トレバー・ストーリー

アメリカの野球選手 (1992 - )

トレバー・ジョン・ストーリーTrevor John Story, 1992年11月15日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州アービング出身のプロ野球選手内野手)。右投右打。MLBボストン・レッドソックス所属。愛称はジョーJoe[2]

トレバー・ストーリー
Trevor Story
ボストン・レッドソックス #10
コロラド・ロッキーズ時代
(2021年6月23日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テキサス州アービング
生年月日 (1992-11-15) 1992年11月15日(31歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
213 lb =約96.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 遊撃手二塁手
プロ入り 2011年 MLBドラフト1巡目追補
初出場 2016年4月4日
年俸 $20,000,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2023年

経歴 編集

プロ入りとロッキーズ時代 編集

2011年のMLBドラフト1巡目追補(全体45位)でコロラド・ロッキーズから指名され、入団した。この年は傘下のパイオニアリーグのルーキー級キャスパー・ゴースツでプロデビューし、47試合に出場して打率.268、6本塁打、28打点、13盗塁を記録した。

2012年はA級アッシュビル・ツーリスツに所属し、122試合に出場して打率.277、18本塁打、63打点、15盗塁を記録した。

2013年はA+級モデスト・ナッツに所属し、130試合に出場して打率.233、12本塁打、65打点、23盗塁を記録した。

2014年はA-級トリシティ・ダストデビルズ英語版、A+級モデスト、AA級タルサ・ドリラーズに所属し、3球団合計で108試合に出場して打率.263、14本塁打、48打点、23盗塁を記録した。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、ソルトリバー・ラフターズ英語版に所属した。

2015年はAA級ニューブリテン・ロックキャッツ[3]とAAA級アルバカーキ・アイソトープスに所属し、2球団合計で130試合に出場して打率.279、20本塁打、80打点、22盗塁を記録した。オフの11月20日に40人枠入りした[4]

2016年の開幕はメジャーで迎え、正遊撃手ホセ・レイエスDV裁判で戦列を離れているチーム事情[5]もあって4月4日に行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックスとの開幕戦では「2番・遊撃手」で先発起用された。メジャーデビューとなったこの試合で、相手先発のザック・グレインキーから2本塁打を放った[6]。新人がデビュー戦で2本塁打を放ったのは史上初。するとそこから3戦連続で本塁打を放ち、デビューから3戦連発という史上初の快挙を達成。最終的にはこの記録を4試合まで伸ばし、開幕6試合で7本の本塁打を放った。メジャー開幕週(4月4日から10日まで)の6試合の成績は打率.333、7本塁打で12打点。放った9安打中7本が本塁打で、長打率は1.111、OPSは1.468を記録した。4月11日にナショナルリーグ週間MVP英語版を受賞した[7]。この時アメリカンリーグで同賞を受賞したのは、こちらも新人のタイラー・ホワイトであり、週間MVPの表彰が始まった1974年以降、両リーグ揃って新人が獲得するのは開幕週に限らず史上初のことだった[8]。結局4月はナショナルリーグの新人史上最多の10本を放ち、4月のルーキー・オブ・ザ・マンスに輝いた。チームはシーズン途中にレイエスとの契約を解除し、正遊撃手として定着した。本塁打のペースはやや落としたものの、前半戦で打率.258、リーグ5位タイの21本塁打を記録したが、ファン投票でも最終投票でもオールスター選出はならなかった。7月にも1週間で5本塁打を放ち週間MVPに選ばれた。7月30日のニューヨーク・メッツ戦で左親指の尺側側副靭帯を断裂すると、手術を受け、残りのシーズンをリハビリに費やした[9]。最終成績は打率.272、27本塁打、72打点を記録した。新人王の投票ではリーグ4位だった(新人王はコーリー・シーガー[10]

2017年は145試合に出場したが、打率.239、24本塁打、82打点に留まり、リーグ最低の191三振を喫した。

2018年は前半戦を打率.292、20本塁打、68打点の好成績で折り返し、オールスターに初選出された。9月6日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦では3本塁打を放ち、うち1本は2015年に導入されたスタットキャスト史上最長飛距離となる505フィート(約154m)の本塁打だった[11]。最終成績は打率.291、共に自身最高となる37本塁打、108打点を記録し、37本塁打はチームメイトのノーラン・アレナドに次ぐリーグ2位を記録した。オフには自身初となるシルバースラッガー賞を受賞した。MVPの投票ではリーグ8位だった(クリスチャン・イエリッチが受賞)[12]

2019年5月24日のボルチモア・オリオールズ戦で通算100号本塁打を放ち、448試合での到達はアレックス・ロドリゲスの470試合を越えて遊撃手として史上最速記録となった[13]。最終成績は打率.294、35本塁打、85打点を記録した。オフには2年連続でシルバースラッガー賞に選出された[14]

2020年はシーズン開幕前の1月31日に2年総額2750万ドルで契約を延長したことが発表された[15]。シーズンではCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなる中、15盗塁で最多盗塁のタイトルを獲得した。

2021年はオールスターゲーム前日の7月12日に開催された本塁打競争に出場し、1回戦でレンジャーズのジョーイ・ギャロを破り、準決勝に進出したが、オリオールズのトレイ・マンシーニに破れて敗退した[16]。この年が契約最終年であり、チームが再建に入ったこともありシーズン途中のトレードが濃厚とされていたが、期限までにトレードは起こらなかった。オフの11月3日にFAとなり、球団から提示された1840万ドルのクオリファイング・オファーを拒否した[17]

レッドソックス時代 編集

2022年3月23日にボストン・レッドソックスと6年総額1億4000万ドルの契約を結んだ(2028年は2500万ドルの球団側オプション)[18]。レッドソックスには正遊撃手にザンダー・ボガーツがいるため、二塁手へコンバートされた[19]。7月27日に2023年に行われるWBCのアメリカ代表への参加を発表した[20]。この年は7月に右手の打撲で10日の負傷者リストに登録された[21]。9月に左足のかかとの打撲で10日の負傷者リストに登録された[22]。94試合の出場で打率.238、16本塁打、66打点、出塁率.303などと自身最低の成績だった。

2023年1月10日、右肘の手術を受けたため、WBCへの出場およびシーズン開幕戦への出場が絶望的となった[23]

人物 編集

  • 地元球団であるテキサス・レンジャーズのファンとして育った[24]
  • 2018年11月16日に高校時代からの恋人であるマリー・クロウ(Mallie Crow)と結婚した[25]
  • 2022年3月に第一子が誕生した[26]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2016 COL 97 415 372 67 101 21 4 27 211 72 8 5 2 1 35 2 5 130 5 .272 .341 .567 .909
2017 145 555 503 68 120 32 3 24 230 82 7 2 0 1 49 4 2 191 12 .239 .308 .457 .765
2018 157 656 598 88 174 42 6 37 339 108 27 6 0 4 47 3 7 168 12 .291 .348 .567 .914
2019 145 656 588 111 173 38 5 35 326 85 23 8 0 3 58 0 7 174 3 .294 .363 .554 .917
2020 59 259 235 41 68 13 4 11 122 28 15 3 0 0 24 1 0 63 5 .289 .355 .519 .874
2021 142 595 526 88 132 34 5 24 248 75 20 6 0 5 53 2 11 139 7 .251 .329 .471 .801
2022 BOS 94 396 357 53 85 22 0 16 155 66 13 0 0 4 32 4 3 122 9 .238 .303 .434 .737
2023 43 168 158 12 32 9 0 3 50 14 10 3 0 0 9 0 1 55 2 .203 .250 .316 .566
MLB:8年 882 3700 3337 528 885 211 27 177 1681 530 123 33 2 18 307 16 36 1042 55 .265 .332 .504 .836
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別打撃成績所属リーグ内順位 編集





















2016[27] 23 ナ・リーグ - - - - - - -
2017[28] 24 - - - - - - -
2018[29] 25 - 10位 4位 - 2位 4位 6位
2019[30] 26 - 9位 5位 - - - 8位
2020[31] 27 - 4位 - 1位 - - 1位
2021[32] 28 - - 8位 6位 - - 6位
2022[33] 29 ア・リーグ - - - - - - -
2023[34] 30 - - - - - - -
  • -は10位未満(打率は規定打席未到達の場合も-と表記)

年度別守備成績 編集



二塁(2B) 遊撃(SS)
























2016 COL - 96 139 293 10 64 .977
2017 - 142 191 408 11 101 .982
2018 - 156 197 416 13 92 .979
2019 - 144 182 416 8 90 .987
2020 - 57 88 161 10 49 .961
2021 - 138 190 348 14 91 .975
2022 BOS 94 157 215 6 50 .984 -
2023 1 0 0 0 0 ---- 36 39 100 2 16 .986
MLB 95 157 215 6 50 .984 769 1026 2142 68 503 .979
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル 編集

表彰 編集

記録 編集

背番号 編集

  • 27(2016年 - 2021年)
  • 10(2022年 - )

脚注 編集

  1. ^ Trevor Story Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2022年9月22日閲覧。
  2. ^ Rockies Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月19日閲覧
  3. ^ 2015年よりロッキーズ傘下
  4. ^ Rockies' John Axford designated for assignment” (英語). MLB.com (2015年11月20日). 2016年4月27日閲覧。
  5. ^ Groke, Nick (2016年3月29日). “Trevor Story will start opening day at shortstop for Colorado Rockies: Jon Gray to start season on disabled list” (英語). デンバー・ポスト英語版. 2016年4月27日閲覧。
  6. ^ Colorado Rockies vs. Arizona Diamondbacks - Play By Play - April 04, 2016”. ESPN (2016年4月4日). 2016年4月27日閲覧。
  7. ^ Rockies rookie Trevor Story named NL player of the week: Rookie Tyler White wins AL honor” (英語). デンバー・ポスト英語版 (2016年4月11日). 2016年4月27日閲覧。
  8. ^ メジャー開幕週の週間MVPが決定!ストーリーにホワイト、両リーグとも新人が受賞”. ベースボールキング (2016年4月13日). 2016年4月27日閲覧。
  9. ^ Rockies SS Story out with torn ligament in thumb” (英語). AP通信. 2019年3月3日閲覧。
  10. ^ 2016 Awards Voting” (英語). Baseball-Reference.com (2016年11月14日). 2023年1月21日閲覧。
  11. ^ Colorado Rockies' Trevor Story crushes monster 505-foot home run, longest of Statcast era” (英語). USAトゥデイ. 2019年3月3日閲覧。
  12. ^ 2018 Awards Voting” (英語). Baseball-Reference.com. 2023年1月21日閲覧。
  13. ^ Story breaks an A-Rod mark, then walks off” (英語). MLB.com. 2019年5月26日閲覧。
  14. ^ 今季の各ポジション最強打者たちが集結! 2019年MLBシルバースラッガー賞発表【ナ・リーグ編】”. ベースボールチャンネル. 2019年11月11日閲覧。
  15. ^ 2-year deal finalized, Story committed to Rockies” (英語). MLB.com. 2020年2月4日閲覧。
  16. ^ Andrew Simon, Matt Kelly, Shanthi Sepe-Chepuru (2021年7月12日). “Round-by-round breakdown of an epic Derby” (英語). MLB.com. 2021年7月13日閲覧。
  17. ^ Final Qualifying Offer Decisions” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年11月21日閲覧。
  18. ^ Press Release  Red Sox Agree to six-year contract with infielder Trevor Story” (英語). MLB.com. 2022年3月23日閲覧。
  19. ^ “Trevor Story talks playing at Fenway Park, switching to second base in first presser with Red Sox” (英語). Boston.com. (2022年3月23日). https://www.boston.com/sports/boston-red-sox/2022/03/23/trevor-story-fenway-park-second-base-first-presser-red-sox/?amp=1 2022年3月23日閲覧。 
  20. ^ Story to play for Team USA in 2023 World Baseball Classic” (英語). NBCスポーツ. 2022年7月27日閲覧。
  21. ^ レッドソックス・ストーリーが10日間の負傷者リスト入り、死球で右手打撲 復帰は最短23日”. 日刊スポーツ (2022年7月17日). 2023年1月21日閲覧。
  22. ^ レッドソックス・ストーリー、左足のかかと負傷で10日間のIL入り 受傷から11日が経過”. 日刊スポーツ (2022年9月23日). 2023年1月21日閲覧。
  23. ^ 吉田正尚加入のレッドソックスに暗雲 正遊撃手ストーリー右肘の手術を受け開幕は絶望的か”. スポーツ報知 (2023年1月11日). 2023年1月21日閲覧。
  24. ^ Story enjoying homecoming series in Arlington” (英語). MLB.com. 2019年11月11日閲覧。
  25. ^ From home runs to honeymoons: Rockies’ Charlie Blackmon and David Dahl are now married men” (英語). デンバー・ポスト英語版. 2019年11月11日閲覧。
  26. ^ Trevor Story leaves Red Sox camp for birth of first child” (英語). MLB.com (2022年3月26日). 2023年1月21日閲覧。
  27. ^ National League Leaderboards » 2016 » Batters » Dashboard | FanGraphs Baseball”. FanGraphs. 2022年8月10日閲覧。
  28. ^ National League Leaderboards » 2017 » Batters » Dashboard | FanGraphs Baseball”. FanGraphs. 2022年8月10日閲覧。
  29. ^ National League Leaderboards » 2018 » Batters » Dashboard | FanGraphs Baseball”. FanGraphs. 2022年8月10日閲覧。
  30. ^ National League Leaderboards » 2019 » Batters » Dashboard | FanGraphs Baseball”. FanGraphs. 2022年8月10日閲覧。
  31. ^ National League Leaderboards » 2020 » Batters » Dashboard | FanGraphs Baseball”. FanGraphs. 2022年8月10日閲覧。
  32. ^ National League Leaderboards » 2021 » Batters » Dashboard | FanGraphs Baseball”. FanGraphs. 2022年8月10日閲覧。
  33. ^ American League Leaderboards » 2022 » Batters » Dashboard | FanGraphs Baseball”. FanGraphs. 2022年8月10日閲覧。
  34. ^ National League Leaderboards » 2023 » Batters » Dashboard | FanGraphs Baseball”. FanGraphs. 2022年8月10日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集