白駒の池

長野県佐久穂町と小海町の境にある池

白駒の池しらこまのいけ)は、長野県南佐久郡佐久穂町小海町との境(境界未確定)にある北八ヶ岳のふもとの八千穂高原にあり、紅葉の名所として知られる。国土地理院の地図では、「白駒の池」ではなく「白駒池しらこまいけ)」と表記されている。

白駒の池

白駒の池 地図

白駒の池の位置(長野県内)
白駒の池
所在地 長野県南佐久郡佐久穂町小海町
位置 北緯36度3分5.1秒 東経138度21分43.2秒 / 北緯36.051417度 東経138.362000度 / 36.051417; 138.362000座標: 北緯36度3分5.1秒 東経138度21分43.2秒 / 北緯36.051417度 東経138.362000度 / 36.051417; 138.362000
面積 0.11 km2
周囲長 1.35 km
最大水深 8.6 m
水面の標高 2,115 m
成因 堰止湖
淡水・汽水 淡水
湖沼型 腐食栄養湖
透明度 5.8 m
プロジェクト 地形
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地理 編集

八ヶ岳連峰の北部にあたる北八ヶ岳を構成する々のうち、丸山白駒峰との間、標高2,115メートルの地点に位置する。白駒峰の噴火により大石川信濃川水系)がせき止められて誕生した堰止湖である。池の大きさは面積0.11平方キロメートル、周囲長1.35キロメートルで、標高2,000メートル以上の高地にある湖としては日本一である。毎年11月下旬には全面結氷してしまうので、本州で最も早く湖面でスケートができる場所であるとされる。水深は最大8.6メートルで、透明度は5.8メートルに及ぶ。池から流出したは大石川として流下し、佐久地域上水道用水をまかなう。支流石堂川(大岳川)では、中部電力による水力発電(大岳川発電所、最大600キロワット)も行われている[1]

一般道路からは佐久地域諏訪地域とを結ぶ国道299号(メルヘン街道)・麦草峠から少し離れたの中に位置し、車道からは遊歩道を歩く事になる。池の入口にはマイカー利用者のために駐車場が用意されているほか、土産物の販売が行われている。佐久方面からは千曲バスによって麦草峠行きの路線バスが季節運行されており、JR北陸新幹線佐久平駅からJR小海線中込駅八千穂駅を経由するルートである。一方、JR中央本線茅野駅からも白駒の池を経由する麦草峠行きが諏訪バスによって季節運行されている。国道299号が整備されてからは、紅葉の時期に道路が渋滞するほど観光客が訪れるようになった。

池の一帯(長野県南佐久郡小海町千代里字白駒池)は日本郵便から交通困難地の指定を受けているため、地外から当地宛に郵便物を送付することは出来ない[2]

周辺 編集

紅葉の名所として知られており、池は周辺はドウダンツツジなどの広葉樹に覆われている。湖畔には「白駒荘」と「青苔荘」という山小屋が2軒ある。 コメツガシラビソといった々が生い茂る天然林を開いて造った遊歩道は昼間であっても薄暗い原生林で苔むしている。

登山道を登った先の高見石からは、池全体を見下ろすことができる。

(山名。にゅう または にう とも)方面には「白駒湿原」があり、ワタスゲの果穂がみられる。

池名について 編集

文献『南佐久口碑伝説集』によると、池の名は当地に伝わる民話に由来するという。要約すると以下のとおりである。

むかし、一組の男女がに落ちた。それをよく思わない女の父親は、二人の仲を裂こうと男を山奥へと追いやってしまった。女はこれを追って山に入るが、道に迷ってしまう。そこへ一頭の白が現れ、女を池まで導き、男がこの池の中にいると告げる。女は白馬とともに池へと消え、二度と帰ることはなかった。

この民話に登場する白馬が「白駒」で、池名の由来とされる。国土地理院地図では「白駒池」と表記されているが、現在では文献やパンフレット、看板などで表記ゆれがあり、「白駒の池」、「白駒池」、「白駒ノ池」の3種類を確認することができる。

脚注 編集

  1. ^ 電力土木技術協会「水力発電所データベース 大岳川発電所」2008年3月31日入力、2009年10月10日閲覧。
  2. ^ 別冊(内国郵便約款第79条及び第97条関係) 交通困難地・速達取扱地域外一覧”. 日本郵便 (2022年2月21日). 2022年5月1日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集