バレーボール・ワールドリーグ

FIVBバレーボール・ワールドリーグ英語: FIVB Volleyball World League)は、かつて開催されていた国際バレーボール連盟主催の男子ナショナルチームによるバレーボールの国際リーグ大会である。

バレーボール・ワールドリーグ
開始年 1990
終了年 2017
主催 国際バレーボール連盟
チーム数 36チーム
前回優勝  フランス
最多優勝  ブラジル (9)
公式サイト
FIVB
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歴史・概要 編集

大陸のランキング上位チームが集う大会。1990年日本大阪で第1回大会が開幕。国際バレーボール連盟主催のバレーボール大会の中では歴史は浅いものの、毎年開催されているため、最も開催数の多い大会となった。

賞金総額は1990年大会の100万ドルから始まり[1]、2000年大会で1000万USドル[1]、2008年大会で2000万USドルに達した[2]。2014年大会では総額690万USドルの賞金が支払われた[3]

出場枠は2006年大会から16チームに拡大され、世界各大陸を代表する強豪が出場。2007年に前回大会で観客動員数の少なかったチームを次回大会で除外することが決定し、これにより、2009年大会ではエジプトが除外対象となり、3年ぶりにアフリカ大陸の出場チームがなくなった。

さらに、2009年大会から主催者推薦(ワイルドカード)による決勝ラウンド進出のシステムが無くなり、新たにポイント制が導入され、勝点数により最終順位が決定されることになった。1位から14位までは自動的に次回大会への出場権が得られるが、15位、16位のチームは2010年大会から行われる予選で出場資格を得なければならない。

2013年大会から18チームに拡大され、世界ランキングによるグループ分けが導入された。

2014年大会は28チームに拡大(2013年12月発表)[4]。さらに2015年大会は32チームに拡大される[5]。さらに2016年大会から36チームに拡大される。

2018年からはバレーボールネーションズリーグに模様替えするため、2017年大会を以て終了となった[6]

試合方式 編集

5月から7月にかけて毎週末に行われる予選リーグの「インターコンチネンタルラウンド」と、その上位チームにより7月に出場国のうち事前に決められた国で行われる「ファイナルラウンド」の2本立てで構成されている。

インターコンチネンタルラウンド
出場18チームを6チームずつ3組に分ける。その際、世界ランキング上位12チームをさらに2組に分けたプールA、プールBと下位6チームのプールCに分ける。各週末3日間で2試合同一カードを行う形で2回戦の総当たり戦を行う。プール内でのランキング上位3カ国は3週(6試合)、下位3カ国は2週(4試合)がホームゲーム[7]となる。
ファイナルラウンド
開催国及びプールA・Bの各上位2カ国、プールCの最上位チームの6チームが進出。1回戦総当たりで優勝を争う。

ポイント制 編集

「3-2-1ポイント制」といわれる以下のルールで勝ち点数が与えられる。

  • セットカウントが「3-0」、「3-1」(即ち第4セットまで)の場合、勝者は3ポイント獲得、敗者は0ポイント。
  • セットカウントが「3-2」(第5セットまで持ち越される)の場合、勝者は2ポイント獲得、敗者は1ポイント獲得。
  • 勝利数が並んだ場合は、「勝ち点」、「得点率」、「セット率」、「当該チーム間の直接対決の結果」の優先順位により、最終順位を決定する。

歴代大会結果 編集

  • 数: 本戦の参加チーム数
開催年 決勝ラウンド開催地 優勝 準優勝 3位 4位
1990年第1回 8   大阪   イタリア   オランダ   ブラジル   ソビエト連邦
1991年第2回 10   ミラノ   イタリア   キューバ   ソビエト連邦   オランダ
1992年第3回 12   ジェノヴァ   イタリア   キューバ   アメリカ合衆国   オランダ
1993年第4回 12   サンパウロ   ブラジル   ロシア   イタリア   オランダ
1994年第5回 12   ミラノ   イタリア   キューバ   ブラジル   ブルガリア
1995年第6回 12   リオデジャネイロ   イタリア   ブラジル   キューバ   ロシア
1996年第7回 11   ロッテルダム   オランダ   イタリア   ロシア   キューバ
1997年第8回 12   モスクワ   イタリア   キューバ   ロシア   オランダ
1998年第9回 12   ミラノ   キューバ   ロシア   オランダ   イタリア
1999年第10回 12   マル・デル・プラタ   イタリア   キューバ   ブラジル   ロシア
2000年第11回 12   ロッテルダム   イタリア   ロシア   ブラジル   ユーゴスラビア
2001年第12回 16   カトヴィツェ   ブラジル   イタリア   ロシア   ユーゴスラビア
2002年第13回 16   ベロオリゾンテ   ロシア   ブラジル   ユーゴスラビア   イタリア
2003年第14回 16   マドリード   ブラジル   セルビア・モンテネグロ   イタリア   チェコ
2004年第15回 12   ローマ   ブラジル   イタリア   セルビア・モンテネグロ   ブルガリア
2005年第16回 12   ベオグラード   ブラジル   セルビア・モンテネグロ   キューバ   ポーランド
2006年第17回 16   モスクワ   ブラジル   フランス   ロシア   ブルガリア
2007年第18回 16   カトヴィツェ   ブラジル   ロシア   アメリカ合衆国   ポーランド
2008年第19回 16   リオデジャネイロ   アメリカ合衆国   セルビア   ロシア   ブラジル
2009年第20回 16   ベオグラード   ブラジル   セルビア   ロシア   キューバ
2010年第21回 16   コルドバ   ブラジル   ロシア   セルビア   キューバ
2011年第22回 16   グダニスク / ソポト   ロシア   ブラジル   ポーランド   アルゼンチン
2012年第23回 16   ソフィア   ポーランド   アメリカ合衆国   キューバ   ブルガリア
2013年第24回 18   マル・デル・プラタ   ロシア   ブラジル   イタリア   ブルガリア
2014年第25回 28   フィレンツェ   アメリカ合衆国   ブラジル   イタリア   イラン
2015年第26回 32   リオデジャネイロ   フランス   セルビア   アメリカ合衆国   ポーランド
2016年第27回 36   クラクフ   セルビア   ブラジル   フランス   イタリア
2017年第28回 36   クリチバ   フランス   ブラジル   カナダ   アメリカ合衆国

日本における放送体制 編集

数年の周期で女子のバレーボール・ワールドグランプリと交互にTBSテレビフジテレビジョンが放映権を取得していた。

2001年から2003年まではフジテレビが中継した。2004年から2006年まではTBSが日本国内中継権を持ち、日本戦のホームを中継。CSのスポーツ・アイ ESPN(現・J SPORTS)では日本戦全試合及び準決勝・決勝などを中継した。2007年からは2年おきにTBS系列とフジテレビ系で放送している。2016年はCSフジテレビNEXTで予選ラウンド第1週・大阪大会日本対キューバ戦を生中継・再放送の2回、そして大阪大会の日本戦3試合のハイライトを地上波で放送した。

FIVB WEB TV(YouTube公式)にて全世界向けに生中継も行われた。(一部の国・地域を除く)

脚注 編集

  1. ^ a b FIVB World League - The history”. FIVB. 2014年12月22日閲覧。
  2. ^ FIVB World League Final Round: First-ever gold medal for USA; Brazil off podium after 10 years”. FIVB (2008年7月27日). 2014年12月22日閲覧。
  3. ^ FIVB World League 2014 - Media Guide”. FIVB. 2014年12月22日閲覧。
  4. ^ ワールドリーグ出場数を18→28チームに スポニチ(共同) 2013年12月2日
  5. ^ 『月刊バレーボール』2015年1月号 140ページ
  6. ^ 世界21カ国が参加する「バレーボールネーションズリーグ」、2018年から始動”. 日本バレーボール協会. 2017年10月19日閲覧。
  7. ^ 2013年大会の日本は本来プールC上位3カ国に入るが追加出場の形となったため下位扱い

関連項目 編集

外部リンク 編集