サダムパテック
サダムパテック (Sadamu Patek) は、日本中央競馬会 (JRA) に登録されていた競走馬である。おもな勝ち鞍はマイルチャンピオンシップ(2012年)、弥生賞(2011年)、京王杯スプリングカップ(2012年)、東京スポーツ杯2歳ステークス(2010年)、中京記念(2014年)。
サダムパテック[1] | ||||||||||||||||||
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![]() 2014年トヨタ賞中京記念 | ||||||||||||||||||
欧字表記 | Sadamu Patek[2] | |||||||||||||||||
香港表記 | 瑞士名錶[3] | |||||||||||||||||
品種 | サラブレッド | |||||||||||||||||
性別 | 牡[1] | |||||||||||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | |||||||||||||||||
生誕 | 2008年3月30日(11歳)[1] | |||||||||||||||||
登録日 | 2010年9月23日 | |||||||||||||||||
抹消日 | 2015年1月7日[4] | |||||||||||||||||
父 | フジキセキ | |||||||||||||||||
母 | サマーナイトシティ | |||||||||||||||||
母の父 | エリシオ | |||||||||||||||||
生国 |
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生産 | (有)社台コーポレーション白老ファーム[1] | |||||||||||||||||
馬主 | 大西定[1] | |||||||||||||||||
調教師 | 西園正都(栗東)[1] | |||||||||||||||||
競走成績 | ||||||||||||||||||
生涯成績 |
30戦6勝 (中央競馬)29戦6勝 (日本国外)1戦0勝 | |||||||||||||||||
獲得賞金 |
国内:4億665万円 国外:398万7900円 | |||||||||||||||||
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経歴編集
生産者は北海道・白老町にある社台コーポレーション白老ファーム。2009年、1歳のときに「サマーナイトシティの2008[5]」としてセレクトセールに上場され、1200万円(税込1260万円)で落札された[6]。馬名は冠名+スイス時計名(パテック・フィリップ)より。
2歳編集
2010年10月17日、京都の2歳新馬戦で柴田善臣を鞍上に迎えてデビュー、5番人気に支持され2着となる。続く10月30日の未勝利戦で鞍上はC.スミヨンを迎えて初勝利を飾った。 3戦目には11月20日の東京スポーツ杯2歳ステークスに出走、1番人気に支持された。道中は後方でレースを進め4コーナーでは中団待機まで進出し直線半ばで力強く抜け出し2着のリフトザウイングスに3馬身半差つけて快勝し重賞初制覇を飾った[7] 。12月19日の朝日杯フューチュリティステークスでは単勝1.8倍の1番人気で出走、道中中団で待機し直線で外から追い詰めたがグランプリボスの4着に終わった。
3歳編集
2011年3月6日、鞍上に岩田康誠を迎え弥生賞に出走、1番人気に支持された。道中中団を追走し直線で外から抜け出すとプレイに1/2馬身差をつけて勝利した[8]。震災の影響で舞台が東京競馬場に変更となった4月24日の皐月賞では単勝オッズ2.5倍の1番人気に支持され、中団から追い上げたが先に抜けたオルフェーヴルに3馬身突き放され2着に敗れた。東京優駿では中団を追走したが最後の直線で伸びあぐねて7着に終わった。秋に入り9月18日のセントライト記念に1番人気で出走、後方待機から直線で外から追い詰めたがフェイトフルウォーの3着。菊花賞では先団を追走したがオルフェーヴルの5着に終わった。12月3日の鳴尾記念に1番人気で出走、好位から脚を伸ばしてくるが、外から一気に強襲したレッドデイヴィスにかわされ3着に敗れた。
4歳編集
2012年1月5日の京都金杯に1番人気で出走、後方から追い込んだが5着に終わった。続く2月5日の東京新聞杯は中団で待機したが直線で伸びず13着に敗れた。クレイグ・ウィリアムズに乗り替わった5月12日の京王杯スプリングカップでは直線で鋭い差し脚を見せ、弥生賞以来、3度目の重賞勝利となった。しかし6月3日の次走安田記念では直線で失速し9着に敗れた。10月28日の天皇賞(秋)では鞍上が武豊に乗り替わったものの、いいところなく8着に敗れた。11月18日のマイルチャンピオンシップでは直線逃げるシルポートをかわして先頭に立ち、そのまま後続を振り切ってGI初勝利を挙げた。これは鞍上の武豊にとっても2年ぶりの中央競馬GI勝利となった[9]。
5歳以降編集
2013年は5戦して未勝利と不振に終わった。2014年も凡走が続いていたが、安田記念では不良馬場ながら直線で差を詰めての7着と復活の兆しを見せると[10]、続く中京記念ではミッキードリームをハナ差抑えて優勝した[10]。その後は4戦未勝利に終わり、2015年1月7日付けで競走馬登録を抹消、引退した。引退後は優駿スタリオンステーションで種牡馬となる[4]。2016年より韓国・済州島で種牡馬生活を送ることになった[6]。
競走成績編集
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭数 | オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 | 1着馬(2着馬) |
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2010.10.17 | 京都 | 2歳新馬 | 芝1600m(良) | 16 | 15.8(5人) | 2着 | 1:37.1 (33.5) | 0.2 | 柴田善臣 | 55 | ケイティーズジェム | |
10.30 | 京都 | 2歳未勝利 | 芝1600m(良) | 14 | 2.4(1人) | 1着 | 1:34.3 (34.8) | -0.5 | C.スミヨン | 55 | (ダノンシャーク) | |
11.20 | 東京 | 東スポ杯2歳S | GIII | 芝1800m(良) | 16 | 4.6(1人) | 1着 | 1:47.3 (33.7) | -0.6 | C.スミヨン | 55 | (リフトザウイングス) |
12.19 | 中山 | 朝日杯FS | GI | 芝1600m(良) | 16 | 1.8(1人) | 4着 | 1:34.1 (34.9) | 0.2 | C.スミヨン | 55 | グランプリボス |
2011. 3. 6 | 中山 | 弥生賞 | GII | 芝2000m(良) | 11 | 2.7(1人) | 1着 | 2:01.0 (34.2) | -0.1 | 岩田康誠 | 56 | (プレイ) |
4.24 | 東京 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 18 | 2.5(1人) | 2着 | 2:01.3 (34.9) | 0.5 | 岩田康誠 | 57 | オルフェーヴル |
5.29 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(不) | 18 | 6.0(2人) | 7着 | 2:32.8 (37.4) | 2.3 | 岩田康誠 | 57 | オルフェーヴル |
9.18 | 中山 | セントライト記念 | GII | 芝2200m(良) | 17 | 3.1(1人) | 3着 | 2:10.7 (34.1) | 0.4 | 岩田康誠 | 56 | フェイトフルウォー |
10.23 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 24.0(7人) | 5着 | 3:03.8 (35.9) | 1.0 | 岩田康誠 | 57 | オルフェーヴル |
12. 3 | 阪神 | 鳴尾記念 | GIII | 芝1800m(良) | 13 | 2.9(1人) | 3着 | 1:45.7 (34.1) | 0.1 | 岩田康誠 | 56 | レッドデイヴィス |
2012. 1. 5 | 京都 | 京都金杯 | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 2.7(1人) | 5着 | 1:33.2 (34.4) | 0.3 | 岩田康誠 | 57 | マイネルラクリマ |
2. 5 | 東京 | 東京新聞杯 | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 5.3(3人) | 13着 | 1:34.2 (34.7) | 1.4 | 岩田康誠 | 57 | ガルボ |
5.12 | 東京 | 京王杯SC | GII | 芝1400m(良) | 15 | 7.2(4人) | 1着 | 1:20.1 (33.3) | -0.1 | C.ウィリアムズ | 56 | (レオプライム) |
6. 3 | 東京 | 安田記念 | GI | 芝1600m(良) | 18 | 6.6(1人) | 9着 | 1:32.0 (34.8) | 0.7 | C.ウィリアムズ | 58 | ストロングリターン |
10.27 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 18 | 38.0(10人) | 8着 | 1:57.9 (34.0) | 0.6 | 武豊 | 58 | エイシンフラッシュ |
11.18 | 京都 | マイルCS | GI | 芝1600m(稍) | 18 | 10.5(4人) | 1着 | 1:32.9 (34.1) | 0.0 | 武豊 | 57 | (グランプリボス) |
12. 9 | 沙田 | 香港マイル | G1 | 芝1600m(良) | 12 | (7人) | 6着 | 1:34.65 | 0.53 | 武豊 | 57 | Ambitious Dragon |
2013. 5.11 | 東京 | 京王杯SC | GII | 芝1400m(稍) | 18 | 5.4(3人) | 7着 | 1:20.9 (34.0) | 0.3 | 武豊 | 58 | ダイワマッジョーレ |
6. 2 | 東京 | 安田記念 | GI | 芝1600m(良) | 18 | 20.4(8人) | 13着 | 1:32.4 (33.6) | 0.9 | 武豊 | 58 | ロードカナロア |
10.26 | 京都 | スワンS | GII | 芝1400m(稍) | 13 | 33.1(10人) | 3着 | 1:21.1 (33.6) | 0.3 | 和田竜二 | 58 | コパノリチャード |
11.17 | 京都 | マイルCS | GI | 芝1600m(良) | 18 | 11.2(5人) | 7着 | 1:33.0 (34.3) | 0.6 | 和田竜二 | 57 | トーセンラー |
12.23 | 阪神 | 阪神C | GII | 芝1400m(良) | 18 | 9.9(5人) | 8着 | 1:21.9 (34.5) | 0.5 | 和田竜二 | 57 | リアルインパクト |
2014. 1.26 | 中山 | AJCC | GII | 芝2200m(良) | 18 | 17.2(9人) | 11着 | 2:14.8 (36.9) | 0.8 | 戸崎圭太 | 57 | ヴェルデグリーン |
3. 2 | 中山 | 中山記念 | GII | 芝1800m(稍) | 15 | 96.5(15人) | 7着 | 1:50.8 (36.6) | 1.0 | 田中勝春 | 57 | ジャスタウェイ |
6. 8 | 東京 | 安田記念 | GI | 芝1600m(不) | 17 | 213.9(17人) | 7着 | 1:37.5 (37.6) | 0.7 | 田中勝春 | 58 | ジャスタウェイ |
7.27 | 中京 | 中京記念 | GIII | 芝1600m(稍) | 16 | 15.2(7人) | 1着 | 1:37.1 (36.1) | 0.0 | 田中勝春 | 58 | (ミッキードリーム) |
9.14 | 新潟 | 京成杯AH | GIII | 芝1600m(良) | 15 | 10.0(6人) | 8着 | 1:33.7 (33.4) | 0.4 | 田中勝春 | 58.5 | クラレント |
11. 1 | 京都 | スワンS | GII | 芝1400m(良) | 13 | 10.4(6人) | 10着 | 1:21.2 (33.8) | 0.9 | 田中勝春 | 57 | ミッキーアイル |
11.17 | 京都 | マイルCS | GI | 芝1600m(良) | 17 | 109.5(17人) | 11着 | 1:32.5 (34.6) | 1.0 | 田中勝春 | 57 | ダノンシャーク |
12.27 | 阪神 | 阪神C | GII | 芝1400m(良) | 18 | 52.9(12人) | 11着 | 1:21.4 (34.6) | 0.7 | 菱田裕二 | 57 | リアルインパクト |
血統表編集
サダムパテックの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | (ヘイロー系/サンデーサイレンス系) |
[§ 2] | ||
父 フジキセキ 1992 青鹿毛 千歳市 |
父の父 *サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 アメリカ |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ミルレーサーMillracer 1983 鹿毛 アメリカ |
Le Fabuleux | Wild Risk | ||
Anguar | ||||
Marston's Mill | In Reality | |||
Millicent | ||||
母 サマーナイトシティ 1999 鹿毛 白老町 |
*エリシオ Helissio 1993 鹿毛 フランス |
Fairy King | Northern Dancer | |
Fairy Bridge | ||||
Helice | Slewpy | |||
Hirondelle | ||||
母の母 *ダイアモンドシティDiamond City 1988 鹿毛 アメリカ |
Mr.Prospector | Raise a Native | ||
Gold Digger | ||||
Honey's Flag | Hoist the Flag | |||
Cathy Honey | ||||
母系(F-No.) | (FN:9-h) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | アウトブリード | [§ 4] | ||
出典 |
母サマーナイトシティは現役時代24戦3勝、1000万下が最高。サダムパテックの5歳下の半妹に2018年のヴィクトリアマイルを制したジュールポレール(父・ディープインパクト)。4代母 Cathy Honey は1970年のエイコーンステークスの勝ち馬で、その孫に1982年のプリークネスステークス勝ち馬の Aloma's Ruler がいる。
脚注編集
- ^ a b c d e f g h 日本軽種馬協会、JBIS(Japan Bloodstock Information System)、サダムパテック、基本情報、2019年3月19日閲覧。
- ^ “SADAMU PATEK (P607) - Racing Information” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “瑞士名錶 (P607)- 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年2月24日閲覧。
- ^ a b “サダムパテック号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2015年1月7日). 2015年1月7日閲覧。
- ^ 日本競走馬協会、セレクトセール2009、上場番号48 サマーナイトシティの2008、2019年3月19日閲覧
- ^ a b 日本軽種馬協会、競走馬のふるさと案内所、馬産地ニュース、2016年1月22日付、「サダムパテックが韓国へ輸出」、2019年3月19日閲覧
- ^ “【東スポ杯2歳S】サダムパテック完勝!”. SANSPO.COM (2010年11月20日). 2010年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月18日閲覧。
- ^ “【弥生賞】パテック汚名返上!ねじ伏せV”. SANSPO.COM (2011年3月7日). 2010年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月18日閲覧。
- ^ またマイルチャンピオンシップは、もともとキャリアを通じて1度も勝利に恵まれておらず、武豊にとってもこれが悲願の初制覇となった。
- ^ a b “【中京記念】サダムパテック大外一気!12年マイルCS以来の復活V”. スポニチアネックス (2014年7月28日). 2015年1月7日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|サダムパテック|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2018年5月13日閲覧。
- ^ a b “サダムパテックの血統表”. netkeiba.com. 2018年5月13日閲覧。
外部リンク編集
- 競走馬成績と情報 netkeiba、Yahoo!スポーツ競馬、JBISサーチ、Racing Post