もう誰も愛さない

日本のテレビドラマ

もう誰も愛さない』 (もうだれもあいさない)は、1991年4月11日から6月27日まで毎週木曜日22:00 - 22:54に、フジテレビ系の「木曜劇場」枠で放送された日本のテレビドラマ。主演は吉田栄作

もう誰も愛さない
ジャンル テレビドラマ
企画 宅間秋史
清水賢治
脚本 吉本昌弘
中山乃莉子
林誠人
演出 楠田泰之
赤羽博
中島悟
出演者 吉田栄作
田中美奈子
薬丸裕英
観月ありさ
辰巳琢郎
かとうれいこ
伊藤かずえ
仲谷昇
伊武雅刀
山口智子
プロデューサー 阿部祐三
和田豊彦
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 1991年4月11日 - 6月27日
放送時間 木曜日22:00 - 22:54
放送枠 木曜劇場
放送分 54分
回数 12
テンプレートを表示

あらすじ編集

東都銀行の運転手、沢村卓也は父親の裁判費用に困っていたところ、窓口係の宮本小百合から一攫千金の詐欺計画を持ちかけられる。ターゲットは小百合の同僚、田代美幸。美幸は恋した卓也に言われるまま口座横領事件を起こし、家族は一家心中、実家の地価10億円の土地を騙し取られる。卓也は罪の重さに苦しむが、小百合は暴漢を差向け、美幸が身籠った卓也の子を流産させる。美幸は暴漢を刺し殺し、殺人罪で女子刑務所に送られる。

ふたりの詐欺計画は、小百合の愛人である地上げ屋の米倉に見破られ、10億円を横取りされる。反撃のため、卓也は米倉のフィアンセ戸川亜紀を寝取り、父親の戸川商事会長を味方につける。小百合は女性弁護士の町田と共謀し、米倉の不動産会社を乗っ取る。卓也は亜紀の夫としてリゾート開発事業に専心しながら、小百合と愛し合うようになる。その頃、美幸は亡き父に恩があるという香港の実業家、王小龍(ワン・シャオロン)から卓也と小百合の手口を知らされ、「もう誰も愛さない」と復讐を誓う。

3年後、出所した美幸は王のグループの日本支部を率い、冷酷な手腕で卓也と小百合を追いつめていく。戸川家から追放された卓也は、美幸の元婚約者の牧村に刺され、美幸の邸宅で車椅子生活を送る。美幸は憎しみを忘れて愛情を再燃させるが、卓也は従順なふりをしながらリハビリに励み、日本支部の裏金5億円をせしめて小百合のもとへ戻る。しかし、小百合は子宮頸がんに侵され、懺悔の想いで出身の孤児院を守ろうとする。一方、愛憎うずまく美幸の身体には、ふたりめの卓也の子の命が宿っていた。

やがて、20年前の球界の「黒い霧事件」を巡る政財界の闇が明かされ、卓也は王こと樫村が日本に残した息子であることを知る。卓也の育ての親、沢村元春は本当は小百合の父親だった。樫村は戸川会長から東京湾岸開発プロジェクトの利権を奪い、美幸を見限り、米倉、町田、牧村、元春らの命を消していく。病床の小百合は美幸と和解し、卓也を託して息を引き取る。美幸は胎盤早期剥離による母体の危険を承知で、卓也の子を産もうとする。そして、卓也は樫村との宿命の決闘を終え、安らかな顔をして路傍に倒れる。

概要編集

愛情・金・復讐に翻弄される3人の男女を中心に、周囲の人間関係が目まぐるしく展開するラブサスペンスドラマ。1週でも見過ごしたらついて行けなくなるほどストーリー進行が早く、クライムサスペンスらしく先が読めないスリル満点の展開からホームドラマとの対比で「ジェットコースタードラマ」と命名された。このコンセプトが好評の為、同じ脚本、スタッフ陣で「あなただけ見えない」(1992年)、「もう涙は見せない」(1993年)と順次制作され「ジェットコースタードラマ3部作」の第1作目として広く知られるようになる。

登場人物が毎回劇的な運命に翻弄され、登場人物のほとんどが終盤にかけて殺されたり、病気で死んでいくなどのシーンが多い。最終話で伊藤かずえ演じる弁護士・町田玲子が絞殺され、バラバラにされた死体がゴミ集積場に出されるシーンがあり、伊藤のファンからフジテレビに抗議の声が寄せられた。このシーンでの切断された生首のカットをはじめ、第11話で辰巳琢郎演じる米倉が王の手下に銃で撃たれ、死に際に吐血するシーンなどが再放送ではカットされていることがある。このため、再放送時には「作品中一部過激なシーンがあります」といったおことわりテロップが表示される場合がある。

放送と同時期にメインライターである吉本昌弘による長編小説(上・下巻)がフジテレビ出版より発売されたが、小説は初期の構想をもとに執筆されているため、卓也の実の両親、樫村と田代裕二の繋がり等を始めとする設定等、テレビドラマとは内容が若干異なる。

放送終了後にビデオ化が決定し、ビデオ店に告知ポスターも貼られたが直前に発売中止となった。2004年にDVD-BOXとして商品化された。

キャスト編集

主要人物編集

沢村 卓也(さわむら たくや)
演 - 吉田栄作
出生名は「樫村 満(かしむら みつる)」。物心がつく前に父健三が海外へ逃亡し、母とも死別したため、母方の親戚である沢村家に引き取られ、戸川の追及を逃れるため「沢村卓也」と改名された。横須賀市出身で中学卒業後に上京。成人後は東都銀行の支店長付きの運転手をしていたが、父元春の再審請求の弁護費用を捻出するため、小百合のそそのかしに乗って詐欺計画に荷担する。根は優しく、悪事に手を染める罪悪感に苛まれる一方、金のためならなりふり構わず、美幸や亜紀の女心を掌中におさめる。米倉の不動産会社を乗っ取り「S&Tカンパニー」社長に就任すると、リゾート開発ビジネスで辣腕を発揮。その野心的な仕事ぶりは、財界の大物である戸川をして一目を置かざるを得ないほど。
美幸の復讐に遭ってからは、ガソリンスタンドのアルバイト、観葉植物リース会社の社長、商社の不動産部門の部長など職を転々とする。牧村に刺されて右半身麻痺となっても、ひとり執念のリハビリを続けて復活する。小百合とは血縁関係を超えた本物の愛で結ばれ、小百合が病で命尽きるまで、彼女の出身の孤児院が売却されないよう奔走する。最後は実の父である王(樫村)と対決して撃ち殺すが、自身も深手を負い、産気づいた美幸をタクシーに乗せて病院へ送った後、生まれてくる我が子のことを想いながら絶命する。
ノベライズ版では元春と小百合の死後、工場で働きながら美幸と暮らしていたが、子供が生まれる直前に命を狙って来た樫村と対決をする。
宮本 小百合(みやもと さゆり)
演 - 田中美奈子
沢村元春がホステスの宮本夕子との間に設けた隠し子。父を知らず、幼少期に母にも置き去りにされ、孤児院・聖ルシア青葉学園で育つ。愛人の米倉の援助で短大を卒業後、彼の紹介で東都銀行に就職し、買い与えられたマンションで暮らす。自宅で熱帯魚を飼い、ペットショップを経営するなど動物好きな一面がある。表向きは気丈、明朗快活で世話好きな印象だが、心に抱えた傷と被害妄想などから銀行の同僚・田代美幸を妬み、卓也を誘って詐欺を企てる。暴漢を雇って美幸を襲わせ、口封じのため毒殺するなど、計画的で無慈悲な悪女ぶりを見せる。米倉を失脚させた後、S&Tカンパニー副社長として卓也を支えながら、互いに愛し合うようになる。
のちに美幸と報復合戦になり、戸川の愛人になったこともあるが、弥生との接触と子宮癌の発症などから心境に変化が発生。孤児院を守りたいという気持ちを抱き、卓也と共にボランティアを開始。この時に美幸の妊娠と出産の決意を見抜いており、「子供は両親で育てるもの」として卓也に結婚を勧める。父・元春に対して「私とお母さんを捨てた」と怒りをぶつけた事もあるが、のちに和解。美幸に生まれて来る子の名前を提案した直後、病気の悪化に伴い孤児院にて死去する。
ノベライズ版では、母の実家に出向き、母の死と本心を伯母から聞かされ、同時に母娘で一緒に写っている写真を手渡され、安堵した直後に病死。
田代 美幸(たしろ みゆき)
演 - 山口智子
大学卒業後、東都銀行に就職。渋谷の自宅で家族に囲まれ、幸せに暮らしていたが、婚約者だった牧村通との挙式1ヶ月前に、小百合の仕向けた松島により妹と牧村の目前でレイプされる。牧村に自ら婚約破棄を申し出た直後、接近して来た卓也と交際。彼のそそのかしで米倉の金を横領し逮捕。一旦は執行猶予がつくも、家族の焼死などの心因性ショックにより一時的に失明し入院。この際に卓也の子を妊娠した事を知るが、小百合の仕向けた男に流産させられた後、殺されそうになりもみ合う内に殺害。実刑判決を受け、刑務所に収容される。獄中ではイジメに遭いながらもけな気に卓也を信じ続けていたが、面会に来た王から真実を知らされた事で復讐の鬼に変貌する。
出所後は王の協力でブルースコーポレーション日本支社長に就任し、ショートカットの似合う強気な女性経営者に変身する。部下の林から忠告されるほど、執拗かつサディスティックに卓也と小百合をいたぶり続けるが、心の奥では卓也への愛を捨て切ることができず葛藤する。スイスの個人口座にプールしていた10億円が王にバレて始末されかけ、刑務所で同室だった安代に諭され正気を取り戻す。卓也の子を再び身籠り、胎盤早期剥離のため母体をとるか胎児をとるか決断を迫られ、命がけで出産する。最終回のラストシーンでは、生まれたばかりの赤子の姿は映るが、出産後の美幸の安否は示されていない。

卓也の関係者編集

沢村 元春(さわむら もとはる)
演 - 佐川満男
卓也の「育ての父親」。血縁的には小百合の実父であり、卓也の伯父となる。20年前、経営していた工場の資金のやりくりに困り、球界の「黒い霧事件」の野球賭博に関与。戸川の命で、妹の夫である樫村を殺そうとしたができず、妹の死後、甥の樫村満を引き取り「沢村卓也」と改名して育てる。同時期にホステスの宮本夕子と不倫し、小百合が生まれる。その後、戸川にはめられ、殺人罪で無期懲役を宣告され服役。癌に侵され、生きているうちに再審で無罪を勝ち取りたいと卓也を急かすが、のちに重い胃潰瘍だったことが判明。ほかにも身勝手な言動を繰り返し卓也と小百合を翻弄する。瀕死の小百合に会うため町田の手引きで脱獄するが、小百合の葬儀中、樫村の仕向けた殺し屋にマシンガンで射殺される。
ノベライズ版では、世間体などから小百合を認知せず、夕子に別れを告げ、樫村の子と知りつつ、雪子が出産した卓也の戸籍上の父となっている。そして再審請求の見込みが出た矢先に病死。
沢村 雪子(さわむら ゆきこ)
演 -有田麻里
元春の妻で卓也の外縁の伯母。義妹の死後、身寄りをなくした卓也を引き受け、元春の逮捕後も真実を知らせる事なく育てて来た。卓也の独立後は、横須賀市内でひとりでスナックを経営している。元春に対して愛想を尽かしており、自分の元を訪れた町田に対して「弁護なんてしなくていい」と言い放つが、卓也からの依頼と知って、心を動かされ証言をする。やや派手で自堕落な面が見られるが、卓也からは母親として認められている。
ノベライズ版では、卓也の実母で、樫村と不倫関係の末に出産している。

小百合の関係者編集

米倉 俊樹(よねくら としき)
演 - 辰巳琢郎
地上げ屋として成り上がった不動産企業ヨネクラの青年社長。見た目は物腰柔らかな紳士だが冷酷で嫉妬深く、小百合を愛人として囲い、金と暴力で服従させる。口座預金を美幸に横領されたことから小百合の計画を知り、10億円の土地の権利を横取りし、田代家を破滅に追いやる。そのことで、のちに美幸から憎まれることになる。亜紀と婚約して戸川会長をパトロンにつけるが、会社経営は綱渡り状態で、小百合の計略により婚約を破棄され、会社を乗っ取られる。チンピラ同然の身分に転落するが、それでも小百合のことを心底愛しており、バーテンダーや戸川会長の運転手をしながら美幸への逆襲に協力する。スイスの銀行の美幸の口座から奪った10億円を小百合の孤児院に振り込み、立ち退きの危機から救うが、このことを王に知られ、部下に撃たれて殺される。
水木 圭子(みずき けいこ)
演 - かとうれいこ
ヨネクラの受付嬢兼社長秘書。米倉の社長失脚後は庶務課へ配転される。セクシーで華やいだ雰囲気をまとい、戸川会長からも目をかけられる。思慮が浅く、欲深い面も見られるが、落ちぶれた米倉を最後まで見放さず、何かと世話をして回る。美幸の部下の林に色仕掛けで近づき、スイスの銀行の貸し金庫の鍵を盗みだし、美幸のサインを偽造して10億円を引き出すが、米倉と共に王の部下に射殺される。
松島(まつしま)
演 - 吉江芳成
喫茶店のマスター。小百合に金で雇われ、道に迷った振りをして別荘に侵入し、牧村と弥生を縛った上で、美幸を襲いレイプする。その後、計画をばらすと小百合に迫った際にトリカブトの注射で殺害され、湖に遺棄される。
学園長
演 - 川上夏代
身寄りのない小百合を育てた聖ルチア青葉学園の園長。資金難で閉園の危機に瀕している。末期癌の小百合を園に受け入れ、最後まで介護する。
加津子(かづこ)
演 - 高林由紀子
学園のシスター。学園を再訪した小百合の面会に目を細める。

美幸の関係者編集

牧村 通(まきむら とおる)
演 - 薬丸裕英
美幸の婚約者でエリート証券マンだったが、婚前旅行先の別荘で松島に縛り上げられ、眼前で美幸をレイプされたことで態度が一変。美幸に暴言を吐いて婚約を解消され、メンツを潰される形で勤務先を退職。美幸と卓也の仲を許すまじと、陰湿で偏執狂的な行動でつきまとう。300万円の借金を抱えて風俗嬢のヒモに落ちぶれていたところ、出所した美幸の復讐に利用され、亜紀をレイプする。それからも美幸に対する暴力的な愛情表現を重ね、卓也をナイフで刺し、美幸と心中しようとした林を刺し殺す。王に捕らえられ、美幸殺害を命じられるが、逆に王を襲撃してピストルで深手を負わせる。部下に刺されながらも、王の急所となる手帖を卓也に届け、「これから美幸の見舞いに行くんだ」と言い残して絶命する。
田代 弥生(たしろ やよい)
演 - 観月ありさ
美幸の妹。清楚で純朴な性格。姉への暴行現場で牧村と一緒に縛り上げられ、窓の外にいた小百合の顔を目撃するが、ショックで記憶を失う。美幸が横領事件で拘留されている間に家族が焼死し、身寄りがなくなり、口封じの為に小百合に引き取られる。小百合と実の姉妹のような関係になり、3年後に出所した美幸を「殺人犯」「姉と思いたくない」と嫌悪する。その後、記憶を取り戻し美幸と暮らし始めるが、警察への証言では小百合が首謀者であることを否定する。美幸と小百合の板挟みになって苦悩し、姉が仕向けた殺し屋に狙われた小百合を庇って撃たれ死亡する。死後、周囲の諍いを止めさせたいと書いた手紙が卓也によって発見される。
田代 裕二(たしろ ゆうじ)
演 - 平野稔
美幸の父。温厚な印象を持つ。渋谷区の一等地に先代から受け継いだ土地を持ち、一家5人で慎ましく暮らしていた。美幸の横領事件のため土地を売ろうと卓也に相談し、白紙の委任状に捺印。米倉に土地の権利を奪われ、多額の借金を抱えた直後、春樹の放火で焼死する。かつて殺されかけた樫村健三の命を救い、香港への逃亡を手助けした事がある(ノベライズ版では若干、設定が異なる)。
田代 春樹(たしろ はるき)
演 - 神田利則
美幸の弟。大学受験に失敗し、高校卒業後浪人していた。美幸が逮捕され、父が多額の借金を抱えたため将来を悲観し、自宅に放火して焼死する。
田代 牧子(たしろ まきこ)
演 - 池田道枝
美幸の母。穏やかな性格だったが、春樹の放火で焼死。美幸の逮捕を牧村の差し金と疑っていた。
西条 安代(さいじょう やすよ)
演 - 江波杏子
女子刑務所で美幸が収容された部屋のリーダー的存在。かつて愛した男性を殺した罪で服役している。純朴な美幸を疎み、子分共々イジメていたが、卓也の裏切りを知った美幸の変貌を認めるようになる。美幸に遅れて出所すると、殺した男との間に生まれた息子・健二を預けている聖ルシア青葉学園に通い、孤児院を守るため寄附を続ける。健二に母親であることを隠し通すか、引き取るべきか葛藤する。復讐の鬼と化した美幸を諭し、王に命を狙われた彼女を連れ出してアパートに匿う。
ノベライズ版では、息子の所在と孤児院との接触は描かれておらず、出所後に居酒屋を経営し、産気づいた美幸と偶然再会し、出産に立ち会っている。

戸川とその関係者編集

戸川 啓介(とがわ けいすけ)
演 - 仲谷昇
戸川商事の会長で、政界にも影響力をもつ経済界の大物。老いてなお情欲盛んで、数多い愛人の中には町田弁護士や小百合も含まれる。野心的な米倉や卓也を後継者候補として抜擢しながら、価値がなくなれば容赦なく切り捨てる冷酷さを持つ。その一方、ひとり娘の亜紀を溺愛し、幸せを願う父親の顔も見せる。かつて野球賭博で私腹を肥やし、部下だった樫村健三を疎んで、沢村卓也に殺害を命じた。東京湾岸再開発のビックビジネスを巡って、王(樫村)から20年来の復讐を仕掛けられ、野球賭博の証拠となる手帖を樫村に握られた直後、脳梗塞を発症。下半身と意識に重い後遺症が残り、亜紀の世話で隠遁生活を送ることになる(ノベライズ版では死亡している)。
戸川 亜紀(とがわ あき)
演 - 荒井乃梨子
戸川と愛人の一人との間に生まれた娘。世間知らずなお嬢様だが、性格は素直で、周りへの気配りもできる。愛車は三菱・エクリプス。不安を抱えながらも米倉との政略結婚を受けれいていたが、卓也のアプローチに心惹かれ結婚する。3年後、美幸の復讐により牧村にレイプされた末、卓也と離婚させられるが、父に逆らって一人暮らしを始め、小百合との仲を承知で卓也に働き口を世話する。父が脳梗塞で倒れると、死別した母親と暮らしていた家に引き取って介護しようと決める。
ノベライズ版では、母と暮らしていた場所は沖縄。離婚後、卓也の元へ押し掛けるが追い返されており、彼に対して職の紹介などもしていない。
町田 玲子(まちだ れいこ)
演 - 伊藤かずえ
卓也が父の再審請求を依頼した弁護士。米倉の顧問弁護士で、学生当時は戸川会長の愛人だった。頭脳明晰でクールな美女だが、強欲な拝金主義者で、敵味方関係なく接触しては、誰と組めば一番儲けられるかという危険なゲームを楽しんでいる。戸川会長や樫村健三、沢村元春が絡んだ野球賭博事件の闇を調査し、証拠の手帖と引き換えに樫村から200億円をゆすろうとしたが、絞殺され、身体をバラバラに切断され、ゴミ置き場に捨てられる。

ブルース・コーポレーション編集

王 小龍(ワン シャオロン)
演 - 伊武雅刀
香港の大企業ブルース・コーポレーションの社長。片言の日本語を話すが、正体は「樫村 健三(かしむら けんぞう)」という日本人で(本人は知らなかったが)卓也の実の父親である。かつて戸川の右腕として暗躍したが存在を疎まれ、妹の夫である沢村元春に殺されかけたところ、田代裕二に救われて出国し、香港で事業に成功した。裕二への恩義から美幸に日本支部の経営を任せ、彼女の復讐劇を全面的に支援しながら、裏では自身の戸川への復讐にも利用する。戸川の利権横取りに成功し、美幸を含め邪魔者を次々に始末しようとするが、牧村に撃たれて負傷し、最後は実の息子である卓也によって射殺される。
ノベライズ版では、元春の妻の雪子を脅し、愛人関係となった過去が語られ、ラストでは恩人である裕二からの贈り物の日本刀で卓也に殺害される。
林 洋二(はやし ようじ)
演 - 山口健次
ブルース・コーポレーション日本支部に勤める美幸の秘書。美幸から冷たい仕打ちを受けながらも恋情を募らせ、卓也への復讐と愛情に身を焦がす美幸の暴走を諫めようとする。小百合が仕向けた水木圭子に騙され、美幸が裏金を隠していたスイスの銀行の貸し金庫の鍵を渡してしまい、美幸を道連れに心中を図ったところを牧村に刺殺される。
ノベライズ版では、水木の裏切りの直後に自殺している。
山本(やまもと)
演 - 菊池孝典
王の部下。
陳(チン)
演 - 垂木勉
王の命令で牧村と共に美幸殺害に向かうが、口封じと美幸を守るためにと牧村に射殺される。

その他編集

東都銀行支店長
演 - 中丸新将
美幸の元上司。銀行でドライバーをしていた卓也に侮蔑的な振る舞いをしたことがある。のちにブルース・コーポレーションとの取引で美幸と再会。自身の起こした横領事件で支店長から支店長代理に降格させられたとして美幸から皮肉られる。
ワイドショーレポーター
演 - 武藤まき子
美幸の起こした事件をテレビ番組で報道。
医師
演 - 須永慶
美幸がレイプされた時に別荘の近くにおり、妹が記憶障害を発症していると診断。
暴漢
演 - 二瓶鮫一
小百合の命令で、卓也の子を身籠った美幸を襲うため、患者を装い病院に侵入。目が見えなくなっていた美幸を暴行するが、返り討ちに遭い、ナイフで刺され死亡。
受刑者
演 - 横尾香代子 水野あや 鈴木亜希子
美幸と同室に服役していた女囚たち。安代の子分として、美幸が持ち込んだ卓也の写真を破く等の嫌がらせをしたが、のちに美幸から逆襲を受け負傷。美幸を庇う安代に脅され、刑務官への証言を翻したことも。
西条 健二(さいじょう けんじ)
演 - 反田孝幸
安代の息子で小学生。諸事情から幼少期に聖ルシア青葉学園に預けられる。面倒見が良く、年下の子供達の世話をしていた。医師との養子縁組の話が浮上するが、小百合に諭された母と暮らし始めた様子。
産婦人科医
演 - 松井範雄
卓也と安代に対して、美幸が非常に危険な状態であると告げる。

スタッフ編集

放送日程編集

各話 放送日 サブタイトル 脚本 演出 視聴率
第1話 1991年4月11日 会いたい 吉本昌弘 楠田義之 18.2%
第2話 1991年4月18日 偽りの愛 17.6%
第3話 1991年4月25日 キスして 中山乃莉子 赤羽博 15.5%
第4話 1991年5月02日 会えない 吉本昌弘 17.0%
第5話 1991年5月09日 復讐の女 楠田泰之 18.1%
第6話 1991年5月16日 禁断の愛 林誠人 18.5%
第7話 1991年5月23日 愛の償い 中山乃莉子 赤羽博 18.9%
第8話 1991年5月30日 抱かれる 吉本昌弘 21.5%
第9話 1991年6月06日 死の抱擁 楠田泰之 20.6%
第10話 1991年6月13日 運命の鍵 中島悟 22.4%
第11話 1991年6月20日 偽りの結婚 赤羽博 21.7%
最終話 1991年6月27日 永遠の愛 23.8%
平均視聴率 19.5%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

エピソード編集

この番組終了後、日本テレビが同様のコンセプトのテレビドラマとして『愛さずにいられない』を放映した。本家と同じく、吉田栄作主演・アベクカンパニー製作・ジェットコースター的展開であることからパクリ企画だと話題になった。当時の『読売新聞』の記事には、「同じスタッフ・コンセプトで正反対の内容の作品を」との目的で企画されたとあった。

卓也が叫ぶシーンが吉田栄作の代名詞となり、放送当時の吉田のCMでも多用されたことから現在も過去の吉田栄作を振り返る時には頻繁に使用されることが多い、ただし劇中で叫ぶシーンは第2話と第9話の2回のみであった。

田中美奈子はもともとコミカルな作品が好きだったが、本作への出演をきっかけに悪女の役のイメージが付くようになり、「私の今を決定づけてしまった作品ですね。たまには、いい人をやらせてよとも思いますが(笑)」と語っている[1]

パロディ編集

この番組終了後、『とんねるずのみなさんのおかげです』のなかでパロディコント「もう誰も愛さない2」が薬丸・観月をゲストに放送された。第1話から中盤をモチーフに3話オムニバスで構成されたコントで、沢村役の石橋貴明と薬丸のやり取り等ギャグが満載だった。最後は、石橋が観月に「出してくれねぇ〜だからよ〜」と拳銃で撃たれるオチだった。コントのオープニングもギャグ満載で、田代役の渡辺満里奈山崎製パンの食パン「ダブルソフト」(当時、実際のドラマで田代役だった山口智子がCMキャラクターを務めていた)をかじるシーンも含まれていた。スタッフロールは早送りだったが、番組を録画して遅く再生すれば明確に確認できた。

関連商品編集

脚注編集

  1. ^ 名作ドラマ“至高の最終回”の謎を総直撃!(3)「<1991年6月27日・もう誰も愛さない>田中美奈子」 アサ芸Plus(2016年3月8日)

外部リンク編集

フジテレビ 木曜劇場
前番組 番組名 次番組
結婚の理想と現実
(1991.1.10 - 1991.3.21)
もう誰も愛さない
(1991.4.11 - 1991.6.27)
ヴァンサンカン・結婚
(1991.7.4 - 1991.9.19)