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陰陽師』(おんみょうじ)は、夢枕獏による小説文藝春秋刊。平安時代陰陽師安倍晴明の活躍を描いた伝奇小説である。晴明のパートナーとして同時代の貴族で楽人の源博雅が登場する。初出は『オール讀物1986年9月号に掲載された短編小説「陰陽師」(単行本収録時に「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」に改題)。単行本は1988年に第1作『陰陽師』が刊行されて以降シリーズ作品となっている。

1993年岡野玲子により漫画化された。2001年にはNHKにて稲垣吾郎主演でテレビドラマ化、野村萬斎主演で映画化、2015年テレビ朝日にて市川染五郎主演でテレビドラマ化された。また、舞台化もされている。

作品リスト(短編集)編集

各作品のカッコ内は初出掲載

  • 陰陽師 
単行本 ISBN 978-4-16-310450-8 文藝春秋 1988年8月10日
文庫版 ISBN 978-4-16-752801-0 文藝春秋 1991年2月10日
  • 玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること (オール讀物 1986年9月号「陰陽師」改題)
  • 梔子の女 (オール讀物 1987年7月号)
  • 黒川主 (S-Fマガジン 1987年7月増刊号「すいき」改題)
  • 蟇 (週刊小説 1987年7月24日号)
  • 鬼のみちゆき (小説新潮 1987年1月増刊「時代小説全集」)
  • 白比丘尼 ( 小説奇想天外 1987年12月第1号)
  • 陰陽師 飛天ノ巻 
単行本 ISBN 978-4-16-315650-7(文藝春秋 1995年6月20日)
文庫版 ISBN 978-4-16-752804-1(文藝春秋 1998年11月10日) 
  • 天邪鬼 (小説新潮 1993年8月号)
  • 下衆法師 (野性時代 1993年11月号)
  • 陀羅尼仙 (小説中公 1994年1月号)
  • 露と答へて (アンソロジー「日本SFの大逆襲!」 1994年11月徳間書店刊)
  • 鬼小町 (小説中公 1995年2月号)
  • 桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと (野性時代 1995年2月号)
  • 源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと (別冊文藝春秋 1995年夏号)
  • 陰陽師 付喪神ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-317360-3 文藝春秋 1997年11月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-752805-8 文藝春秋 2000年11月10日
  • 瓜仙人
  • 鉄輪
  • 這う鬼
  • 迷神
  • ものや思ふと……
  • 打臥の巫女
  • 血吸い女房
  • 陰陽師 鳳凰ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-319320-5 文藝春秋 2000年6月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-752807-2 文藝春秋 2002年10月10日
  • 泰山府君祭
  • 青鬼の背に乗りたる男の譚
  • 月見草
  • 漢神道士
  • 手をひく人
  • 髑髏譚
  • 清明、道満と覆物の中身を占うこと
  • 陰陽師 龍笛ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-320610-3 文藝春秋 2002年1月15日
文庫版 ISBN 978-4-16-752813-3 文藝春秋 2005年3月10日
  • 怪蛇 (オール讀物 2000年7月号)
  • 首 (オール讀物 2000年11・12月号)
  • むしめづる姫 (オール讀物 2001年6月号)
  • 呼ぶ声の (オール讀物 2001年4月号)
  • 飛仙 (オール讀物 2001年8月号)
  • 陰陽師 太極ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-321730-7 文藝春秋 2003年4月15日
文庫版 ISBN 978-4-16-752815-7 文藝春秋 2006年3月10日
  • 二百六十二匹の黄金虫 (オール讀物 2001年12月号)
  • 鬼小槌 (オール讀物 2002年2月号)
  • 棗坊主 (オール讀物 2002年4月号)
  • 東国より上る人、鬼にあうこと (オール讀物 2002年6月号)
  • 覚 (オール讀物 2002年10月号)
  • 針魔童子 (オール讀物 2002年12月号)
  • 陰陽師 夜光杯ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-326060-0 文藝春秋 2007年6月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-752820-1 文藝春秋 2009年12月10日
  • 月琴姫 (オール讀物 2005年10月号)
  • 花占の女 (オール讀物 2005年12月号)
  • 龍神祭 (オール讀物 2006年2月号)
  • 月突法師 (オール讀物 2006年4月号)
  • 無呪 (オール讀物 2006年6月号)
  • 蚓喰法師 (「蒐集家 異形コレクション」 光文社文庫2004年所収)
  • 食客下郎 (オール讀物 2006年8月号)
  • 魔鬼物小僧 (オール讀物 2006年12月号)
  • 浄蔵恋始末 (オール讀物 2007年2月号)
  • 陰陽師 天鼓ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-328860-4 文藝春秋 2010年1月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-752824-9 文藝春秋 2012年7月10日
  • 瓶博士 (オール讀物 2008年2月号)
  • 器 (オール讀物 2008年4月号)
  • 紛い菩薩 (オール讀物 2008年6月号)
  • 炎情観音 (オール讀物 2008年10月号)
  • 霹靂神 (オール讀物 2008年12月号)
  • 逆髪の女 (オール讀物 2009年4月号)
  • ものまね博雅 (オール讀物 2009年6月号)
  • 鏡童子 (「京都宵 異形コレクション」 光文社文庫2008年所収)
  • 陰陽師 醍醐ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-380570-2 文藝春秋 2011年5月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-752825-6 文藝春秋 2013年11月10日
  • 笛吹き童子 (オール讀物 2009年8月号)
  • はるかなるもろこしまでも (オール讀物 2009年10月号)
  • 百足小僧 (オール讀物 2009年12月号)
  • きがかり道人 (オール讀物 2010年2月号)
  • 夜光杯の女 (オール讀物 2010年4月号)
  • いたがり坊主 (オール讀物 2010年6月号)
  • 犬聖 (オール讀物 2010年8月号)
  • 白蛇伝 (オール讀物 2010年10月号)
  • 不言中納言 (オール讀物 2010年12月号)
  • 陰陽師 酔月ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-381720-0 文藝春秋 2012年10月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-790270-4 文藝春秋 2015年1月10日
  • 銅酒を飲む女 (オール讀物 2011年2月号)
  • 桜闇、女の首。 (オール讀物 2011年4月号)
  • 首大臣 (オール讀物 2011年7月号)
  • 道満、酒を馳走されて死人と添い寝する話 (オール讀物 2011年9月号)
  • めなし (オール讀物 2011年11月号)
  • 新山月記 (オール讀物 2012年1月号)
  • 牛怪 (オール讀物 2012年2月号)
  • 望月の五位 (オール讀物 2012年3月号)
  • 夜叉婆あ (オール讀物 2012年4月号)
  • 陰陽師 蒼猴ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-390000-1 文藝春秋 2014年1月10日
文庫版 ISBN 978-4-16-790627-6 文藝春秋 2016年6月10日 
  • 鬼市
  • 役君の橋
  • からくり道士
  • 蛇の道行
  • 月の路
  • 蝦蟇念仏
  • 仙桃奇譚
  • 安達原
  • 首をかたむける女
  • 陰陽師 螢火ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-390159-6 文藝春秋 2014年11月15日
文庫版 ISBN 978-4-16-790861-4 文藝春秋 2017年6月10日 
  • 双子針 (オール讀物 2013年5月号)
  • 仰ぎ中納言 (オール讀物 2013年7月号)
  • 山神の贄 (オール讀物 2013年9月号)
  • 筏往生 (オール讀物 2013年11月号)
  • 度南国往来 (オール讀物 2014年1月号)
  • むばら目中納言 (オール讀物 2014年3月号)
  • 花の下に立つ女 (「文豪さんへ。近代文学トリビュートアンソロジー」ダ・ヴィンチ編集部・編 2009年12月刊)
  • 屏風道士 (オール讀物 2014年5月号)
  • 産養の磐 (オール讀物 2014年7月号)
  • 陰陽師 玉兎ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-390518-1 文藝春秋 2016年9月10日
文庫版 ISBN 978-4-16-791291-8 文藝春秋 2019年6月10日
  • 邪蛇狂い (オール讀物 2014年9月号)
  • 嫦娥の瓶 (オール讀物 2014年11月号)
  • 道満月下に独酌す (オール讀物 2015年1月号)
  • 輪潜り観音 (オール讀物 2015年3月号)
  • 魃の雨 (オール讀物 2015年7月号)
  • 月盗人 (オール讀物 2015年9月号)
  • 木犀月 (オール讀物 2015年11月号)
  • 水化粧 (オール讀物 2016年1月号)
  • 鬼瓢箪 (オール讀物 2016年3月号)
  • 陰陽師 女蛇ノ巻
単行本 ISBN 978-4-16-390976-9 文藝春秋 2019年2月28日
  • 傀儡子神(くぐつがみ)
  • 竹取りの翁
  • さしむかいの女
  • 狗(いぬ)
  • 土狼(どろう)
  • 墓穴(つかあな)
  • にぎにぎ少納言
  • 相人(そうじん)
  • 露子姫(つゆこひめ)
  • 月を呑む仏
  • 蟬丸(せみまる)

作品リスト(長編)編集

  • 陰陽師 生成り姫
単行本 ISBN 978-4-02-257498-5 朝日新聞社 2000年3月15日
文庫版 ISBN 978-4-16-752809-6 文藝春秋 2003年7月10日
  • 序ノ巻 安倍清明
  • 巻ノ一 源 博雅
  • 巻ノ二 相撲節会
  • 巻ノ三 鬼の笛
  • 巻ノ四 丑の刻参り
  • 巻ノ五 鉄輪
  • 巻ノ六 生成り姫
  • 陰陽師 瀧夜叉姫(上)
単行本 ISBN 978-4-16-324270-5 文藝春秋 2005年9月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-752817-1 文藝春秋 2008年9月10日
  • 序ノ巻
  • 巻ノ一 ものの怪祭
  • 巻ノ二 鬼笛
  • 巻ノ三 蜈蚣退治
  • 巻ノ四 瘡鬼
  • 巻ノ五 牛車問答
  • 巻ノ六 五頭龍
  • 巻ノ七 鬼新皇
  • 巻ノ八 道満暗躍
  • 巻ノ九 興世王
  • 陰陽師 瀧夜叉姫(下)
単行本 ISBN 978-4-16-324280-4 文藝春秋 2005年9月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-752818-8 文藝春秋 2008年9月10日
  • 巻ノ十 俵藤太
  • 巻ノ十一 浄蔵
  • 巻ノ十二 瀧夜叉
  • 巻ノ十三 陰態の者
  • 巻ノ十四 裏の帝
  • 巻ノ十五 屍返し
  • 巻ノ十六 鬼哭
  • 結ノ巻

作品リスト(絵物語)編集

文:夢枕獏 絵:村上豊

  • 陰陽師 瘤取り晴明
単行本 ISBN 978-4-16-320480-2 文藝春秋 2001年10月30日
文庫版 ISBN 978-4-16-752816-4 文藝春秋 2008年1月10日
  • 陰陽師 首 (「龍笛ノ巻」収録の「首」絵本化)
単行本 ISBN 978-4-16-322270-7 文藝春秋 2003年10月3日
文庫版 ISBN 978-4-16-752819-5 文藝春秋 2009年8月10日
  • 陰陽師 鉄輪 (「付喪神ノ巻」収録の「鉄輪」絵本化)
単行本 ISBN 978-4-16-324040-4 文藝春秋 2005年6月10日
文庫版 ISBN 978-4-16-752822-5 文藝春秋 2010年12月10日

作品リスト(関連作品)編集

  • 七人の安倍清明
文庫版 ISBN 978-4-16-752806-5 文藝春秋 2001年11月10日
  • 視鬼 (高橋克彦)
  • 愛の陰陽師(田辺聖子)
  • 日本の風水地帯を行く-星と大地の不可思議- (荒俣宏)
  • 清明。-暁の星神- (加門七海)
  • 鬼を操り、鬼となった人びと (小松和彦・内藤正敏)
  • 三つの髑髏 (澁澤龍彦)
  • 下衆法師 (夢枕獏)
  • 平安の闇に、ようこそ 「陰陽師」読本
文庫版 ISBN 978-4-16-752810-2 文藝春秋 2003年9月10日
  • おにのさうし
文庫版 ISBN 978-4-16-790201-8 文藝春秋 2014年10月10日
  • 染殿の后 鬼のため 嬈乱せらるる物語
  • 紀長谷雄 朱雀門にて女を争い 鬼と双六をする物語
  • 篁物語
  • 陰陽師 平成講釈 安倍晴明伝
文庫版 ISBN 978-4-16-790384-8 文藝春秋 2015年6月10日
  • 序 まずは口上のこと
  • 第一席 本朝の秀才安倍仲麿 道を求めて唐へ渡ること
  • 第二席 あやめの子孫安倍保名 陰陽の道に入りしこと
  • 第三席 尾花丸帝の御脳を 癒さんと都へ上ること
  • 第四席 尾花丸宮中にて 蘆屋道満と問答せしこと
  • 第五席 尾花丸宮中にて 蘆屋道満と呪争いすること
  • 第六席 唐の大妖狐 本朝にて蘇ること
  • 第七席 蘆屋道満大妖狐と タッグチームを作りしこと
  • 第八席 夢枕獏秀斎スルタンの国にていよいよ 物語が佳境に入りそことを宣言すること
  • 第九席 夢枕獏秀斎久かたぶりにバイオレンスと エロスの語り手となって大団円となること
  • 第十席 夢枕獏秀斎次なる講釈を約束しつつ ひとまず本編の語りを終えること
  • よりぬき陰陽師
文庫版 ISBN 978-4-16-790464-7 文藝春秋 2015年10月10日
  • 第一話 瘤取り清明 -絵になる文章 村上豊-
  • 第二話 月突法師 -余白の妙 渡辺真理-
  • 第三話 首 -「百物語」と「陰陽師」白石加代子-
  • 第四話 桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと -王朝怪異譚の一大絵巻として 東雅夫-
  • 第五話 銅酒を飲む女
  • 対談 物語が動き始める瞬間 夢枕獏×池井戸潤
  • 「陰陽師」のすべて
文庫版 ISBN 978-4-16-790628-3 文藝春秋 2016年6月10日

派生作品編集

漫画編集

岡野玲子の作画による『陰陽師』が、1993年から2005年にかけて『コミックバーガー』(スコラ)、『月刊メロディ』(白泉社)で連載された。また、2011年から『MELODY』において続編『陰陽師 玉手匣』が連載されている。

上記とは別に、睦月ムンクの作画による『陰陽師 瀧夜叉姫』が『月刊COMICリュウ』(徳間書店)で2012年3月(2012年5月復刊号)から2015年(2016年2月号)まで連載された。

テレビドラマ編集

稲垣吾郎の主演(晴明役)で2001年4月から6月にかけてNHKドラマDモード』枠にて放送された。全10回。

市川染五郎(七代目)の主演(晴明役)で2015年9月13日、テレビ朝日系で放送。全1回。

映画編集

滝田洋二郎監督、野村萬斎主演(晴明役)の映画。2001年に第1作『陰陽師』、2003年に続編『陰陽師II』が公開された。

舞台編集

KOtoDAMA企画により2000年に『陰陽師』、2002年に『陰陽師 言霊ノ巻』が上演された。児玉信夫主演(晴明役)。

OSK日本歌劇団により2001年に『闇の貴公子』、2003年に『新・闇の貴公子』が上演された。2001年は洋あおい(博雅役)・那月峻(晴明役)主演。2003年は那月峻(晴明役)主演。

2013年9月、歌舞伎座新開場柿葺落九月花形歌舞伎にて、新作歌舞伎『新作 陰陽師 滝夜叉姫』が上演された[1]。安倍晴明は七代目市川染五郎がつとめた。第42回大谷竹次郎賞を受賞[2]

2017年7月、朗読劇『陰陽師 藤、恋せば 篇』がJnapi L.L.C.の企画運営により上演された。陰公演(新宿フェイス)・陽公演(六行会ホール)という美術セットや照明も音楽も違う2種類の演出で各々4組のキャストが出演。晴明役は諏訪部順一津田健次郎など[3]

出典編集

  1. ^ 歌舞伎座新開場柿葺落 九月花形歌舞伎 > 演目と配役”. 松竹株式会社. 2015年6月3日閲覧。
  2. ^ 『陰陽師』が大谷竹次郎賞受賞”. 松竹株式会社 (2014年1月28日). 2015年6月3日閲覧。
  3. ^ 朗読劇「陰陽師」公式サイト”. 2017年8月2日閲覧。

外部リンク編集