汐見町駅(しおみちょうえき)は、愛知県名古屋市港区潮見町にある名古屋臨海鉄道汐見町線貨物駅。現在貨物列車の発着はない。

汐見町駅
Shiomicho freight station.jpg
汐見町駅のヤード(2012年)
しおみちょう
Shiomicho
船見町 (2.1km)
所在地 愛知県名古屋市港区潮見町
所属事業者 名古屋臨海鉄道
所属路線 汐見町線
キロ程 3.0km(東港起点)
駅構造 地上駅
開業年月日 1965年昭和40年)8月20日
備考 貨物専用駅(休止中)
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歴史編集

県営時代より9号地には広範囲に貨物線が伸びていた。これを名古屋臨海鉄道へ移管するにあたり、当初は貨物線を船見町線、汐見町線の2線に分け、それぞれの終点に北汐見町駅南汐見町駅の2駅を設置する計画であった[1]。しかし、これらの貨物線を本線路とすると貨車入換業務に支障が生じることが判明し、また末端部に駅を設置するとその地点を基準に運賃が設定され、入換作業料が従来より高くなることも問題となったため、結局両路線を統合して汐見町線とし、南側線分岐付近に汐見町駅1駅を置き、9号地内の貨物線は全て同駅の構外側線とする形に変更された[2]。これにより汐見町駅は広大な構内を持つことになったが、設立間もない名古屋臨海鉄道がこれを扱うのはハード・ソフト面ともに困難であり、汐見町駅の貨車入換作業は従来通り日本通運に委託された[3]

9号地の免許変遷
  船見町線  汐見町線  汐見町駅構外側線(中側線は省略)

変更前   変更後
(分岐点) 
     
 
 
 
 
 
 
       
 
 
 
 
 
 
 汐見町駅
北汐見町駅   (西側線)
南汐見町駅   (南側線)
  • 1936年昭和11年)頃 - 潮見橋が架橋され、愛知県営貨物線が9号地まで延伸される[4][注釈 1]
  • 1941年(昭和16年)11月27日 - 県営貨物線の名鉄使用が暫定承認され、運用が委託される[7]
  • 1949年(昭和24年)12月 - 9号地の貨物線復旧[8]
  • 1950年(昭和25年)7月18日 - 名鉄連絡運輸が再度承認される[8][9]
  • 1955年(昭和30年) - 潮見町にヤードが建設され、9号地内に4kmの貨物側線が整備される[10]
  • 1965年(昭和40年)
    • 5月11日 - 名古屋臨海鉄道が船見町線および汐見町線として地方鉄道経営免許を取得[11]
    • 6月3日 - 専用線の契約替え要請(7月末までにほぼ完了)[12]
    • 7月19日 - 汐見町線と船見町線が統合され、汐見町線所属となる[11]
    • 8月20日 - 名古屋臨海鉄道の汐見町駅として開業[13]。開業当時の所属専用線は#取扱貨物節参照。
  • 1967年(昭和42年)8月30日 - 出光興産専用線(578m)増設[14]
  • 1968年(昭和43年)
    • 1月 - 三菱商事専用線(218m)増設[14]
    • 9月 - 昭和石油専用線(108m)増設[15]
    • 12月 - リノール油脂専用線(95m)増設[15]
  • 1969年(昭和44年)
    • 4月1日 - 昭和石油専用線(158m)増設[15]
    • 8月1日 - 三幸工業専用線(112m)増設[15]
  • 1970年(昭和45年)
    • 1月 - 東陽油槽専用線(148m)新設、出光興産専用線(169m)廃止[15]
    • 4月1日 - 東陽油槽、油辰商店、中央倉庫専用線増設・本線路移設[15]
    • 11月 - 昭和石油専用線(110m)増設[16]
  • 1971年(昭和46年)
    • 3月1日 - 伊藤忠商事専用線(40m)新設[16]
    • 3月 - 出光興産専用線(456m)廃止[16]
    • 6月8日 - 宝石油専用線(169m)新設[16]
    • 12月1日 - 豊田通商専用線(129m)新設[16]
  • 1972年(昭和47年)
    • 4月20日 - 三菱商事専用線(75m)増設[16]
    • 7月4日 - モービル石油専用線(302m)新設[16]
  • 1973年(昭和48年)12月27日 - 丸善石油専用線(684m)廃止[17]
  • 1976年(昭和51年)
    • 1月14日 - 三井物産専用線(528m)廃止[17]
    • 6月10日 - 伊藤忠商事専用線(579m)増設[17]
  • 1977年(昭和52年)7月19日 - ゼネラルガス専用線(489m)廃止[17]
  • 1979年(昭和54年)12月1日 - 南側線増設[17]。11、12、21番線新設[18]
  • 1980年(昭和55年)
    • 8月3日 - 南側線(1,160m[19])増設[20]
    • 8月 - 日本石油専用線333m短縮[20]
  • 1983年(昭和58年)11月4日 - 菱油ターミナル専用線414m短縮[21]
  • 1986年(昭和61年)1月 - 菱油ターミナル専用線387m短縮[21]
  • 1988年(昭和63年)3月9日 - 豊田通商専用線(129m)廃止[22]
  • 1990年平成2年)2月15日 - 出光興産専用線(1,001m)廃止[23]
  • 2015年(平成27年)8月1日 - 営業休止[24](7月6日届出、以後1年毎に更新)。

駅構造編集

新たに埋め立てられた名古屋港9号地(潮見埠頭)に開設された石油タンク(油槽所)から石油を輸送するために建設された。基部となる操車場から3本の構外側線(南側線、中側線、西側線)が伸び、そこから多くの油槽所や化学薬品タンクへの専用線が設けられた。

汐見町駅 鉄道配線略図(1981年)
↑ 東港駅
 
凡例
出典:[25]
破線は専用線


取扱貨物編集

当初、共同石油三菱石油日本石油ゼネラル石油モービル石油出光興産昭和石油丸善石油という具合に実に多くの油槽所への専用線が設けられた。また、リノール油脂(現・日清オイリオグループ)名古屋工場や三菱商事の薬品タンク等への専用線もあった。

1980年代から多くの施設が撤去され、1990年代末期にはサンラックス伊藤忠商事宝石油化学、エム・シー・ターミナル(三菱商事子会社)、モービル石油、ジャパンエナジー日本石油の各専用線が残っていた。前4社は化学薬品を、後3社は石油製品を扱っていた。

その後貨物の取り扱いが完全になくなり、2003年(平成15年)10月1日のダイヤ改正で貨物列車の発着がなくなった。

汐見町駅専用線一覧
1965年度[26] 1990年[27]
所有者 延長 主な取扱品 所有者 延長 主な取扱品
発送 到着
日本石油 1,829m 重油軽油灯油ガソリン 日本石油 1,950m 石油類、空タンク車 石油類、空タンク車
出光興産 478m 重油、軽油、灯油、ガソリン -
昭和石油 305m 重油、軽油、灯油、ガソリン 昭和シェル石油 656m 石油類、空タンク車 石油類、空タンク車
丸善石油 519m 重油、軽油、灯油、ガソリン -
日本鉱業 240m 重油、軽油、灯油、ガソリン 共同石油 147m 空タンク車 石油類
三菱石油 722m 重油、軽油、灯油、ガソリン 菱油ターミナル 174m 空タンク車 石油類
三井物産 396m 重油、軽油、灯油、ガソリン -
ゼネラル瓦斯 398m 液化石油ガス -
エッソ・スタンダード石油 445m 重油、軽油、灯油、ガソリン エッソ石油 613m 石油類、空タンク車 石油類、空タンク車
三菱商事 267m 重油、ナフサ エム・シー・ターミナル 475m 工業薬品 空タンク車
ゼネラル物産 N/A 重油、軽油、灯油、ガソリン -
東亜石油 N/A 重油、軽油、灯油、ガソリン -
東濱油脂 681m 大豆大豆粕食用油、種子 リノール油脂 1,001m 大豆、大豆油
中央倉庫 110m 穀物 東陽油槽
中央倉庫
313m 空タンク車、米麦、飼料 工業薬品、米麦、空タンク車
- 日本通運 471m
- モービル石油 302m 石油類、空タンク車 空タンク車、石油類
- 伊藤忠商事 579m
78m
工業薬品、空タンク車 空タンク車、工業薬品
- 三幸工業所 112m 工業薬品、空タンク車 空タンク車、工業薬品
- 宝石油化学 169m 石油類、空タンク車 空タンク車、石油類

駅周辺編集

隣の駅編集

名古屋臨海鉄道
汐見町線(休止)
船見町駅(休止) - 汐見町駅(休止)

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 7、8号地への臨港鉄道敷設は名古屋港築港第4期計画(1927-1940年)に盛り込まれており[5]、第5期計画(1940-1946年)では9号地をも県営で敷設済みとされていることから[6]、当地への鉄道敷設は第4期工事期間中に実施されたものと思われる。

出典編集

  1. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, pp. 24-25.
  2. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, pp. 25-27.
  3. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 27.
  4. ^ 白井 2006, p. 138.
  5. ^ 奥田 1953, p. 196.
  6. ^ 奥田 1953, p. 313.
  7. ^ 名古屋鉄道 1994, p. 966.
  8. ^ a b 名古屋港管理組合 1967, p. 367.
  9. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 5.
  10. ^ 白井 2006, p. 139.
  11. ^ a b 名古屋臨海鉄道 1990, p. 196.
  12. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 42.
  13. ^ 今尾 2008, p. 62.
  14. ^ a b 名古屋臨海鉄道 1990, p. 197.
  15. ^ a b c d e f 名古屋臨海鉄道 1990, p. 198.
  16. ^ a b c d e f g 名古屋臨海鉄道 1990, p. 199.
  17. ^ a b c d e 名古屋臨海鉄道 1990, p. 200.
  18. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 117.
  19. ^ 名古屋臨海鉄道 1990, p. 109.
  20. ^ a b 名古屋臨海鉄道 1990, p. 202.
  21. ^ a b 名古屋臨海鉄道 1990, p. 203.
  22. ^ 名古屋臨海鉄道 1990, p. 204.
  23. ^ 名古屋臨海鉄道 1990, p. 205.
  24. ^ 国土交通省鉄道局 2016, p. 15.
  25. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 164.
  26. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 55-56.
  27. ^ 名古屋臨海鉄道 1990, p. 38.

参考文献編集

  • 奥田助七郎『名古屋築港誌』名古屋港管理組合、1953年。
  • 名古屋港管理組合(編)『名古屋港年表』名古屋港管理組合、1967年。
  • 名古屋臨海鉄道(編)『十五年のあゆみ』名古屋臨海鉄道、1981年。
  • 名古屋臨海鉄道(編)『名古屋臨海鉄道二十五年史』名古屋臨海鉄道、1990年。
  • 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年。
  • 白井昭「知られざる名古屋港の名鉄貨物線-2 名鉄築港支線(潮見町線)、5500形蒸気を偲ぶ」『鉄道ファン』第539巻、交友社、2006年3月、 138-143頁。
  • 今尾恵介(監)『日本鉄道旅行地図帳』7号 東海、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790025-8
  • 国土交通省鉄道局(監)『鉄道要覧 平成28年度』鉄道図書刊行会、2016年。ISBN 9784885481277

関連項目編集