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主要な11の惑星記号

惑星記号(わくせいきごう)は、太陽系惑星を表す記号である。一部、歴史的に惑星とされたことがある天体や、天文学では惑星とされたことのない天体にもある。

概要編集

古くから、占星術タロットなどでも使われている記号。天王星冥王星など複数記号が存在するものもある。Unicodeなどにより、コンピュータ上でも大半の惑星記号が利用できる。

火星()、金星()の記号は、オス・メスを表す記号としても使われる。

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主要な11天体編集

太陽系の8惑星と、歴史上惑星とされた時代が長かった太陽冥王星の記号を示す。占星術では地球以外が10大天体とされる。

記号 天体 ギリシャ神
ローマ神
その他の意味
画像 文字 コード ver 名称 発見年 五行思想 曜日 元素
  
🜚
U+2609
U+1F71A
初期
6.0
太陽 古代 アポローン
アポロ
(陰陽) 日曜日 (  )
  U+263F 初期 水星 古代 ヘルメース
メルクリウス 
水曜日 水銀 雌雄同体
  U+2640 初期 金星 古代 アプロディーテー
ウェヌス
金曜日
   🜨
U+1F728
U+2641
6.0
初期
地球 古代 ガイア
テルス
土曜日 緑青( )
アンチモン( )
  
U+263D
U+263E
初期
初期
古代 セレーネー
ルーナ
(陰陽) 月曜日
  U+2642 初期 火星 古代 アレース
マールス
火曜日
  U+2643 初期 木星 古代 ゼウス
ユーピテル
木曜日 スズ
  U+2644 初期 土星 古代 クロノス
サートゥルヌス
土曜日
   U+2645
U+26E2
初期
5.1
天王星 1781年 ウーラノス
ウラヌス

白金( )
  [1]
 
U+2646
 
初期
 
海王星 1846年 ポセイドーン
ネプトゥーヌス
  
 
U+2647
 
初期
 
冥王星 1930年 ハーデース
プルートー

その他の天体編集

冥王星以外の準惑星小天体、占星術で惑星と同様に扱われる占星点の記号を示す。

記号 天体
画像 文字 コード ver 小惑星番号 名称 分類 発見年
 [2] [3] [1] U+26B3 5.1 (1) ケレス 準惑星 1801年 ケレース
 [2] [1]
🜍
U+26B4
U+1F70D
5.1
6.0
(2) パラス 小惑星 1802年 パラス
 [2] [3] U+26B5 5.1 (3) ジュノー 小惑星 1804年 ユーノー
 [2] [3]  [1] U+26B6 5.1 (4) ベスタ 小惑星 1807年 ウェスタ
 [3] [1] (5) アストラエア 小惑星 1845年 アストライアー
 [3] (6) ヘーベ 小惑星 1847年 ヘーベー
 [3] (7) イリス 小惑星 1847年 イーリス
 [3] (8) フローラ 小惑星 1847年 フロラ
 [3] (9) メティス 小惑星 1848年 メーティス
 [3] [1] (10) ヒギエア 小惑星 1849年 ヒュギエイア
 [3] [1] (11) パルテノーペ 小惑星 1850年 パルテノペー
 [3] (12) ビクトリア 小惑星 1850年 ウィクトーリア
 [1] (13) エゲリア 小惑星 1850年 エゲリア
 [1] (14) イレーネ 小惑星 1851年 エイレーネー
 [3] (15) エウノミア 小惑星 1851年 エウノミアー
 [1] (16) プシケ 小惑星 1852年 プシューケー
 [1] (17) テティス 小惑星 1852年 テティス
 [1] (18) メルポメネ 小惑星 1852年 メルポメネー
 [1] (19) フォルトゥナ 小惑星 1852年 フォルトゥーナ
 [1] (26) プロセルピーナ 小惑星 1853年 プロセルピナ
 [3] (28) ベローナ 小惑星 1854年 ベローナ
 [1] (29) アンフィトリテ 小惑星 1854年 アムピトリーテー
 [3] (35) レウコテア 小惑星 1855年 レウコテアー
 [3] (37) フィデス 小惑星 1855年 フィデース
 [2] U+26B7 5.1 (2060) キロン CAT 1977年 ケイローン
    [4]  (136199) エリス 準惑星 2003年 エリス
 [2] [5] U+26B8 5.1 リリス 占星点 リリス
 [2] U+260A 初期 ドラゴンヘッド 占星点
 [2] U+260B 初期 ドラゴンテイル 占星点
 [2] U+2604 初期 (任意の彗星) 彗星

由来編集

惑星 記号 由来
太陽   古代エジプトラーのシンボルとして使われ、ルネサンス期に   に取って代わった。
水星   ケーリュケイオン。または、翼のあるメルクリウスヘルメース)の兜。
金星   ウェヌスアプロディーテー)の手鏡。
地球   四大元素の土(地)の記号の転用で、四方で大地を表す。あるいは、赤道本初子午線
  宝珠世界(世界を統治すること)の象徴。
   三日月
火星   マールスアレース)の、あるいは盾と
ケレス   収穫の。ケレースは農業の女神。
パラス   アテーナーの盾アイギス。パラスはアテーナーの異名でもある。
ジュノー   フロラユーノーに贈った魔法の花。
ベスタ    聖なる火。ウェスタは(かまど)の女神。
木星   ユーピテルゼウス)の。あるいはゼウスの頭文字Ζ(ゼータ)。あるいは数字の4天動説では地球を数えず第4惑星)。
土星   サートゥルヌスクロノス)の、ウーラノス殺しに使われた大鎌。あるいは数字の5
キロン   発見者コワルの頭文字K。
天王星   発見者でありかつての惑星名でもあるハーシェルの頭文字H。
  白金記号の転用で、+(太陽+火星)。ただし白金記号には  +金、月+太陽)も使われた。
海王星   ネプトゥーヌスポセイドーン)の三叉戟
  発見者の1人ル・ヴェリエの頭文字LVのモノグラム
冥王星   プルートーの最初の2文字を合わせたものであり、発見に寄与したパーシヴァル・ローウェルの頭文字でもあるPLのモノグラム
エリス   プロビデンスの目
  エリスの手ディスコーディアンのシンボル。

歴史編集

惑星記号は古代ギリシャ時代にも使われたが、現在のものとは違った。現在の形になったのはルネサンス期である。

地動説により地球が惑星となると、地球の記号が追加された。

1781年天王星を嚆矢として新惑星が次々と発見されると、それらのための新しい惑星記号が考え出された。発見当時は惑星とされたが現在は惑星とされていない最初のいくつかの小惑星と冥王星にも、記号がある。また、キロンエリスは天文学上は惑星とされたことはないが、占星術では惑星と同様の意義があると考える者がいるため、記号が与えられている。

1801年からの数年間に4つの小惑星が発見されたが、1845年からは多数の小惑星が発見された。当初はそれぞれに記号が考え出されたが、数が増えすぎたため、1851年エンケが、①~⑪(丸囲み1~11)を第5番小惑星アストラエアから第15番小惑星エウノミアまでの記号とすることを提案した。1852年にエンケは、現在の小惑星番号と同じ⑤~⑮(丸囲み5~15)を使うよう修正し、1864年までには最初の4つの小惑星にも①~④(丸囲み1~4)を使うようになった[3]

使用編集

占星術編集

 
惑星記号が使われたホロスコープ

惑星の記号として広く使われている。ただし占星術では地球記号は使われない。

具体的には以下のような用法がある。

  • ホロスコープ上にプロットする。
  • アスペクト記号と組み合わせ、たとえば    (太陽と月の)のように使う。
  • サイン記号と組み合わせ、たとえば   (太陽が白羊宮にある)、 05 (太陽が白羊宮の5度にある、つまり太陽の黄経が5度)のように使う。
  • 逆行記号と組み合わせ、たとえば   (火星が逆行中)のように使う。

天文学編集

現在の天文学で使われる記号
天体 英語名 IAU その他
太陽 Sun  
水星 Mercury (Hermes) H M
金星 Venus V
地球 Earth E  
Moon (Lunar) L
火星 Mars M
木星 Jupiter J
土星 Saturn S
天王星 Uranus U
海王星 Neptune N
冥王星 Pluto (134340) P

天文学でもかつては広く使われたが、現在ではほとんど使われず、惑星を簡潔に表すには英語名の頭文字を使うことが多い。

国際天文学連合 (IAU) が定める衛星仮符号では、8惑星が H・V・E・M・J・S・U・N で表される。水星 (Mercury) は火星 (Mars) と頭文字が同一であるため、 Hermes の頭文字が使われる(ただしまだ使用例はない)。8惑星以外は、小惑星番号を ( ) で囲んで示す。冥王星は (134340) となるが、惑星だった時代には P が割り当てられていた。

太陽と地球の記号は若干使われ、太陽質量 M 太陽半径 R 地球質量 M (または ME)などに使われる。

その他の分野編集

7惑星(土星までの6惑星から地球を除き太陽と月を加えた7天体)の記号は、それらの惑星の名の元となったギリシャ神やローマ神も意味する。

 
ドルトンの記号

7惑星の記号は、近世~初期近代錬金術化学元素記号としてつかわれ、さまざまな記号が追加された[6]。しかし19世紀になると、ドルトンによる記号(丸で囲んだ文字や記号で表す)や、現代的なラテン文字1~2文字からなる元素記号に取って代わられた。

1753年にはリンネ生物の性を表す記号として  ・♀・♂ を採用した。雄雌を表す♂と♀は現在でもよく使われる。

文字コード編集

Unicodeには、8惑星、太陽、月、冥王星、四大小惑星などの記号が収録されている。ほとんどはBMPの Miscellaneous Symbols(その他の記号U+2600-26FF)に収録されているが、一部(  )はSMPの Alchemical Symbols(錬金術記号U+1F700-1F773)に収録されている。

ただし、小惑星などいくつかの記号は2008年の Unicode 5.1 で、「錬金術の記号」は2010年の Unicode 6.0 で拡充されており、サポートするフォントはまだ希である。

U+2295 ⊕ と U+2299 ⊙ は、地球記号・太陽記号に似ているが、数学記号直和直積である。

JIS X 0208 には火星と金星の記号が収録されている。

出典編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 出典は画像の説明文を参照。
  2. ^ a b c d e f g h i Unicode Code Charts
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p When did the asteroids become minor planets? - アメリカ海軍天文台 James L. Hilton
  4. ^ これら4つの出典は英語版 en:Astrological symbols を参照。 は出典不明。
  5. ^ 松村潔『占星術のシクミがわかる本』シャングリラ・プレス 1996
  6. ^ http://www.meta-synthesis.com/webbook/35_pt/pt_database.php?Button=pre-1900+Formulations

関連項目編集