荒尾駅 (熊本県)

熊本県荒尾市万田にある九州旅客鉄道の駅

荒尾駅 (あらおえき)は、熊本県荒尾市万田にある、九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線である[1]駅番号JB28。熊本県最北端の駅。

荒尾駅[* 1]
駅舎
あらお
Arao
(世界文化遺産万田坑駅)
JB27 大牟田[* 2] (4.1 km)
(3.2 km) 南荒尾
地図
所在地 熊本県荒尾市万田1471-1[1]
北緯32度59分39.4秒 東経130度26分3.2秒 / 北緯32.994278度 東経130.434222度 / 32.994278; 130.434222座標: 北緯32度59分39.4秒 東経130度26分3.2秒 / 北緯32.994278度 東経130.434222度 / 32.994278; 130.434222
駅番号 JB  28 
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
所属路線 JB/鹿児島本線
キロ程 151.6 km(門司港起点)
電報略号 ラオ
駅構造 地上駅
ホーム 2面4線[1]
乗車人員
-統計年度-
887人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 1912年大正元年)11月1日[1][2]
備考 直営駅
みどりの窓口[1]
  1. ^ 1943年昭和18年)に万田駅から改称[1]
  2. ^ この間に本社直轄エリア熊本支社境界あり(当駅から南荒尾寄りは熊本支社管内)。
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世界文化遺産万田坑の最寄駅であることから、「世界文化遺産万田坑駅」の愛称がついている。

本項では、1964年(昭和39年)に廃止した荒尾市営電気鉄道(荒尾市電)の荒尾駅についても記述する。

歴史 編集

年表 編集

 
駅前ロータリー(リニューアル後)
 
三井三池炭鉱万田坑第二竪坑櫓のモニュメント

駅名の由来 編集

開業時の地名は玉名郡荒尾村(後の荒尾町)だったが、三井三池炭鉱の主力坑だった万田坑から採掘された石炭の取り扱い駅として開業したため、「万田駅」と命名された。その後1942年(昭和17年)に荒尾町が周辺の村と合併し「荒尾市」が誕生した為、駅名も現在の「荒尾駅」に改称された。

「荒尾」は室町時代の古文書では「荒処」や「阿らお」と記されており、古くからあることは確認できているが「荒尾」となった由来ははっきりしていない。肥後国筑後国国境の南側にある荒地を意味する「荒処」が転化した説や、江戸時代の「荒尾手永(てなが)」に由来すると言う説、またこの地を小代一族荒尾氏が治めていたとされる説がある。

駅構造 編集

島式ホーム2面4線と多数の留置線を有する地上駅。互いのホームは跨線橋で連絡している。

みどりの窓口(営業時間7:30 ^ 12:00 年中無休 ; 2023.10.9時点)が設置されている直営駅である。自動改札機が設置されている。みどりの窓口で発券される乗車券は東海旅客鉄道(JR東海)東海道本線(美濃赤坂線)の荒尾駅と区別するため、きっぷには「(鹿)荒尾」と印字される。また、自動券売機で発券される普通入場券も「(鹿)荒尾駅」と印字されている。

のりば 事業者側の呼称 編集

のりば 路線 方向 行先
1・2 JB鹿児島本線 上り 銀水鳥栖方面
3・4 JB鹿児島本線 下り 熊本八代方面
のりば 実際の呼称
のりば 路線 方向 行先 備考
1 JB鹿児島本線 上り 大牟田鳥栖博多方面 普通列車用
2 JB鹿児島本線 上り 大牟田鳥栖博多方面 荒尾始発、折り返し普通・快速列車用
3 JB鹿児島本線 下り 熊本八代方面 普通列車用
4 JB鹿児島本線 下り 熊本八代方面 荒尾到着後、回送列車用
  • 上りでは1番のりば、下りでは3番のりばが主に使用されている。2番のりばは主に荒尾始発・折り返しの鳥栖・博多方面普通、快速列車の発着に使用される。また、4番のりばは荒尾到着後、回送列車になる場合のみ使用されるため、終電時刻付近以外ではほとんど使用されることがない。
荒尾駅*
あらお
ARAO
(0.7 km) 境崎
所属事業者 荒尾市交通局
所属路線 荒尾市営電車線
キロ程 0.0 km(荒尾起点)
駅構造 地上駅
ホーム 2面1線
開業年月日 1950年昭和25年)12月21日
廃止年月日 1964年(昭和39年)10月1日
備考 *開設時「市電荒尾」駅で開業。
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旧・市電荒尾駅 編集

JR荒尾駅北東側、大牟田寄りの踏切のある道に面して荒尾市電の荒尾駅(開設時は市電荒尾駅)が存在していた。 市電荒尾駅は小さな木造の小屋のような駅舎があるだけで、木製の島式ホーム2面1線を有する地上駅だった。

国鉄荒尾駅の裏に存在したが、国鉄駅との連絡設備はなく、大牟田寄りの踏切を渡った後南下しなければならなかった。

発着列車 編集

朝夕の時間帯に運行される博多小倉方面からの快速列車の乗り入れは(大牟田駅発着分を除き)当駅までとなっており、熊本八代方面から来る一部列車は、当駅で博多小倉方面の快速・普通列車に同じホーム(1・2番のりば)で乗換可能。

かつては日中にも博多・小倉方面 - 当駅間を直通する快速・普通列車が多数あったが、現在では朝夕のみとなっている。

また、以前は、主に博多熊本間を結ぶ特急「有明」が停車しており、九州新幹線を開業した後も規模を縮小しながら運行していた。2018年3月17日ダイヤ改正以前は博多長洲間上り3本・下り2本運行されていたが、改正後は博多大牟田間に短縮・上り1本・平日のみ運行となり、以降、当駅を経由する定期特急列車の設定が無い[5]。(なお、博多大牟田間に短縮された後、当列車は南福岡車両区より当駅まで回送され、更に大牟田駅へ回送して運用に就いていたが、その博多大牟田間の運用も2021年3月13日に廃止され、当駅まで定期特急車両の乗り入れも消滅した。)

また、熊本県では最も遅く最終列車が到着する駅である。

利用状況 編集

  • JR九州 - 2016年からの1日平均乗車人員の推移は以下の通り[6]
年度 1日平均
乗車人員
2016年 1,172
2017年 1,131
2018年 1,054
2019年 1,023
2020年 776
2021年 835
2022年 887

駅周辺 編集

市役所や荒尾郵便局等が徒歩圏内にあり荒尾市の中心市街地となっているが、人口減に加え、1990年代頃からグリーンランド周辺に多くの商業施設やニュータウンが建設されたこともあり、かつてのような賑わいは無くなっている。市街地は北側の福岡県大牟田市と連続しており、駅前を走る福岡県道・熊本県道126号大牟田荒尾線や、更に西側にある国道389号などを通じて両市の日常的な移動も盛んである。

駅舎は線路の西側にあり、線路の東側との行き来には約500m離れた踏切を横断しなければならない。この不便を解消するために、線路の東側に東口を設け、駅の東と西の人の往来を改善する計画もあるが、財政難のため凍結されている。

バス路線 編集

  • 産交バス - 2005年まで運行していた荒尾市交通局の路線を引き継ぎ、荒尾市内各地への路線を運行する。
    • 5・6・7・11・12・13・14・23・31・32:荒尾市内各地 - バスセンター
    • 7・8・12・13:荒尾四ツ山 - イオンタウン
    • 8:市役所前 - 荒尾市民病院前 - バスセンター - 八幡校前
    • 33:市役所前 - 桜山団地 - 自動車学校前 - バスセンター - 八幡台一丁目
  • 西鉄バス大牟田 - 西鉄バスグループ。大牟田市への路線を運行する。
    • 2:四ツ山 - 右京町 - 大牟田駅前 - 三池中町 - 久福木団地
    • 4:四ツ山 - 天領橋 - 白金町 - 大牟田駅前 - 高泉団地 - 三池中町

隣の駅 編集

九州旅客鉄道(JR九州)
JB/鹿児島本線
快速
大牟田駅 (JB27) - 荒尾駅 (JB28)
区間快速・普通
大牟田駅 (JB27) - 荒尾駅 (JB28) - 南荒尾駅

かつて存在した路線 編集

荒尾市交通局
荒尾市営電車線
荒尾駅 - 境崎駅

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f 『週刊 JR全駅・全車両基地』 33号 熊本駅・嘉例川駅・大畑駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年3月31日、22頁。 
  2. ^ a b c d e 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、682頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 貨物駅の廃止及び呼称の統一について』(PDF)(プレスリリース)日本貨物鉄道、2006年3月16日。 オリジナルの2021年3月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210317072100/https://www.jrfreight.co.jp/storage/upload/b28ffdfef63004276740e6dca3a48f75.pdf2021年3月17日閲覧 
  4. ^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2009年3月3日) 
  5. ^ a b 平成30年3月にダイヤを見直します(熊本エリア)” (PDF). 九州旅客鉄道 (2017年12月15日). 2017年12月15日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員上位300駅(2020年度)” (PDF). 九州旅客鉄道. 2021年9月4日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

  • 荒尾駅(駅情報) - 九州旅客鉄道