フィールド・オブ・ドリームス
『フィールド・オブ・ドリームス』(Field of Dreams)は、1989年公開のアメリカ合衆国の映画。製作会社はユニバーサル・ピクチャーズで、ウイリアム・パトリック・キンセラの小説『シューレス・ジョー』を原作にフィル・アルデン・ロビンソンが監督と脚色を兼任。野球を題材に、60年代をキーワードとして夢や希望、家族の絆といった、アメリカで讃えられる美徳を描き上げたファンタジー映画である。尚、上記の英語名をそのまま発音すると「フィールド・オブ・ドリームズ」となる。
フィールド・オブ・ドリームス | |
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Field of Dreams | |
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監督 | フィル・アルデン・ロビンソン |
脚本 | フィル・アルデン・ロビンソン |
原作 |
ウイリアム・パトリック・キンセラ 『シューレス・ジョー』 |
製作 |
ローレンス・ゴードン チャールズ・ゴードン |
製作総指揮 | ブライアン・E・フランキッシュ |
出演者 |
ケヴィン・コスナー エイミー・マディガン ギャビー・ホフマン レイ・リオッタ ジェームズ・アール・ジョーンズ バート・ランカスター |
音楽 | ジェームズ・ホーナー |
撮影 | ジョン・リンドリー |
編集 | イアン・クラッフォード |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 107分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
興行収入 | $84,431,625[1] |
配給収入 |
11億円[2] ![]() |
特に野球が広く親しまれている国においてヒットし、アメリカでは第62回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、作曲賞にノミネートされた。また日本では、第33回ブルーリボン賞や第14回日本アカデミー賞で最優秀外国語作品賞を受賞。全世界で8つのノミネートを受け5つの受賞を果たしたがそのうち4つは日本の映画賞である。
目次
あらすじ編集
アイオワ州の田舎町に住むレイ・キンセラは農業でなんとか家計をやりくりする、一見普通の貧乏農家。ただ、若い頃に父親と口論の末に家を飛び出し、以来生涯に一度も父の顔を見る事も、口をきく事すらもなかった事を心の隅で悔やんでいる。
ある日の夕方、彼はトウモロコシ畑を歩いているとふと謎の声("If you build it, he will come." = 「それを造れば、彼が来る」)を耳にする。その言葉から強い力を感じ取った彼は家族の支持のもと、周囲の人々があざ笑うのをよそに、何かに取り憑かれたように生活の糧であるトウモロコシ畑を切り開き、小さな野球場を造り上げる。
その後しばらく何も起きなかったが、ある日の晩、娘が夕闇に動く人影を球場に見つける。そこにいたのは“ブラックソックス事件”で球界を永久追放され、失意のうちに生涯を終えた“シューレス”ジョー・ジャクソンだった。
スタッフ編集
- 監督/脚色 - フィル・アルデン・ロビンソン
- 製作総指揮 - ブライアン・E・フランキッシュ
- 製作 - ローレンス・ゴードン/チャールズ・ゴードン
- アソシエイト・プロデューサー - ロイド・レヴィン
- 原作 - ウイリアム・パトリック・キンセラ『シューレス・ジョー』
- 撮影 - ジョン・リンドリー
- 音楽 - ジェームズ・ホーナー
- 編集 - イアン・クラッフォード
- キャスティング・ディレクター - マーガレー・シムキン
- プロダクション・デザイン - デニス・ギャスナー
- 美術 - レスリー・マクドナルド
- 衣装デザイン - リンダ・M・バス
キャスト編集
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
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DVD版 | VHS版 | 日本テレビ版 | ||
レイ・キンセラ | ケビン・コスナー | 津嘉山正種 | ||
アニー・キンセラ | エイミー・マディガン | 小宮和枝 | 一柳みる | 松金よね子 |
シューレス・ジョー・ジャクソン | レイ・リオッタ | 石塚運昇 | 池田秀一 | 菅生隆之 |
テレンス・マン | ジェームズ・アール・ジョーンズ | 加藤正之 | 坂口芳貞 | 小林修 |
ムーンライト・グラハム | バート・ランカスター | 大木民夫 | 鈴木瑞穂 | |
マーク | ティモシー・バスフィールド | 秋元羊介 | 千田光男 | |
アーチー・グラハム | フランク・ホエーリー | 松本保典 | 堀内賢雄 | |
ジョン・キンセラ | ドワイヤー・ブラウン | 大塚芳忠 | 沢木郁也 | 池田秀一 |
カリン・キンセラ | ギャビー・ホフマン | 宝田絢子 | 小島幸子 | |
バック・ウィーヴァー | マイケル・ミルホーン | 福田信昭 | ||
エディ・シーコット | スティーヴ・イースティン | 福田信昭 | 青野武 | |
スウィード・リスバーグ | チャールズ・ホイエス | 若本規夫 | ||
チック・ギャンディル | アート・ラフルー | 郷里大輔 |
- VHS版-東和ビデオ/NHKエンタープライズからNHK VOOKのレーベルで発売されたもの。
- DVD版-90年代に制作された機内上映用の音源を流用
- 日本テレビ版 - 初放送1992年4月17日 『金曜ロードショー』 ※思い出の復刻版DVDに収録
- 演出:蕨南勝之、翻訳:たかしまちせこ、プロデューサー:金井芳広/垂水保貴(日本テレビ)
現在、民放での再放送にはVHS版が流用されている。
エピソード編集
- 映画の撮影は舞台となったアイオワ州北東部、ダビューク西郊の小さな町ダイアーズビルで行われた。劇中に登場する野球場は撮影に際し実際に建造されたものであった。撮影終了後も土地の所有者によって保存され、無料で入場することができ、許可を得れば野球の試合をすることもできた。
- 主人公であるレイ・キンセラ役にはトム・ハンクスも候補に挙がっていたが出演を断られた。
- バート・ランカスターは、1980年頃から度重なる心臓発作と闘い出演が厳しい状態にあった、『フィールド・オブ・ドリームス』の後に3本のテレビドラマへの出演を最後に1994年に逝去。劇場公開用の映画では同作品が遺作となった。尚トウモロコシ畑は最盛期に ヘクト・ランカスタープロで主演したアパッチ(1954)に繋がり最後にチームメイトから感謝され畑に消える場面はまるでランカスター自身の引退セレモニーに見える。[独自研究?]
- テレンス・マンのモデルはJ・D・サリンジャーで、原作では実名で登場する。
- 原作者のキンセラは、本作公開後に日本のバラエティ番組『ギミア・ぶれいく』の企画『日本まるごとHOWマッチ』(『世界まるごとHOWマッチ』の逆バージョンで、海外の著名人が回答者で日本のあらゆる事柄の値段を当てさせるクイズ)に回答者として出演した事がある。
- 日本での配給は当初はUIPだったが、東宝東和に変更された。
- フェンウェイ・パークでの試合のシーンで観客役のエキストラとしてベン・アフレック、マット・デイモンが参加しているが、完成した映画の中では二人が映っているカットは使用されていない。
参考文献編集
- ^ “Field of Dreams”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年4月23日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)494頁