格”. www.daily.co.jp. 2022年7月3日閲覧。
  32. ^ オーレンドルフ、ヤクルト退団決定「申し訳ない気持ちでいっぱい」”. サンスポ. 2022年7月3日閲覧。
  33. ^ ヤクルト・オーレンドルフが一時帰国 右肩を検査 - 野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2022年7月3日閲覧。
  34. ^ “ヤクルト・オーレンドルフが自由契約に 助っ人投手最高年俸で契約も0勝”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2017年9月14日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/09/14/kiji/20170914s00001173185000c.html 2017年9月14日閲覧。 
  35. ^ WSH@COL: Ohlendorf solid wins in first 2013 start
  36. ^ オーレンドルフ収穫5回1失点 真中監督「良くなった」 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年7月3日閲覧。
  37. ^ “【ヤクルト】新外国人オーレンドルフ、来日初ブルペンで全球種披露”. スポーツ報知. (2017年2月11日). https://web.archive.org/web/20170917081848/http://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20170211-OHT1T50140.html 2017年7月1日閲覧。 
  38. ^ Ross Ohlendorf Stats”. ESPN. 2017年7月1日閲覧。
  39. ^ 【球界ここだけの話(889)】ヤクルト・オーレンドルフ、官僚になってもおかしくなかった秀才!米農務省でインターン経験”. SANSPO.COM (2017年4月28日). 2021年5月13日閲覧。
  40. ^ 【球界ここだけの話(889)】ヤクルト・オーレンドルフ、官僚になってもおかしくなかった秀才!米農務省でインターン経験”. SANSPO.COM (2017年4月28日). 2021年5月13日閲覧。
  41. ^ INC, SANKEI DIGITAL. “ヤクルトの新“助っ投”は食用牛の目利き・オーレンドルフ 広島や巨人を丸かじりに…”. ZAKZAK. 2021年5月13日閲覧。
  42. ^ 俺も「すし男」ヤクルト・オーレンドルフが元祖斬り - 野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2021年5月13日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集