フクジュソウ
フクジュソウ(福寿草、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草。別名、ガンジツソウ(元日草)。毒草である。1月1日の誕生花。
フクジュソウ | |||||||||||||||||||||
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![]() フクジュソウ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Adonis ramosa Franch. | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
Adonis amurensis | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
フクジュソウ(福寿草) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Far East Amur adonis |
特徴編集
日本では北海道から九州にかけて分布し山林に生育する。シノニム(同一種を指す同意語)の種小名である amurensis は「アムール川流域の」という意味。花期は初春であり、3-4cmの黄色い花を咲かせる。当初は茎が伸びず、包に包まれた短い茎の上に花だけがつくが、次第に茎や葉が伸び、いくつかの花を咲かせる。この花は花弁を使って日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引している。その為、太陽光に応じて開閉(日光が当たると開き、日が陰ると閉じる)する。葉は細かく分かれる。夏になると地上部が枯れる。つまり初春に花を咲かせ、夏までに光合成をおこない、それから春までを地下で過ごす、典型的なスプリング・エフェメラルである。
春を告げる花の代表である。そのため元日草(がんじつそう)や朔日草(ついたちそう)の別名を持つ。福寿草という和名もまた新春を祝う意味がある。江戸時代より多数の園芸品種も作られている古典園芸植物で、緋色や緑色の花をつける品種もある。正月にはヤブコウジなどと寄せ植えにした植木鉢が販売される。ただし、フクジュソウは根がよく発達しているため、正月用の小さな化粧鉢にフクジュソウを植えようとすると根を大幅に切りつめる必要があり、開花後に衰弱してしまう。翌年も花を咲かせるためには不格好でもなるべく大きく深い鉢に植えられたフクジュソウを購入するとよい。露地植えでもよく育つ。
また、根には強心作用、利尿作用があり民間薬として使われることがある。しかし、毒性(副作用)も強く素人の利用は死に至る危険な行為である。薬理作用、毒性共にアドニンという成分によるものと考えられているが、他にシマリンやアドニトキシンも検出されていて、特にシマリンには調理残留研究報告[1]も存在する為に、こちらの方が薬毒主体とも考えられる。
花言葉は永久の幸福、思い出、幸福を招く、祝福。
誤食編集
地面から芽を出したばかりの頃は、フキノトウと間違えて誤食しやすい。また、若葉がヨモギの葉に似ている。症状は嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺など。重症の場合死亡する[2]。
- テレビ信州で2007年3月30日放送の「情報ワイドゆうがたGet!」の特集コーナー「春うらら!花の里のんびり散歩!」で、テンプラを紹介し、女性リポーターが毒草と知らず食べてしまったが、幸い事故に至らず。
参考画像編集
花とつぼみ(2009年4月、弟子屈町にて)
脚注編集
- ^ 佐藤正幸・姉帯正樹「有毒植物フクジュソウ調理品中のシマリン残留量」 (pdf) 『北海道立衛生研究所報』第61巻、北海道立衛生研究所、2011年、 15-19頁。
- ^ 羽根田治『新装版・野外毒本:被害実例から知る日本の危険生物』山と渓谷社 2014年、ISBN 9784635500357 p.173.
関連項目編集
外部リンク編集
- 中毒事例報告のある有毒植物-フクジュソウ(東京都福祉保健局)