アナザー・カントリー
『アナザー・カントリー』(Another Country)[1]は、1981年初演のジュリアン・ミッチェルの舞台劇およびそれを原作とする1984年のイギリスのドラマ映画。1930年代のイングランドの全寮制のパブリックスクールを舞台に、同性愛や共産主義に傾倒していくエリート学生たちを描いている。主人公ガイ・ベネットは、実在のスパイ「ケンブリッジ・ファイヴ」のメンバーの1人だったガイ・バージェスをモデルにしている[2]。
アナザー・カントリー | |
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Another Country | |
監督 | マレク・カニエフスカ |
脚本 | ジュリアン・ミッチェル |
原作 | ジュリアン・ミッチェル |
製作 | アラン・マーシャル |
製作総指揮 |
ロバート・フォックス ジュリアン・シーモア |
出演者 |
ルパート・エヴェレット コリン・ファース |
音楽 | マイケル・ストーレイ |
撮影 | ピーター・ビジウ |
編集 | ジェリー・ハンブリング |
製作会社 |
ゴールドクレスト ナショナル・フィルム・ファーナンス |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 90分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
第37回カンヌ国際映画祭芸術貢献賞受賞。
ストーリー編集
1983年、モスクワ。アメリカ人ジャーナリストがガイ・ベネットにどうして祖国イギリスを裏切り、スパイになり、ロシアに亡命したのかをインタビューする。ガイはパブリックスクールの話から始める。
1932年、夏。第一次世界大戦で戦死した卒業生を讃えるミサで、ガイは美少年ハーコートに一目惚れする。自由主義者のガイは最終学年が始まれば自治会エリート「ゴッド」に選ばれるはずであり、ゆくゆくは外交官となってパリ駐在大使になるという輝かしい未来が約束されていた。ガイにはトミーという共産主義者の親友がおり、厳格な規則の下で寮生活を共にしていた。
ある日、同寮の学生が同性愛の現場を舎監に目撃され、自殺するという事件が起きる。寮の責任者バークレイは自責の念にかられるが、デラヘイは特権を活かして尊大に振る舞う。やがてガイが同性と恋仲にあることも白日の下に晒され、メンジーズはガイの性的指向を理由に「ゴッド」への指名を拒否、明るかったはずのガイの未来は閉ざされる。絶望の淵に追い込まれたガイはトミーの思想に感化され、特権社会の打破のために二重スパイの道を選ぶ。トミーは後にスペイン内戦の志願兵となって戦死する。
舞台版キャスト編集
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映画版キャスト編集
- ガイ・ベネット - ルパート・エヴェレット: 自由気ままな学生。同性愛者。
- トミー・ジャッド - コリン・ファース: レーニンに傾倒する共産主義者の学生。
- ジェームズ・ハーコート - ケイリー・エルウィス: ガイと愛し合う美しい学生。
- バークレイ - マイケル・ジェン: 寮の責任者。
- デラヘイ - ロバート・アディ: バークレイの右腕。ガイと過去に肉体関係あり。
- デヴェニッシュ - ルパート・ウェインライト: 保守派の学生。
- ファウラー - トリスタン・オリヴァー: 軍国主義者の学生。ガイを目の敵にしている。
- メンジーズ - フレデリック・アレクサンダー: 次期代表と目される学生。
脚注編集
- ^ タイトルはイギリスの外交官セシル・スプリング・ライスの詩「我は汝に誓う、我が祖国よ」の第3連「I Vow to Thee, My Country」から採られている。グスターヴ・ホルストの「「惑星」の「木星」」に合せて、この詩が歌われるイギリスの愛国歌の一つ。
- ^ “ケンブリッジ・ファイブの二律背反”. 英国ニュースダイジェスト. (2014年7月3日) 2015年5月17日閲覧。