日光ランドマーク
日光ランドマーク(にっこうランドマーク)は、栃木県日光市今市にある、スーパーマーケットのかましんと衣料品店のサンキを核店舗とした複合商業施設(ショッピングセンター)[1][2]。
日光ランドマーク NIKKO Landmark | |
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店舗正面(2022年2月) | |
地図 | |
店舗概要 | |
所在地 |
〒321-1261 栃木県日光市今市412番地1 |
座標 | 北緯36度43分21.8秒 東経139度41分15.1秒 / 北緯36.722722度 東経139.687528度座標: 北緯36度43分21.8秒 東経139度41分15.1秒 / 北緯36.722722度 東経139.687528度 |
開業日 | 2021年4月1日[4][1] |
正式名称 | 日光ランドマーク[1][2][3] |
土地所有者 | 株式会社ジェイピー[注 1] |
施設所有者 | 株式会社ジェイピー[2] |
施設管理者 | 株式会社ジェイピー[7] |
施工者 | 渡辺建設[8] |
敷地面積 | 4,941 m²[3] |
延床面積 | 7,710 m²[3] |
商業施設面積 | 3,315.3 m²[3] |
中核店舗 |
かましん日光ランドマーク店 サンキ今市店[1][2] |
店舗数 | 11[1] |
営業時間 | 9:00 - 23:00[2] |
駐車台数 | 138台[2] |
駐輪台数 | 20台[2] |
前身 |
サンバード長崎屋今市店[5] ↓ 今市オアシスセンタープラザ[6] ↓ ショッピングプラザ日光[6] |
最寄駅 | JR日光線今市駅[9] |
最寄バス停 | 市営バス下今市郵便局南停留所 |
最寄IC | 日光宇都宮道路今市IC |
かましん SUPER MARKET |
1983年(昭和58年)に開業したサンバード長崎屋今市店を前身とし[5]、長崎屋の撤退後はかましんと今市市(後に日光市)の機関を核とする今市オアシスセンタープラザとして再生した[11]。2008年(平成20年)に[11]、とちぎ薬局を運営する[5]ジェイピーが建物を取得し[12]、同社によって建て替えられ[5]、2021年(令和3年)に日光ランドマークとして開業した[4][1]。
歴史
編集サンバード長崎屋(1983-2001)
編集日光市の中心市街地は、旧今市市の中心部である今市地区(今市市街地)である[13]。今市地区は日光街道、日光例幣使街道、会津西街道などの集まる交通結節点であり、宿場町・市場町として成長してきた[14]。今市の商圏は、東に宇都宮市、南に鹿沼市が控えているため、その方面への広がりは妨げられ、北側に伸びているのが特徴で[15]、平成の大合併以前より日光広域圏(今市市、旧・日光市、藤原町、栗山村)の中心として機能していた[14]。
この今市地区の中心にあった醤油醸造「高橋彌次右衛門商店」本社工場跡地に商業施設が作られ、1983年(昭和58年)4月に開業したのがサンバード長崎屋今市店であった[5]。長崎屋は新曲「夏色のナンシー」を引っさげた、当時まだ駆け出しの早見優をゲストに迎えて開店し[16]、10の商店会が連なっていた[14]華やかなりし頃の[17]今市地区の商業の核[17]・集客拠点を成した[14]。今市地区ではいせや(店舗面積:6,441 m2[6])と長崎屋(店舗面積:8,984 m2[6])が競合していたが[16]、1999年(平成11年)にいせやが閉店、2001年(平成13年)に長崎屋も撤退した[18]。背景には郊外部への大規模小売店舗の進出があり、1998年(平成10年)に10,191人あった今市地区の歩行者通行量(1日当たり)は、2001年(平成13年)には4,465人へと減少した[18]。
今市オアシスセンタープラザ(2001-2008)
編集長崎屋撤退によって生じた空きビルには、2001年(平成13年)7月にスーパーマーケットのかましんと、今市市が設置した市民サービスセンターが入り[14]、「今市オアシスセンタープラザ」として再生した[6]。後にサンキやシルク(100円ショップ)などが出店し、今市市もサービスセンターに加え、2004年(平成16年)10月に地域子育て支援センターを設置した[14]。
ショッピングプラザ日光(2008-2021)
編集2008年(平成20年)10月にはビルのオーナーの交代により[11]、とちぎ薬局を運営する[5]ジェイピーの所有となり[12]、「ショッピングプラザ日光」に改称した[11]。ビルを取得したジェイピーは、冬の夜にイルミネーションを実施するなど、新たな取り組みを開始した[12]。この間、歩行者通行量は増減を繰り返しながら、4,000 - 5,000人台で2010年(平成22年)まで推移した[18]が、商店主の高齢化や後継者の不在により、今市地区の商店会は5つに減少した[14]。市町村合併により日光市の一部となった今市地区は、2011年(平成23年)に中心市街地活性化基本計画の認定を受け、同計画で「既存ストックを活用した事業」の一環として「ショッピングプラザ日光ビルの再活用」が掲げられた[19]。この事業はビル内の空きフロアの活用策を検討するもので、第三セクターのオアシス今市と民間業者が事業主体に位置付けられた[20]。
2017年(平成29年)8月、ジェイピーがショッピンプラザ日光の移転・建て替えを発表した[5]。移転先はショッピンプラザ日光の裏手にある第2駐車場で、新店舗の名称は「日光ランドマーク」とし、地上3階建てで屋上に観覧車を設置し、駅前のランドマークとなることを目指した[5]。同年10月には新店舗の延床面積を6,600 - 8,200 m2、観覧車は直径約20 mでゴンドラは12台、テナントは市の機関を含めショッピングプラザ日光からそのまま移行することを計画中であると報じられ、2020年(令和2年)4月の開業を予定していた[21]。2018年(平成30年)7月には、歩きたくなるまちづくり委員会が、建て替えによって長崎屋以来の建物がなくなることを偲び、屋上でビアガーデンを企画した[22][23]。ビアガーデンはこれが初の開催であり、7月27日から7月29日までの3日間開催する予定であったが、中日の7月28日は台風が接近したため中止となった[23]。
2019年(平成31年)2月27日、建て替えのためショッピングプラザ日光のイルミネーションをわたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線足尾駅前でイルミネーションを行っている足尾歴史館トロッコ部へ寄贈した[12]。同年4月には当初計画より1年遅れの2021年(令和3年)4月に開業すること、観覧車の直径を約25 mへと変更し、発光ダイオード(LED)によるイルミネーションを行うことなどを発表した[24]。遅れの理由は2020年東京オリンピック(1年延期)による資材・人手不足とされた[24]。
日光ランドマーク(2021-)
編集2020年(令和2年)7月21日、ジェイピーは日光ランドマークの新設を市に届け出た[3]。この時点では新設日を2021年(令和3年)3月22日としていた[3]。これに先立つ2019年(令和元年)10月に着工し[25]、2021年(令和3年)2月に竣工した[8]。施工は渡辺建設で、担当者は「敷地いっぱいの建物建設で大変」だったとコメントしている[8]。同年4月1日に開業した[4]。
2021年(令和3年)12月、集客力向上のために、9Dバーチャルリアリティシミュレータを4階に設置した[26]。このシミュレータは、VR映像や座席の振動、風の吹き出しなどでスポーツ・ホラー・ローラーコースターなど144種類の体験ができる筐体である[26]。
2022年(令和4年)6月14日には救助訓練が行われ、地震に伴う火災が発生し、観覧車のゴンドラに乗客が1人取り残されたという想定ではしご車による救助が実演された[27]。
施設
編集建物は鉄骨構造地上4階建てで[8]、延床面積は3,315 m2である[3]。テナントのほとんどは、市の施設を含め、前身のショッピングプラザ日光から引き継いだものである[4]。
- 館内
階 | フロア構成 | |
---|---|---|
4階 | レストラン・観覧車[8] | カフェ レストラン ロケーション[28]、観覧車[29]、チケット販売所[30]、事務所、9Dバーチャルリアリティシミュレータ[26] |
3階 | 市の機関[8] | 日光市地域子育て支援センター[10]、日光市消費生活センター[10] |
テナント[8] | カーブス日光ランドマーク[31]、波岡歯科[32]、100円ショップ テンオー今市店[33]、ふじかみ[10]、ルンビニーミュージックセンター今市(ヤマハ音楽教室・英語教室)[34]、福田珠算教室[10]、パソコンスクールライズ日光ランドマーク教室[35] | |
2階 | 衣料品[8] | サンキ今市店[9] |
1階 | 食品スーパー[8] | かましん日光ランドマーク店[36]、ホワイト急便かましん日光ランドマーク店[37] |
観覧車
編集施設の4階(屋上[29][30])に観覧車がある[29]。この観覧車は、ジェイピーの系列企業である[5]ジャパンプランナーが運営し[3]、同じ4階にあるカフェ レストラン ロケーションも同社が手掛ける[28]。日光市には、これまで観覧車はなく、この観覧車が初めての設置となる[38]。
観覧車の直径は25 m、ゴンドラの定員は4人である[4][29]。ゴンドラは16基あり、うち1基は壁・天井が透明のスケルトン仕様である[4]。景観に配慮し、青一色で統一されている[25]。
観覧車の片方の面にLEDが112本取り付けられており、夕方から22時まで色とりどりに発光する[7]。発光パターンは日替わりで、毎日不定時に6分間、ハートマークを浮かび上がらせる[7]。
観覧車は建て替えが発表された2017年(平成29年)の時点から設置が計画されていたものであった[5]。当初は直径20 m、ゴンドラ12基で計画していた[5]が、2019年(平成31年)4月に大型化を発表し、直径25 m、ゴンドラ16基となった[24]。観覧車の建設工事は2021年(令和3年)1月中旬に始まり、同年2月には骨組みができ上がり[38]、同月17日にLEDの試験点灯が行われた[7]。日光ランドマークの開業と同時に営業を開始した[4]。
基本は無休で、荒天時などに休止することがある[30]。観覧車の営業時間は10時から21時である[4][30]。1周の所要時間は約6分で、乗車料金は大人500円、子供300円である[7]。(子供料金は3歳以上18歳以下に適用される[30]。)1基限定のスケルトンゴンドラに乗車を希望する場合は、専用の待機列に並んで待つ[30]。地上からの高さは約40 mで、天候が良ければ日光連山を望むことができる[4]。
交通
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f “2021年4月1日(木)「日光ランドマーク」”. 日本ショッピングセンター協会 (2021年4月30日). 2021年7月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g “立地法届出第5条第1項(権限移譲市分届出)”. 栃木県経営支援課商業活性化担当 (2021年4月30日). 2021年6月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “届出概要(新設)”. 栃木県. 2021年7月2日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c d e f g h i “屋上に観覧車 日光の複合商業施設オープン”. 下野新聞 (2021年4月2日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “ショッピングプラザ日光、移転・建替えへ―観覧車を備えた大型施設「日光ランドマーク」に”. 都商研ニュース. 都市商業研究所 (2017年8月30日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b c d e 栃木県日光市 2016, p. 18.
- ^ a b c d e “カラフル、輝く観覧車 日光・今市の商業施設で試験点灯”. 下野新聞 (2021年2月18日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “施工実績”. 渡辺建設. 2021年6月28日閲覧。
- ^ a b “今市店”. ファッション市場サンキ. 2021年6月30日閲覧。
- ^ a b c d e 日光市企画総務部秘書広報課 編 2021, p. 8.
- ^ a b c d 栃木県日光市 2016, p. 6, 18.
- ^ a b c d “冬の輝き 足尾駅へ 立て替えで、市民ボラに寄贈 日光・商業ビルのイルミネーション”. 下野新聞 (2019年3月1日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ 栃木県日光市 2016, pp. 5–7.
- ^ a b c d e f g 栃木県日光市 2016, p. 6.
- ^ 鈴木 1975, p. 60.
- ^ a b “見てきてNo.73:栃木県今市市の伊勢屋”. デイリーポータルZ. 東急メディア・コミュニケーションズ. 2021年6月30日閲覧。
- ^ a b “さよなら旧長崎屋、屋上ビアガーデンで惜別 日光・歩きたくなるまちづくり委員会”. 下野新聞 (2018年6月29日). 2021年6月30日閲覧。
- ^ a b c “日光市(首都圏ブロック)”. 内閣官房・内閣府 総合サイト まち・ひと・しごと. 2021年7月2日閲覧。
- ^ 栃木県日光市 2016, 表紙, p.122.
- ^ 栃木県日光市 2016, p. 94.
- ^ “近く設計、30年末着工へ ショッピングプラザ日光を新築 3階で6600〜8200平方m試算 跡地に今市病院が移転”. 日刊建設新聞 (2017年10月11日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ “さよなら旧長崎屋、屋上ビアガーデンで惜別 日光・歩きたくなるまちづくり委員会”. 下野新聞 (2018年6月29日). 2021年7月2日閲覧。 “Internet Archiveによる2021年6月3日時点のアーカイブページ。”
- ^ a b “建て替え惜しみ「長崎屋」でビアガーデン 日光、商業ビルの「ショッピングプラザ日光」”. 下野新聞 (2018年7月28日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b c “日光ランドマークの観覧車、地上40メートルに 21年4月オープンの見込み”. 下野新聞 (2019年4月24日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b “屋上観覧車は来年2月お目見え 日光、来春オープンの「日光ランドマーク」建設着々”. 下野新聞 (2020年10月8日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b c “日光ランドマークに新アトラクション VRで144種類の体験”. 下野新聞 (2021年12月23日). 2022年5月4日閲覧。
- ^ “日光ランドマークで総合消防訓練 観覧車の救助訓練も”. 下野新聞 (2022年6月15日). 2022年6月26日閲覧。
- ^ a b “姉妹店オープンのお知らせ”. ヴィーノ・ロッソ. ジャパンプランナー (2021年3月25日). 2021年6月30日閲覧。
- ^ a b c d “観覧車から見た今市高校”. 学校日誌. 栃木県立今市高等学校 (2021年4月9日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b c d e f サバ子 (2021年4月30日). “【日光市】屋上観覧車で日光市街地を空中散歩!「日光ランドマーク」”. リビング栃木Web. 栃木リビング新聞社. 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b c d “カーブス日光ランドマーク”. カーブスジャパン. 2021年7月2日閲覧。
- ^ a b c “波岡歯科”. とちぎ医療情報ネット. 栃木県保健福祉部医療政策課 (2021年5月17日). 2021年7月2日閲覧。
- ^ “100円ショップ テンオー今市店”. 栃ナビ!. ヤマゼンコミュニケイションズ. 2021年6月30日閲覧。
- ^ “店舗・教室案内”. ルンビニー楽社. 2021年6月30日閲覧。
- ^ “教室のご案内/日光ランドマーク教室”. パソコンスクールライズ. 2021年6月30日閲覧。
- ^ “店舗情報/日光ランドマーク店”. かましん. 2021年6月30日閲覧。
- ^ “かましん日光ランドマーク店”. クリーニングのホワイト急便. 日本さわやかグループ. 2021年6月30日閲覧。
- ^ a b “市街地に観覧車姿現す”. 下野新聞 (2021年2月4日). 2021年7月2日閲覧。
参考文献
編集- 鈴木辰雄「今市市の小売商圏」『新地理』第23巻第2号、日本地理教育学会、1975年、60頁、NAID 130004836824。
- 日光市企画総務部秘書広報課 編 編『広報にっこう2021年4月号』192号、日光市、2021年3月25日、35頁 。
- 『日光市中心市街地活性化基本計画』192号、栃木県日光市〈第7回変更〉、2016年3月15日、129頁 。
関連項目
編集外部リンク
編集- 日光ランドマーク (@nikkounikoniko) - X(旧Twitter)
- 株式会社ジェイピー
- かましん日光ランドマーク店
- ファッション市場 サンキ今市店