1969年メキシコグランプリ

1969年メキシコグランプリ (1969 Mexican Grand Prix) は、1969年のF1世界選手権第11戦(最終戦)として、1969年10月19日マグダレナ・ミクスカで開催された。

メキシコ 1969年メキシコグランプリ
レース詳細
1969年F1世界選手権全11戦の第11戦
マグダレナ・ミクスカ (1962–1970)
マグダレナ・ミクスカ (1962–1970)
日程 1969年10月19日
正式名称 VIII Gran Premio de Mexico[1]
開催地 マグダレナ・ミクスカ
メキシコの旗 メキシコ メキシコシティ
コース 恒久的レース施設
コース長 5.000 km (3.107 mi)
レース距離 65周 325.000 km (201.946 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー ブラバム-フォード
タイム 1:42.90[2]
ファステストラップ
ドライバー ベルギー ジャッキー・イクス ブラバム-フォード
タイム 1:43.05[3] (64周目)
決勝順位
優勝 マクラーレン-フォード
2位 ブラバム-フォード
3位 ブラバム-フォード

レースは65周で行われ、マクラーレンデニス・ハルムが4番手スタートから優勝した。ブラバムジャッキー・イクスが2位、チームメイトのジャック・ブラバムが3位となった。

エントリー編集

1969年のシーズン最終戦には、合計17台のF1マシンが参加した。 ロータスは前戦アメリカGPヨッヘン・リントが初優勝を挙げた一方、チームメイトのグラハム・ヒルはクラッシュにより両足を骨折した。ロータスは本レースでヒルの代走を起用しないことを決めた。マリオ・アンドレッティUSACチャンピオンシップ英語版[注 1]のチャンピオン争いが佳境となっており、パシフィック・レースウェイズ英語版で行われる「ダン・ガーニー200」と日程が重複したため出場できず、ジョン・マイルス英語版四輪駆動車の63を走らせる[4]

他のドライバーについては変更はなく、フェラーリルイジ・キネッティ英語版率いるフェラーリの北米代理店「ノースアメリカン・レーシングチーム英語版(NART)」から引き続き参戦し、地元のヒーローであるペドロ・ロドリゲス312を走らせる[4][5][6]

エントリーリスト編集

チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
  ゴールドリーフ・チーム・ロータス 1   グラハム・ヒル 1 ロータス 49B フォードコスワース DFV 3.0L V8 F
2   ヨッヘン・リント
9   ジョン・マイルス 63
  マトラ・インターナショナル 3   ジャッキー・スチュワート マトラ MS80 フォードコスワース DFV 3.0L V8 D
4   ジャン=ピエール・ベルトワーズ
16   ジョニー・セルボ=ギャバン MS84
  ブルース・マクラーレン・モーターレーシング 5   デニス・ハルム マクラーレン M7A フォードコスワース DFV 3.0L V8 G
6   ブルース・マクラーレン M7C
  モーターレーシング・ディベロップメンツ・リミテッド 7   ジャッキー・イクス ブラバム BT26A フォードコスワース DFV 3.0L V8 G
8   ジャック・ブラバム
  ロブ・ウォーカー/ジャック・ダーラッシャー・レーシングチーム 10   ジョー・シフェール ロータス 49B フォードコスワース DFV 3.0L V8 F
  ノースアメリカン・レーシングチーム 11   クリス・エイモン 2 フェラーリ 312B フェラーリ 3.0L F12 [7] F
12   ペドロ・ロドリゲス 312/69 フェラーリ 255C 3.0L V12
  オーウェン・レーシング・オーガニゼーション 14   ジョン・サーティース BRM P139 BRM P142 3.0L V12 D
15   ジャッキー・オリバー
22   ジョージ・イートン P138
  フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ 18   ピアス・カレッジ ブラバム BT26A フォードコスワース DFV 3.0L V8 D
  シルビオ・モーザー・レーシングチーム 19   シルビオ・モーザー ブラバム BT24 フォードコスワース DFV 3.0L V8 G
  ピート・ラブリー・フォルクスワーゲン・インク 21   ピート・ラブリー ロータス 49B フォードコスワース DFV 3.0L V8 F
ソース:[8]
追記
  • ^1 - ヒルは負傷のため欠場[9][4]
  • ^2 - マシンが準備できず[9]

予選編集

ブラバム勢が駆るBT26Aが速く、予選を支配した。ジャック・ブラバムが平均速度174.927 km/h (108.695 mph)[10]ポールポジションを獲得し、チームメイトのジャッキー・イクスが2番手とフロントローを独占した。既に1969年のドライバーズチャンピオンを獲得していたジャッキー・スチュワートは3番手で、デニス・ハルムと2列目を分け合った。3列目はともにロータス・49Bを駆るジョー・シフェールヨッヘン・リントが占めた[4]

予選結果編集

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム グリッド
1 8   ジャック・ブラバム ブラバム-フォード 1:42.90 - 1
2 7   ジャッキー・イクス ブラバム-フォード 1:43.60 +0.70 2
3 3   ジャッキー・スチュワート マトラ-フォード 1:43.67 +0.77 3
4 5   デニス・ハルム マクラーレン-フォード 1:43.70 +0.80 4
5 10   ジョー・シフェール ロータス-フォード 1:43.81 +0.91 5
6 2   ヨッヘン・リント ロータス-フォード 1:43.94 +1.04 6
7 6   ブルース・マクラーレン マクラーレン-フォード 1:44.75 +1.85 7
8 4   ジャン=ピエール・ベルトワーズ マトラ-フォード 1:45.58 +2.68 8
9 18   ピアス・カレッジ ブラバム-フォード 1:47.23 +4.33 9
10 14   ジョン・サーティース BRM 1:47.29 +4.39 10
11 9   ジョン・マイルス ロータス-フォード 1:47.76 +4.86 11
12 15   ジャッキー・オリバー BRM 1:48.01 +5.11 12
13 19   シルビオ・モーザー ブラバム-フォード 1:48.25 +5.35 13
14 16   ジョニー・セルボ=ギャバン マトラ-フォード 1:48.74 +5.84 14
15 12   ペドロ・ロドリゲス フェラーリ 1:49.46 +6.56 15
16 21   ピート・ラブリー ロータス-フォード 1:50.34 +7.44 16
17 22   ジョージ・イートン BRM 1:52.30 +9.40 17
ソース:[10][11]

決勝編集

ブルース・マクラーレンは2戦連続でスタートすることができず、残りの16台でレースはスタートした。ジャッキー・スチュワートが最高のスタートを切り、ジャッキー・イクスジャック・ブラバムブラバム勢が追い、ヨッヘン・リントデニス・ハルムが続いた。イクスは2周目が終わる頃からスチュワートにプレッシャーをかけ続け、6周目までにスチュワートを抜いて首位に立ち、ハルムはブラバムを抜いて3位に浮上した。ハルムは次の周でスチュワートも抜き、イクスを追走し始めた。10周目にはハルムが首位に立った。その間、スチュワートはブラバムの後方まで順位を落としていた。そして、上位4台はレース終了まで順位の変動はなかった。リントはレース序盤で5位を走行していたが、縁石に乗り上げた際にサスペンションが曲がってリタイアした。代わってジャン=ピエール・ベルトワーズが5位に浮上し、ジャッキー・オリバーが2周遅れで6位に入賞した[4][12][13]

ハルムは1時間54分8.8秒(平均速度170.833 km/h (106.151 mph))でフィニッシュし[9]、2位のイクスにわずか2.56秒の差で優勝した[12][13]。シーズン前半のグッドイヤータイヤの劣勢によりハルムは徐々にフラストレーションを募らせたが、シーズン最終戦でようやく1勝を挙げてどうにか溜飲を下げることができた[14]

レース結果編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 5   デニス・ハルム マクラーレン-フォード 65 1:54:08.80 4 9
2 7   ジャッキー・イクス ブラバム-フォード 65 +2.56 2 6
3 8   ジャック・ブラバム ブラバム-フォード 65 +38.48 1 4
4 3   ジャッキー・スチュワート マトラ-フォード 65 +47.04 3 3
5 4   ジャン=ピエール・ベルトワーズ マトラ-フォード 65 +1:38.52 8 2
6 15   ジャッキー・オリバー BRM 63 +2 Laps 12 1
7 12   ペドロ・ロドリゲス フェラーリ 63 +2 Laps 15
8 16   ジョニー・セルボ=ギャバン マトラ-フォード 63 +2 Laps 14
9 21   ピート・ラブリー ロータス-フォード 62 +3 Laps 16
10 18   ピアス・カレッジ ブラバム-フォード 61 +4 Laps 9
11 19   シルビオ・モーザー ブラバム-フォード 60 燃料漏れ 13
Ret 14   ジョン・サーティース BRM 53 ギアボックス 10
Ret 2   ヨッヘン・リント ロータス-フォード 21 サスペンション 6
Ret 22   ジョージ・イートン BRM 6 ギアボックス 17
Ret 10   ジョー・シフェール ロータス-フォード 4 アクシデント 5
Ret 9   ジョン・マイルス ロータス-フォード 3 燃料ポンプ 11
DNS 6   ブルース・マクラーレン マクラーレン-フォード 燃料噴射装置 7
ソース:[15]
ファステストラップ[16]
ラップリーダー[17]
太字は最多ラップリーダー

ランキング編集

  • : トップ5のみ表示。前半6戦のうちベスト5戦及び後半5戦のうちベスト4戦がカウントされる。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 現在のインディカー・シリーズの前身。1979年までアメリカ合衆国自動車クラブ(USAC)がオープンホイールカーによるレースを主催していた。

出典編集

  1. ^ 1969 Mexican GP”. ChicaneF1.com. 2019年12月11日閲覧。
  2. ^ Lang, Mike (1982). Grand Prix! Vol 2. Haynes Publishing Group. p. 108. ISBN 0-85429-321-3 
  3. ^ Lang, Mike (1982). Grand Prix! Vol 2. Haynes Publishing Group. p. 109. ISBN 0-85429-321-3 
  4. ^ a b c d e Mexican GP, 1969 Race Report - GP Encyclopedia - F1 History on Grandprix.com”. Grandprix.com. 2014年3月13日閲覧。
  5. ^ (アラン・ヘンリー 1989, p. 249)
  6. ^ (林信次 1995, p. 85)
  7. ^ (アラン・ヘンリー 1989, p. 247-249)
  8. ^ Mexico 1969 - Race entrants”. STATS F1. 2019年12月15日閲覧。
  9. ^ a b c Mexico 1969 - Result”. STATS F1. 2019年12月15日閲覧。
  10. ^ a b Mexico 1969 - Qualifications”. STATS F1. 2019年12月14日閲覧。
  11. ^ Mexico 1969 - Starting grid”. STATS F1. 2019年12月14日閲覧。
  12. ^ a b Race results - 1969 Mexican Formula 1 Grand Prix”. GPUpdate.net. 2014年3月13日閲覧。
  13. ^ a b Results 1969 Formula 1 Grand Prix of Mexico”. F1 Fansite. 2014年3月13日閲覧。
  14. ^ (林信次 1995, p. 83-84)
  15. ^ 1969 Mexican Grand Prix”. formula1.com. 2015年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月22日閲覧。
  16. ^ Mexico 1969 - Best laps”. STATS F1. 2019年12月14日閲覧。
  17. ^ Mexico 1969 - Laps led”. STATS F1. 2019年12月14日閲覧。
  18. ^ a b Mexico 1969 - Championship”. STATS F1. 2019年3月19日閲覧。

参照文献編集

外部リンク編集

前戦
1969年アメリカグランプリ
FIA F1世界選手権
1969年シーズン
前回開催
1968年メキシコグランプリ
  メキシコグランプリ次回開催
1970年メキシコグランプリ