チャド・グリーン (投手)

アメリカ合衆国の野球選手

チャド・キース・グリーンChad Keith Green, 1991年5月24日 - )は、アメリカ合衆国サウスカロライナ州グリーンビル郡グリーンビル出身のプロ野球選手投手)。MLBトロント・ブルージェイズ所属。右投左打。愛称はグリーニー[2]

チャド・グリーン
Chad Green
トロント・ブルージェイズ #37
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2018年6月18日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 サウスカロライナ州グリーンビル郡グリーンビル
生年月日 (1991-05-24) 1991年5月24日(32歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
プロ入り 2013年 MLBドラフト11巡目(全体336位)
初出場 2016年5月16日
年俸 $2,250,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入り前 編集

2010年MLBドラフト37巡目(全体1116位)でトロント・ブルージェイズから指名されたが、契約せずにルイビル大学へ進学した。

プロ入りとタイガース傘下時代 編集

2013年MLBドラフト11巡目(全体336位)でデトロイト・タイガースから指名され、プロ入り。契約後、傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・タイガースでプロデビュー。A+級レイクランド・フライングタイガース英語版でもプレーし、この年は2球団合計で12試合(先発2試合)に登板して2勝0敗1セーブ、防御率3.54、16奪三振を記録した。

2014年はA級ウェストミシガン・ホワイトキャップス英語版でプレーし、23試合に先発登板して6勝4敗、防御率3.11、125奪三振を記録した。

2015年はAA級エリー・シーウルブズでプレーし、27試合に先発登板して5勝14敗、防御率3.93、137奪三振を記録した。

ヤンキース時代 編集

2015年12月9日にジャスティン・ウィルソンとのトレードで、ルイス・セッサと共にニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[3]

2016年は傘下のAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースで迎え、5月14日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。5月16日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で先発し、メジャー初登板は4回6失点(自責点4)で敗戦投手となった。その後は昇格と降格を繰り返し、実に4つの背番号を着けた。9月には肘痛で故障者リスト入りとなり、そこでシーズン終了となった。この年メジャーでは12試合(先発8試合)に登板して2勝4敗1セーブ、防御率4.73、52奪三振を記録した。

 
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2017年9月7日)

2017年は5月にメジャーに昇格。同年より中継ぎに転向[4]。8月30日のクリーブランド・インディアンス戦で救援投手史上初の8打者から7奪三振を記録した[4]。年間通して40試合(先発1試合)に登板、主にロングリリーフで5勝負けなし、防御率1.82、103奪三振を記録し、リリーフ要員として大きく台頭した。

2018年は前年以上にリリーフの柱として63試合に登板。前年を上回るイニングを投げ、8勝3敗、防御率2.50、94奪三振の好成績を挙げた。ただ、シーズン序盤はスライダーの調子が悪く、フォーシームの割合を増やした結果、被本塁打の増加を招いた[5]

2019年は4月までに10試合登板で7.2イニング13失点と深刻な不振に陥り、AAA級スクラントン・ウィルクスバリに降格となった。5月に復帰すると、リリーフ以外にオープナーとしても起用された。最終的に54試合(先発15試合)に登板したが、4勝4敗2セーブ、防御率4.17と前年から成績を落とした。

2020年は22試合に登板して3勝3敗1セーブ、防御率3.51、51奪三振を記録した。

2021年7月6日に登板したニューヨーク・メッツとのサブウェイシリーズ第2戦(この日はダブルヘッダーであった)で三人連続で打者を三球三振に仕留めるという珍しい記録を達成した。なお、第1戦でも三振でこそないが、わずか2球で1つのアウトを奪っている(しかし、クローザーのアロルディス・チャップマンが打ち込まれたため、この試合は敗れている)。この年は67試合に登板して10勝7敗6セーブ、防御率3.12、99奪三振を記録した。

2022年は14試合に登板後に右肘を痛め、5月22日にトミー・ジョン手術を受けることが発表された[6]。オフの11月6日にFAとなった[7]

ブルージェイズ時代 編集

2023年1月31日にトロント・ブルージェイズと2年850万ドル(3年目・4年目はオプション)の契約を結んだ[8]。ブルージェイズ加入後も前年のトミー・ジョン手術からのリハビリのため60日間ILに入っていたが、9月1日にアクティブ・ロースター入りし、同日のコロラド・ロッキーズ戦で移籍後初登板を果たした[9]。このシーズンは12試合に登板して防御率5.25という成績を残した。オフに2025年までのオプションの行使が発表された[10]

投球スタイル 編集

投球データ(2021年レギュラーシーズン)[11]
球種 割合 平均球速 最高球速
% mph km/h mph km/h
フォーシーム 65.1 95.7 154 98.1 157.9
カーブ 34.5 85 136.8 88.3 142.1
シンカー 0.5 96.2 154.8 97.4 156.8

最速99.4mph[12](約160km/h)、平均95.7mph(約154km/h)のフォーシームとカーブを中心に組み立て、まれにシンカーも投げる[13]

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2016 NYY 12 8 0 0 0 2 4 1 0 .333 198 45.2 49 12 15 0 1 52 1 0 26 24 4.73 1.40
2017 40 1 0 0 0 5 0 0 9 1.000 253 69.0 34 4 17 0 2 103 3 0 14 14 1.83 0.74
2018 63 0 0 0 0 8 3 0 13 .727 298 75.2 64 9 15 2 1 94 3 0 22 21 2.50 1.04
2019 54 15 0 0 0 4 4 2 4 .500 295 69.0 66 10 19 0 6 98 2 0 35 32 4.17 1.23
2020 22 0 0 0 0 3 3 1 6 .500 100 25.2 13 5 8 2 0 32 3 0 13 10 3.51 0.82
2021 67 0 0 0 0 10 7 6 18 .588 315 83.2 57 14 17 2 0 99 5 0 32 29 3.12 0.88
2022 14 0 0 0 0 1 1 1 3 .500 62 15.0 13 1 5 0 0 16 0 0 6 5 3.00 1.20
2023 TOR 12 0 0 0 0 3 0 0 2 1.000 52 12.0 12 1 4 1 0 16 0 0 10 7 5.25 1.33
MLB:8年 284 24 0 0 0 36 22 11 55 .621 1573 395.2 308 56 100 7 10 510 17 0 158 142 3.23 1.03
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績 編集



投手(P)












2016 NYY 12 4 5 0 2 1.000
2017 40 1 3 0 0 1.000
2018 63 1 4 0 0 1.000
2019 54 0 1 0 0 1.000
2020 22 0 3 0 0 1.000
2021 67 1 4 0 0 1.000
2022 14 0 1 0 0 1.000
2023 TOR 12 1 0 0 1 1.000
MLB 284 8 21 0 3 1.000
  • 2023年度シーズン終了時

背番号 編集

  • 38(2016年 - 同年途中)
  • 57(2016年途中 - 同年途中、2016年途中 - 2022年)
  • 41(2016年途中 - 同年途中)
  • 39(2016年途中 - 同年途中)
  • 37(2023年 - )

脚注 編集

  1. ^ Chad Green Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年2月4日閲覧。
  2. ^ Yanks Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  3. ^ Yankees acquire RHPs Luis Cessa and Chad Green from Detroit” (英語). MLB.com (2015年12月9日). 2016年11月16日閲覧。
  4. ^ a b スラッガー 2017年12月号増刊 2017MLB総決算:メジャーリーガー555人&全30球団通信簿 22頁
  5. ^ 村上雅則、友成那智『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2019』廣済堂出版、2019年、50頁。ISBN 978-4-331-52217-2 
  6. ^ Darragh McDonald (2022年5月22日). “Chad Green To Undergo Tommy John Surgery” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年6月11日閲覧。
  7. ^ 131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (2022年11月6日). 2022年11月14日閲覧。
  8. ^ Shi Davidi (2023年1月31日). “Blue Jays sign reliever Chad Green to two-year deal, DFA LHP Matt Gage” (英語). sportsnet.ca. 2023年2月1日閲覧。
  9. ^ Blue Jays' Chad Green: Activated from 60-day IL” (英語). cbssports.com (2023年9月1日). 2023年9月2日閲覧。
  10. ^ Goldberg, Josh (2023年11月6日). “Blue Jays exercise 2-year, $21M option on Green” (英語). theScore.com. 2023年11月6日閲覧。
  11. ^ player” (英語). baseballsavant.com. 2021年11月24日閲覧。
  12. ^ 2017年9月13日のタンパベイ・レイズ戦で計測
  13. ^ Chad Green Baseball Statistics 2013-2016”. Baseball Cube. 2016年11月16日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集