安丸良夫

日本の歴史家 (1934-2016)

安丸 良夫(やすまる よしお、1934年昭和9年)6月2日 - 2016年平成28年)4月4日)は、日本の歴史学者。専門は近世近代日本思想史、宗教史一橋大学名誉教授。

安丸 良夫
人物情報
生誕 (1934-06-02) 1934年6月2日
日本の旗 日本富山県
死没 2016年4月4日(2016-04-04)(81歳)
日本の旗 日本東京都
出身校 京都大学
学問
研究分野 歴史学(日本史日本思想史・宗教史)
研究機関 一橋大学
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経歴編集

業績編集

研究内容編集

民衆史学の興隆の中で『日本の近代化と民衆思想』を著し、色川大吉鹿野政直らとともに民衆思想史の第一人者として活躍した。思想史家らが論じてきた「頂点的思想家」の支配思想と異なり、通俗道徳に基づいた民衆の自己鍛練の思想を論じることで、資本主義成立期の貧農や商人の没落とそれに伴う教派神道などの民衆宗教の勃興を論じている。その後も『出口なお』、『神々の明治維新』などで近代の民衆信仰を研究し続けたほか、民衆史の退潮に伴い、『近代天皇像の形成』、『文明化の経験』など近世から近代への移行期を描く著作を多く残している。日本の歴史学や思想史学の歴史や方法にも関心が深く、『方法としての思想史』、『戦後歴史学という経験』、『現代日本思想論』などを著している。 『神々の明治維新』では、全国各地の氏神を祀ってきた神社に記紀の皇統神を合祀し、国による組織化を進めるなど、それまでの民衆の信仰とはかなり違う性質のものとなったと主張している。

教育編集

指導学生に如来教研究者の神田秀雄(天理大学教授)など[4]

著作編集

  • 『安丸良夫集』全6巻、岩波書店 2013。編集委員:島薗進成田龍一岩崎稔若尾政希
    • 1 民衆思想史の立場、2 民衆運動の思想
    • 3 宗教とコスモロジー、4 近代化日本の深層
    • 5 戦後知と歴史学、6 方法としての思想史

単著編集

共著・編著編集

校訂・注解

脚注編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 一橋大学名誉教授安丸良夫年譜」『一橋論叢』122巻2号、1999年、pp.342-343。
  2. ^ “歴史学者の安丸良夫さん死去 斬新な民衆運動論を展開”. 朝日新聞デジタル. (2016年4月4日). https://www.asahi.com/articles/ASJ3T6DKTJ3TUCLV00Q.html 2020年1月22日閲覧。 
  3. ^ 歴史学者の安丸良夫さん死去 斬新な民衆運動論を展開 朝日新聞 2016年4月4日
  4. ^ 昭和57年度 学位授与・単位修得論文一覧」『一橋研究』第8巻第2号、一橋研究編集委員会、1983年7月、174-177頁、doi:10.15057/6235ISSN 0286-861XNAID 110007620779 

参考文献編集

関連人物編集

外部リンク編集