佐川満男
佐川 満男(さがわ みつお、1939年11月9日 - )は、日本の歌手・俳優・タレント。兵庫県神戸市出身。ライターズカンパニー田畑冨久子事務所、ミュージックオフィス合田に所属。
さがわ みつお 佐川 満男 | |
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別名義 | 佐川ミツオ |
生年月日 | 1939年11月9日(81歳) |
出生地 |
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血液型 | O型 |
職業 | 歌手、俳優、タレント |
配偶者 | 伊東ゆかり(離婚) |
著名な家族 | 宙美(娘) |
来歴・人物編集
貿易商を営む家の4人兄弟の末っ子として神戸市垂水区に生まれる[1]。外国人の別荘地だった塩屋の実家の洋館は現存する[1]。神戸市立塩屋小学校、神戸市立鷹取中学校を経て神戸市立須磨高等学校中退[1]。絵を習っていた画家中西勝の勧めで関西二紀展に出品し、入選[2]。大阪・難波のジャズ喫茶「銀馬車」のオーディションに合格し、バンド「クレイジー・バブルス」のボーカルとして舞台に立ち、内田裕也とツインボーカルの人気バンドとなる。東西ロカビリー大会で知り合った「ザ・スイング・ウエスト」の堀威夫に誘われて上京[1]。
1960年、来日したニール・セダカのバンドをスイング・ウエストが務めたのが縁で、セダカより楽曲提供を受け、「二人の並木径」でビクターレコードから佐川ミツオとして歌手デビューした[3]。リバイバルブームに乗った「無情の夢」、「ゴンドラの唄」「背広姿の渡り鳥」がヒットし、低迷期を経て1968年、「今は幸せかい」が大ヒット、『NHK紅白歌合戦』にも4回出場した。1976年に引退し、クラブ経営者となるが、1977年12月に歌手として復帰した。その後再び芸能界を離れるも、1986年に復帰した。現在は関西を中心に活動をしており、関東での仕事は映画・ドラマの撮影や懐メロ番組・コンサート出演などで散発的に行う程度である。
俳優としても、映画、テレビドラマなどに出演している。趣味は絵画、料理、登山。
歌手の伊東ゆかりとは1971年に結婚し、1976年に離婚した。2人の間に生まれた一人娘は歌手の宙美。甥(姉の子)に佐川一政がいる[4][5]。
テレビ朝日『徹子の部屋』(2017年8月25日、2018年7月18日放送)では元妻の伊東ゆかり、娘の宙美と共に出演した。歌への考え方、仕事の質などの違いで格差婚だったと振り返っていた。伊東と同年代の一般人女性と再婚した事も明かした。
「今は幸せかい」をリリースした当時はカツラを付けていたが、1985年10月5日放送の関西テレビ『ノックは無用!』出演時に(「コリゴリさん」として)カツラを外したことを明かした(後年、同局で山本浩之アナ(同年入社)がカツラであることを明かしていた)。
ディスコグラフィー編集
歌手としての代表曲編集
- 二人の並木道(デビュー曲 作曲:ニール・セダカ)
- ゴンドラの唄(作詞:吉井勇、作曲:中山晋平)
- 今は幸せかい
- かんにんしてや - 元々は作詞・作曲した中村泰士が自身のリサイタルで披露した曲で、この曲を気に入った佐川が自身の経営するサパークラブで永田カツコと歌い続け、遂にはレコード化された[6]。
- 背広姿の渡り鳥
- フランス人のように(作詞:橋本淳、作曲:筒美京平)
シングル編集
ビクターレコード
- 二人の並木道(1960年7月5日、VS-366)
- (c/w 恋をしようよ)
- 可愛いあの娘は拾と六(1960年9月、VS-385)
- 作詞:東島竜次 / 作曲:植田嘉明
- (c/w 僕の夢)
- ダッコちゃん(1960年9月、VS-403)
- (c/w みんなうそっぱち)※歌唱:ブラック・キャッツ
- 無情の夢(1960年10月、VS-414)
- (c/w 恋すりゃつらい)
- 東京小僧(1960年11月、VS-421)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w 泣き虫坊や)
- 淋しい夜は(1960年12月、VS-456)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w 帰らぬ青春)
- ゴンドラの唄(1961年3月、VS-479)
- 背広姿の渡り鳥(1961年5月、VS-486)
- (c/w 恋はズキズキ)
- 熱海ブルース(1961年4月、VS-494)
- (c/w 湯島の白梅)
- 霧とブルースの街(1961年、VS-504)
- (c/w 星の流れに)※歌唱:渡辺マリ
- サレンダー(1961年6月、VS-524)※歌唱:清原タケシ
- (c/w アイアイアイ)※共演:清原タケシ
- 初恋三田浜節(1961年7月、VS-550)
- (c/w ぶんがちゃっか節)
- 逢いたいなァママ(1961年8月、VS-555)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:吉田正
- (c/w 哀愁のジャズ喫茶)
- チャンチキ三度笠(1961年10月、VS-574)
- (c/w 想い出波止場)
- 恋しいユリコ(1961年11月、VS-591)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w この涙誰か知る)
- 涙の渡り鳥(1961年11月、VS-593)
- (c/w 君待てども)※歌唱:松尾和子
- 勘太郎月夜唄(1961年12月、VS-607)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:清水保雄
- (c/w 矢車草の唄)
- 波止場仁義(1962年1月、VS-620)
- (c/w ほんとかい、かい節)※共演:渡辺マリ
- 若者よ恋をしよう(1962年2月、VS-643)
- (c/w 思い出横丁)
- 山男の唄(1962年、VS-700)
- 編曲:竹村次郎
- 太陽に向って(1962年5月、VS-702)
- (c/w 泣いたりなんかしないけど)
- 片想い(1962年5月、VS-709)
- 作詞:吉岡静夫 / 作曲:大野正雄 / 編曲:寺岡真三
- (c/w 東京の河)
- どないしよう(1962年6月、VS-728)
- (c/w ハイティーン旅笠)
- 想い出の虹(1962年7月、VS-747)
- (c/w いたずらっこのキューピット)※歌唱:内海京子
- 三年鴉(1962年11月、VS-845)
- (c/w 泣きたい時には)
- 泣いちゃいないさ(1963年1月、VS-891)
- (c/w 帰って来たんだ)※歌唱:宮島三郎
- 鈴懸の径(1963年3月、VS-931)※共演:和田弘とマヒナスターズ、北村英治とクインテット
- (c/w 森の小径)※歌唱:和田弘とマヒナスターズ、北村英治とクインテット
- 明日に夢を持ちましょう(1967年3月、SV-527)※共演:ベニ・シスターズ
- (c/w 東京恋唄)
コロムビアレコード
- 今は幸せかい(1968年10月10日、LL-10073-J)
- (c/w 甘い嘘)
- ありがとうあなた(1969年2月、LL-10086-J)
- (c/w 素直じゃないよ)
- フランス人のように(1969年7月25日、LL-10100-J)
- (c/w たそがれの街)
- 泣いたらいいよ(1969年12月10日、LL-10117-J)
- 作詞:中村泰士 / 作曲:中村泰士
- (c/w かわいそうな女)
- 白い朝(1970年3月10日、LL-10125-J)
- 作詞:山上路夫 / 作曲:三木たかし
- (c/w 肌をよせて)
- いつでもどうぞ(1970年6月1日、LL-10139-J)
- 作詞:中村泰士 / 作曲:中村泰士 / 編曲:森岡賢一郎
- (c/w 最后の朝食)
- 別れの時が来た(1970年10月10日、LL-10149-J)
- 作詞:阿久悠 / 作曲:中村泰士
- (c/w 白い涙)
- 別れ話(1969年、LL-10159-J)
- (c/w 女の意地)
- 恋の片道切符(1971年、LL-10171-J)
- 作詞:HANK HUNTER / 作曲:JACK KELLER
- (c/w カレンダー・ガール)
- ちょっと待って下さい(1971年11月10日、LL-10182-J)
- (c/w 女の星)
- 女の四季(1972年3月25日、LL-10189-J)
- (c/w 黒薔薇の詩)
- 街(1972年9月、P-302)
- 作詞:中村泰士 / 作曲:中村泰士 / 編曲:川口真
- (c/w 白いドレス)
- 離婚(第一章)(1975年、P-427)
- 作詞:山口洋子 / 作曲:中村泰士
- (c/w 離婚(第三章))
ポリドール
- かんにんしてや(1977年12月21日、DR-6170)※共演:永田カツコ
- 作詞:中村泰士 / 作曲:中村泰士
- (c/w メロ・ドラマ)※共演:永田カツコ
トーラスレコード・東芝EMI
- 男は風(1987年9月5日、07TR-1165)
- 作詞:中村泰士 / 作曲:中村泰士
- (c/w 夢見がち…かな)
フリーボード
- かんにんしてや(2001年6月20日、FBDX-1001)※共演:伊東ゆかり
- 作詞:中村泰士 / 作曲:中村泰士 / 編曲:川口真
- (c/w 不埒な蜃気楼)
オリジナル・アルバム編集
出演編集
テレビドラマ編集
- 土曜日曜月曜(1981年、TBS)
- 新・なにわの源蔵事件帳 第2話「人力車は往く」(1984年、NHK大阪)
- 火曜サスペンス劇場(NTV)
- 「電話魔」(1984年5月)
- 「誰かが見ている」(1986年10月)
- 遠山の金さん 第2シリーズ 第23話「さらば愛しき夫よ!」(1986年、ANB・東映)
- 京都紫野殺人事件(1986年、フジテレビ)
- 女優競演サスペンス「優しみの罠」(1987年、KTV・ジェイミック)
- 軽井沢-東京 女子大生たちの危ないゲーム(1988年、ABC・東通企画)
- 織田信長(1989年、TBS) - 今川義元 役
- もう誰も愛さない(1991年、フジテレビ)
- 近松青春日記(1991年) - 貞吉
- 必殺仕事人・激突! 第19話「秀、女絵師のモデルになる」(1992年、ABC・松竹) - 篠屋文左衛門役
- いのちの現場からシリーズ(MBS・ドラマ30)
- 連続テレビ小説(日本放送協会)
- 異人館通りの聖夜(1995年、MBS) - 西村謙蔵役
- 蹴鞠師(KTV)錦戸亮他共演
- 毛利元就(1997年、NHK・大河ドラマ) - 弘中隆兼役
- 鬼平犯科帳 第7シリーズ 第11話「毒」(1997年、フジテレビ / 松竹) - 山口天竜役
- ふたつの愛(1998年、NHK大阪・水曜ドラマの花束)
- 眠れる森(1998年、フジテレビ)
- 剣客商売 第1シリーズ 第10話「兎と熊」(1998年、フジテレビ / 松竹) - 曽我権左衛門役
- 京都の芸者弁護士3(1999年、ABC・松竹)
- 終のすみか(1999年、NHK大阪・ドラマ館)
- 狩矢父娘シリーズ2(2002年、ANB・東映) - 北原昇次役
- 京都のテミス女裁判官1、2(2003年 2004年、ABC・松竹)
- 新・赤かぶ検事奮戦記16(2004年、ABC・松竹)
- 祇園囃子(2005年、EX・石原プロモーション)
- 土曜ワイド劇場「京都殺人案内28・音川音次郎刑事の一番長い日!」(2005年12月17日放送、ABC・松竹)
- 水戸黄門(TBS / C.A.L)
- かんさい特集 「おかんの逆襲〜我が家のリフォーム戦争〜」(2009年7月、NHK大阪・関西地域)、(2009年9月、全国放送)
- おみやさん 第8シリーズ 最終話(2011年6月23日、EX・東映) - 前橋徹
- 相棒 Season 10 第8話(2011年12月7日、テレビ朝日) - 谷川正良
- タイトロープの女(2012年1月-2月、NHK・ドラマ10) - 橋本昌治
- 夫婦善哉(2013年8月24日、NHK・土曜ドラマ)
- 科捜研の女(テレビ朝日 / 東映)
- 科捜研の女 第13シリーズ 第8話(2013年12月12日) - 泉川祥英
- 科捜研の女 第14シリーズ 第7話(2014年11月27日) - 泉川祥英
- (2019年) ‐ 辻正孝
- 松本清張 球形の荒野(2014年3月9日、BS日テレ) - 笹島恭三
- 鵜飼いに恋した夏(2014年11月12日、NHK BSプレミアム) - 高橋 役
- わたしをみつけて 第1回(2015年11月24日、NHK総合) - 坂本 役
- ちかえもん (2016年1月14日-2月、NHK総合) - 天満屋吉兵衛 役
- 地域発ドラマ あったまるユートピア(2018年1月24日、NHK BSプレミアム)[7]
- 夕凪の街 桜の国(2018年8月6日、NHK総合) - 打越アキラ(老年期)
- 不惑のスクラム(2018年、NHK総合) - 弁護士 役
- 遺留捜査(2019年2月24日、テレビ朝日) - 宗方透 役
- スローな武士にしてくれ〜京都 撮影所ラプソディー〜(2019年3月23日、NHK BSプレミアム) - 玉村寿一 役
映画編集
- 極道の妻たち(東映)
- 必殺! III 裏か表か(松竹・朝日放送) - 梅市 役
- 新・仁義なき戦い(東映)
- 亡国のイージス
- 最後の忠臣蔵(角川映画)
- 難波金融伝・ミナミの帝王 劇場版 PART6 偽装結婚
- 忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段(東映) - 横槍入十郎 役
- 罪の声(2020年10月30日、東宝) - 秋山宏昌 役
バラエティー番組編集
- NTV紅白歌のベストテン(NTV) 第1回ゲスト
- 大人はおとな(ytv)
- 中村泰士と共にメインホストとして出演。
- ちちんぷいぷい(毎日放送)
- 「前略、旅先にて」で旅人として出演。ロケ先での風景を絵画として描いていた。(2000年7月5日 - 2011年9月28日)
ラジオドラマ編集
CM編集
- ディノ-バランス(常盤薬品工業) - 中村泰士と共演
NHK紅白歌合戦出場歴編集
年度/放送回 | 回 | 曲目 | 出演順 | 対戦相手 | 備考 |
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1961年(昭和36年)/第12回 | 初 | 背広姿の渡り鳥 | 23/25 | 森山加代子 | |
1962年(昭和37年)/第13回 | 2 | 太陽に向って | 15/25 | 及川三千代 | |
1969年(昭和44年)/第20回 | 3 | 今は幸せかい | 14/23 | 黛ジュン | |
1970年(昭和45年)/第21回 | 4 | いつでもどうぞ | 5/24 | 森山加代子 |
- 注意点
- 出演順は「出演順/出場者数」で表す。
出典編集
- ^ a b c d 【関西レジェンド伝】佐川満男(1)難波のジャズ喫茶で内田裕也と歌ったサンスポ・コム、2018.12.11
- ^ 人生は旅や。ぼくらは旅人『月刊神戸っ子』2003年2・3月号 p56
- ^ 【関西レジェンド伝】佐川満男(2)興奮して眠れない…「今は幸せかい」できた夜サンスポ・コム、2018.12.18
- ^ 「バラバラ殺人犯の知られざる素顔 叔父の佐川満男も『あのおとなしい男が…』と絶句」『週刊明星』1981年7月9日号、集英社
- ^ 本橋信宏『素敵な教祖たち サブカルチャー列伝 業界カリスマ17人の真実』コスモの本、1996年、p.156。インタビューでの佐川一政の発言による。
- ^ 「2年ぶり あの佐川満男がレコード吹込み」『サンデー毎日』1978年1月1日号、125頁。
- ^ 出演者・スタッフ NHK神戸放送局 兵庫発地域ドラマ「あったまるユートピア」特設サイト
関連項目編集
- 1960年の音楽#デビュー - 同じ年にデビューした歌手