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QIX』(クイックス)は、タイトーアメリカが開発し、タイトー1981年業務用ゲームとして発売した陣取りゲームである。日本での販売より先にアメリカでヒットしており、「全米人気No.1」という触れ込みで設置を増やし、日本でもヒット作となった[1]

QIX
ジャンル 陣取りゲーム
対応機種 アーケード
開発元 タイトーアメリカ
発売元 タイトー
デザイナー ランディ・ファイファー
サンディ・ファイファー
人数 1 - 2人(交互プレイ)
メディア 業務用基板
(32.00キロバイト
稼働時期 アメリカ合衆国の旗 1981年 10月
デバイス 4方向レバー
2ボタン
CPU MC6809 (@ 1.25 MHz) x2
サウンド MC6802 (@ 921.6 kHz)
ディスクリート
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
240×256ピクセル
パレット1024色
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概要編集

タイトルの『QIX』とは、開発者であるランディ・ファイファーの車のナンバープレートが「JUS4QIX」[2]であった事から名付けられている。

陣取りゲームと脱衣ゲーム編集

エリアを作った部分の背景が見えるようにした続編が作られた後、これを利用した脱衣系ゲームのジャンルの一つとしても定着した(どちらも開発は金子製作所。ちなみにギャルズパニックシリーズはタイトーの正規ライセンスを得ている)[1]

また、その結果としてQIXは領域の外側を動いていくものに対し、フィールドの中心からスタートし領域の内部を自由に動くことができるタイプが現われた(ただし、その分接触してはならないものが増えた)。

ゲーム内容編集

システム編集

プレイヤーは四角で構成されたフィールド内にあるマーカー(自機)を動かし、QIXと呼ばれる線状の物体(生物)に触れないようにしながらフィールドの領域内にラインを引いて面(エリア)を作る[3]。エリアの総面積が各ステージで要求している占有率に達するとQIXが消滅してクリアとなり次のステージへと移る。なお最初のステージで要求する占有率は75%(設定による)である[1]

得点は、1回のエリア作成での面積、規定された占有率の超過分で獲得できる。QIXが2匹いるときにそれぞれを分断するようなラインを引くと、そのステージはクリアとなって、次のラウンドから獲得点数倍率が(成功回数+1)倍に跳ね上がる。なお、1度でもミスをすれば倍率は1倍に戻る。

なお、規定時間経過毎に「スパークス」が出現し、上限数まで出現してもステージをクリアしないでいると、通常はエリアの境界線(引き終わって確定したラインと外周)しか通らない「スパークス」が(マーカーが引いている最中の)ラインにも入り込んで追ってくるようになる[1]

さらに、ライン引きの動作を中断すると、ラインの根元から「ヒューズ」が出現して自機を追い回す。なお、ヒューズは自機が動作を中断している間のみ動き回る。

ラインとエリア編集

マーカーは、ラインボタンを押しながらフィールドの領域内に向かってレバーを倒すと、領域内にラインを引く事ができる。ラインをフィールドの領域外で結ぶ事で、フィールド領域内にエリアを作る事ができる。エリアは、QIXがいない部分にできる。

ラインボタンは「高速」と「低速」の2種類があり、それがそのままマーカーがラインを引く速度につながっている。エリアが完成すると、高速は青色、低速では赤色に染まる。高速に比べて低速で囲んだほうがラインの面積の得点が高いため、要所で使い分けることが高得点へのカギとなる。なお、ライン引きの中途における低速から高速、もしくは逆の速度切り替えは可能だが、どちらも最終的に高速で囲んだと判定される。

ミスの条件編集

  • ラインを引いている最中に、QIXがそのラインやマーカー自身に触れる。
  • 「スパークス」と呼ばれる物体にマーカーが触れる。
  • 「ヒューズ」に追いつかれる。

バグ等編集

  • ほんの少しだけ面を確保した瞬間にQIXがラインに触れると、確保した面を逆側に判定されてしまい、99パーセントでのクリアとなる。
  • ラインを折り返しながら、それと直角に1ドットずつ前進するようにジグザグに引いていくと、スパークスが迷子になって追ってこられなくなる。ヒューズはこの限りではない。またこの現象はエリアを完成させると解消される。

他機種版および移植版編集

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 QIX   1982年
Atari 5200
Atari 8ビット・コンピュータ
Designer Software アタリ ロムカセット CX5212 -
2 QIX   1983年
FM-7 フェニックス(タカラ) フェニックス(タカラ) カセットテープ - -
3 QIX   1989年
Amiga
Apple II
PC/AT互換機
コモドール64
コモドール128
Alien Technology Group タイトー フロッピーディスク - -
4 QIX   1990年
Apple IIGS Alien Technology Group タイトー フロッピーディスク - -
5 QIX   199004131990年4月13日
  199005241990年5月24日
  199009281990年9月28日
ゲームボーイ 水口エンジニアリング 任天堂 512キロビットロムカセット[4] DMG-QXA - GB専用通信ケーブル対応
6 QIX   1991年1月
NES Novotrade タイトーアメリカ ロムカセット NES-QX -
7 QIX   1991年
Atari Lynx ナイト・テクノロジーズ(Knight Technologies) Telegames ロムカセット LX102 -
8 クイックス2000   200010262000年10月26日
PlayStation サクセス サクセス CD-ROM SLPM 86659 - SuperLite 1500シリーズ
9 タイトーメモリーズ 下巻   200508252005年8月25日
PlayStation 2 タイトー タイトー DVD-ROM SLPM 66092 - アーケード版の移植。
通常版のみ隠しタイトル扱い。
10 タイトーメモリーズ ポケット   200601052006年1月5日
PlayStation Portable タイトー タイトー UMD - - 概要 = アーケード版の移植
11 QIX   201106152011年6月15日
[5]
欧米:2015年7月7日[6][7]
ニンテンドー3DS
バーチャルコンソール
水口エンジニアリング 任天堂 ダウンロード CTR-RAEJ-JAN - ゲームボーイ版の移植
ゲームボーイ版
また、ゲームボーイ版のテレビCMには桂小枝が出演し、南京玉すだれを披露した。
FM-7版
アーケード版の筐体にあった2種類のラインボタンが廃止され、境界線からフィールドに向けて移動させると自動でラインが引かれる仕組みに変更された[11]
FM-7では以下のイメージストーリーが存在する。
西暦198X年の夏のある日、某国で開発されていた細菌兵器「QIX」が暑さによって異常発育を遂げる。加えて、火花を散らしながら壁を這い回る生物まで出現した。研究員はカーソルと呼ばれる有線式の作業用ロボットに壁の上を走らせて、安全なところから少しずつ青い薬品を散布させ、これらの生物たちの動きを止めることにした[11]

スタッフ編集

ゲームボーイ版
  • 長田達
  • わだひろし
  • ひがしやあき

評価編集

評価
レビュー結果
媒体結果
AllGame      (AC)[12]
ファミ通25/40点 (GB)[13]
22/40点 (PS)[14]
Nintendo Power2.8/5点 (NES)[15]
EFCG4/4点 (A52)[16]
ファミリーコンピュータMagazine17.92/30点 (GB)[4]
Total!83/100点 (GB)[17]
Raze85/100点 (GB)[17]
アーケード版

ゲイムマンというペンネームで活動するライターの府元晶はITMediaに寄せた記事の中で、アーケード版がアメリカで受け入れられた理由について、アーケード版の画面構成が直線を中心としており、ラスタースキャンでありながらも当時同国で流行していたベクタースキャンに近かったためではないかと推測している[18]

ゲームボーイ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計25点(満40点)[13]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、17.92点(満30点)となっている[4]。また、同雑誌1991年5月24日号特別付録の「ゲームボーイ オールカタログ」では「シンプルだが、意外と戦略的要素が高く、頭を使うゲームだ」と紹介されている[4]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 2.44 2.49 3.16 3.36 3.10 3.37 17.92

府元晶はITMediaに寄せた記事の中で、ゲームボーイ版の難易度は低く、初心者にお勧めできると述べている[19]。府元は難易度が下げられたと思われる理由について、アーケード版の発売から9年が経過している点や、最初期のゲームボーイの画面が小さいことを挙げている[19]

FM-7版

Akiba PC Hotline!の佐々木 潤は、FM-7版について、自機の移動速度がアーケード版に近いため、さくさくとラインが引けるのが気持ちよかったと評価している[11]。その一方で佐々木はラインボタンが省略されたことにより、ちょっとした弾みで自機が境界線を越えてクイックスに当たりやすくなった点や、FMシリーズ特有のキー入力問題により、ミス後に自機が復活しても直前に押していたキーの方向へ自動で動いてしまうため、最初のうちは連続して失敗しやすい点を指摘している[11]。また、佐々木は、数面ごとにスパークが増えてクイックスの動きがだんだん賢くなる以外にゲーム内容の変化がないため、ある程度の腕前があると飽きてしまうとも述べている[11]

PlayStation版

ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」では合計22点(満40点)[14]となっている。

PlayStaion2版
府元は、PlayStation2版におけるクイックスとスパークスの移動速度の速さについて触れており、アーケード版以上の難易度であると述べている[18]

後世への影響編集

1982年には本作の続編となる『Qix II - Tournament』が発売された[20]ほか、1987年には『スーパークイックス』が発売された。さらに、1989年にはパワーアップアイテム等を採用した続編『ヴォルフィード』が発売された。 1995年5月にはタイトーからアーケードゲーム『ついんくいっくす』が発売される予定だったが、正式稼働には至らなかった[21]。この作品のルールは4方向レバー、1ボタン(ライン)でマーカーを操作し、各ラウンドごとに決められたノルマ(ラウンド1では70パーセント、以降ラウンドの進行により上昇していく)以上の領域を占領すればステージクリアというものだった。同作はシリーズ初となる2人対戦プレイが採用される予定であり、対戦プレイにおいては、残機無制限で先に95パーセントの領域を占領した方のプレイヤーが勝ちとなり、3本勝負により最終的な勝敗が決められる予定だった。また、国内版には竹本泉が描いた女性キャラクターのグラフィックが用いられる予定だったほか、ロケテストでは女性キャラクターが脱衣するバージョンも存在した[21]。一方で、海外版のロケテストでは遺跡や異星人をモチーフとしたグラフィックが採用された。なお、同作の海外版は2002年にメディアカイトからサービスが開始される予定であった『ネットげーせん』の対応作品として配信される予定であったが[22]、『ネットげーせん』のMAMEソース流用問題による無期延期(後にメディアカイト倒産により頓挫)の影響で再びお蔵入りになっている。 1999年にはゲームボーイカラー用ソフト『クイックスアドベンチャー』が発売された。 2002年10月24日には、サクセスよりSuperLite 1500シリーズの一環としてPlayStation用ソフト『バトルクイックス』が発売された。2003年には、スペースインベーダー25周年記念として2in1筐体『スペースインベーダー QIX』が登場した。この作品は筐体の左右に両ゲームオリジナルのデザインが施されている。再度のヒットを狙ったものでなく、記念発売の印象が強い。 2009年12月9日には、タイトーより『QIX++』が Xbox Live Arcade/PlayStationPortable用ソフトとして発売された。この作品はタイトー最後のPlayStationシリーズ用のゲームタイトルであった。

他社からも本作のルールをベースとしたゲームが発売・稼働しており、ルールの変更や追加が行われたこともあった。たとえばカネコの『ギャルズパニック』やナムコの『ダンシングアイ』はいずれも脱衣要素を有していることで知られている。 1992年にはデータムポリスターよりスーパーファミコン用ソフト『カコマ☆ナイト』が発売された。 1995年にはバンプレストよりアーケードゲーム作品『タイムボカン』が稼働予定ながらも中止となった。同作には独自ルールとして、ジャンプボタンによって自機がフィールドを移動できるルールが存在した。 2007年には アトラスの『ペルソナ3』を題材とした携帯電話用アプリ『女神転生QIX ペルソナ3』が配信された。 このほかにも、作中作として収録されたケースとしては『ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」』があり、作中に登場する吉田商店の50円ゲームで本作をプレイできた。

脚注編集

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  1. ^ a b c d e M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、67ページ
  2. ^ JUS4QIX……just for kicks.(スリルを求めて)という意味。アメリカでは任意の文字列を自動車ナンバーに設定できるため、何らかの意味を持たせた文字列にするオーナーが多い。
  3. ^ コアムックシリーズNO.682『電子ゲーム なつかしブック』p.123.
  4. ^ a b c d 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、 136頁。
  5. ^ Bivens, Danny (2011年6月15日). “Japan eShop Round-Up (06/15/2011)”. Nintendo World Report. 2017年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月1日閲覧。
  6. ^ Langley, Ryan (2011年7月7日). “NA Nintendo Update - Fortified Zone, QIX, Roller Angels And More”. GameSetWatch. UBM plc. 2011年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月1日閲覧。
  7. ^ Langley, Ryan (2011年7月7日). “EU Nintendo Update - QIX, Fortified Zone, ANIMA: Ark of Sinners And More”. GameSetWatch. UBM plc. 2017年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月1日閲覧。
  8. ^ Orland, Kyle (2011年2月4日). “The Strange Career Path of Super Mario”. 1UP.com. IGN. p. 18. 2011年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月1日閲覧。
  9. ^ 「スーパーマリオ オデッセイ」で見つけた20の過去作へのオマージュ”. IGN (2017年11月9日). 2019年3月9日閲覧。
  10. ^ Plunkett, Luke (2017年6月13日). “Super Mario Odyssey's Outfits Are A Nice Throwback”. Kotaku. http://kotaku.com/super-mario-odysseys-outfits-are-a-nice-throwback-1796076020 2017年6月14日閲覧。 
  11. ^ a b c d e 佐々木 潤 (2019年2月26日). “ゲーセンで流行った陣取りゲームがパソコンでも遊べる!「QIX(クイックス)」”. Akiba PC Hotline!. インプレス. 2019年3月9日閲覧。
  12. ^ QIX for Arcade (1981) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年3月31日閲覧。
  13. ^ a b クイックス まとめ [ゲームボーイ]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年3月29日閲覧。
  14. ^ a b SuperLite 1500 シリーズ クイックス2000 まとめ [PS] / ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月29日閲覧。
  15. ^ QIX for NES (1991) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年3月31日閲覧。
  16. ^ QIX for Atari 5200 (1982) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年3月31日閲覧。
  17. ^ a b QIX for Game Boy (1990) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年3月31日閲覧。
  18. ^ a b ゲイムマン (2011年7月29日). “ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」:ゲイムマンもたまにはガジェットっぽい話をしないと。「クイックス」 (1/2)”. ねとらぼ. ITMedia. 2019年3月9日閲覧。
  19. ^ a b ゲイムマン (2011年7月29日). “ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」:ゲイムマンもたまにはガジェットっぽい話をしないと。「クイックス」 (2/2)”. ねとらぼ. ITMedia. 2019年3月9日閲覧。
  20. ^ Qix II Tournament arcade video game”. Gaming History. 2019年4月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月29日閲覧。
  21. ^ a b コアマガジン刊 ゲームウララ第1号 東京ロケテストレポートより
  22. ^ メディアカイト、ネット上でゲームセンターを運営。タイトー、日本物産、サンソフト、データイーストなどが参入”. Game Watch. インプレス (2002年8月27日). 2019年9月29日閲覧。

外部リンク編集